この小説をキチンと完結させることが、今年の目標です。
「うーん……」
その日、佐藤和真はギルドの依頼掲示板の前で唸っていた。
依頼:雪祭りの準備
内容:フートの都で開かれる雪祭りの準備をお願いします。仕事内容はテント設営、機材運び、その他諸々。
報酬:五万エリス、雪祭りの屋台で使える無料券
「ダメだな」
そう言って別の依頼書に目を移す。
依頼:雪下ろし、雪かきの手伝い
内容:雪が降り積もり生活が不便です。一人ではとても出来ないので、手伝ってくれる方を募集します。
報酬:一万エリス、その他お菓子など
「論外」
依頼書から視線を外して別の物に向ける。そんなことを繰り返し続けて、とうとう掲示板の貼紙全てを読み終えた。
「やっぱり……これしかないのか……?」
盛大に溜息を吐きながら、カズマは掲示板から一枚の依頼書を手に取った。
それを持って隣の飲食スペースに移動すると、テーブルに座る四人の仲間の元へ向かう。
「カズマさん、なんか良さそうな依頼あった?」
「まぁな……」
「いやに暗いですね?」
露骨に嫌そうな顔をしている上に、声のトーンが妙に暗いカズマを見て、めぐみんが疑問符を浮かべる。
それに答えるように、カズマは持ってきた依頼書をテーブルの中央に置いた。四人が内容を読むために顔を寄せると、三人は苦い表情を浮かべ、一人は特に表情を変えなかった。
依頼:雪精を持ってきてください
内容:子供が流行病を拗らせて熱が下がりません。少しでも体を冷やすために雪精を最低でも一匹持ってきてください。
報酬:五十万エリス
「「「あー……」」」
納得したようにアクア、めぐみん、ダクネスの三人が声を漏らす。
「他になかったの?」
「他は雪かきの手伝いみたいな安い仕事か、機動要塞デストロイヤーだっけか? それの進路偵察みたいな訳の分からない仕事ばっかだ」
がっくりと肩を落としながら、カズマは再び溜息を吐く。
「雪精って、そんなに危険なモンスターなのか?」
先ほどから一人だけ会話について行けず、置いてけぼりをくらっていた千翼は、件の「雪精」なるモンスターについて尋ねる。
「いや、雪精自体は全くの無害だ。ただ……」
「そいつらの親玉がヤバいんだよ……」
雪精とは、冬になると現れるモンスターで、見た目は小さな白い綿毛に目が付いたような姿をしている。
一匹につき十万エリスもの討伐報酬が貰え。また、このモンスターを倒すごとに冬が半日短くなると言われているらしい。
そして雪精たちの親玉、その名は冬将軍。
もとは姿形を持たない冬の精霊だったが、何者かの強いイメージを受けて鎧武者の姿を得たモンスターである。
高額賞金を懸けられる程の強敵であり。この親玉の存在が、無害な雪精の討伐報酬が高額である理由であった。
「正直言ってあいつには二度と会いたくないんだよな……」
そう言うと顔を青ざめながら、カズマは自分の首をさすって身震いする。
なるほど、とこの依頼に乗り気でない理由に千翼は納得した。
「んで、どうする? 俺はこの依頼を受けるかまだ迷っているから、意見を聞きたいんだが」
「賛成! 今度こそたくさん捕まえて、各種飲料用の冷蔵庫を作るわ!」
間髪入れずにアクアは勢いよく挙手し、賛成を叫んだ。
「私は反対ですね。さすがにもう、あの光景はちょっと……」
「どちらかと言えば私は反対……かな? 冬将軍と再び相まみえるのは興奮するが、また肝を冷やすような思いはもうしたくない」
賛成が一人、反対が二人となり。残るは千翼の意見となる。
「千翼はどうだ?」
当の千翼は、依頼書をじっと見ていた。
先ほどから同じところを繰り返し読んでいるらしく、瞳が一直線に左から右に、そしてまた左からと往復している。
やがて何かを決意したのか、真っ直ぐカズマを見つめる。
「やろう。その冬将軍ってやつの相手は俺がする。それに……」
「それに?」
「きっと依頼主の子供は、今もすごく苦しんでいると思う。それを俺がなんとか出来るなら、そうしたいんだ」
その言葉にカズマは意外そうな顔をして、次に頬を掻きながら小さく息を吐く。
「……そう言われちゃ、受けない訳にはいかないよな」
「そうですね、確かに冬将軍は怖いです。でも、ここで引き下がったら冒険者の……いえ、紅魔族の名折れです!」
「自分が人々を守る
身をくねらせて一人で盛り上がっているダクネスの脳天に、カズマが軽いチョップを入れて強制終了させる。
あふん! と妙に艶っぽい声を漏らし、頬を上気させながらダクネスは身を落ち着かせた。
「そうよそうよ! 雪精は冬にしか現れないんだから、このチャンスを逃したら夏にキンキンに冷えたシュワシュワが飲めないわ!」
「お前も少しは千翼の殊勝さを見習え!!」
一人だけ見当違いな方向にやる気を出しているアクアの頭を、カズマは全力で引っ叩いた。ギルド内に快音が響き渡る。
「それじゃあ屋敷に戻って準備をしてきてくれ。俺は受注手続きをしてくるから」
ここで一旦解散となり、あとで町の出入り口で集合することとなった。
千翼、めぐみん、ダクネス。頭にたんこぶを作って、最後まで恨みがましい視線を向けていたアクアを見送ると、カズマはクエストを受注するためにカウンターへ向かう。
――それにしても、さっきの千翼。
ギルドの係員が手続きを行っている間、カズマは先ほどの光景を思い返していた。
――まるでテレビに出てくるヒーローみたいだったな。
手続きが終わってギルドを後にし、カズマは町の出入り口へ歩き出す。
「俺にはあんな真似、絶対無理だな」
口から白い靄を漏らしながらそう言って、自嘲的な笑みを浮かべた。
◆◆◆
アクセルから少し離れた雪が降り積もった森で、防寒具を身に付けた四人の男女が、曇り空の下で必死に網を振り回していた。
「めぐみん、そっち行ったぞ!」
「任せてくださ……ああ、また逃げられた!」
「ええい、大剣と違って軽すぎるから思うように扱えん……!」
「こらー! 大人しく捕まって冷蔵庫になりなさーい!」
彼らは宙を漂う白い綿毛目がけて網を振り下ろす。が、綿毛はヒラリヒラリと紙一重で網を躱し、猛烈な速さで逃げ回る。
夏休みに虫取りに興じる子供のような四人を、ドライバーを巻いた千翼は少し離れた位置から、どこか複雑そうな顔で見ていた。
合流後の作戦会議の結果、今回はあくまでも雪精の捕獲が目的であること。千翼は冬将軍に備えて待機し、残る四人は雪精捕獲に専念する。
もし冬将軍が現れたら千翼が応戦し、足止めしている間にカズマ達は撤退。隙を見て千翼も離脱し、アクセルまで逃げる。ということになった。
防寒で着用している母のストールを掛け直し、冬将軍はもちろんだが、他にモンスターが見当たらないか千翼は警戒する。
「どぉりゃぁ!!」
気迫と共にカズマが全力で網を振り下ろし、宙を漂う雪精を捕らえた。
そのまま逃さぬよう網を地面に押しつけ、腰に下げた小瓶を手にすると素早く雪精を中に入れて栓をする。
「ゲットォ!!」
苦労の末にようやく捕獲した雪精入りの瓶を、カズマは高々と掲げた。
それを見た網を持つ三人は、その場で立ち止まって荒く呼吸する。
「こ、これでクエスト完了ですね……」
「依頼主も待ちわびているだろうし、早く届けよう……。本当に大変だった……」
「いやー、本当に何事も無くて良かったわ。あ、ゲームだとこういう時にボスが出てくるわよね」
その不吉な言葉にカズマの表情が凍り付く。そんなことはお構いなしに、アクアは何とも呑気に言葉を続けた。
「お目当てのアイテムをゲットしたら、それを守るメチャクチャ強い番人が……」
「ばっ、そういうのはフラ……!」
カズマが言い終わらないうちに、ガチャリと、重苦しい音が冬の森に響く。五人は一斉に同じ方向に顔を向けた。
そこには鎧兜を被り、腰に刀を下げた全身白一色の鎧武者が、総面越しにカズマ達を睨んでいた。千翼を除いた四人の顔が一瞬で真っ青になる。
「総員撤退! 千翼、頼む!!」
その姿を見るや否やカズマは撤退を叫び、真っ先に逃げ出した。
「あ、カズマさん置いてかないでー!!」
突然逃げたカズマに呆気にとられ、アクアは一瞬遅れてから慌ててその後を追う。
「ダクネス、逃げますよ! もしこの期に及んで冬将軍と戦いたい。なんて言ったら殴ってでも……いえ、好きにしてください。その代わり何があっても知りませんので。それでは」
「お、お前は私をなんだと思っているんだ! 作戦通り逃げるに決まっているだろ!」
めぐみんは隣に立つダクネスに声をかけてから逃げ出し、ダクネスはほんの一瞬だけ、名残惜しそうな顔をしてから同じく逃げ出す。
四人が離れたことを確認してから、千翼は改めて冬将軍と向き合った。
未だに襲いかかってくるような様子は見られず、むしろ千翼の準備が終わるのを待っているようにすら見える。
ストールをしっかりと巻き直すと、相手から視線を逸らさず、千翼はゆっくりと上着のポケットからインジェクターを取り出す。それをドライバーのソケットに挿入し、静かに持ち上げた。
手の平でじわりとインジェクターのピストンを押し込む。黄色いゲルがドライバーへ充填された。
『NE・O』
心臓の鼓動さえ聞こえそうな静寂の中で、液体を呑み込む音が響く。
やがて、音が止んだ。
「アマゾン!!」
千翼の体が赤い爆炎に包まれ、足下の雪が湯気を上げながら溶けてゆく。
爆炎が収まると青い異形、アマゾンネオが姿を現した。
『BLADE LOADING』
アマゾンネオはもう一度インジェクターを押し込み、右手に剣を展開する。
すると冬将軍は刀の鯉口を親指で押し上げ、抜刀した。白い刃が姿を現し、それを八相で構える。
冬の森で青い異形の戦士と、白い氷の武者が対峙する。互いに睨み合ったまま微動だにせず、物音一つ立てない。
耳が痛くなるほどの静寂が辺りを満たし、時折吹く風の音だけが聞こえていた。
そして、その沈黙がついに破られる。
ネオはブレードのグリップをしっかりと握り締めると、地面を蹴って一気に冬将軍に肉迫する。
「ハァッ!」
そのまま勢いを乗せて銀色の刃を振るうと、甲高い澄んだ音が冬の空に木霊した。
ネオの一撃を刀で受け止めた冬将軍は、そのまま鍔迫り合いに持ち込み、相手を押し切ろうとする。
対するネオも踏ん張り、ブレードを全力で押し込む。互いに一歩も譲らず、膠着状態が続いた。
――みんな、少しでも遠くに逃げてくれ。
ふと、千翼の脳裏を掠めたのは、今も全力で逃げ続けているであろうカズマ達。
自分がこうして足止めしている限り、彼らは安全である。ならばほんの僅かにでも時間を稼いで、彼らの手助けをしなければ。
そう思うと、不思議と力が湧いてきた。しかし、それは次の瞬間に呆気なく崩される。
冬将軍は一瞬だけ体を引いた。相手を押し切ろうとしていたアマゾンネオの体勢が、僅かに崩れた。
その瞬間を逃さず鎧武者は、反動を付けて体当たりをぶつける。青い異形が大きく吹き飛ばされた。
「ぐっ……!」
雪を撒き散らしながら地面を転がり、ようやく止まったところで慌てて起き上がる。冬将軍はすでに目前に迫っていた。反射的にブレードを構え、追い討ちに備える。
そして冬将軍は――ネオを無視して通り過ぎた。
「!?」
追い討ちをかける絶好のチャンスを捨てて、冬将軍は滑るように何処へと去って行く。
相手の不可解な行動に困惑しながら、ふと、千翼は足下を見た。
先ほど冬将軍が通った後には氷の道が出来ていた。恐らくこれを使って、文字通り滑りながら移動したのだろう。
では、どこへ向かったのか?
氷の足跡の横には、同じ方向を向いているいくつもの足跡がある。千翼は大急ぎで後を追った。
◆◆◆
氷の鎧武者の姿を見て、手筈通りに逃げ出したカズマ達。
脇目も振らず、アクセルの町を目指してひた走る。
「見えてきたぁ!!」
一体どれだけ走り続けたのだろうか。ようやく丘の向こうに町の影が見えると、たまらずカズマは叫んだ。
あと少し、あと少しでゴールだ。さすがの冬将軍もここまでは追ってこないだろう。少年の心に希望が生まれる。
「カズマ!! 後ろ!!」
そしてそれは、薄氷のごとく呆気なく砕け散った。
自分よりもかなり後ろを走るめぐみんの叫びに、疑問符を浮かべながら振り返る。
振り返った先には、めぐみんとダクネス。そしてアクアを無視して、滑りながら真っ直ぐ自分に向かってくる鎧武者の姿が。上気して赤くなっていたカズマの顔が、再び真っ青に染まった。
冬将軍が手をかざすと、その周りに鋭い氷柱が展開される。手を突き出すと、氷柱が勢いよくカズマ目がけて撃ち出された。
「あれか!? 俺が雪精持ってるからか!?」
後ろから飛んできた氷の刃を、まるで見えているかのように、カズマは紙一重で次々と躱す。
何発かは避けきれず頬や指先を掠めて小さな傷を負うが、辛うじて致命傷だけは避けていた。
が、飛んできた一本の氷柱を回避するために身を捻ったところ、体勢が崩れて足がもつれ、盛大に躓いた。
ごろごろと雪原を勢いよく転がり、顔を何度も雪に打ち付けながらようやく止まる。
目を回しながらもなんとか顔を上げると、急に暗くなった。
反射的に後ろを向くと、そこには刀を突き立てようと振り上げた冬将軍の姿が。
「おわあああぁぁぁ!?」
右、左と冬将軍が刀を突き立て。右、左とカズマが首を振ってそれを躱す。
三度目を振り下ろす前にカズマは喉元を踏みつけられ、頭が動かせなくなった。そして、動けないカズマの顔目がけてゆっくりと刀が持ち上げられる。
「「「カズマあああぁぁぁ!!」」」
「お助けえええぇぇぇ!!!」
四人の叫びが曇天の空に木霊する。この距離ではアクア達の助けは間に合わない、踏みつけられ身動きが取れないカズマはどうすることも出来ない。
このまま刀が振り下ろされ、白い刃が頭を貫く。目を覆いたくなるような光景がカズマ達の脳裏に過った時だった。
三人の少女の間を、紐の付いた何かが凄まじい勢いで通り過ぎた。
それはワイヤーが付いたフックだった。今まさに刀を突き立てようとしている鎧武者の片腕に絡み付くと、猛烈な力でワイヤーが引かれる。
驚いたアクア達がワイヤーの根元を視線で辿ると、丘の上に青い戦士が、右腕を突き出して立っていた。
「「「チヒロ!!」」」
アマゾンネオは左手でワイヤーを掴むと、まるで一本背負いでもするかのように、体の捻りを加えて全力でワイヤーを引っ張った。
腕を絡め取られた冬将軍は、猛烈な勢いでカズマから引き離され、宙を舞う。
しかし、動かせるもう片方の手に刀を持つと、ワイヤーを素早く斬った。
自由になった冬将軍が空中で体勢を立て直すと、雪を盛大に巻き上げ、重苦しい金属音を響かせながら丘の上に着地する。そして、アマゾンネオを睨んだ。総面の口から白い息が吐き出される。
アマゾンネオはブレードが生えた右手を後ろに引いた。対する冬将軍は刀を鞘に収め、居合いの姿勢を取った。
再び睨み合いとなり、両者は一歩も動かない。空気が張り詰め、カズマ達は固唾を飲んで勝負の行く末を見守る。
丘の上に一陣の風が吹いた。
青い異形と白い鎧武者が同時に雪を蹴って駆け出す。互いに一直線に走り、真っ直ぐ相手を見据えていた。
そして、二つの影が交差する瞬間、二つの刃が振るわれた。澄んだ音が響き渡る。
両者は相手に背中を向けたまま、得物を振り切った姿勢で俯いていた。
すると、アマゾンネオが片膝を付き、左手で右肩を押さえる。
次の瞬間には冬の寒さを上回る冷気を放ちながら変身が解かれ、千翼の姿に戻った。押さえられた右肩からは、赤い血が止めどなく溢れ出ていた。
「千翼!」
「待って」
千翼に駆け寄ろうとしたカズマを、アクアは手で制した。何すんだ、と言いかけたところで、カズマも「それ」に気付いた。
空から何かが落ちてきて、千翼と冬将軍の間に突き刺さる。
それは折れた白い刀身だった。
白銀の鎧武者は手に持つ折れた刀をしばし見つめ、静かに納刀する。
千翼に向き直ると、懐から白く短い棒を取り出した。
「何をする気だ……」
ダクネスの口から靄と疑問が零れる。
カズマ達が事の成り行きを見守っていると、冬将軍は棒を振る。棒は開かれ、白い日の丸が描かれた氷の扇子になった。
冬将軍がゆっくりと扇子を掲げると緩急を付けながら、優雅に扇子を踊らせる。振るわれるたびに氷の結晶が舞い、キラキラと輝いていた。
「あれは……何をしているんですか?」
「敵ながら天晴れ……自分の刀を折った千翼を讃えているんだよ」
この世界の住人であるめぐみんの疑問に、日本人であるカズマが答えた。
冬将軍は扇子を頭上に掲げると、パチンと音を鳴らして扇子を畳む。
それを懐にしまうと、風が吹いて粉雪が舞うように氷の鎧武者は姿を消した。
いきなり消えた冬将軍に戸惑っていると、漂ってきた血の臭いで、四人は今の事態を思い出した
「千翼!」
「っ……!」
慌ててカズマが千翼に駆け寄る。
斬り裂かれた肩を押さえる指の間から、鮮血が溢れていた。
真紅の雫は純白の大地に零れ落ち、赤い染みを広げてゆく
「大丈夫か? すぐにアクアが治療を……」
少しでも出血を抑えるため、カズマは千翼の傷口に手を伸ばす。
小さな切傷ができた指先が傷口に触れようと――
「触るなぁ!!」
叫び声と共に、伸ばされた手が払い除けられた。
「俺に……触らないでくれ……」
身と声を震わせながら千翼はカズマを拒絶する。
払い除けられたカズマは突然の出来事に呆然とし、三人の少女はいきなり様子が変わった千翼に戸惑い、言葉を失っている。
傷口を押さえ、ふらつきながら立ち上がると、千翼は無言で歩き出した。
「ちょ、ちょっとチヒロ! 治療するから待って!」
アクアの制止を無視して、千翼は雪原に血の跡を残しながら町へと向かう。
「千翼……」
その後ろ姿を、四人は見送ることしか出来なかった。
というわけで、冬将軍戦でした。
当初はこの戦いの勝敗をどうするかかなり悩みました。
千翼が勝てばカズマ達は莫大な賞金を手にすることが出来ますが、それだと今後の展開に支障がでる可能性がある。
かといって千翼が負ければ、今度はカズマ達の命がない。
ちょうど良い落とし所として、今回の勝敗となりました。
それでは皆さん、今年もよろしくお願いします。