雄英入試から二週間、猛は自室でごろごろしていた。
「合否判定通知書遅ぇなぁ……まさか足りなかったかぁ?あんだけぶっ壊したんだが……0ポイント壊したの悪かったのかねぇ」
そんな風に少しの不安を感じていたら……
ドタドタドタドタ、バタン!!
「お兄ちゃん!!結果届いたよ!!」
慌ただしい足音と供に妹である静香(しずか)が自室に飛び込んできた。
「おぉ、噂をすればって奴かね」
「早く!!早く見よう!!」
「何で俺よりも興奮してんの?」
そう冷静を装いつつも、実は内心そわそわしている猛は静香から合否判定通知書と書いてある封筒を受け取る。
「あれ?紙じゃねぇな……端末?」
封筒を受け取り中身を取り出すと、そこには小さな機械が入っていた。
「んだこれ……スイッチあるけどここ押せばいいのか?」
「早く!!早く!!」
「だからやかましいっての……どれ」
ポチッ、ブゥン
『はっはっはっはっはぁ!!私が投影されたぁ!!』
「うわぁ!?オールマイトだぁ!?」
小さな機械に付いていたスイッチを押すと、ナンバーワンヒーローのオールマイトが映像で出てきた。
「だから興奮しすぎだっての、名前負けしてるぞマジで」
『いやぁ、久しぶりだね紅蓮少年!!驚いたかな!?実は今年度から雄英で教鞭を取ることになってね!!』
「ええ~!?すご~い!!」
「お口チャックしてくれ、マジで」
『さて、気になっているであろう合否判定だが、筆記の方は問題なし!!全体で見ても第5位くらいの高得点だ!!』
「もごもごもご」
「静かにしような」
隣で騒ぐ妹がやかましいのか、ついには自分の手で妹の口を塞ぎだした。
『そして実技試験の方だが、ヴィランポイント85p!!この時点でも既に全体で一番高い!!だが我々が見ていたのはそこだけに非ず!!それはレスキューポイント!!完全審査制で、人助けやそれに伴う行動を取ると得られる隠しポイントだ!!そのレスキューポイントも65p!!合計で150p!!文句なしの主席合格だ!!』
「・・・・・・・・マジか」
猛は、自分が主席合格していた事にかなり驚いていた。
「もごもごもごもご~!!」
「くすぐったいから喋るなっての」
『ちなみに、君が助けた少女も無事合格していたよ!!怪我による後遺症等も特に無し!!君は気にすると思ったからね!!伝えておこう!!』
「そうか……良かった」
「もごもごもご?」
「いや……ちょっとな」
猛は、自分が治癒した少女が無事だと言う話を聞いて、心底安心していた。
(初めてやった他人への治癒が頭の傷だったからな……よくよく考えればヤバかったが、無事か、ヒヤヒヤした)
『さあ、来いよ紅蓮少年、ここが君のアカデミアだ!!』
ブウン
それだけ言い終わると、映像が終了したのだった。
「むぐ、ぷはぁ!!お兄ちゃんひどい!!」
「お前がうるさいのが悪い」
「でもでもでも!!主席合格だって!!主席だよ主席!!私お母さんとお父さんにも伝えてくる!!」
バタン、ドタドタドタドタ……
そういい残し、静香は猛の自室から飛び出していった。
「やれやれ、本当に騒がしい奴に育ったな、誰に似たのやら……さてと」
猛は携帯を取り出し、電話をかけ始めた。
プルルルルル、プッ
『もしもし、取蔭ですけど』
「切奈か?俺だ、猛」
電話の相手は、幼馴染みの取蔭切奈だった。
『お、猛、このタイミングで電話してきたってことは』
「ああ、合否判定来た、合格してたよ」
『やっぱり!!やったじゃん!!』
「ああ、後……」
『後?何?』
「いや……主席合格だった」
『えぇ~!?主席合格!?』
電話口から、取蔭の大声が響く。
「うるさい」
『そりゃうるさくもなるよ!!すごいじゃん!!』
「まあ確かにな……そんだけ、んじゃまた詳しくは今度で」
『待って待って!!うちのパパとママも話したいって』
「うそだろ、お前の母さんと父さん話長いじゃん」
『あはは、諦めて』
「Oh……」
そうして、猛は取蔭の両親からいろいろ根掘り葉掘り聞かれ、それが終わると今度は自分の興奮した両親から質問攻めにされてげんなりするのだった。
取蔭の両親が話長いってのはここのオリジナルです。ちなみに妹の名前は適当、後は助けた女の子はその内出てきます。ヒントはヒーロー名エミリー