マーシャル・マジック・アーツ
魔法で肉体を補助して高い戦闘力を発揮する、魔法近接格闘術。
(やっぱり、何処となくヴィヴィ姉のストライクアーツに似てる気がする)
デモンストレーションを見て星空は姉であるヴィヴィオの扱うストライクアーツに似ていると感じそのデモンストレーションを黙ってみていると横で星空と同じで観戦していた鋼が問いかける。
「高町くんってマーシャル・マジック・アーツに興味があるの?」
「え?」
「横目で見ていたけど、凄く真剣に見ていたから」
そう鋼が言い切ると星空は自分自身あまりそこまで集中しているとは思っておらず。少し驚いた表情を浮かべる。
「十三束さんは?十三束さんも興味があるからここに来たんだよね?」
「鋼でいいよ。僕も興味があったし、これなら僕でもできそうだから」
「(僕でも?)星空でいいですよ。それと単純な興味だけではなくて、姉がストライクアーツを習っていたので、似ているマーシャル・マジック・アーツにも興味が」
星空は淡々と説明してお互い興味があるという共通点から少しデモンストレーションから目を離し話に花を咲かせていると部屋の扉が開き外から星空の見知った生徒が入ってくる。
「おや?高町くん。ここにいたんですね」
「沢木先輩、お疲れ様です。何故先輩が……」
「高町くんは知らなかったね。僕はマーシャル・マジック・アーツ部の部員なんだ」
そういうと沢木はマーシャル・マジック・アーツ部員に近付いていき、親しそうに話していると星空と鋼の2人に視線を向けるといいことを思いついたのか部員達に話すと話し合いが纏まったのか沢木と部員が数名近付いていく。
「どうかな?君達、少し軽くマーシャル・マジック・アーツのスパーリングの体験なんかやってみないかい?」
そういうと星空と鋼はお互い驚いた表情で一度顔を合わせた後直ぐに視線を沢木達に向けると再び提案してきた部員の口から語られる。
「高町くんのことは沢木くんから聞いてる。そちらの君も興味があってこの部活を見に来てくれたんだよね?」
「それはまあ……」
「確かに……」
「それに高町くんはついさっきまで追われていたわけだから……まだ動かない方が良いしただ見ているだけでははっきりとは分からないだろう?」
部員の言葉に合っていると頷く2人、それに加えて沢木は星空に向かって指摘すると星空もまた頷いた。
お互い、沢木やMMA部員達 に流されてお互い上着を脱ぎ、防御用のヘッドギアやプロテクターを付けると先程までデモンストレーションで部員達が繰り広げていた部屋の中央に星空と鋼は相対する。
「なんでこんなことに」
「うーん、もう何を言っても無駄じゃないかな?」
トントン拍子で決まって頭が痛くなる星空に対して鋼はどういったところで変わらないと完全に諦めている
2人とも望んで立っているわけではないがここまで来て引き下がれるわけもなく。既にファイティングポーズを取っていつでも踏み込める態勢を取っている。
「2人とも準備いいね。……始め!」
審判を買って出た沢木の一声と共に試合が始まる。
直ぐに2人とも試合用に借りた腕輪型のCADを操作すると起動式を展開する
(先ずは小手調べ!)
「っ!高町くんの方が早い!」
先に魔法を発動したのは星空だった。持ち前の魔法演算で鋼より先に魔法式を組み立てると自己加速で一気に踏み込み軽くパンチでラッシュを繰り出す。
しかし鋼も負けてはいない。
星空がパンチを繰り出す直前に魔法式の組み立てが完了し硬化魔法で星空の攻撃を防ぎきると何かを察した星空は深追いはせずに一度距離を取る。
「どうしてそのまま攻撃してこなかったの?」
「……あのまま行けば。鋼、カウンターしてたでしょ?」
「読まれてたか」
(鋼……中々に強い。体術なら僕以上か)
(さっきの魔法演算速度もだけど、相手の動きも確りと捉えてきてる。星空も次席というだけあってただ者じゃないな)
攻撃をやめて距離を取ったことで鋼の反撃を受けずに済んだ星空は苦い笑みを浮かべてお互い改めて一筋縄ではいかない存在だと再認識する2人。
そしてまた新たな魔法式を展開し何度も拳を交えた。
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「ふーん、それで星空はマーシャル・マジック・アーツ部に入ることにしたんだ」
「まあ、完全に押し負けてだけどね」
時刻は夕方を過ぎて6時過ぎ
勧誘合戦の初日が終わり。遅くまで残っていた星空や達也達は一休みするために翠屋にやってきて今日一日で何があったかの話に話題を咲かせた。
勿論その話の中心となるのは風紀委員の達也と星空の話。
そして星空が今日あったことを話すと顛末を聞いたエリカがおもしろい話を聞けたからかにやついて星空にMMAに入ったことを指摘すると星空も満更ではないが苦い笑みを浮かべるしかなかった。
当初部員達に薦められて行ったスパーリング。2人とも新入生とは思えない高度な攻防戦に沢木を含めて、凄まじい勧誘(星空にはこれ以上、勧誘を受けないメリットを説明して)を受け、今更退くに退けなかった2人は満更でもない気持ちでマーシャル・マジック・アーツ部に入ることを決めた。
「星空さん。部活に入らないって言ってたのに……」
「入るんだったら一緒にバイアスロン部に入れば良かった」
昼休みに入るつもりはないと星空の言葉を信じていたほのかは何処か裏切られた気分に苛まれ、雫もあまり表情に出さないが残念がっているのが分かる。
そんな2人を見て申し訳なさそうな気分になる星空をエリカとレオはニヤニヤといい物が見れていると笑みを浮かべ、美月は少し赤らめながらもおどおどと慌て、達也と深雪に至っては苦い笑みを浮かべる。
そんな状況に星空も気付きなんとかしなければとそう言えばと思い出した星空は話題を変えた。
「そうだ。達也、達也の方でも問題は起きたんだよね?剣道部と剣術部をいざこざに介入して魔法を使った剣術部を軒並み無力化したって」
「そうそう!あれは凄かったわ。周りからは反魔法主義者の刺客か!?ってもう噂は持ちきりなのよ」
実際その場にいたエリカがその時のことを思い出して前のめりで達也の起こした騒動を興奮して話すと話の中にあった剣術部の主将の高周波ブレードの魔法を打ち消したことに心当たりがある星空は達也に尋ねた。
「達也、もしかしてキャスト・ジャミング擬き。使ったの?」
「キャスト・ジャミング擬き?」
星空の言葉に復唱するようにエリカが首を傾げ。仕方がないなと頭を抑える達也は渋々、キャスト・ジャミング擬きのことを説明をする。
「これはオフレコで頼みたいんだが、今星空が言ったようにキャスト・ジャミングではなく、正確にはその理論を応用した特定魔法の妨害なんだ」
「そんな魔法ありましたっけ?」
「無いよ。美月……使えるとすれば間違いなく達也位だろうし」
「それってつまり。達也さんは魔法を作ったってことですよね!?」
達也の説明に美月は頭の中に記憶している知識の中で該当する魔法がないことから首を傾げると星空が達也自身が作って使ったと言うとほのかは魔法を一から作り上げた達也に驚きの声を上げる。
「つまり……そのキャスト……なんだっけ?」
「キャスト・ジャミングよ。そんなことも覚えられないわけ?」
「なっ!なんだと!?」
「レオ、落ち着いてエリカも挑発しない。」
レオはいまいち理解していないのか達也にどういった理論に基づいているのか尋ねようとするが名前すら朧気で覚えていないことにエリカがレオを煽り、その煽りを受けてエリカにむきになると星空は2人を戒める。
「でもキャスト・ジャミングって特殊な鉱石がないと使えないはず。」
「よく知っているな雫。キャスト・ジャミングにはアンティナイトという鉱石が必要だ。先に言っておくが俺は持っていない」
「アンティナイト自体、軍事物資だから達也が持っている方が不自然」
(まあ、達也の家系の場合持ってても不思議ではないけど)
雫の疑問に達也が答えると付け加えるように星空がアンティナイトの貴重な軍事物資であることを補足するように言うが内心では四葉家である達也なら持ってても不思議ではないと顔には出さないように心の中で呟く。
「なら、達也はどうやって魔法を無力化したんだ?」
「簡単にいうと俺は二つのCADを使って高周波ブレードを妨害する起動式と全く逆の現象を引き起こす起動式を使い。二つの起動式を複写増幅して想子信号波を無系統魔法放ち。高周波ブレードの魔法を妨害したんだ」
達也の説明に唖然とするエリカ達、達也のことを知っていた深雪は当然と言わんばかりに達也のことを褒め称え、星空もあっさりと達也ならと軽く返した。
「それにしてもCADを二つ同時に扱える高等テク普通は出来ないのに。達也って器用よね」
「そう言えば、星空さんもCADを二つ持ってたよね?」
「あ、私と雫を助けてくれたときだよね?あの時いきなり魔法が打ち消されて、体勢を崩したときに星空さんが重力操作で助けてくれたんですよね?」
「星空が勧誘から逃げるとき、加速、移動、加重の三系統を同時に扱ってた時、五十嵐先輩も凄いって星空さんのこと誉めてた」
「あはは……それはどうも」
「星空の場合。魔法発動スピードと演算領域が高いから単純な魔法なら直ぐに発動できる。俺には出来ない芸当だ」
「達也の魔法式が分かることに比べたら天と地の差だと思うけど?」
それからも今日あった出来事を話し合いは翠屋が閉店間際まで続くのであった。