達也と星空が風紀委員会が決まり、簡単な説明も終えた後。仕事の内容を聞き終えた深雪と一緒に学校から下校すると翠屋で三人は休憩していた。
「今日は色々とあったな」
「今日はじゃなくて、今日もでしょ?」
そう言いながら翠屋の個室でコーヒーが入れられているカップを口にしてほろ苦いコーヒーを堪能する星空と達也。
因みに星空は砂糖とミルクを入れてカフェオレ状態だが達也は完全なブラックのままである。
未だ入学して三日目だというのに濃密な日々を送った星空達はやはりため息が出るのかため息を出した後項垂れた。
「それに、風紀委員会の件完全に本人の有無を確認せずに俺が入ること前提で話が進んでいることについてだが……」
「達也、今更だからそれは諦めて」
「大丈夫です。深雪はお兄様こそ風紀委員に相応しい……いいえ、風紀委員に 留まらず。他の役職でもお兄様の実力があれば片手間なことだと深雪は存じております」
「深雪……」
「お兄様……」
「はーい。そこ人前で二人だけのいちゃラブ空間形成しないでくれないかな?」
結局辞退するという話も切り出せないまま事が淡々と進み。風紀委員会入りがもはや覆せない物になった達也。そんな達也に星空は諦めろっとこのまま食い下がろうとする達也に断言し深雪はそんな達也にどれだけ達也が素晴らしい実力を持っているかと賞賛し、そんな深雪と二人だけの世界を作る達也に星空は目を細めて横槍を入れる。
星空の横槍でお互い顔を赤くして正気に戻ったが星空はそんな二人にため息を溢し二人に向かって指摘する。
「はぁ……あずさ先輩にも指摘されたけど……達也と深雪は兄妹の域を超えてる。
「それは……確かに……」
「そんなに見えませんか?」
星空の指摘に心当たりのある達也は言葉を詰まらせながら頷き。深雪は全然自覚かないのか首を傾げ逆に星空に訪ね返した。
「とても兄妹とは見えないよ。本当に自覚ないんだなはぁ……達也も深雪も隠すように真夜さんから言われてるわけだよね?四葉のこと、達也と深雪が従兄妹だってこと、それと婚約者だってことも」
「そ、それは……」
「………………」
深雪の問にきっぱりと答え星空はこの場に自分達以外いないことを確認した後、二人が隠している事実を指摘して、深雪は事実だと言葉を詰まらせ、達也も黙ったままだがその事実に頷くしかなかった。
「あの時、上手く横槍入れなかったら。そこらへん色々質問されていたかも知れないよ?二人がこんな調子じゃ仮に僕がいないところでぼろ出しても知らないよ?」
「ああ、気をつける」
「仕方……ないのですよね」
「……僕も最大限フォローには入るから……でも上手く自制はしてね?」
「本当に助かる。」
「いいって。もう9年……あの時からの腐れ縁だから」
そう言いながらコーヒーを飲み一息つく星空。
そんな星空に達也も思うことがあるのか少し間を開けてそれを口にした。
「秘密というのなら、星空。お前にもあるだろ?」
「……うん、分かってる……軽はずみに使うつもりはないよ。それを言ったら達也の分解や深雪のコキュートスだって同じでしょ?」
「俺達からすればお前の魔法の方が心配だ。分解もコキュートスもまだ世界の定義に沿っている魔法だが。星空のあの魔法は根本的な所から全くの別物だろ?」
「それに星空くんのことですから。誰かが危険に晒されたら迷うことなく使ってしまうでしょうね」
「沖縄での一件で使っていただろう」
「それは……」
星空の抱えている秘密に星空は自身も自覚はあるのか言葉を詰まらせ、達也には以前にも星空の力を振るったことがあった出来事を指摘されると星空はなにも言えなかった。
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「にゃはは、それは確かに達也くん達の言う通りかもね」
「……返す言葉もない」
その日の夜、高町家のリビングでは夕食を食べ終え、使った食器を洗いながら星空の話を聞いていたなのはは笑いながら達也に言い分かあると述べ、それを夕飯を食べて並んでいた食器が片付いたテーブルで辞書クラスの分厚い容器に手をかざしサイオンを注ぎ込みながらもう片方の手で今日の授業の復習をしている星空は図星のような顔を浮かべて正直に否定できなかったことを答える。
「大体、あの時も帰ってきてから散々母さんに怒られたから……勿論反省もしてるよ」
「よろしい。流石に始めは仕方がないってお母さんも怒らなかったけど……流石にそのまま、沖縄を攻撃した大亜細亜連合の部隊全部を魔法で無力化したのはやり過ぎ」
「幸い、星空が変身魔法で姿を偽っていて素性が知られなかっただけでも救いだろうね」
もうじき3年も前になる沖縄を大亜細亜連合が攻め込んできた事件の時、星空が感情任せに攻めてきた大亜細亜連合を
当初、沖縄を守った星空を捜索する軍が血眼になって探し回っていたが。変身魔法で姿を消えていたことで星空はマークされることはなく。軍に目を付けられることはなかった。
「もうあんなことは二度とないだろうし……問題ないよ母さん」
「それは……そうであって欲しいな」
沖縄の一件のような大事件は起きないときっぱりと言い放つ星空になのははすんなりと頷けず。心の中で負い目感じながら、星空の日常に平穏があることを願う。
するとピーピーっといった機械音が高町家のリビングに鳴り響くとサイオンを注ぎ込んでいたケースからサイオンを放つのをやめて手を離しケースを開けると中には50発以上はある。カートリッジだった。
「ふぅ……サイオンの供給完了。後はサイオン増幅装置で一日待てば使えるね」
サイオンをかなり消費したからか少し疲れた様子の星空は勉強をやめてケースを持ってリビングから出て行こうとする。
「母さん。お風呂入らせてもらっていいよね?」
「うん。いいよ」
扉のドアノブに手を当てながらなのはに向かってお風呂に先に入っていいのかの確認をする星空になのはは二つ返事で頷き。星空もわかったと言ってリビングから出ていく。
そしてなのはとユーノだけになったリビングでユーノは星空がいた手前で口出さなかったことをなのはに苦笑いしながら口にした。
「ところで、なのは」
「うん?何?ユーノくん」
「星空の沖縄でのことを改めて考えたら……やっぱりなのはの影響を受けてるんだなって思ってね」
「そ、それはどういう意味かな?」
「ほら、誰かのために力を使うところとか……後は……四葉の分家から命を狙われていた達也くんと偶然出会った時。なのは、怒って四葉本邸に殴り込んで四葉を半壊させちゃったこととか」
「ふにゃ!?」
なのはも人のこと言えないよね?と笑いながらユーノはなのはに指摘するとなのはもにゃはははっと苦笑いをして最後には、はいと反省していますと言わんばかりに項垂れてた。