「いわゆる予選よ!!毎年ここで多くのものが
ミッドナイトの号令とともにモニターに第一種目が表示された。
「障害物競走……!!」
「ふぅん、そういう感じのをやるのね、なるほど」
「そう!!11クラスでの総当たりレースよ!!コースはこのスタジアムの外周約4キロ!!我が校は自由さが売り文句、コースを守れば、何をしたってかまわないわ!!」
「へえ?そうなんだ……面白そうじゃん」
ミッドナイトの言葉に、猛は不敵な笑みを浮かべる。
「さあさあ!!位置につきまくりなさい!!」
そして、用意されたスタート地点に続々と生徒たちが集まり始めた、そんな中、猛はというと……
「あれ?主席の子、一番後ろにいないか?」
「本当だ、あれだと走り出したとき前に出れないだろう」
なぜか一番後ろを陣取り、靴を脱ぎ捨てていた。
(三流どもが、これだけ人がいりゃ分かるだろうに……)
パッ、パッ、パッ
『スタート!!』
そうこうしているうちに、スタートを告げるランプが光り、障害物競走が始まった、それと同時に
ヒュゥゥゥ・パキパキパキパキパキ!!
進もうとしている生徒たちの足元を氷が覆った。
「最初の、ふるい……!!」
「んだよこれさみぃぃぃ!!」
「凍った動けねえぇぇぇ!!」
「このやろー!!」
最前線にいた轟が、生徒たちの足元を凍らせて、いち早く前に出た、一人を除いて。
ガッガッガッガッガン!!
「なっ!!」
「残念でした」
気づけば、猛が轟の横をすさまじい速度で通り抜けた。
『うぉぉぉぉ!?実況しようと思ったら1‐A紅蓮、すっげえ速さで轟の前を出て先頭に躍り出たぞお!?あいつ一番後ろにいたよな!?』
『壁を使ったんだ』
『壁ぇ?』
『スタート地点の壁を見てみろ』
相澤の言葉通りに見てみると、生徒たちが動けなくなっているスタート地点の壁には、不規則なへこみが出来ていた。
『おそらく轟が凍らせてくるのを読んでいたんだろ、生徒たちが動けなくなっている地上よりも、上の空いてる空間を使って脱出、それと同時に自身の加速も兼ねてたんだろうな』
『マジかよ!!すげえ判断力だな!!』
『上を使えるんだったら使う、実に合理的な判断だ』
「くそっ……!!最初に止めたかったが」
すでに猛は、轟に目をくれずに、さらに加速して前に進んでいた。そして、他の回避した生徒たちも続々と迫ってきている。
「待ちやがれ赤髪野郎ぉぉぉぉぉ!!」
「さすがに早いですわね紅蓮さん……負けませんわ!!」
そして、猛のほうは、第一関門に取り掛かろうとしていた。
「ターゲット確認……大量」
「これって入試の0pヴィランか、しかも面倒な量がいるな」
猛の目の前には、入試の時に出ていた0pヴィランが大量に設置されていた。
『さあさあ、先頭の紅蓮、すでに最初の関門、ロボ・インフェルノに差し掛かったぜぇぇぇぇぇ!!』
「仕方ねえな、後続に道、作ってやるか」
ピキピキピキピキ、ギュゥゥゥゥン、ドォン!!
猛は自身の個性のエネルギーを指先に集中させ、速度を保ったまま飛び上がった。
「邪魔だ木偶の坊!!
ヒュッ、ズガァン!!
そしてそのまま腕を横になぐと、赤いエネルギーがロボットたちを溶解させながら真っ二つに破壊した。
「掃除かんっりょう!!」
グッ、ドォン!!
そして、地面に着地すると同時にさらに加速し始めた。
『うおぉぉぉぉ!!先頭紅蓮、まさかの障害物のロボたちを一蹴しちまいやがったぜ!!てかなんだ今の攻撃!?』
『・・・・おそらくだが、入試試験時に使った技のエネルギーを、一点に圧縮させて、一気に放出させたんだろう。攻撃範囲を絞ることで余計な被害を出さず、かつエネルギー自体は圧縮されて破壊力そのものは上がっている、雑に見えて繊細な一撃だ』
『見た目によらずに技巧派ってことか!?似合わなねぇぇぇぇぇ!!』
「殺すぞあのインコ頭」
そうこうしている間に、猛は第二の関門にたどり着いた。
「なんだこの馬鹿でけえ穴は、いつ作ったんだ……穴ってか、渓谷っぽいけど」
『おおっと紅蓮!!早くも第二の関門、落ちたらアウト!!それが嫌なら這いずりな!!ザ・フォール!!』
猛の目の前には、大小様々な足場と、その足場をつなぐロープが架かっている巨大な渓谷に見える穴だった。
「まあ……意味ねえけどなあ!!」
ズッダァン!!
猛は目の前の足場を無視して、そのまま飛び出した。
『おっと紅蓮血迷ったか!?足場を無視して……って、飛んでる!?』
猛はそのまま空中を速度を殺さずに走るように滑空し始めた。
『なんだあれぇ!?なんで空飛んでるんだぁ!?』
『あれに関しては俺にもわからん、どうやってるのか説明もないからな』
そして猛はさらに速度を加速させながら、最後の関門に取り掛かる。
『おおっと紅蓮!!後続たちはまだ第二関門突破してねえぞ!!誰よりも早くたどり着いた最終関門、その実態は、一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃ分かる仕様になってっから、目と足を酷使して……』
『マイク、実況が遅い、もうすぐ終わるぞ』
『ってあれぇ!?一個も踏んでねぇ!?』
猛は速度を上げながら、地雷も避けて一直線にゴールに向かっていた。
『なんであの速度で地雷を一個も踏んでねえんだ!?意味わかんねえ!!』
『これに関してはあいつの瞬間的な判断力、反射神経がずば抜けてるとしか言えん』
『どうなってんだよ今年の一年は!!そんなことを言ってたらもう地雷原抜けてやがるぞおい!!』
猛は地雷原を抜けると同時に、足にエネルギーを溜めて一気にゴールを突っ切った。
「おし、一番乗り~」
『おいおいおいおい!!気づきゃもうゴールしてんぞ!!紅蓮猛、他を圧倒して一番先にスタジアムに戻ってきやがったぁぁぁぁぁ!!』
ウォォォォォォォォォ!!
プレゼントマイクの実況が終わると同時に、すさまじい歓声がスタジアムに轟いた。
「すごいなあの子は!!どこかで訓練受けてたのか!?」
「いきなりサイドキック争奪戦だな!!」
「すげえ逸材だ!!」
「おーおー、騒いでやがるなぁ有象無象共が」
自身を称賛する声など気にせず、猛はスタジアムをぐるりと見渡した。
(さてさて、体育祭が終わりゃ恐らく職場体験があるはず、どこにしようかねぇ)
そうしていると
ボォォォォォォン!!
猛のいるスタジアムの外から、巨大な爆音が鳴り響いた。
「なんだぁ?爆豪の奴、個性で前の奴吹き飛ばしたか?」
タッタッタッタッタッタ!!
そうしていると、スタジアムのゴールから走る音が聞こえてきた。
「お、ようやくもう一人戻ってきたか、はてはて誰かね、轟?爆豪?」
そして、ついに二人目の完走者が現れた。
「はあっはあ……!!」
「お~……意外、だったかな、お前かよ緑谷」
それは、後方にいたはずの緑谷出久だった。
「なんだなんだ、特訓の成果1ミリくらいは出たか?てかさっきの爆発なに?」
「いや、それは……運が良くて……」
「ふうん、運ねえ」
タッタッタッタッタッタ
「ハア……ハア……クソがぁぁぁぁぁぁ!!」
「ハア……ハア……」
「お、お前らも来たんだ」
その後、緑谷の後から轟、爆豪を皮切りに続々と生徒たちがスタジアムに戻ってきた。そして、上位42名の生徒が戻ってきた後、第一種目が終了した。
「いやぁ、すごいね紅蓮君、デク君!!悔しいよ畜生!!」
「この個性で後れを取るとは……やはりまだまだだな俺は!!」
近くにいたのか麗日と飯田が話しかけてきた。
「い、いや、たまたま運が良かっただけで……」
「たりまえだろ、楽勝だわ、最高速度出さなくて済んでよかった」
「な!?紅蓮君はあれよりも速度が出せるのか!?」
「うん、今回は7割くらいだったな」
そうしていると、ミッドナイトがまた壇上に上がった。
「さあ!!これにて第一種目は終了、順位は御覧の通りよ!!」
ミッドナイトが指示を出すと、スクリーンに生徒たちの順位が映し出された。猛はそれを見ながら、少し考え事をしていた。
(B組の連中が大分後ろにいる……なんでだ?第一種目で体力を消費したくなかった?だけど何人かはトップ争いしてたよな……切奈は40位?ふぅむ……あ、そういうことね)
猛がB組の面々の思惑に気が付くと、ミッドナイトが次の競技の説明をしだした。
「予選通過は42名、落ちちゃった人たちも安心なさい、まだ見せ場は用意されてるから!!そして次からいよいよ本戦よ!!取材陣も白熱してくるからみんな気張りなさい!!さ~て第二種目、私はもう知ってるけど何かしら!?そうこう言ってる間に~これ!!」
そして、スクリーンには騎馬戦と映し出されていた。
「騎馬戦……!!」
「個人競技じゃないけどどうやってやるのかしら」
「参加する子たちには2~4人のチームを自由に組んで騎馬を組んでもらうわ!!基本は普通の騎馬戦と同じルール、一つ違うのは、先ほどの結果に従いポイントが振り分けられること!!」
「なるほど、入試と同じ得点を稼ぐ形式ってわけね」
「分かりやすくて助かるぜ」
「つまり騎馬の組み合わせによってポイントが変わってくると」
「あんたら私がしゃべってるのにすぐ言うわね!!」
ミッドナイトが自分の解説が出来ずに少し怒っていたが、すぐに解説を再開し始めた。
「まあその通りよ!!そして与えられるポイントは下から5ポイントずつ!!42位な5ポイント、41位なら10ポイントといった具合よ、そして1位に与えられるポイントは……1000万!!」
「へえ?」
ミッドナイトの1000万という言葉に、その場の全員が猛のほうを見る。
(つまり1位を落とせば……!!)
(どんな順位でも逆転があり得る……!!)
ミッドナイトはその様子を見ながらにやりと笑った。
「そう……上位の奴ほど狙われちゃう、下剋上サバイバルってことよ!!」
「・・・・・・・・・・」
その場の全員の視線にさらされながらも、猛もまた、不敵な笑みを浮かべた。
「面白れぇ、ぶっ潰してやるよ三下ども」
かくして、第二の種目、騎馬戦は始まるのだった。
騎馬戦はさっさと終わらせて早くバトルやりたいっすね、それよりも早く体育祭編終わらせてヒロインとくっつけたい、そんで号泣させたい、推しの泣く顔からしか得られない栄養がある。