「ここが雄英高校か……デカいな」
雄英受験当日、猛は教師陣達から苦い顔をされながらも、なんとか雄英高校ヒーロー科を受験する事が出来たのだった。
(かなりの人数いるな……この中から36名か、そりゃ倍率阿呆になるわな)
ポン
「どうしたのさ猛、緊張してるの?」
「・・・・・いろいろ言いたいんだけど、今日って一般受験だけだよな?なんでいるんだ?切奈」
猛が考え事をしていると、後ろから取蔭が話しかける。
「推薦はまだだよ、応援に来ただけ」
「余裕だね~、羨ましいわ」
「あはは……ねえ、猛」
「何だよ」
「受かってね?頑張ってよ」
「・・・・・・・・」
グシャグシャ
少し不安そうに言う取蔭の頭を乱雑に撫でる。
「わっ、ちょっと!!」
「心配すんなよ、絶対受かるから待ってろ、終わったら牛丼でも食いに行こう」
そう言って、猛は雄英高校に入っていった。
「全くもう……人の気も知らないで」
筆記試験が終わり、猛は実技試験を待っていた。
(筆記の方は恐らく問題ねぇ、問題は実技試験……実技って何するんだろうか、調べ忘れた)
「今日は俺のライブへようこそ!!受験生のリスナー諸君!!エヴィバディセイヘイ!!」
そう思っていたら、試験説明が始まった。
(プレゼントマイクだったか、知ってはいたがやかましいな)
皆が緊張しているのか、プレゼントマイクのテンションについて行ける者はいなかった。
「こいつはシヴィー!!それじゃあさっそく実技試験内容を説明していくぜ!!アーユーレディー!?」
シーン……
「イエー!!」
誰も反応しないのが面白くなかったのか、ついには自分で言い始めた。
(虚しくならないのか?一人でやってて)
「入試要項通り、リスナーにはこの後、十分間の模擬市街地演習を行って貰う!!仮想市街地には、それぞれ3種の仮想ヴィランを配置してある、攻略難易度によってポイントが分けられていて、各々個性を使って行動不能にしてポイントを稼ぐのがリスナー諸君の目的だ!!武器の持ち込みは自由だぜ!!ただしリスナー同士の悪質な妨害みたいなアンチヒーローな真似は御法度な!!オーケー?リスナー諸君!!」
(なるほど、壊さなくても動けないようにすりゃいい訳ね、あれ?だけど4種って書かれてるが……)
「ご質問よろしいでしょうか!!入試要項には4種の仮想ヴィランを配置を記載されているのですが!!誤記載であれば日本最高峰の恥ずべき痴態であります!!」
猛が疑問に思っていると、同じ事を思っていたのか眼鏡をかけた受験生が質問をした。
(クソ真面目だな、あまり近寄りたくない)
「オーケーオーケー、ナイスな質問サンキューなリスナー!!それは0ポイントヴィラン!!いわゆるお邪魔虫だ!!戦わずに逃げる事をおすすめするぜ!!」
「分かりました!!失礼しました!!」
「それじゃ俺からの説明は終わりだ!!リスナー諸君には最後に我が校の”校訓“をプレゼントしよう!!かの英雄ナポレオン=ポナパルドは言った!!『真の英雄とは、人生の不幸を乗り越えていく者と更に向こうへ!”Pius Ultra!!”それではよい受験を!!」
そうして、実技試験の説明が終わり、受験生達は各々試験会場に向かう。
(さて、何処まで本気でやるかねぇ……)
そうして受験生達が身体を動かして準備運動していると
『はい、用意スタート』
「っ!!」
ズッダァン!!
先ほどのプレゼントマイクの声が響く。それと同時に猛は足にエネルギーを溜めて前方の受験生達を飛び越えて仮想市街地に走って行く。
(あれ?誰も来ねぇな……フライングしちまったか?)
と、少し不安に思うと
『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!!走れ走れ!!先に出たリスナーに全部持ってかれるぞ!!』
プレゼントマイクの放送が入り、他の受験生達も慌てて走り出す。猛はというと、その言葉を聞いた瞬間、走る速度を上げ始め、最初の仮想ヴィランに接敵した。
「標的確認、ブッ殺ース!!」
「(これは確か2ポイントヴィラン……にしても)ちゃちぃな、こんなのじゃ止まらねぇ、よ!!」
ズガァン!!
猛が拳にエネルギーを溜めて振り抜くと、仮想ヴィランは一撃で大破する。
「さて、ガンガン行くとしよう」
そうして、猛は走る速度を保ちながら、目に付いた仮想ヴィランを手当たり次第に壊していった。
(これだけ脆けりゃ本気出す必要ないな、本気出すとなんかサ○ヤ人ゴッドみたいになるから抵抗あるんだよな……)
「何だよあいつ!!」
「一人で何体壊す気だ!?」
「てか早すぎだろ!!」
(無駄口叩くならポイント稼ぐ事に尽力したほうが良いだろ、馬鹿なのか?)
猛は考え事をしながらも、尚も仮想ヴィランを破壊していく。そうして残り時間が僅かになると……
ゴゴゴゴ……
突如地響きのような音が仮想市街地に鳴り響く、音の正体は説明でもあった0ポイントヴィランだった。その巨大さに受験生達は混乱で逃げ惑う。
「うわぁぁぁぁ!!」
「あれはヤバいって!!」
「早く逃げないと!!」
そんな中、猛もとりあえず回避しようとしていた。だがその行動もとあるものを見つけて止まる。それは……
「うぐ……うぅ……」
先ほど0ポイントヴィランが現れた時、辺りの建物が少し壊れたらしく、その瓦礫が頭に当たったのか、頭から血を流して倒れている受験生がいた。
(おいおいおいおい、あれはまずいだろ!!)
猛は倒れている受験生に近付く、それと同時に0ポイントヴィランも近付いてきたのが分かった。
「おい!!大丈夫か!?」
「うぅ……」
瓦礫が頭に当たった衝撃のせいなのか、血を流しているせいなのか、猛の声に応答する事は無かった。
「やべぇ……さすがに放置出来ねぇなこれは……」
ズズゥン……ズズゥン……
「仕方ねぇ、他人を治すのは初めてだがやってみるか……見た感じ異形系個性の持ち主じゃねぇから問題ないだろ」
ズズゥン……
「だけどその前に……」
ヒュダン!!
猛は、0ポイントヴィランに向かって飛び上がった。
「うるっせぇんだよ木偶の坊が!!
グッ、ズガァン!!ブシュウゥゥゥゥ!!
猛が0ポイントヴィランに向かって拳を振り抜く瞬間、髪の毛が赤く染まり、0ポイントヴィランの胴体には、融解したような巨大な風穴が出来た。
ヒュー……スタン
「たく……さて、治癒してみるか」
ポォォォ
そう言った猛の手に、エネルギーが集中しだす。その手を傷口に当てると、みるみるうちに傷口が塞がっていく。
「ふう……これで問題ねぇと思うが……」
ププー!!
『実技試験終了、実技試験終了、お疲れさまでした』
そうこうしていると、実技試験終了の合図が鳴る。
「ああ、もう終わりか……案外早かったか」
そうして、紅蓮猛の雄英高校ヒーロー科入試は、終了したのだった。
「まさか100ポイント越えが出るなんて……」
「ヴィランポイント85p、レスキューポイント65p、文句なしの合格点だな」
「しかもあの0ポイントヴィランをあんな壊し方した奴今までいたか!?てか一日に二体も壊されたぜ!?思わずYeah!!って叫んじまった!!」
「今年は全体的に質が良いですね……」
(あれは……紅蓮少年!!そうか!!君も来たか!!やはり!!)
教師陣が様々なことを話し合っている中、ガリガリの金髪の教師は緑谷出久ともう一人、紅蓮猛の事を考えていた。
また雑ですね。ちなみに私はヒロアカの漫画を持っていません。アニメを見たのも漫画を読んだのも昔でうろ覚えなので、いろんな小説の奴を参考にしています。