無限列車編も近くなってきたので、少しだけに関して皆に知っておいて欲しいことがあります。
僕は、菫を万能や作中最強として書くつもりはありません。
菫は、チートを持っているわけでも、原作の知識を持っている訳でもありません。菫ができる事にも限界があります。先に言いますが菫は透き通る世界を会得しません。変わりに別の何かを会得しますが、それでも苦戦はしますし負ける相手には負けます。
累との戦いも糸を切ることが可能なだけで、宇髄の助けが無ければ、頸を落とせずあそこで死んでいました。
僕は、竈門炭治郎立志編をこの作品では空野菫イキリ編と呼んでます。
現在の菫は少し調子に乗ってます。
第13話柱合会議
鬼殺隊の最高戦力と言われる柱。厳しい条件を達成し、実力を認められた者だけがなる事のできる存在。彼らは半年に一度、柱合会議と言われる会議に参加し近況やこれからの方針を話し合うのだが……
「よもやよもや、柱合会議の前に裁判を行う事になるなんてな!!」
「鬼を連れていたという隊士と、隊律違反を犯した宇髄さんの事ですね」
(煉獄さん今日も声が大きいわ……素敵!!)
桜色の髪をした女性ーー恋柱、甘露寺蜜璃と燃えるような色の髪をした男性ーー炎柱、煉獄杏寿郎がそんな事を話しながら鬼殺隊の本部である産屋敷亭に向かっていた。
先日の那田蜘蛛山での一件で起きた竈門炭治郎と音柱、宇髄天元の隊立違反。今回の柱合会議の前にその事についての裁判が行われる事となっていた。
「うむ……あれは」
「南無阿弥陀仏……南無阿弥陀仏……」
二人が産屋敷亭につくと数珠を付けた大男ーー岩柱、悲鳴嶼行冥が涙を流しながら念仏を唱えていた。その横には小さな子供ーー霜柱、時透無一郎もいる。
「時透君に、悲鳴嶼さんお久しぶりです」
「煉獄さんに甘露寺さん、お久しぶりです。宇髄さん達は一緒じゃないんですね?」
「うむ……まだ見てないな」
「ここにいますよ」
蝶の髪飾りをつけた女性ーー蟲柱、胡蝶しのぶが派手な男ーー音柱、宇髄天元を連れてやってくる。宇髄の肩には手首を縛られた隊士が担がれている。
「しのぶちゃんに宇髄さん!!じゃあこの子が」
「ああ、鬼を連れてた隊士だ」
そう言って宇髄が地面にその隊士を降ろす。意識のないその隊士に皆少し疑問を持つが、現場にいた二人が連れてきたからには本物だろうとその疑問を排除する。
「これはどういう事だ?」
「冨岡。伝令を聞いていなかったのか?」
その場に遅れてきた黒髪の男性ーー水柱、冨岡義勇の言葉をいつの間にか木の上にいた蛇を首に巻いた男ーー蛇柱、伊黒小芭内が指摘する。
「それに何故宇髄を拘束しない?」
それだけに飽き足らず宇髄を拘束していないことにネチネチと文句を言い始める伊黒。
「……俺が言っているのは、でん」
「おい……かなり面白い事になってるなぁ」
傷だらけの男ーー風柱、不死川実弥が禰豆子の入った箱を持ってやって来る。
「不死川さん…勝手な事をしないで下さい」
その様子を見たしのぶが、少し怒りを込めた声で不死川に声をかける。だが不死川は、それに反応する事なく刀を抜くとそのまま箱を突き刺す。
「鬼が人を襲わない?人を守れる?そんなわけねぇだろうが」
持っていた箱を隊士の目の前に放り投げ、その隊士の髪を掴む。
「おいテメェいつまで寝てるつもりだよ」
ペチペチと顔を叩くも目を覚ます様子はない。
「これ、お館様が来る前に起こさないと駄目だよね」
無一郎の言う通り、お館様が来る前に起こさなければ醜態をさらす事になるかも知れない。皆急いで起こそうとするが……
「お館様様のお成りです」
遅かった。屋敷の奥から小さな子供の助けを借りながら歩いてくる男性ーー産屋敷耀哉の姿を見た柱達は、すぐに膝まつく。
「……今日は、炭治郎と禰豆子の事を皆に話すつもりだったんだけど……肝心の炭治郎がいないね」
「お館様。お言葉ですが竈門炭治郎は、ここに……」
「そいつは竈門炭治郎じゃ」
「その子は空野菫だよ」
耀哉のその言葉を聞いたみんなが宇髄としのぶに目をやる。
「宇髄さんが『女の男みたいな名前をつけるのはド派手』って言いましたし……それに特徴に一致する隊士は彼女だけでしたし……」
「胡蝶の言う通りだ。他にも傷のある隊士はいたが市松模様の羽織は着てなかったぞ」
「……と言うか誰も疑問に思わなかったんだな」
冨岡の言葉に皆一斉に固まる。禰豆子と菫の共闘を確認したのは、宇髄だけ。その宇髄の言葉をそのまま信じたしのぶ。そして二人の話を疑わず受け入れた柱達。下手をすればかなりの失態だ。
「てか富岡!!意見があるなら先にいえよ!!」
「俺は何度も話そうとしたぞ」
「そんな事よりこの鬼の始末は、どうするつもりでしょうか?」
不死川が禰豆子をどうするかの話題へ切り替えようとする。
それに対して耀哉は一枚の手紙を取り出し子供に中身を読ませる。
差出人は鱗滝。手紙には禰豆子が2年ものあいだ人を襲っていない事と、もし禰豆子が人を襲えば鱗滝、炭治郎、冨岡、菫が腹を切って詫びると書かれていた。
「私はね皆にも竈門禰豆子を認めて欲しいと思っているんだ」
「私はお館様に従います」
「僕はどっちでも……どうせ忘れるから」
「敬愛するお館様のお考えではあるが、理解出来ない。断固反対する!!」
「信用しないし信じない。鬼は嫌いだ」
耀哉の言葉に反応したのは、甘露寺、無一郎、煉獄、伊黒の四人。他は無言だ。
「お館様。少し失礼します!!」
そう告げると不死川は禰豆子の箱を持ち屋敷の中へ飛び込んでいく。
「死にたい奴は勝手に死ねばいい!!鬼と人が仲良くするなんてありえねぇんだよ!!」
そう言うと不死川は、自身の腕を切り、そこから流れてくる血を箱にたらし込む。
「オラ!!鬼……餌の時間だ!!」
箱の蓋を強引に開けるとそこから眉間にシワを寄せた禰豆子が出てくる。
傷を負ったり、鬼になったばかりの鬼は飢餓状態と呼ばれ本能のままに人を襲う。
不死川は、それを利用して禰豆子に自身を襲わせ始末するつもりだ。
他の皆も固唾を呑んで見守っている。禰豆子の荒い息遣いだけが聞こえるなか突然、誰かの腹の虫が辺りに鳴り響く。それを合図にしたかのように禰豆子は不死川から目線をそらし箱の中へと戻っていく。
「な?!」
「どうしたんだい?」
「鬼の女の子は、不死川様の血を見ても襲わずそっぽを向きました」
「なるほど……これで結論は出たね?さて二人の処遇だが……」
「それなら私の所で預かります」
そう言って合図をするしのぶ。それに合わせて二人の隠が禰豆子と菫を回収するために屋敷へと入ってくる。
「そうだ……竈門炭治郎を連れてきてくれるかい?彼は鬼舞辻無惨と遭遇しているからね」
その言葉に驚愕の表情を浮かべる柱達。それに他所に二人を連れ屋敷からそそくさと出ていく隠。
その空間に再び腹の虫鳴り響いた。
大正こそこそ話
今回腹を鳴らしたのは菫です。本来はあのタイミングで目を覚ますつもりでしたが書いていた時「これ起きる必要なくね?」と考えそのままにしました。