鬼滅の刃〜炭次郎の姉弟子〜   作:ハマT

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とある鬼の設定が纏まらない……


第2話ボクに足りないもの

 

 

 育手と呼ばれる者達がいる。彼等は鬼殺隊に入り、鬼と戦う為の隊士を育てる役割をになっている。鬼殺隊に入る為の試験である最終選別も多少の例外があるものの、基本的に育手が参加を許可する事によって受ける事が出来る。

 

「なんでまだ許可出してくれないのかなぁ〜」

 

狭霧山で菫は一人ため息をついていた。鱗滝の元に来てから二年。普通なら最終選別への参加許可を出されてもいい頃だが全然出る気配がない。その上、鱗滝は炭次郎に型を教え始めた為、これ以上の本格的な教えを受けられないでいた。

 

「もういっそ勝手に参加しようかなぁ〜」

 

「流石にそれはやめといた方がいいんじゃない?」

 

ふと声が聞こえ振り返ると花柄の着物を着た一人の少女がいた。見た目からして菫より年下だろう。

 

「あなたが最終選別に行けないのはね、足りないものがあるからだよ」

 

「足りないもの………それって速さ?」

 

「そう、速さが足りない……て違うよ!!」 

 

「じゃあ何なの?」

 

少女は、その言葉にニコリと笑うと木刀を構える。どうやら打ち合って教えるつもりのようだ。その意図を察して構える菫。それと同時に少女が距離を詰めてくる。それをかわさず受け止めようとする。

 

ーーたった一度打ち合っただけ、それなのに握っていたはずの菫の木刀は遠くに飛ばされ目の前には少女の木刀があった。

 

「あなたに足りないのは技術。力の載せ方が下手なんだよ」

 

「力の載せ方……」

 

「うん、力の載せ方次第では岩も切ることが出来るんだよ。でも今のあなたは木を切る事も出来ない」

 

恐らく少女の力は菫より弱い。それを力の載せ方一つで覆し刀を弾き飛ばした。その事実を認知すればするほど体中が震える。

 

「大丈夫諦めなければ……」

 

「お願いします!!ボクに技術を教えて下さい!!」

 

ゆっくりとその場を後にしようとする少女に向かって土下座する菫。その姿に少し引きつった笑みを浮かべていた。

 

 

その少女ーー真菰から告げられた鍛錬の内容は単純なもののだった。それは真菰の指定する形の木刀を作るということ。使うのは刀一本だけで職人が使うような工具は使用禁止。

何度も作ればそのうち慣れるはずだが、そんなに甘くはない。指定される木刀は、毎回違う上に刀の素振りと真菰との手合わせでヘトヘトになった状態で行われている。その為何度も手元が狂う。

 

初めてまともな木刀ができたのは鍛錬開始から半年がたった頃だった。

 

何処かの屋敷

縁側に二人の男が座り盃を交わしていた。大柄な男と少し痩せた男だ。

 

「翼の鬼……本当にそんなのがいるのかい?」

 

「さぁな、だが無惨に立ち向かった鬼がいた。そうじゃなきゃあんな呪いは作らねぇだろ?」

 

「確かにそうだねでも……」

 

「お館様の心配もごもっともだが歴史は変わる。いつかの時代……鬼と人が共存するそんな時があってもいいじゃねぇか」

 

 

「岩を切ったぁ?!」

 

それから更に半年がたった頃。菫は、炭次郎から岩切ったと報告を受け驚いていた。半年程前に炭次郎は、鱗滝から『岩を切れば最終選別に行くのを許可する』と言われており、先日その課題を達成したらしい。

 

「そういえば菫って何でここにいるの?」

 

「何でって…鬼殺隊に入る為……」

 

「あ、そうじゃなくて……」

 

 

 

「真菰!!」

 

「ど、どうしたの?!」

 

血相を抱えていつもの広場に駆け込んでくる菫。焦っているというより何かに怒っているような感じだ。

 

「鱗滝さん一年も前に許可出してた!!」

 

炭次郎によると鱗滝は炭次郎を迎えに行く際に、許可を出していたらしい。それを菫は、『弟弟子が出来る』と浮かれて聞き逃していた。

 

「じゃあ、行くの?最終選別」

 

「行かない……この鍛錬を途中で投げ出すつもりはないからね」

 

そう言っていつもの様に木刀を構えると同時にそれに気付く。

真菰の持つ刀。普段使う木刀ではなく真剣になっている。

 

「え?真剣……何で……」

 

菫の問いかけに答えず切りかかってくる真菰。それも本気で。

何度も打ち合ったから分かる。真菰の本気をかわすのは今の菫には無理、かといって正面から受け止めれば木刀ごと一刀両断される。ならば……

 

(横から叩いて軌道を変える!!)

 

刀は、横からの力に弱い。上手く行けば軌道を変えるどころか折ることもできるかもしれない。

集中し眼前に迫る刀に向けて攻撃する菫。直前で狙いに気付いた真菰が刀の向きを変え、正面から当てに来る。木刀と刀がぶつかった瞬間、甲高い音が辺りに鳴り響く。

 

ーーそれと同時に真菰の真剣は真っ二つに折れていた。

 

しかし菫にはそれよりも先程の感覚に意識を取られていた。

まるで木刀と自分が一つになった感覚。これが正確に力を乗せる時の感覚なのかもしれない。

 

「やった……出来たよ!!真菰!!」

 

笑顔で目の前にいるはずの真菰を見るもそこには、折れた刀と狐のお面があるだけだった。

 





大正こそこそ話

真菰が菫に教えたのは、刀を折らない乗せ方とは別です。ちゃんと会得すればしのぶさんも鬼の頸を切れますが会得にはかなり時間が掛かります。菫が一年程で会得できたのは、小さい頃から刀を握っていたというアドバンテージがあったからです。
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