「な、何を言ってるんだい紅蓮少年!!そんな危険な事を……!!」
「悪いがオールマイト、俺は感情論やら根性論やらが大嫌いなんだわ、遅れまくってるこいつに綺麗事並べても仕方ねぇ、必要だからやるんだよ」
猛は何処までも現実主義者、聞き心地のいい言葉で濁すような事はしない。
「ま、待って待って!!ボコボコにするって、何で突然そんなことに……」
「だから、必要だからだよ、ボコボコにするとは言ったが、一方的に殴られろとは言ってねぇ、ようは俺の攻撃を避けつづけて反撃してこい。個性を使ってな」
そう言って、猛は重心を前傾に傾けて、構えを取った。
「構えろよ、大怪我したくなきゃ、な!!」
ヒュッ、ドゴッ
「がっ……」
猛の拳が緑谷の腹にもろに入る。たまらず緑谷はうずくまる。
「だから言ってんだろ、構えろ」
「待って、てば!!個性の使い方、間違ってるって……何処が間違ってるのか教えてよ、突然殴られても分からないよ!!」
「時間があればそうするが、体育祭まで時間がねぇ……だが、確かにヒント位はくれてやった方が良いか……ヒント、俺とオールマイトの動き方」
「紅蓮君とオールマイトの、動き方……?」
「もっと言えば戦い方だが……これ以上は自分で考えろ、よっ!!」
ヒュッ
「うわぁ!?」
猛が緑谷めがけて蹴りを放つが、緑谷は転がって避ける。
「反撃しねぇと血まみれになるぞ、個性使えよ」
猛は転がっている緑谷を、見下ろしながら言った。
「紅蓮少年!!やはりこれは無茶苦茶では……!?」
「黙ってろオールマイト、個性の使い方は考えてからじゃ遅いんだよ。それにこいつの使い方……体ぶっ壊れてからじゃ遅いだろうが」
猛は首を回しながら緑谷に近づいていく。
「緑谷、お前言われてたよな?イレイザーに、焦れよって……本当に焦ってるのか?お前、クラスでダントツ遅いんだぞ?無茶ぐらいしてみろよ」
「・・・・・・・・僕だって、焦って無いわけじゃない!!」
緑谷は立ち上がりながらそう言った。
「だったら見せてみろよ、たくっ……もう少しヒントやるか」
猛は右手にオーラを集め始めた。
「これがお前の個性の使い方、エネルギーを一カ所に集めて全ぶっ放、対して俺とオールマイトは?これ以上はまじで言わねえぞ」
そう言うと猛は右手のオーラを拡散させた。
「僕の使い方……紅蓮君とオールマイトは……そうか!!紅蓮君とオールマイトは一カ所に力を集中させてる訳じゃ無い!!」
「そう、お前はワンフォーオールの力を一カ所に溜めて使ってる。だから許容上限でもぎりぎりになる。だがオールマイトは?そんなラグ無いだろ、全身にまんべんなく力を入れる。そうすりゃ負担も拡散するし動きも自由が利く……てか最初に教えろよ継承したのあんただろオールマイト」
「うぐっ!!」
猛はじとっとした目でオールマイトを見つめる。その目にオールマイトは少し縮こまる。
「い、いやぁ、自分で気付いた方が力になると思ったし……それに、継承出来たの受験の日当日で」
「だったら受験後の合否発表の後時間があっただろうがそれに今年まで個性無かった奴がこんな特殊な個性扱いきれるわけねぇだろうが誰もがあんたみたいに最初から100%の力を扱える訳じゃねぇんだよもっと責任感を持て!!」
「はい……」
(オールマイトが説教されてる……)
すっかり縮こまるオールマイトだが、そんな事を気にせず猛は緑谷の方にむき直す。
「おら、気付けたんだからやってみろよ」
「う、うん……個性を、一部ではなく、全身に……!!」
ビリッ、パチパチッ
猛の言葉と供に、緑谷は全身に個性を纏わせる。
「これ、想像よりキツい……!!」
「だけどそれが正しい個性の使い方だ、とりあえず今の上限で普通に動けるようになれよ」
「これが正しい使い方……ワンフォーオール、フルカウル!!」
「いや名前はどうでもいい……さて、んじゃあ本番だ」
ピリッ
猛も全身にオーラを纏わせる、そして、髪が赤く染まる。
「今からちゃんと攻撃するから、防ぎつつ反撃、今度はしっかりしろよ?」
「う、うん!!」
「オールマイト、いつまでもしょぼくれてねぇでしっかりしとけよ」
「う、うむ、して紅蓮少年、私は一体何を……?」
「何を?はっ、決まってるだろ……緑谷を保健室に連れてくんだよ、後でな」
「「え?」」
その言葉を最後に、猛は攻撃を始めた。緑谷は抵抗するが……さすがに経験値が違いすぎた結果、全身に青痣作るはめになったのだった。その緑谷を保健室に運ぶ最中、オールマイトは思った。
「あれ?私が居た意味……これだけ……?」
いやぁ、雑で申し訳ない。でもやっぱり、オールマイトって教師に向いてないんですよね多分……ナチュラルボーンの天才だからですかね。ちなみに今風に罵倒されてますが、オールマイトの事は全然嫌いじゃありません。やり方は正しいとは思えないだけで。