映司「1つ。結梨はリリィと認められCHARMと契約した」
梨璃「2つ。結梨ちゃんがミリアムさんの代わりに、エキシビションに出て百由様の作ったヒュージロイドを破壊した」
二水「そして3つ。雨嘉さんが、コスプレ部門で最優秀賞リリィに選ばれました!」
梨璃は結梨の髪を切っていた。
梨璃「動かないでね?結梨ちゃん……動いちゃダメだからね?」
映司「梨璃、手が震えてる」
結梨「梨璃、落ち着け」
梨璃「だ、だって前髪だよ?」
結梨「ちゃちゃっと済ませて朝練するんでしょ?」
映司「代わろうか?梨璃」
梨璃「ううん!大丈夫!」
その頃、廊下では夢結は生徒会の3人とすれ違う。
夢結「ごきげんよう」
史房「ごきげんよう」
祀「ごきげんよう」
眞悠理「ごきげんよう」
3人は夢結に挨拶をし、歩いていった。
梨璃「そんな……嘘です!間違いです!そんなわけ……あるはずないじゃないですか!」
生徒会の3人は、映司と梨璃に結梨を政府に引き渡すよう伝えた。
史房「そこをお退きなさい。ふたりとも」
映司「結梨をどうする気ですか?」
史房「答える必要はありません」
映司「……」
映司はオーズドライバーを巻いた。
夢結「私もお聞かせ願いたいです」
夢結が現れた。
夢結「結梨は、私たちレギオンの一員です。訳を知る権利はあるかと」
史房「……残念だけど、ゲヘナとグランギニョルが開示した資料で、結梨さん。いえ、その個体はヒュージだと確認されたわ」
夢結「ヒュージ……?」
眞悠里「彼女が見付かる直前、ゲヘナの実験船がヒュージネストに異常接近していた事が確認されたわ。ネストから発せられるマギを利用しようとしたのでしょう。船はヒュージの襲撃で沈み、殆どの実験体は発現する事なく失われたけど、1つだけ残ったのが……」
映司「……それが結梨だったと?」
梨璃「だ、だけど……皆さんだって知っているはずです!結梨ちゃんは私たちと何も……何も変わらないって!」
結梨「映司、梨璃、怒ってる?」
史房「お退きなさい。ふたりとも」
梨璃「結梨ちゃんをどうするんですか?」
祀「ゲヘナとグランギニョルが、引き渡しを求めています」
映司「引き渡したら、結梨はどうなる?」
夢結「人間としては、扱われないでしょうね」
梨璃「なんで……なんでそんなこと……」
梨璃は涙を流した。
結梨「梨璃……」
映司「結梨……結梨はどうしたいんだ?」
結梨「……昨日は、梨璃や映司や夢結や皆と競技会やって凄く楽しかった……私……ずっと皆と一緒に居たい!」
夢結が3人に近づいた。
梨璃「……!」
結梨「ふたりとも、悲しい匂いがする」
梨璃「ごめんね?私、もう泣かないから」
梨璃は制服のボタンを外し、下に投げて閃光弾を放った。
映司「変身」
「タカ!」「クジャク!」「コンドル!」
「タ~ジャ~ドル~!」
祀「ふたりとも!逃げた!?」
史房「なんて事を……!」
夢結は映司と梨璃が結梨を連れて逃亡した後理事長室に居た。
夢結「結梨を学院で保護すべきです。結梨が危険な存在とは、私には思えません」
高松「ヒュージを心通わす相手と見なす事は、人類にとっての禁忌だ。ヒュージと同じマギを操るリリィもまた、1つ間違えば脅威と捉え兼ねない。それだけは絶対に避けねばならん。現在、防衛軍の部隊がこの学院に迫っている。人とリリィが争う事態は絶対に避けねばならんのだ」
夢結「リリィを恐れる人たちは、皆怯えているのでしょう。私たちが自由に生きることを願うのは、そんなことでしょうか?」
夢結はそれにと付け足し。
夢結「映司……彼を敵に回すことになれば、この学院は無事では済まないでしょう」
学院から逃亡した3人。
映司「今の学院には、戻れない」
梨璃&結梨「……」
一柳隊の控室。
二水「どうするんですか!?どうするんですか!?結梨ちゃんがヒュージで、梨璃さんと映司さんが一緒に逃げて逮捕命令だなんて!」
雨嘉「どうする?」
二水「そんなの決まってますよ!だって結梨ちゃんがヒュージなはずないじゃないですか!梨璃さんと映司さんは間違ってないですよ!」
神琳「だけど、学院から逃げたと言う事は、ここも安全ではないと判断した事よ」
二水「……」
鶴紗「私はブーステッドリリィだ……昔、ゲヘナに身体中をいじくり回された……」
雨嘉「ブーステッドリリィ?」
二水「リリィの能力を人工的に強化しようと言う試みです」
鶴紗「百合ヶ丘に保護されて、やっと抜け出せた……ゲヘナは嫌いだ……信用できない……」
夢結がドアを開けて戻って来た。
夢結「出動よ。梨璃と映司の逮捕命令。結梨には捕獲命令が出たわ。3人を追います」
神琳「それは……何の為です?」
夢結「今の映司は私たち以外のリリィは全て敵とみなし、攻撃する可能性がある。だから一柳隊は、どの追っ手よりも3人を早く捜し出し、保護します。これは副隊長としての私の判断です。異議のある者は従わなくて構いません」
梅「それって学院からの指示とは違うよな?」
夢結「指示は学院ではなく、政府から出たものです。だけど、私たちはリリィよ。リリィがリリィを守るのは、当たり前の事でしょ?」
二水「夢結様ならそう言ってくれると信じていました!」
梅「ん?そう言えば楓は?」
ミリアム「アイツん家も今回の件で関わっているようじゃからな。罰も悪かろう」
楓は父親に電話をしていた。
総帥『楓か?』
楓「ようやく出て下さいましたわね。お父様」
総帥『元気か?』
楓「えぇ。ピンピンしていますわ」
総帥『すまないが、今は都合が悪い。後でこちらから……』
楓「でしょうね。随分とやらかしてくれたものですわ」
総帥『すまない……この件でさぞ苦労を掛けたと思う……だが会社の事を口に出すのは、例えお前でも……』
楓「お父様が許すか許さないかは関係ありません。このままでは私がお父様を一生許せなくなります」
総帥『……ゲヘナからの提案は、愚劣極まりないものだった……心から軽蔑するべきものだ……ヒュージからリリィを造るなど……』
楓「ヒュージから造ったリリィならどうなろうと構わないという事ですか?吐気がしますわ」
総帥『私はお前のような娘たちが、戦わなくて済むようになるなと、それを受け入れた』
楓「CHARMメーカーの総帥とは思えないお言葉ですね。そのお志には感銘を禁じ得ませんが……お父様は間違っています。実験は失敗ですわ。だってあの子、私たちとは何も変わりませんもの……結局、どこかに傷付くリリィが居る事に変わりはありません。お願いですお父様……私に自分の運命を恨むような惨めな思いをさせないで下さい。マギを持ち、リリィになった事も。お父様の娘に生まれた事も」
総帥『……』
通話を切った楓は表情を曇らせた。
楓「皆さんお揃いですのね」
電話を終えた、楓が一柳隊の控室に来た。
梅&ミリアム「あ!」
鶴紗「どこ行ってた?」
楓「ほんの野暮用ですわ」
梅「梅たちは梨璃と結梨と映司に付く。楓は?」
楓「あぁ〜!残念ですわ〜梨璃さんをお助けする栄光を私の独り占めに出来ないなんて〜」
神琳「今回の件、楓さんは何かご存知ではないのですか?」
楓「例え知っていたとしても、私には関係のない事ですわ」
夢結「……」
ミリアム「そっか。んじゃ、決まりじゃな」
その日の夜、映司たちは人気のない危険区域に来ていた。
結梨「ここどこ?」
映司「多分ヒュージに襲われて放棄された区域だな」
結梨「ここの人たちはどこに行ったの?」
梨璃「わからない……」
結梨「皆、ヒュージを憎んでいるよね?私のことも憎むのかな?」
梨璃「そんな事言っちゃダメ!ダメだよ……そんな事言っちゃ……」
結梨「ごめん。梨璃、泣かないで……私も、また皆に会いたい」
映司「……」
翌日、映司たちは廃墟に身を潜めていた。
結梨「いつまでここに居る?梨璃」
梨璃「わかんない……勢いで出てきちゃったけど……だけど……」
映司「夢結姉が来てくれるはずだ……もし夢結姉より先に他のリリィが来た時は甲州まで行けばいい」
結梨「ヒュージって、私に似てるのかな?」
梨璃「え?そんな、全然違うよ」
結梨「でも私ヒュージなんでしょ?」
映司「違う。結梨は結梨だ。梨璃たちと同じで普通の女の子だ」
結梨「じゃあもし、私がヒュージのところへ行っても、そこにも居場所は無いんだね」
梨璃「……」
結梨「私、なりたくてこんな風に生まれたわけじゃないんだけどなぁ……梨璃もそんな風に思うことある?」
梨璃「そんなの何時もだよ……お姉様みたいなサラサラな綺麗な黒髪だったらなとか……いつも優しくて、格好良くなれたらいいなぁ……とか」
結梨「ふ〜ん。じゃあきっと夢結は、夢結に生まれて幸せだね」
梨璃「っ!?」
梨璃は夢結がルナティックトランサー発動したことや、最初は心を閉ざしていたことを思い出した。
梨璃「ごめん……何にもならなくていいよ……結梨ちゃんは、結梨ちゃんのままでいい……」
梨璃は結梨を抱きしめた。
結梨「でもね、梨璃が結梨って名付けてくれたから、私は結梨になったんだよ?それは、私とっても嬉しい」
梨璃「大丈夫……帰る場所はきっとあるよ……皆が作ってくれるから……」
夢結「ええ、一緒に帰りましょう」
声をした方を見ると一柳隊のメンバーが居た。
梨璃「お姉様……皆」
夢結「理事長代行と百由が、政府を説得してくれたわ。結梨は人間で、リリィと認められた。もう大丈夫よ」
映司「百由様……後でドーナツ持ってくか」
楓「梨璃さんとの逃亡劇を少しは期待していたのに、もうお終いですの?」
梅「梨璃と映司の逮捕命令も撤回されたぞ!良かったな!」
梨璃「た、逮捕!?そんな事になってたんですか!」
映司「まぁ……そうなるわな」
梨璃「あれ?でもどうしてここが?」
二水「あ、凄く分かり易かったです……」
他のレギオンと防衛軍が待機していた。
史房「ええ、交戦は行われる事なく……え!?」
ヒュージネストが発生していた。
梅「なんだあのヒュージ……?」
神琳「マギを直接攻撃に使ってる……」
雨嘉「そんな事したら、あっと言う間にマギが無くなっちゃうのに……」
結梨「あれがヒュージ?」
梨璃「うん。だと思うんだけど……何か……」
夢結「ヒュージは、マギに操られることがあっても、自らマギを操ることはないはずよ?どうして……」
結梨「あのヒュージやっつける?」
梨璃「うん。私たちも早く百合ヶ丘へ……」
結梨がヒュージに向けて飛び出した。
梨璃「あ!」
結梨は縮地を使って海面を走り始めた。
梅「あれ縮地だ!梅のレアスキル!」
映司「結梨!?」
二水「結梨ちゃん、海の上を走っています!」
梅「見りゃ分かるけど、梅だってそんなことした事ないぞ」
ミリアム「フェイズトランセンデンス……わしの技を組み合わせたのじゃ!」
神琳「それってデュアルスキラー?それともエンハンスメント?」
ミリアム「じゃが、すぐにマギを使い果たして終わりじゃが……」
映司「なりふり構ってられないな!」
映司は体内から紫のメダルを、3枚出し、ドライバーにセットし、オースキャナーでスキャンした。
映司「変身!」
「プテラ!」「トリケラ!」「ティラノ!」
「プ・ト・ティラーノ、ザウルース!」
映司「結梨!」
映司はエクスターナルフィンを展開させ、縮地を最大スピードで発動させ、フェイズトランセンデンスも発動させて結梨を追った。
結梨「あそこ、繋がってる!」
映司「……なんだと?」
海岸で見ていた梨璃は、海に向かって走り出した。
梨璃「っ!」
夢結「梨璃!」
楓「走ったって追い付けませんわ!」
梨璃はマギを使い、ジャンプしながら進んでいた。
梨璃「まだ無理だよ!本当の戦いなんて!」
ヒュージがエネルギーを集め始めた。
二水「何か変です!ヒュージのマギとネストのマギが呼び合って……まるでネストのマギを吸い取っているみたいな……!」
神琳「ネストからマギを供給されているのだとしたら、無尽蔵にマギを使えると言う事だけど……まさか……!」
ヒュージがマギの光弾を連射したが、映司と結梨は避けていく。
梨璃「ああぁっ!」
梨璃にマギの光弾が直撃し、髪飾りが外れ梨璃は海に落ちた。
映司「ハァ!」
映司はCHARMにタトバのメダルをセットし、ヒュージの周りの魔法陣を破壊していた。
結梨「私だって戦える!だって、百合ヶ丘のリリィだもん!」
結梨も映司と同じく、魔法陣を破壊していく。
映司「結梨!決めるぞ!」
結梨「うん!」
映司と結梨はCHARMから巨大な刃を発生させた。
映司「セイヤァー!」
結梨「ヤアァァァァ!」
映司と結梨はCHARMを振り下ろし、ヒュージを斬り裂いた。
映司「結梨、帰ろう俺たちの帰るべき場所へ」
光の中で映司は結梨に問いかけた。
結梨「……」
結梨は映司を押した。
映司「結梨!?」
結梨「さよなら……映司」
映司「(……いいのか?これで?)……いいわけねぇだろ!」
映司は海に落ちる直前にエクスターナルフィンを展開させ、結梨の元へ向かった。
結梨「梨璃……私……できたよ……!」
映司「絶対に助ける!この手が届く限り!……結梨ーー!!」
映司は結梨に手を伸ばした。
結梨「映司!?」
ヒュージの爆発にふたりは巻き込まれ、戦闘が終わった夕方。
高松&百由「……」
ミリアム&神琳&雨嘉「……」
梅&鶴紗「……」
二水&楓「……」
梨璃の前には2本のCHARMが刺さっていた。
梨璃「朝は……映司くんと一緒に……結梨ちゃんの髪を切ってたんですよ……少し、伸び過ぎてたから……結梨ちゃん……笑ってて……映司くんも……私も……」
梨璃は映司のCHARMからメダルを取った。
梨璃「なのに……なんで……」
夢結「……」
結梨「どうして……助けたの?」
映司「決まってんだろ……」
百由「2人は生きている……?」