「割と遅くなっちまったかな、他にもいろいろ準備してたし……反省反省」
緑谷との戦闘訓練の後、効率のいい身体能力の上げ方、先日渡した重りの設定を変更出来るリモコン等を渡していたので少し帰るのが遅くなった猛だった。
ガチャッ
「たでぇま~帰ったよ~」
「あ、お帰り猛」
「本当に一緒に暮らしてるんだ……お邪魔してます」
「初めまして、お邪魔してます」
家に入ると、取蔭の他に、柳ともう一人、サイドテールの女の子が居た。
「あれ、柳じゃん、後は……どちらさん?B組の人?」
「そうだよ、拳藤一佳っていうんだ、よろしく」
「おーよろしく、紅蓮猛だ」
そう言って猛は荷物を置くと着替えるために自分の部屋に行った。
「猛が遅いからさ~、暇だし呼んじゃった」
「悪かったよ、訓練に付き合ってたら遅くなっちまった」
「へぇ、珍しいね、猛が誰かの訓練に付き合うなんて」
「そうでもねぇだろ」
そうして、猛は着替えてリビングの床に座る。
「紅蓮、怪我の方はもう大丈夫なの……?」
「そう言えば、大怪我した奴がいるって噂になってたっけ、紅蓮だったんだね」
「噂になってんのかよ……大丈夫だ、リカバリーガールに治してもらったし、俺自分の個性で治癒出来るし」
「へえ、万能……」
「昔はそうでも無かったのにね~」
キッキンの奥から、四人分の飲み物を持った取蔭が出てくる。
「猛はさ~、昔は個性使うたび怪我してたよね、かなりの頻度で」
「そうだな~、筋肉が弾けるのはもちろん、骨折とかしまくってるから、骨が若干歪んでのな、俺」
「大丈夫なの?それ」
「まあ、大丈夫ではねぇけど、問題はねぇよ……それよかお前ら、もう結構遅いが大丈夫か?」
猛が時計を指さすと、既に時間は六時を過ぎていた。
「そうだね、あんまり遅いとあれだし、帰ろっか」
「うん、そうしよ」
「送ってやろうか?もう結構暗いぜ?」
「大丈夫だよ、あたしらだってヒーロー科だし、駅からもそこまで遠く無いしさ」
「気持ちだけで」
「拳藤、レイ子、また来てね~」
そうして、二人は帰って行った。
「ふわぁ、寝みい」
「・・・・・・・ねえ、猛」
「ん……どうしたよ、切奈」
先程までとは打って変わって、取蔭は真剣な顔で猛に話しかける。
「もしさ、今度の体育祭、私が勝ったら……話したい事があるんだ。聞いてくれる?」
「・・・・・・いいよ、その代わり、俺が勝ったら俺の話を聞けよ……俺も、言いたい事がある」
取蔭の言葉に、猛も真剣な表情で答える。
「うん、もちろん……所で、選手宣誓猛でしょ?何を言うの?」
「あ~……喧嘩、売ろっかな」
そして、あっという間に時間は過ぎ、体育祭本番を迎える事になる。
なんとなく分かるかも知れませんが二人とも両想いなんですわね。だからそうそうにくっつけて取蔭を泣かしたいんだ。そういう癖なんだ、私は。