梨璃「1つ。映司くんが、百由様からCHARMを貰う」
楓「2つ。私が、意外とあくどい……って何を言わせますの!?」
二水「そして、3つ。梨璃さんが夢結様と、シュッツエンゲルの契りを結びました!」
食堂で梨璃と夢結が、会話していた。
夢結「【ルナティックトランサー】」
梨璃「……へ?」
夢結「それが私のスキル。いえ、レアスキルなんてとても呼べない代物よ」
映司、二水、楓の3人は、離れた場所から梨璃と夢結を見ていた。
二水「私には、どこかぎこちなく見えますけど」
楓「……ところで、そのメモは?」
二水「おふたりの事を、週刊リリィ新聞の明細記事するんです」
映司「お前も中々容赦ないな……」
梅「それ、私も興味あるな!」
二水「っ!?」
梅がいつの間にか、二水の隣にいた。
梅「あの夢結をたった2日で堕とすなんてびっくりだ」
楓「そりゃあ梨璃さんですもの。当然ですわ」
映司「……で、誰ですか?」
梅「私は吉村・Thi・梅。2年生だぞ」
楓「それは失礼しましたわ。梅様」
映司「よろしくお願いします。梅様」
梅「本当、あの夢結がな……」
映司「……?」
少し時間が経ち、二水がレアスキル【鷹の目】を使用し、海底からヒュージが上がってくるのを確認した。
二水「ヒュージです!」
梨璃「あれが……」
楓「噂の鷹の目ですわね」
映司「確かに、便利だな……鷹の目」
映司も二水の鷹の目をトレースし、使用していた。
楓「映司さん、貴方も鷹の目を?」
映司「俺のレアスキルは【エンハンス・トレース】」
楓「トレースってことは、他人のスキルを真似するということですか?」
映司「ああ、トレースしたスキルを倍以上の効果で使用できる」
楓「それが、エンハンスということですか?」
映司「それに、他のスキルも併用して使えるから、マギの消費を考えなきゃ相当強力なスキルだと思ってる」
楓「確かに、マギの消費を考えなければ最強に近いですわね」
二水「でも、発動する度にトレースしていたら、意味がないと思いますよ?」
映司「一度見たスキルなら、トレースしなくても使えるんだよ」
楓「欠点がマギの消費量しか見当たりませんね」
夢結「話が終わったのなら、よく見ておきなさい」
後方から無数のミサイルが、ヒュージに向かって発射された。
梨璃「な、何!?」
二水「防衛軍の全弾攻撃です!」
ヒュージは魔法陣を展開させ、ミサイルをガードした。
二水「だけど、防衛軍の装備ではヒュージに有効な打撃を与える事が出来ないんです」
梨璃「気のせいか、こっちに向かってませんか?」
夢結「百合ヶ丘女学院は、リリィの養成機関であると同時に、ヒュージ迎撃の最前線よ」
梨璃「そ、そうか。ヒュージの襲来をここに集中させて、周りの被害を抑えるんですね?」
夢結「そして、多くのリリィが集まるここは、ヒュージにとっても見逃せない場所に移るでしょうね」
アールヴヘイムのメンバーが、ヒュージに向かっていった。
天葉「遅れないでよ!皆ー!」
壱「新人相手にスパルタじゃありません?天葉様」
亜羅椰「そんなに意地悪されたら惚れちゃいます!」
樟美「天葉様は私のだから!」
依奈「無駄口叩くな!ほら行くよ!」
二水「アールヴヘイムが、ヒュージにノインヴェルト戦術を仕掛けます!」
アールヴヘイムのリリィたちがマギスフィアをパスして、最後に天葉がヒュージにマギスフィアを放った。
梨璃「わあっ!な、何?」
楓「レギオン9人のパスで繋いだ、マギスフィアをヒュージに叩き込んだんですわ。それがノインヴェルト戦術です」
アールヴヘイムの戦闘を見た後、5人は訓練場に移動した。
夢結「構えなさい、梨璃さん」
梨璃「は、はい!……こうですか?」
梨璃が自分のCHARMを構えた瞬間、夢結が梨璃のCHARMを弾いた。
梨璃「うわっ!」
楓&二水「あっ!!」
映司「……」
夢結「ヒュージとは、通常の生物がマギによって怪物化したものよ。マギという超常な力に操られているヒュージには、同じマギを使うリリィだけが対抗出来る。マギを宿さないCHARMなど、それはただの刃物よ」
梨璃「は、はい!」
夢結「もっと集中なさい。そうすればCHARMは重く、強靭になる」
梨璃「……!」
梨璃は集中してマギを流し込んだが、CHARMが光った瞬間、夢結が再び梨璃のCHARMを弾いた。
梨璃「くああっ……!」
二水「ああ……!」
楓「素人相手になんてことを!」
映司「多分、梨璃の体力は限界に近い……」
夢結「もう少し粘って見せなさい。梨璃さん」
梨璃「は、はい!」
夢結はまた、梨璃のCHARMを弾いた。
梨璃「うああ……!」
夢結「……軽いわね」
楓「随分と手荒いですこと。私にマゾっ気があれば堪らないでしょうね。夢結様のお噂は存じておりますわ。レアスキル、ルナティックトランサーを武器に、数々のヒュージを屠って来た百合ヶ丘屈指の使い手。トランス状態ではリリィ相手にも容赦しないとか?」
二水「楓さんそれは……」
梨璃「……良いんです。私、私……皆より遅れてるから……やらなくちゃいけないんです。だから……続けさせて下さい!」
そして、訓練が始まり1週間が経った。
二水「訓練が始まってもう1週間です」
楓「こんなの訓練じゃありませんわ」
映司「そろそろ、成果が出てもおかしくないんだけどな」
夢結(私が梨璃を恐れている?まさか)
夢結は梨璃を、突き飛ばした。
梨璃「うああ……!」
突き飛ばされた梨璃は、受け身を使い立ち上がった。
梨璃「あ!」
映司「この1週間の訓練は無駄じゃなかったな」
梨璃「やった!やりました、夢結様……」
夢結は追い討ちを梨璃に掛けようとするが…
梨璃(あっ……マギを集中)
梅「お!」
梨璃は夢結のCHARMを弾き返した。
夢結「あっ……!?」
ミリアム「夢結様がステップを崩したとな」
楓「ようやくマギが入りましたわね!」
夢結「……」
梨璃「……?」
夢結「今日はこのくらいに……」
『ゴーン!』
鐘が鳴り響いた。
全員「……!」
夢結「行くわよ」
梨璃「はい!……え?何処へ?」
夢結「今日の当番には、私たちも入っているでしょ?」
梨璃「あ!はい!」
レギオンに所属していないリリィたちが出動した。
楓「上陸までは、まだ少し余裕がありそうですわね」
梨璃「あれ?楓さんも出動なの?」
楓「今回は、まだレギオンに所属していないフリーランスのリリィが集められていますわね。この時期には良くある光景ですわ」
梨璃「じゃあ二水ちゃんも?」
楓「あの方は後方で見学ですわ。実戦経験がありませんもの」
二水「皆さーん!頑張って下さーい!」
二水は応援していた。
楓「初陣は梨璃さんだけですわね」
梨璃「は、はい。頑張ります!」
夢結「あなたはここまでよ」
梨璃&楓「え?」
夢結「足手纏いよ。ここで見てなさい」
梨璃「夢結様……」
楓「来いと言ったり。待てと言ったり」
楓「いつにも増して、歪な形のヒュージですこと」
ヒュージが飛んだ。
楓「飛んだ!?」
夢結は飛翔したヒュージの真下に入り、CHARMで斬り、ヒュージを落下させた。
百由「ふ〜ん、レストアね」
ミリアム「最近は出現率が上がっていると聞くのう」
梨璃「うわあっ!百由様とミリアムさん!どうしてここに?……レストアって何ですか?」
百由「工廠科とは言え、私たちもこう見えてリリィなの。結構戦えるのよ?」
ミリアム「今日は当番とは違うがのう」
百由「で、損傷を受けながらも生き残ったヒュージがネストに戻って修復された個体。それを私たちはレストアード。レストアと呼んでるの。何度かの戦闘を生き延びた手合いだから、手強いわよ」
梨璃「……凄い。夢結様」
ミリアム「じゃが、ちょっと危なっかしいのう」
百由「憖テクニックが抜群だから、突っ込み過ぎるのよねぇ」
夢結はレストアを斬ろうとしたが、硬くて斬れなかった。
夢結「っ!?」
亀裂が入った場所から、光が見えた。
夢結「……あれは……!?」
夢結は目の前から飛来する物体をCHARMで防いだが、爆発し地面に転がり落ちた。
梅「そろそろ退け、夢結!」
夢結は梅の忠告を無視し、レストアに向けて走り出した。
梅「なっ!?」
夢結「ハアァァァ!」
夢結はさっき爆発した物体をレストアの殻に叩きつけ、爆発させたが、殻から出てきたのは、無数のCHARMだった。
神琳「CHARMが……」
雨嘉「え……?」
楓「あれって……」
梅「コイツ……どれだけのリリィを……?」
夢結「……くっ!」
離れた場所で戦闘を見ていた映司たち。
百由「あ……」
映司「CHARM……?」
ミリアム「マジか……」
梨璃「ど、どういうことですか?」
百由「CHARMはリリィにとって身体の一部。それを手放すとしたら……」
夢結「かは……ハァハァ……」
梅「もういい!下がれ夢結!」
梅が夢結の肩に手を置いたが、夢結の目は赤く光っていた。
梅「あっ!」
夢結の髪が白に変化した。
夢結「ウワアアアアアァァァ!!」
雨嘉「夢結様!」
神琳「待って雨嘉さん!」
雨嘉「え?」
神琳「あれは……」
楓「ルナティックトランサー……」
百由「一度トランス状態に陥ったリリィは、理性を失い、敵味方の見境無く、マギが枯れ果てるまで破壊の限りを尽くす。夢結自身が封印したスキルよ」
ミリアム「それが何でまた?」
百由「主を失ったCHARMの群れが、夢結に思い起こさせたのね」
梨璃「それって……」
百由「夢結は中等部時代に、自分のシュッツエンゲルを亡くしているの」
梨璃「っ!?」
百由「その時に夢結がルナティックトランサーを発動していた事から、夢結に疑いが掛けられたわ」
梨璃「そんな!」
百由「実際、遺体には夢結のCHARMが突いた刀傷もあったと言われているわ。結局、証拠不十分で疑いは晴れたけど、夢結自身、記憶が曖昧な状態で、それからずっと、自分を苛み続けているの」
梨璃「……私、行って来ます!」
百由「ダメ!今の夢結は危険よ!」
梨璃「私、夢結様の事、少しだけ分かった気がします」
百由「それ答えになってないわよ!」
映司「仕方ない……俺も行ってきます」
百由「危険って言ってるじゃない!」
映司「楽して助かる命なんて、ありませんから!」
映司は梨璃を追った。
映司「梨璃!」
梨璃「映司くん!お願い、一緒に夢結様を!」
映司「ああ!」
夢結「ハァ……ハァ……ハァ……」
映司&梨璃「夢結様ーーーー!」
夢結「っ!」
駆け付けた映司と梨璃に夢結は。
夢結「ウワアアアアアァァァ!!」
自分のCHARMを振った、映司と梨璃は自分たちのCHARMで受け止める。
梨璃「す、すみません!」
夢結「見ないで……」
梨璃「え!?」
映司「チッ!」
梨璃は吹き飛ばされ、映司は受け身を取った。
楓「貴方たち!何をなさいますの!?」
梅「バカかお前たちは!!」
梨璃「……私たち、今、夢結様を感じました」
楓「何を仰いますの!?」
百由「マギだわ。CHARMを通じて、ふたりのマギと夢結のマギが触れ合って……」
楓「そんなCHARMの使い方、聞いた事ありませんわ」
ミリアム「じゃがありえるのう」
映司「だったら、梨璃」
梨璃「私、前に夢結様に助けて貰った事があるんです。今度は、私が夢結様を助けなくちゃ!」
映司と梨璃は夢結の元へ向かった。
ミリアム「正気かお主ら!?」
楓「後でお背中流させて頂きますわよ!」
梅「しょうがないな!」
神琳「参りますか?雨嘉さん」
雨嘉「うん!」
百由「私もCHARM持って来れば良かったかな?」
ミリアム「ううぅ……わしも行けば良いんじゃろうが!」
他のリリィたちも加勢に加わった。
梨璃「夢結様ーーー!私に、身嗜みは何時もきちんとしなさいって言ってたじゃないですかー!」
夢結「ウワアァ!」
夢結はレストアの攻撃を弾いた。
梨璃「夢結様!私を見て下さーーーい!」
夢結「ウワアアアアアァァァ!」
映司「アンタが何を想ってるかは知らないが、梨璃と向き合え夢結様!」
映司と梨璃のCHARMと夢結のCHARMからマギスフィアが形成された。
ミリアム「あれは……?」
楓「マギスフィアですわ」
夢結「がっかりしたでしょ……ふたり共……これが私よ……憎しみに飲まれた……醜く浅ましい……ただの化け物!」
梨璃「それでも!夢結様は私たちのお姉様です!」
映司「俺だって、1年前にアンタと似たような事をした……それでも、前を向いて生きるって決めたんだ!」
夢結「っ!」
梨璃「夢結様!」
梨璃は夢結を抱きしめ、夢結のルナティックトランサーが解除された。
夢結「梨璃!」
レストアの腕が迫って来たが、映司が弾き返した。
夢結「飛ぶわよ。梨璃。映司」
梨璃「……はい!お姉様!」
映司「俺もか?」
3本のCHARMが触れ合い、マギスフィアが形成された。
梨璃「私たち、マギに乗ってる?」
夢結「ふたり共、行くわよ。一緒に」
映司&梨璃「はい!」
レストアに向かって急降下する。
映司&梨璃&夢結「ハアアアアァァァ!」
レストアは光に飲まれ消滅した。
梅「やったな、夢結」
映司「まだ終わってない!」
梨璃「終わってないってどういう……」
映司の見た方向からヒュージが現れた。
梅「まだ居たのか!?」
映司はオーズドライバーを巻いて、梨璃と夢結の前に立った。
映司「このコンボで行くか」
映司は、緑のメダル3枚をドライバーのスロットにセットして、腰に付いているオースキャナーを取り、ドライバーを傾かせスキャンした。
映司「変身!」
「クワガタ!」「カマキリ!」「バッタ!」
「ガ~タガタガタ・キリッバ・ガタキリバッ!」
神琳「あれが……仮面ライダーオーズ……」
映司「ハァ!」
映司は分身を作り、ヒュージに向けて走り出した。
雨嘉「増えた!?」
映司はCHARMでヒュージの触手を破壊した。
映司「このCHARM……メダルが入るのか」
映司はCHARMにガタキリバのメダルを3枚セットした。
映司「分身しても、CHARMはこの1本だったが……メダルを入れたらどうなるか……」
映司がCHARMを地面に刺すと、ヒュージが大量のCHARMに串刺しにされた。
映司「このCHARMに、コンボのメダルを入れたらコンボの力を使えるってことか」
映司はCHARMにセットしたメダルをドライバーに戻し、オースキャナーでスキャンした。
「スキャニングチャージ!」
映司「セイヤー!」
映司は分身たちと共にキックをヒュージに叩き込み、ヒュージは爆発した。
映司「よっ……と」
映司はCHARMを刺していた場所に着地した。
映司「これで終わりだな」
映司は変身を解除した。
夢結「ソメイヨシノの花を咲かせるには冬の寒さが必要なの。昔は春の訪れと共に咲いて、季節の変わり目を告げたと言うけれど……冬と春の境が曖昧になった今、何時咲いたら良いか、戸惑っているようね」
ヒュージとの戦闘の後、映司と梨璃と夢結はとある人物の墓の前に立っていた。
梨璃「……?」
夢結「ん……?」
夢結は梨璃にペンダントの写真を見せる。
梨璃「この方が、夢結様のシュッツエンゲル?」
夢結「そう。私のお姉様……」
梨璃「川添……美鈴様……」
映司「なぁ?梨璃」
梨璃「どうしたの?」
映司「夢結様を止める時に、私たちって言ってたけど、たちって……」
梨璃「私と映司くんだよ?」
映司「俺は別に夢結様とは……「貴方、梨璃の幼馴染みなんでしょ?」……いや……」
夢結「それとも、私のシルトにはなりたくないのかしら?」
梨璃「映司くん、夢結様が良いって言ってるから大丈夫だよ!ね?」
映司「わかったよ……」
映司は梨璃の笑顔の圧により折れた。
二水「次回は、梨璃さんがレギオンを作ります!」
梨璃「お姉様のため、頑張ります!」