鬼滅の刃〜炭次郎の姉弟子〜   作:ハマT

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あれ?今の菫って炭次郎に毛が生えたくらいの強さのはず……



第10話嘴平伊之助

(いないよね……)

 

池から顔を出し辺りを見回す菫。崖の下は池だった。そのおかげで助かったものの、もし池じゃなかったら……。

そんな事を考えながら陸に上がり装備を確認する菫。刀は無くしていないし、隊服も羽織りも濡れているものの戦闘に支障はない。

 

(このまま索敵して鬼を探そう……)

 

姿は見えないがマツリは、近くにいるはずだ。なら自分と鬼の戦いの様子を他の皆に伝えてもらえればこちらが有利になる。その為に鬼を探しながら再び山を登り始める菫。それにしてもこの山は、何か異様な感じがする。賭博場の時よりかなり強い嫌な感じ。もしかしたらこの山には鬼が何人もいる。

 

(鬼は群れないはずなのに……)

 

鬼は群れという集団を作らない。それなのにこの山には鬼の集団がいる。鬼の常識を破る。そんな事ができるのは、鬼の始祖『鬼舞辻無惨』くらいだ。

 

(もしかしてここにいるの?!)

 

いや、ありえない。鱗滝によると鬼舞辻無惨との遭遇は戦国時代に一度だけらしい。それなら騒ぎになっている以上、この場所にいないか既に立ち去っている筈だ。

 

「なにこれ?!」

 

そんな事を考えていると妙な物が目に入る。切り株と倒れた大木。切り株や大木の様子からして最近刃物で斬り倒された様だ。更にその近くに地面に血痕がある。しかもまだ乾いていない。

 

(間違いない。近くに誰かいる!!)

 

鬼に食べられたのなら大きな血痕が残る筈だ。だが血痕の跡は小さいし点々と道標のように残っている。血痕の主は、まだ生きている。

血痕を辿り進むとーーいた。猪の被り物をした隊士が蜘蛛の顔をした大男に捕まっている。

 

『空ノ流壱ノ型・春風』

 

直ぐに大男の腕を切り落とし隊士を助ける菫。咳き込んでかなり苦しそうだが息はある。

 

「大丈夫?」

 

「ああ……」

 

 

ーーなんだコイツは

猪の被り物した隊士ーー嘴平伊之助は突然現れた菫に驚愕していた。

自分は、腕を斬るのにさえ一苦労した。だが菫はまるで豆腐でも切るかのようにあっさりと腕を切った。

 

「グガァァァ!!」

 

その叫びで再び意識を菫から大男に向き直す。確かさっきはこの後……

 

「おい!!ソイツを逃がすな!!脱皮して強くなるぞ!!」

 

脱皮され受けた傷を回復し強くなった。それを止めないと更に手がつけられなくなる。

 

『空ノ流参ノ型・秋空』

 

伊之助の言葉を聞き、直ぐに真空波を飛ばして攻撃する菫。真空波が直撃しよろけた大男にそのまま斬りかかる。

 

『水の呼吸参ノ型・流流舞い』

 

多方向からの攻撃で一気に手足を斬り落とす。完全に動けなくなった大男。それにゆっくりと近づくとそのまま頸を斬り落とす。

 

(コイツ……すっげぇぇ!)

 

伊之助の言葉を聞いた後、まるで流れる様に目の前の大男を倒した。自分があれだけ苦戦した相手をだ。

 

「おいお前!!俺と勝負しろ!!」

 

「……は?」

 

「お前はあの十二鬼月に勝った!!なら俺がお前に勝てば俺が最強だ!!」

 

(あ~これ話し合えない人だ)

 

傷だらけで何が勝負だ。十二鬼月を倒した?鬼殺隊最強と言われる柱を倒せるようなやつを自分が倒せる筈がない。

色々とツッコミを入れたいが面倒くさくなりその場を後にしようとする菫。

 

「テメェ!!無視してんじゃねぇよ!!」

 

その菫に攻撃を仕掛ける伊之助。その一撃が当たる瞬間視界が揺らぎ、体が全く動かなくなった。指も動かないし声もかすれ、全く出ない。

 

「キミさ、かなり出血酷いからあんまり動かない方がいいと思うよ」

 

そう言ってその場を、立ち去る菫。伊之助はただその背中を見る事しか出来なかった。

 

(何?この臭い?)

 

伊之助と別れ山を進む菫は、風に流れてきた臭いを感じていた。何かが燃えるような臭い。

すぐに臭いの方向に向かう菫。

 

「あれって……炭次郎?!」

 

そこにいたのは炭次郎だ。地面に倒れ、折れた刀を手にしている。

その満身創痍の炭次郎の周りを、赤黒い糸が取り囲む。

どうやらそのまま炭次郎を斬り刻むつもりの様だ。

 

『水の呼吸肆ノ型・打ち潮』

 

その前にその糸を断ち切る菫。炭次郎の前にいるのは小さな子供の鬼。

どうやらコイツがさっきの糸を操っていた様だ。

 

「菫……どうしてここに……」

 

「大丈夫?後はボクに任せて」




大正こそこそ話
菫は、鬼に対して嫌悪感を持っています。
それはどの鬼に対しても感じますが『菫の家を襲った鬼』と『欠片の同時に鬼』には何も感じませんでした。
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