「そんなに驚く事かね」
「驚くよ!!え!?紅蓮君が、本来ワンフォーオールを……」
未だに驚いている緑谷に、オールマイトは説明を始める。
「ああ、君に出会う1年前さ、私が後継を探し始めた頃にね……断られてしまったが」
「ど、どうして……?」
「そりゃ、人柱になる気は無いからさ」
「ひ、人柱……」
猛は、普段と何も変わらず、だが真剣に話し始めた。
「平和の象徴、敵だろうが災害だろうが、どんなピンチでも笑って解決する最高のヒーロー……世間のオールマイトに対するイメージはそうだな?」
「う、うん!!僕も小さい頃から憧れて……」
「そう、誰でも憧れる……だから理解しない」
「理解、しない……?」
猛の言葉に、緑谷は疑問を抱いた。
「それって、どういう事……?」
「簡単な話だ、誰もオールマイトが負ける事なんざ考えられて無いんだよ、だからヒーローを目指す」
「だから、ヒーローを……」
「そう、自分が負けてもきっとオールマイトが解決してくれる、たとえ自分が死にそうでもオールマイトが来てくれる、そんな甘えが現行ヒーロー、ヒーロー候補生の心には染みついてる」
猛の言葉に、緑谷は衝撃を受けた。確かに、オールマイトなら助けてくれる、そう思っている人達が大多数なのは分かるからだ。
「だがオールマイトだって人だ、怪我もするし病気もする、いずれは……死ぬ」
「・・・・・・・・・・・」
「それが分からない奴が、ヒーロー側には少な過ぎる……なあ、オールマイト、あんた後どれくらいフルパワーで動けてられる?」
「・・・・・恐らく、1時間も無いだろう、マッスルフォームだけなら2時間くらいは持たせられるが……」
「1時間……」
オールマイトの弱体化の進み具合に、緑谷の表情が曇る。
「俺はなぁ、緑谷、そんな世の中を変えたいんだよ、誰もが平和の象徴たり得る力を持てば、この世界はもっと平和になるはずだ……だから受け取らなかった、平和の象徴にはなってはいけないから」
「平和の象徴に、なってはいけない……」
「だからさ、緑谷、まずはお前に強くなって貰う、だから俺が来たのさ」
猛は、緑谷の前に腕輪のような何かを出した。
「これは?」
「特殊な重り、手足に付けてみな」
「う、うん」
緑谷は猛の指示通りに重りを両手足に付ける。
「取りあえず……5倍でいっか」
ピッ、ガツン!!
「おっ!?」
「緑谷少年!?」
猛が手元にあった機械を操作した瞬間、緑谷は崩れ落ちる。
「お、おおおおも……」
「紅蓮少年、やり過ぎでは!?」
「うーん、最初から5倍は重かったか、2倍にするか」
ピッ
「あ……少し、楽に……でも、重い」
「これは内の両親の会社で作られてる特殊な重りでな、両手足に付けて起動させると全身に設定した倍率の重さがかかるんだわ、寝るときと風呂入る時以外は付けてな」
「す、すごい……!!こんなに便利なもの、貸してくれるの?」
「ああ、なんだったらくれてやるよ、それ中古品だし」
「そ、それは悪いよ!!ていうか、紅蓮君のご両親ってサポート会社か何かに勤めてるの?」
「ああ、聞いたことねぇ?クレナイコーポレーション、内の両親そこの社長」
「ええ!?そんな大手サポート会社の!?」
「ああ、それと、明日放課後体育館に来てくれ、やりたい事があるし、オールマイトも来いよ」
「それはいいが、何をするのかね?」
「何か?決まってんだろ」
猛は、口角を上げながら言う。
「個性の使い方を教えるんだよ」
お久しぶりです、新生活への準備で忙しくなってました。これからもまちまち投稿します。それとタグ増やします。敵側もやるのを忘れてたのでその内やります。