鬼滅の刃〜炭次郎の姉弟子〜   作:ハマT

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今更ながら菫のプロフィールを

名前:空野菫

誕生日:5月23日

年齢:16歳

身長・体重:160センチ45キロ

出身地:香川県大川郡志度町(さぬき市志度)

趣味:日向ぼっこ、食べ歩き

好きなもの:羊羹、みたらし団子


第4話日輪刀

 

拝啓鱗滝様

 

私は近々、特別任務として刀鍛冶の里に常駐する事となりました。その前に直接近況をお伝えするつもりでしたが、急用が入り叶いませんでした。

今回筆をとったのは空野菫という少女についてです。彼女の鍛錬を見ましたが、普通の木刀の扱いに慣れていないみたいでした。もしかしたらあなたなら彼女を正しく導けるかも知れないと思いこの手紙を出した次第です。

次の休暇の際には今度こそ直接お会いしたいです。

 

あなたの弟子より

 

 

 

「大丈夫?菫」

 

菫は、炭次郎に支えられながら最初の集合場所に向かっていた。藤の花に対するアレルギーで足元がおぼつかないながらも、何処かその表情は誇らしげだ。それもそうだろう、7日に及ぶ過酷な最終選別を生き残ったのだから。

 

「見えてきたぞ」

 

山の縁に暁の光が差し込む頃、やっとの思いでたどり着いた二人。辺りを見回すと菫と炭次郎を含め、5人の人影が見える。どうやらこの5人が最終選別の生き残りのようだ。

 

(あれだけいてたったこれだけ?!)

 

二十人程いたはずの参加者の殆どが、最終選別を突破出来なかった。それに生き残った皆がボロボロだ。この状況を見ればいかに、最終選別が過酷だったかが丸分かりだ。

 

「お帰りなさいませ」

 

「おめでとうございます」

 

最初と同じように二人の子供が現れ、鬼殺隊での階級や隊服についての説明を始める。

 

「皆様には連絡用の鎹烏をつけさせていただきます」

 

その言葉と同時に生き残った皆の肩に烏が乗る。それと同時だった。

 

「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!!さっさと刀をよこせ!!色変わりの刀、日輪刀を!!」

 

顔に傷のある男が鎹烏を乱暴に投げるとそのまま子供に掴みかかる。

 

「これから皆様には玉鋼を選んで貰います。その後10日から15 日程で出来上がります」

 

「そんなことはどうでもいいんだよ!!」

 

説明を無視して刀をせがむ男。すぐに止めさせようと炭次郎が一歩歩みだした時だった。

 

「ねぇ……何を焦ってるの?」

 

「アァ?!」

 

菫だ。フラフラながらもその男に向かって一人で歩いていく。

 

「君さ、結構ボロボロだしその状態で任務に出たらあっさり死ぬよ。だからさ刀が来るまで体を休めたら?」

 

菫の言葉に言い返そうと睨みつけた瞬間、ある事に気付く。

ーー多少服が汚れているものの全く怪我がない。

他の皆と比べて見ると怪我をしてないのは、菫をたった二人だけ。それだけでその二人と自分とは格が違う事がハッキリと分かる、のだか……

 

「ヤバい……吐く……」

 

青い顔をして茂みに向かう菫。その姿を見て完全にやる気が削がれたその男は、舌打ちをしつつその子供達から離れていった。

 

 

最終選別から十五日程たった頃、菫は一人で近くの町にある呉服屋に来ていた。

 

「こんにちは〜頼んだもの出来てる?」

 

「あ、菫ちゃん!!勿論できてるよ」

 

そう言って店員が持ってきたのは、2着の羽織りだ。2枚とも左右の組み合わせは違うものの、黒地に花柄の模様のある布と、紫の生地に菫の花の刺繍がある布を組み合わせている。

黒地の方は真菰、紫の生地は菫が着ていた着物だ。最終選別から戻ってすぐに真菰と特訓した場所にやってきた菫。そこに置かれていたのが真菰の着物だった。菫はその着物と、自分の着ていた着物を合わせた半々羽織を作り鬼殺隊の上から羽織るつもりだ。

 

「ありがとうございます。これお代……」

 

「あ、いいのよ。鱗滝さんには色々とお世話になってるからね」

 

どうやらこの町の人の殆どが鱗滝に助けられているらしく、鱗滝の紹介と言うだけでかなり贔屓してくれる。それに鬼に対しての対策もされており、藤襲山程では無いものの至るところから藤の花の匂いがしてくる。

 

(早く帰ろう)

 

少量とはいえ藤の花の匂いがするため、やはり気分が悪い菫。早くこの場から離れようと駆け足になる。

 

「ただいま!!ってあれ?」

 

鱗滝の所に戻ってくると炭次郎がひょっとこの面をした男に関節技を決められていた。

 

「おお、帰ったか菫」

 

「鱗滝さん……これは……」

 

「お前達の日輪刀が出来て、今届いた所だ」

 

鱗滝がそう告げると炭次郎に関節技を決めているひょっとこーー名前は鋼塚というらしい、とは別のひょっとこが菫の前にやってくる。

 

「俺は、鉄角。お前の刀を打った者だ……殺すぞ」

 

「はい?!」

 

「気にするな。それはそいつの口癖だ」

 

いきなりとんでもない事を言われ驚く菫にフォローを入れる鋼塚。とりあえずその言葉に納得し刀を受け取る。

鞘に収まってるからなのか、鍔に当たる部分は見当たらない。とりあえず抜いて見ると他の刀と全然違う。

鍔の部分はなく、峰に当たる部分も刃が付いている。刀身こそ同じだが、刀の細さもかなり細い。炭次郎の刀の半分くらいしかない。

 

「手紙を受け取ってな。それで少しお前の事を調べ儂がこの形にしてもらう様にした。それよりもう少し強く握ってみろ」

 

ーーそうすれば刀の色が変わるはずだ。

その言葉の通り日輪刀は、使用者がどの呼吸に適正を持っているかによってその色を変える。ただ握るだけでは駄目で、ある程度の鍛錬を積んでいなければならない。

本来水の呼吸の適正は、水色だか炭次郎の刀の色は黒。黒はどの呼吸に適正があるかわからない為、かなり不吉な色らしい。

 

(黒だけは違いますように!!)

 

そんな事を祈りながら刀の色が変わるのを待つ。5分、いや10分は、たっただろうか、それでも菫の刀の色は変わらなかった。

 

「え?!なんで……」

 

「……刀の色が変わらないのは、鍛錬が足りぬか才能が無い者だ……殺すぞ」

 

菫は剣術道場で10年、鱗滝の下で3年ものあいだ鍛錬を積んできた。ということは菫に才能が無いということとなる。

 

「カァァァ!!空野菫!!南東ノ町ヘ行ケ!!ソコニハ鬼ガ潜ン出ルトノ噂アリ!!ソレヲ見ツケダシ滅セヨ!!」

 

落ち込む菫に鎹烏を通して指令が入る。鬼殺隊としての初任務だ。

 

「菫は南東か、俺は北西だから反対だな」

 

準備をしていた炭次郎に声をかけられ、慌てて準備を始める菫。急いで準備を行った為か、終わったのは先に準備をしていた炭次郎とほぼ同時だった。

 

 

南東の町

ろうそくの灯りのみが照らす暗闇の中で一人の男が縛られ寝転がされていた。

 

「おい!!これはどう言うことだよ!!話が違うじゃねぇか!!」

 

騒ぎたてるその男の背後で影が揺らぐ。それと同時に何もないはずの場所から人影がれ……

 

ーーグシャリ

 

その音と同時に辺りに血が飛び散り、男の声が完全に消え去った。





大正こそこそ話

菫の日輪刀は、両刃の日輪刀と呼ばれています。普通の刀と特性が違う為、鬼殺隊の柱でさえ性能を完璧に引き出せません。
菫の道場には、この形の木刀が多く置かれていた為鱗滝は両刃の日輪刀を打ってもらうように依頼しました。
因みに刀が細いのは軽量化です。
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