体育祭当日、1-A控室
「みんな準備はいいか!?もうすぐ入場だ!!」
「コスチューム着たかったなー」
「公平に期す為着用不可なんだよ」
本番を目の前に、各々が集中力を高めている中
「ふわぁ……ねむ……」
猛は普段通り、気だるげな感じに座っていた。
「紅蓮君、すごいいつも通りに見えるけど、緊張しないの?」
近くで座っていた緑谷は緊張してガチガチになりながら猛に話しかける。
「別に緊張なんざしねえよ、こういうのは普段通りに動ける奴が勝つんだから」
「な、なるほど……」
「ま、緊張のしなさすぎも問題だからそろそろ気を張り始めようとは思うが…お前は緊張のしすぎだ、よっ!!」
バチィン!!
「いったぁ!?」
猛は、緊張している緑谷の背中を張り手で叩いた。控室に弾けたような音が響いた。
「うわっ、痛そ……」
「さあ!!準備が出来たら行くぞ!!」
そして、入場の時間になり、飯田がみんなを会場に連れて行こうとしている時だった。
「緑谷、ちょっといいか」
「轟君…なに?」
「客観的に見て、実力は俺のほうが上だと思う……お前、オールマイトに目をかけられてるよな、別にそこを詮索する気はねえが……お前には勝つぞ」
「・・・・・・・・っ!!」
普段よりもぎらついた眼で、轟は緑谷に宣戦布告した。
「紅蓮、お前もだ」
「ああ?」
そしてそのまま、轟は猛にも宣戦布告し始めた。
「初回の戦闘訓練、正直完敗だった、USJの時も誰より強いヴィランと戦って生き残ってる……だけど、今度は俺が勝つ、絶対にだ」
「・・・・・・・・」
轟は変わらずぎらついた眼で猛に宣戦布告していたが、当の猛は轟をつまらない眼で見ていた。
「無理でしょ、お前じゃ」
「なっ……」
「俺に勝つ?お前が?自身の持ってる力を全部使ってないお前が?はっ、笑わせるなよ三下、今のお前なんざ遊びにもなりゃしねえよ」
「お前っ……!!」
猛の挑発するような物言いに、轟は激昂して詰め寄ろうとした。
「おいおいやめろって!!喧嘩腰になるなよ本番前に!!」
そこを、近くにいた切島が仲裁に入った。
「喧嘩腰になってるのは轟だけでしょ、俺は事実を言ってるだけ」
「なんだとっ……!!」
「だからやめろって!!」
「ま……見せてやるよ、お前と俺の差、今のままじゃ絶対に埋まらねえから」
そう言って猛は一足先に会場に向かった。
(力を全部使ってないだと……それでも、俺は……!!)
体育祭、会場、そこは多くのヒーローたちの歓声が響き渡っていた。
『雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが!!我こそはとしのぎを削る年に一度の大バトル!!どうせてめーらアレだろこいつらだろ!?敵の襲撃を受けたにも関わらず、鋼の精神で乗り越えた期待の新星!!1年A組だろぉぉぉぉぉ!!』
プレゼントマイクの紹介とともにA組の面々が会場に入場していく。
「う、うわあ、人がすんごい……」
「めっちゃ持ち上げられてんな……なんか緊張するなぁ、なあ爆豪」
こと
「しねえよ、ただただ上がるわ」
「さて……暴れますか」
ヒーロー科A組の面々が様々なことを思いながら入場していく中、ヒーロー科B組、普通科、サポート科、経営科が入場してきた。
「選手宣誓!!」
そして、すべての生徒が入場すると、壇上に18禁ヒーローミッドナイトが上がった。
「おお、今年の主審はミッドナイトか!!」
「校長は?」
「校長は、例年3年ステージだよ」
「18禁なのに高校にいていいものなのか」
「いい!!」
「そこ!!静かにしなさい!!選手代表!!1年A組、紅蓮猛君!!」
「ういーっす」
ミッドナイトに呼ばれ、猛は壇上に上がった。
「えーっと、宣誓、頑張りまーす、以上」
「ええ、それだけ?ほかに何かないの?」
あまりの短さに、ミッドナイトは苦言を呈す。
「え~……まあ、とりあえず優勝すること前提で、全員叩き潰すから、やる気のある奴だけかかって来いよ、以上」
それだけ言い残して、猛は壇上から降りた。生徒たちからは非難の声が集まるが、一部の生徒たちは闘志を燃やしていた。
(絶対に勝つ……!!勝って、親父を否定してやる!!)
(上等だ赤髪野郎!!俺のほうが上だって証明してやんよ!!)
(猛……私、勝ちに行くから)
「さーてそれじゃあ早速第一種目に行きましょう!!」
「雄英ってなんでも早速だね」
そして、ついに雄英体育祭が始まった。
次回、ようやく体育祭、体育祭が終われば切奈との関係に名前が付くんですけどね(盛大にネタバレ)