『さあ、レクリエーションも終わりついに始まるぜ最終種目!!第一回戦、成績の割になんだその顔、ヒーロー科、緑谷出久!!対、ごめんまだ目立った活躍なし!!普通科心操人使!!ルールは簡単、相手を戦闘不能にするか、場外に押し出す、もしくは参ったとか降参させても勝ちのガチンコ勝負だ!!怪我上等だ、こっちにはリカバリーガールが待機してるぜ、道徳倫理観は一回捨てておけ!!』
「へえ?倫理とか道徳とか捨てていいんだ?良いこと聞いた」
(((((やばい、紅蓮がすごい顔して不穏なこと言ってる!!)))))
プレゼントマイクの言葉に、今度は獰猛な肉食獣のような笑い方をしている猛を見て、他の生徒たちは不安を感じていた。あまり長い付き合いではないが、皆が何となく猛の性格を理解してきている証拠だった。
『ただし!!命にかかわるような行為はクソなので一発アウトだぜ!!ヒーローは敵を
「あ~……ま、そりゃそうか、残念残念」
(((((た、助かった~!!てか、本気で殺すつもりでやる気だったんですか!?))))))
とりあえず猛は元の表情に戻ったが、生徒たちの胸中には不穏なものが残るのだった。
『そんじゃ早速始めようか!!レディィィィィィィィ!!スタート!!』
そして、プレゼントマイクの号令で、ついに始まった最終戦、だが、緑谷は心操に詰め寄ろうとした瞬間、突然顔から表情が抜けて動きを止めてしまった。
『おいおいどうした!?大事な初戦なんだから盛り上げてくれよ!!緑谷、開始早々完全停止しちまったぜ!?』
「ああ!!緑谷、せっかく忠告したのに!!」
「・・・・・・・尾白、あいつの個性って、もしかして問答によって発動する精神系統の個性だったりする?」
「あ、ああ!!開始前に緑谷には教えたんだけど……」
尾白の言葉に、猛は冷静に状況を整理し始めた。
(なるほど、おそらく自分が投げかけた言葉に対して返答すると発動するのか、事前情報があったにも関わらず、返答したってことは……大方、最終種目を棄権した尾白のことを罵倒したか、あいつの性格考えりゃ、自分に対する罵倒よりもよほど効くだろうさ……にしても、尾白から情報をもらっておいてこの体たらくか、馬鹿たれめ)
『マジでアホ面でピクリともしねえな!?もしかして目立ってなかったけど、心操って実はめちゃくちゃやばい奴なのか!?』
『だからあの試験は合理的じゃないってんだ……心操の奴、ヒーロー科の実技試験で落ちてる、普通科も併願してたってことは、落ちること前提だったんだろ、あいつの個性は十分強力なものだが……あの試験内容じゃ、ポイント稼げねえよ』
そして、心操の個性で自分の体のコントロールを奪われている緑谷は、そのまま場外に向かって歩き出した、会場の誰もが緑谷の敗北を確信していたが、猛だけは別の目で見ていた。
(さて、緑谷はこのままじゃ負け濃厚、どうする?このまま諦めるのか……違うよな?わずかだがお前の面倒を見たから分かる、お前は周りの人間が思うよりも負けず嫌いだ、見せてくれよ緑谷、オールマイトがお前に感じた可能性って奴をさ)
そして、あと一歩、緑谷が足を踏み出せば場外負けになるというところで、異変が起きた。
バキッ!!ビュゥゥゥン!!
なんと、自身の個性を暴発させて、心操の個性を解除してみせた、代償として指が二本折れたが、その様子をみて、猛は笑みをこぼしていた。
(かっかっか、土壇場、だけど少しだけ見せたな、可能性……楽しませてくれるね緑谷、そう来なくちゃな)
その後、立場は逆転、一気に不利になる心操だったが、何とか緑谷に再度返答させようと必死だったが、最後は緑谷に場外に投げ出され、心操は一回戦で敗北した。だが、そんな心操の姿を見て、クラスメイトや会場にいたヒーローは彼の健闘をたたえるのだった。
(残念だよ心操、お前は俺が潰してやる予定だったが……ま、その内また戦う機会があるでしょ、気長に待つとしようか)
その後、第二回戦、轟vs瀬呂が始まるのだが、瀬呂は始まった瞬間に自身のテープで轟を拘束、場外に引きずり出そうとしたが……その勝敗は、一瞬にして決するのだった。
「わりぃな」
ピキ、ピキピキピキピキィン!!
轟は普段のクールな表情と打って変わって、憎悪に支配された表情で、氷結の最大火力をぶっ放した。その結果、スタジアムを突き抜けるほどの氷塊が現れて、瀬呂の不意打ち空しく、轟の二回戦進出が決まった。
(おーこわっ、大した火力だよ轟……それだけに、惜しいな、今のお前じゃ、確実に俺には勝てないさ……ま、きっかけがあれば心変わりするだろ、俺と当たるまでに、乗り越えられりゃいいが)
その後、轟の氷塊が撤去されると、第三回戦が始まった。
『ステージを乾かして第三回戦!!B組からの刺客、騎馬戦1位チームの意地を見せられるかぁ!?取蔭切奈、対、スパーキングキリングボーイ、上鳴電気!!』
「ねえ紅蓮君、取蔭さんの個性って、手を切り離すだけじゃないよね?どういった個性なの?」
いつの間にか隣を陣取っていた緑谷が、猛に対し疑問を投げかけてきた。
「あ~……あいつの個性はトカゲのしっぽ切り、簡単に言えば体をバラバラにして動かせる、それだけの個性なんだけど……ま、使い方次第で化けるさ、見てろって」
『それじゃあ始めるぜ~スタート!!』
「体育祭が終わったら飯とかどうよ、多分一瞬で終わるからさ」
「え?ナンパされてる?舐めすぎじゃない?」
「行くぜ~、無差別放電、130万、ボルト!!」
バチチチチチチ!!
上鳴は、取蔭に自身の放電への防御策がないと思い、後先考えずに電撃をぶっ放した、だが、それが取蔭に完全に直撃することはなかった。
「ふい~、あっぶな、セーフセーフ」
取蔭は、自身の上半身のみを分裂、空中に浮かせることで上鳴の電撃のダメージを下半身のみに抑え、戦闘不能になるのを防いだ、そして、電撃を放った上鳴はというと
「うぇ、うぇ~い」
個性の反動により、頭が著しくアホになっていた。
「さ~て、場外まで運ぼうね~」
「うぇ~い」
ひょい、ひゅ~
そのままは取蔭は、上鳴を掴んで場外に運び出した。
「上鳴君場外、取蔭さん二回戦進出!!」
「いえ~い」
『上鳴あっさりやられた~!!だせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
『あの阿保が……』
あまりの醜態に、担任の相澤も思わず悪態が漏れる。
「なるほど、取蔭さんの個性ならああいう風に自身のダメージを分散させて最小限にすることができる……!!すごい個性だね、紅蓮く、ん……?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
興奮している緑谷は隣にいた猛に再度話しかけるが、当の猛はまるで、先ほどの轟のような表情で上鳴を見ていた。
「ぐ、紅蓮君?どうかした?」
「・・・・・・いや?切奈が勝ったことに不思議はねえよ、あいつの事はよく見てきたからな」
(め、目が全然笑ってない!!死ぬほど怖い!!)
『さあー!!どんどん行くぞ頂点目指して突っ走れ!!第四回戦!!ザ・中堅って感じ?飯田天哉、対、サポートアイテムフル装備で登場!!サポート科、発目明!!』
そんな中、第四回戦が始まるが、飯田のほうはなぜか普段使っていないはずのサポートアイテムを装備して登場した、当人曰く、発目の事情を組んで装備をつけさせてもらいたいという話だった。結果、ミッドナイトの好みに刺さったので、飯田の装備を認めて第四回戦が始まった……が、実態は自分のアイテムをでかい企業に紹介がしたい発目の嘘の事情であり、終始発目の自作のサポートアイテム紹介に終わり、満足した彼女は自分で場外になり、結果的に飯田は二回戦に進出することになった。
「・・・・・なんでヒーロー科って一定数頭が弱い奴がいるんだ?馬鹿なのか?」
「い、飯田君は真面目過ぎたから……それで乗せられちゃっただけだと思うよ」
その後、第五回戦、常闇対芦戸の試合が始まったが、芦戸の酸は常闇のダークシャドウに効くことはなく、自慢の身体能力を生かすことも出来ずに終始防戦、場外に弾き飛ばされ常闇の圧勝で終わった。
「常闇君すごい……身体能力の高い芦戸さんが何もできなかった……」
「まあ、あのくらいやるだろ常闇は、お前らが自分で騎馬に組みに来なかったら声かけるのあいつの予定だったし」
「そ、そうなんだ……あれっ!?紅蓮君次だよ!?行かなくていいの!?」
「ん?ああ、もう次か」
『それじゃあ始めるぜ第六回戦!!万能創造、推薦入学とあってその実力は折り紙付きだぜ!!ヒーロー科、八百万百!!そしてそしてぇ!!ついに出るぞこの男が!!今んとこ全部圧倒的な成績を収めている、紅蓮猛!!ってあれぇ!?まだいねえ!!』
「紅蓮君!!早く来ないと棄権とみなしますよ!!」
また会場に立っていなかった猛に、ミッドナイトが警告を出す。
「はいはい、今行きますよ、っと」
トォン、スタッ
そんな猛は、観客席から会場まで跳躍してその場に立った。
『なんと紅蓮!!観客席からジャンプしてきたぜ!!面白い演出してくれるじゃねえの!!それじゃあ第六回戦、スタート!!』
そして、ついに八百万と猛の戦いが始まった。
「待たせて悪かったな八百万、痛くしないから安心しろよ」
(紅蓮さん……まともにやりあえば勝ち目はありませんわ、ですが、油断している今のうちに、武器と盾を創造できれば……まずは盾を!!)
八百万はまず、自身を守るための盾を創造で作り出した、猛はその様子は、何もせずに見守っていた。
(・・・・・?動かない?)
「ん?ああ、武器と盾作りたいんだろ?作っていいよ、お前の準備が終わるまで何もしねえから安心しろ」
「・・・・・どういうつもりですか」
八百万は、自身を甘く見ている態度に、不快感をあらわにする。
「どうもこうも、そのまんまだよ八百万、分からねえほど馬鹿じゃないだろ?お前と俺の間にある差、壁があるどころじゃねえんだ、だからお前が丸腰の状態のとき、俺はお前に攻撃を加えない、そのくらいハンデがあっていいとこだろ」
「・・・・・・!!後悔させますわ!!」
ズズズズズズズ、ズンッ!!
八百万は猛の言葉に怒りをあらわにし、まさかの大砲を創造してみせた。
『おおっと八百万-!?人に向かって大砲をぶっ放すのはまずいぞ~!?』
(当然ですわ、この中に入っているのは砲弾ではなく捕縛網、このサイズの捕縛網を、この距離なら避けるしかない!!そこを捕えますわ!!)
八百万としては、大砲を使い隙を作った後、別の道具を創造して捕縛するつもりだったのだろう、だが、その隙を作るほど、猛は優しくなかった。
ヒュン、トンッ
「ぇ・・・・・?」
どさっ
一閃、八百万が大砲を創造し終わった直後、猛は距離を一瞬で詰め、八百万の首元に手刀を落とし、意識を刈り取った。
「な?痛くなかったろ?ミッドナイト、失神だ、決着だぜ」
「・・・・・八百万さん失神!!紅蓮君二回戦進出!!」
『おおおい!?今何をどうやって距離を詰めたんだ!?スゲぇぇぇぇぇぇ!!』
『あいつ一人、頭が抜けてるどころじゃないな……本当にどこかで訓練を受けてないのか?』
「受けてないっすね~……んじゃ、退場するよ~」
猛はさっきとは違い、ちゃんと出入り口からその場を後にするのだった。
「紅蓮君すごすぎる……八百万さんが創造でアイテムを作ってから攻撃に移ろうとするまで、棒立ちだったのに……一瞬で失神させるなんて……」
(やっぱ強いな~猛って……でも、勝たなきゃ、ね)
猛への驚愕、疑問、動揺が残る中、第七回戦、個性のかぶってる切島、鉄哲の戦いが始まった、終始お互いに殴り合い、結局は二人とも失神、その後腕相撲にて切島が勝利、二回戦への進出を決めた。そして、一回戦最終試合の、第八回戦、麗日対爆豪の戦いが始まった、攻め続ける麗日だったが、爆豪の反射神経によりことごとく迎撃、爆破されていた。その容赦のない攻めに、次第に会場から不満の声が上がり始めた。
(たくっ、三下どもが、マジでやってる奴らの茶々入れてんじゃねえよカスどもが、ぶっ殺すぞ)
そんな声を聴いて次第にイライラし始める猛だったが、担任の相澤が、そんな声を一蹴した。爆豪は相手を認めているから全力で戦っているのだと、本気で勝ちたいからこそ、油断も手加減もしないのだと、その言葉を聞いて猛は自身の怒りを鎮めた。
(さすがだねイレイザー、あんたのそういうところが好きだよ俺は……それに、もうすぐ決着だろ)
直後、流星群が降り注いだ、麗日は自身が爆破を受けながらも、その時に生じていた瓦礫を空中に滞空させていて、それを一気に降り注がせた。
(あえて低い体勢で戦っていたのは、上に注意を向けさせないため、いい考えだったよ麗日……よく戦ったよ)
起死回生の一撃、麗日はここで勝負を決めるべく距離を詰めた、だが
パチ、パチパチパチ、ボォン!!
轟音、爆豪は降り注ぐ瓦礫の流星群を一撃で吹き飛ばして見せた。麗日は、それでもなお戦おうとしたが、とっくに自身の限界を超えた個性の使用に、体力を使い切り、その場に倒れ伏した。そして、ミッドナイトの判断により、爆豪の勝利が決まり、一回戦のすべてが終了したのだった。
ダイジェストにするって言った割には長くなってしまった、もうちょい割ればよかったなと思いました……この主人公、本当に15、6の子供なのか疑いたくなる判断能力と洞察力の持ち主……オリ主だし、こんなもんか