「ヴィランンンンンン!?ヒーローを育成する学校に侵入してくるとか馬鹿だろ!?」
突然の敵の強襲に、生徒達は慌て始める。
「先生!!侵入者用のセンサーは!?」
「もちろんありますが……」
「反応してねぇって事は、誰か電撃系統の個性持ちがいるな、そんでセンサーを妨害してる……どっかの馬鹿が考えるレベルの作戦じゃねぇ、用意周到、着々と準備を進めてたんだろうさ」
みんなが慌てる中、猛は冷静に分析する。
「13号、避難開始、学校に連絡しろ、上鳴も個性使って連絡試せ」
「っす!!」
「先生一人で戦う気ですか!?先生の個性じゃ一対多数は……!!」
敵の中に飛び込もうとする相澤を見て、緑谷が声を上げる。
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
それだけ言って、相澤は敵達と対峙する。首に巻く捕縛武器を使い、敵達の個性を消しながら、確実に一人ずつ減らしていく。
「すごい……!!先生は多数との戦闘が、先生の得意分野だったのか!!」
「緑谷、分析してねぇで早く来い!!」
相澤の戦いを分析している緑谷の首根っこ掴んで猛は出口に向かい始めた。
「ちょ、自分で行けるよ紅蓮君!!」
「そうかよ、だったらたったと動いて……!?」
「させませんよ」
避難し始めた生徒達の目の前に、黒い靄のような敵が立ちふさがる。
「初めまして、我々は敵連合、僭越ながらこの度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに、息絶えて頂きたいと思っての事でして」
(は……?息絶えって……オールマイトを、殺すってこと!?)
(やっぱりな……だったら、緑谷は死なせられねえ……ワン・フォー・オールを失うのは避けねぇと……)
「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃる筈、ですが何か変更があったのでしょうか。まぁ……それとは関係なく、私の役目はこれ」
「「おらぁ!!」」
黒い靄が話していると、切島と爆豪が攻撃を仕掛ける。
「その前に、俺達にやられる事は考えなかったのか!!」
「馬鹿共が!!どけ!!」
「駄目だ二人とも、どきなさい!!」
「危ない危ない……そう、生徒といえど優秀な金の卵」
二人の攻撃は、黒い靄に全く効いていなかった。そして、黒い靄がゆっくりと生徒達を包むように広がる。
「散らして、嬲り殺す」
「ちっ!!」
猛は咄嗟に近くにいた生徒二人を蹴り飛ばす。そして、そのまま黒い靄に飲み込まれたのだった。
「・・・・・・ここは」
気付くと、猛は森林エリアにいた。
「俺以外には……こいつらだけか」
そして、辺りから身を潜めていた敵達が姿を現す。
「へへへ、来たぜ獲物がよぉ!!」
「餓鬼一人だけかよ!!つまんねぇぜ」
「13人……舐められたもんだな、お前ら如きが俺とやるのかよ」
ボォォォォ……
そう吐き捨てた瞬間、猛の髪の毛は黒から赤に変わる。
「あ!?なんだこのガキ!!」
「属性、電撃……落ちろ」
バチッ……バチバチバチバチ、バァァァン!!
「「「「「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」
猛を中心に、紅い電撃が走った。そして、敵達は一瞬にして行動不能にされたのだった。
「お前らに時間かけてらんねぇんだわ、早く移動するか」
ドンッ!!
そして、敵達を蹴散らした後、猛は先ほど相澤が戦っていた広間に走った。
(イレイザーは強い、だけどあの数を一人じゃ無理がある……それに真ん中にいた黒い脳みそ剥き出しだった奴は、いやな気配がした……加勢したほうがいいか)
少し走り、広間に着くと、先ほどの脳みそ剥き出しの敵に、腕を握りつぶされ、地面に叩きつけられている相澤が見えた。
「手を……離せ!!
ボォン!!
勢いそのまま、猛は脳みそ剥き出しの敵に向けて拳を放つ。敵の腹に巨大な風穴が空く。
「紅蓮君!?」
「紅蓮ちゃん!?」
「紅蓮ンンンンン!?何やってんだぁぁぁぁぁ!?」
声のする方を見ると、緑谷、蛙吸、峰田が水の中にいた。
「はあ……?なんだよこいつ……躊躇いなく殺しに来やがったじゃん……本当にヒーロー候補せいかよ……」
「悪いが、敵相手に手加減出来るほど強く無いんでな」
脳みそ剥き出しの敵に攻撃を入れた瞬間、猛は相澤を抱えて距離を取る。体中に手を付けている敵は、首元をガリガリと掻きながらこちらを睨む。
「でもまぁ……無意味だけどなぁ……」
ジュクジュク……
「・・・・・は?」
脳みそ剥き出しの敵の腹に空いた風穴が、いやな音を立てながら再生していく。
「こいつは対平和の象徴……改人脳無……お前の攻撃は意味がないのさぁ……」
手を体中に付けている敵は、猛を見てほくそ笑む。
「そうかよ……だったら」
ゴキリ
「こいつをこの場でぶっ殺す、そうすりゃてめぇの顔をぶん殴れるよなぁ!?ゴミクズ共が!!」
「口悪……脳無、殺せ」
「かかってこい、首から上を取り外し可能にしてやる」
猛は、脳無に向かって走り出した。
回数を重ねるたびに雑になってる……?戦闘時はものすごく口が悪い紅蓮猛君なのでした。最近ワンパンマンを久しぶりに読んで新しいネタが思いついてます。何番煎じかも分からないネタなのでその内設定だけ出しそうです。