傷が多い青年のアカデミア   作:yu-way

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訓練終了、ナンバーワンとの雑談

猛と芦戸のペア、轟と障子のペアの戦闘訓練が始まる前、その様子をモニタールームで皆が見ていた。

 

「なあ、このペアの戦いどうなると思う?」

 

「推薦入学者と入試1位……どちらが勝つんだ?」

 

「紅蓮の奴、個性よく分からねぇからな……」

 

そして、戦闘訓練が始まった瞬間、轟はビル全体を凍らせた。

 

「ううむ、仲間や核、建物も傷つけずに、敵も弱体化させるとは……!!」

 

凍った影響か、オールマイトは若干震えながら喋る。

 

「なんだよあれ、無敵じゃねぇか……!!」

 

「こんなのどうやって勝つんだよ……!!」

 

「いくら紅蓮でも、あれじゃあ……」

 

皆が勝負は決したと思っていた。だが、その思いはすぐに無くなることになる。

 

「お、おい!!一瞬で氷が溶けたぞ!?」

 

「紅蓮はやっ!!てか轟反応出来てねえ!?」

 

「ていうか、あれどうやったん……!?」

 

「流れるように側頭部への蹴り……すごいな……」

 

「あんな凍らせられてたのに、漢だぜ紅蓮!!」

 

猛が氷を溶かし、その結果動揺した轟の頭に蹴りを入れる瞬間を見た皆々は、それぞれ様々な感想を述べていた。

 

(さすがだ紅蓮少年!!あれでは止められないか、君は!!)

 

そして、芦戸に轟を任せて、窓から飛び降り障子の頭に肘を落とす、気絶した障子に確保テープを巻いて、猛達の戦闘訓練は終わった。

 

「ヴィランチーム、ウィィィィン!!」

 

「お、おい、障子生きてるか?あれ」

 

「三階から飛び降りて肘鉄って……ヤバくないか……?」

 

「頭蓋を割らないように手加減したから生きてるよ」

 

皆がざわつく中、猛と芦戸は、気絶した二人を連れて戻ってきた。

 

「オールマイト、とりあえず寝かせとくぞ、加減したからその内起きるだろ」

 

「いやいや、頭への攻撃だからね、念の為保健室に連れて行こう」

 

「んなヘマするほど下手くそじゃ無いんだが……まあいいや」

 

猛は、先ほど気絶した緑谷と同様に、轟と障子も保健室に連れて行かれる。

 

「さて、訓練の講評だが、MVPは紅蓮少年だ!!」

 

轟と障子が連れて行かれた後、猛達の戦闘訓練の講評が始まる。

 

「だよな!!すごかったぜあの蹴り!!」

 

「しかも氷を一瞬で全て溶かすとか!!どんな火力!?って感じだった!!」

 

「それに、近くにいた芦戸さんに影響を与えないかつ、核にも影響を与えない……とても繊細な個性の操作でしたわね、さすがです紅蓮さん」

 

「大した事はしてねぇよ、轟の個性を考えればこう来ると思ってたから、攻撃に対するカウンターを用意しておいただけだ。見たところ近接戦はカスだし、あいつ」

 

「見ただけで分かるのか?」

 

「鍛えてはいるみたいだけど、なんていうか……鍛えただけですって感じだった。蹴りいれたとき軽かったし」

 

「そうなのか……すごいな……」

 

「私は何も出来なかったな~、ちぇ~」

 

「ペアがあいつじゃしょうがねぇよ」

 

そうして猛達の戦闘訓練の講評が終わり、次々と戦闘訓練が行われていく。それを猛は静かに見ていた。

 

(名前と顔は一通り覚えれた……ふむ、結構見た感じ、再現(・・)出来そうな個性は2、3個だな……こいつらの動きだと、俺とやれそうなのは轟と爆豪くらいか……緑谷は、まあこれからの成長度合いによるな、現在値が低い分、何かきっかけがあればドンと跳ね上がるだろう、まあ、先生がオールマイトなのは問題ありだが……)

 

そして、最後の戦闘訓練が終わると、意識が戻って無い緑谷以外がモニタールームに集まった。

 

「さて!!私は緑谷少年に講評を聞かせないといけないので失礼!!みんなは着替えて教室に戻るように!!」

 

そう言って、オールマイトは急いで戻っていった。

 

(活動限界か……やれやれ、仕方ねぇ)

 

「おーい!!紅蓮戻ろうぜー!!」

 

「悪ぃ、俺はオールマイトに用がある、先戻っててくれ」

 

ビュン!!

 

「はやっ!!やっぱあいつやべえ!!」

 

そう言い残して、猛はオールマイトを追う。

 

 

 

 

「ふう……授業をやると活動限界ギリギリだ……」

 

「変わらねぇな、常に限界まで動き続けるの、その内ぽっくり死ぬぜ?」

 

「な!?紅蓮少年!?」

 

「おう」

 

オールマイトは、いつの間にか後ろにいた猛に驚く。

 

「本当、何時ボロが出るか分からねぇなあんた、その内バレるぜ?その姿」

 

オールマイトの姿は、いつもの筋骨悠々とした姿ではなく、ガリガリの細身になっていた。

 

「いやぁ、面目ない……久しぶりだな、紅蓮少年」

 

「ああ、3年振りか、あんたと顔を合わせたのは……んで、そんな話をしに来た訳じゃねぇ」

 

「分かっているとも……君なら、もう気付いているのだろう?」

 

「まあね、緑谷出久、あいつがワン・フォー・オールの継承者……あんたの弟子だろ?」

 

「うむ、その通りだ……君はどう思ったかな?緑谷少年について」

 

「どうもこうも、あれじゃ早死にするよ。気付けば手遅れになるね。本当にあいつで大丈夫なのか?個性の使い方も間違ってるし……つか、あいつ、元から持ってる個性は?」

 

「いや、彼は元から持ってる個性は無いんだ」

 

「は?」

 

そこで猛はオールマイトが緑谷にワン・フォー・オールを継承するに至った訳を聞いた。

 

「なるほどね、あんたらしい理由だわ。しかし無個性か……ますます心配だな」

 

「その理由は?」

 

「まず身体がちゃちい、どれだけ鍛えさせたかは知らねぇがどう考えても足りてない。次にあんたに憧れ過ぎだ、あいつ、あんたになろうとしてるみたいだぜ?」

 

「ふむ……緑谷少年には自分の道を歩んで欲しいのだが……」

 

「まあ、その辺りはあんたが軌道修正しろよ、ある程度なら俺も手を貸せるしな」

 

「助かるよ紅蓮少年……そうだ!!緑谷少年の状態を確認しなければ!!失礼するよ紅蓮少年!!」

 

そういうと、オールマイトはいつもの姿に戻り緑谷の所に向かった。

 

「本当、教師に向いてねぇなあの人……さて、帰るか……」

 

そうして、猛は着替えて教室に戻り、残りの授業を受けた。

 

(しっかし、平和の象徴……新しく人柱を作っても、この個性社会の為にならない……分かってるのかね、オールマイト)

 

「なあ紅蓮!!俺達これから反省会するんだけどどうだ?爆豪の奴はさっさと行っちまってよぉ!!」

 

「あー悪ぃ、待たせてる奴がいるからまた今度な、えっと、切島だったな」

 

「おう!!待たせてる奴がいるなら仕方ねぇな!!また明日!!」

 

そうして、猛は取蔭と合流して帰宅したのだった。




今回取蔭ちゃんの出番無いです。よくよく考えると飛び降りてるのに手加減ってなんだろうという事に気付きました。そろそろオールマイトとの関係を明らかにしたいなと思っています。
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