魔法科高校の魔導士   作:ウィングゼロ

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入学編1

日本には全国各地に魔法師を育成する高等学校が九つ存在する。

その中でも東京の八王子にある第一高に入学できるのは難関の試験を通ったエリートだけである。

しかし魔法師の講師は残念ながら全生徒を賄える人数が存在しない。

故に第一高に入学した時点で優等生(ブルーム)劣等生(ウィード)が存在する。

 

「此処が第一高か……」

 

星空は第一高の校門前で目の前に聳え立つ校舎を見て新たな生活の始まりを予感した。

 

「遠くからは見たことがあったけど……近くで見るとやっぱり広いな……ここ」

 

第一高と同じ八王子に家を持つ星空は遠くから校舎などを見たことはあったがここまで近づいて見たのはなかったため普通の学校と比べて改めて敷地の広さに驚嘆する。

 

「入学式まで後一時間って所か……あの二人はもう来てるだろうけど……この広い敷地を探すとなると足りるかな……」

 

知り合いが入学していることは既に星空は知っている。そしてその片方が入学式の新入生の総代ということもある経緯で知った、そしてもう一人の性格を考えれば一緒に来ているのは確実だろう出来れば会っておきたいと星空は久しぶりに直で会う友人を捜そうとしたがこれだけ広い場所で特定の人物を捜し出すのは極めて困難だった。

どうしたものかと首を傾げ悩んでいると校門前に二人の少女がやってくる。

 

「うわぁ……此処が第一高校……凄く綺麗……」

「ん?」

(僕と同じ入学生……それに胸と肩の部分のマークがある一科生か……)

 

そんな声を聞き星空は横目で見ると、同じ制服を着た少女が二人、この場所に入学できたことが嬉しかったのだろう。そんな感極まった嬉しさを放つ茶髪の少女にその後ろには何処かもの静な黒髪の少女が星空の視線に気付くと茶髪の少女の肩を叩く。

 

「ほのか、落ち着いて……隣にいる人もこっち見てる」

「へ?あっ……」

「……ああ、すみません……こんな時間にもう来る人が僕以外にいるんだなっと思ってね」

 

邪魔してごめんねっと気になって見たことを謝った後星空は敷地内へと歩き始めると恥ずかしさから顔を赤らめていたほのかと呼ばれた少女は星空を見たあと直ぐに正気に戻り。取り乱しながら星空に声をかけた。

 

「あ、あの!」

「え?はい……なにか……」

「え、えっと……入学試験の実技試験の時……〇〇会場で受けませんでしたか?」

「え?ええ、確かにそこで受けましたけど……」

 

話が読み込めない星空を他所に連れの黒髪の少女がほのかにもしかしてっと訪ね、ほのかはやったと笑みを浮かべながら少女に対して頷いた。

 

「わ、私もそこの会場で受けてまして……そのあなたの魔法が凄く綺麗で……」

 

星空の扱った魔法に感銘を受けたことを顔を赤くしながら話すほのかに星空もどうすれば良いか戸惑う中、両者のやり取りを見て口を開けた。

 

「ほのかはあなたに会いたくてこんな時間に来た」

「え!?雫!?」

「えっと、まさかそんなことで誉められるなんて……」

(もしかして、魔法の工程に無駄がなかったことを言ってるんだろうな。でも普通はそんなこと見えないし……彼女はそういう特異体質なのかな?)

 

その会場で確かに魔法式に見合った適量のサイオンで魔法を放った記憶があった星空だな普通の人間にそんなものは気付くはずもない。そのためほのかがそう言ったものが見える特異な体質なのだろうと頭の中で結論づける。

 

「よかったね、ほのか……こんなに早く会いたかった一人目に会えて」

「う、うんそうだね……」

「……一人目?」

「は、はい。実はもう一人、あなたと同じぐらい綺麗な魔法を使う人が居たんです」

「あの会場に……もう一人……」

 

ほのかの話を聞いた星空は試験会場の時のことを思い出しながら該当する人物を頭の中で模索する。そして一人だけもしかしてと思った人物がいたために……星空はほのかに向かって訪ねた。

 

「もしかして、あの会場で圧倒的な魔法力で魔法を放った女性の次に実技試験を受けた男性?」

「は、はい!そうです!その人です!」

 

星空の質問に直ぐに反応して首を縦に振り肯定したほのかを見て、星空はやっぱりと言った顔でこの学園に入学した友人の兄妹を思い浮かべる。

 

(やっぱり達也のことだったか……確かに達也なら朝飯前か……)

「ほのかから聞いたけど……そんなに凄い人だったの」

「ああ……あの中で完全に飛び向けてたよ……まあ、深雪ならな」

「えっ!?もしかしてお知り合いなんですか!?」

「え?ああ……その二人、兄妹で、かれこれ9年近く交友があるよ」

 

つい妹の名前を口にした星空は見事に食いついたほのかに対してもう誤魔化せないと判断するとその二人は兄妹で星空の友人であることを話す。

そのことを聞いて、嬉しがるほのかに少し高ぶっていることを宥めようとする雫。そんな二人を他所に星空は困った顔をして頭の中で戸惑っていた。

 

(友人であることを話してしまったけど……深雪はともかく……達也は……)

「よかった……あの人も凄い人だから絶対に受かってるよ!」

(……この反応から一科生だと思ってるんだけど……達也は二科生なんだよな……)

 

星空と達也……二人ともほのかが絶賛するほどに魔法工程に無駄がない共通点があるが決定的に違うことがある。

それは魔法発動の速度。

星空は深雪には劣るが発動速度は速いことに対して、達也はある理由で系統魔法の発動は遅い。

 

それに実技試験の評価される観点は処理能力、キャパシティ、干渉力の三点で幾ら魔法発動の無駄がないとはいえそういったことは評価されないため二科生となったのだ。

 

(とはいえ、達也の実力はこの学校……いや世界でも上から数える方が早いレベル…………それは達也の実力を見れば直ぐに分かる……問題なのは…………一科生と二科生の間にある差別意識か…………)

 

八王子に家を構える星空にとって第一高の生徒を見るのはそれほど珍しくはない。

そして一科生と二科生の差別が激しいのも既に星空は知ってる。

ほのかと雫…………この二人は星空と同じ一科生でそれを気取るような振る舞いはないが……残念ながら今あったばかりの星空には差別意識があるかないかの判断は出来なかった。

 

「あの、その人とも友人ならその人が入学してるかも知ってませんか?」

「……ああ、兄妹二人とも第一高に来ているよ」

「やっぱり、そうですよね!あんなに凄い人だもん!」

「因みに妹の方が新入生の総代でスピーチのリハーサルで早めに来てるはず。その上達也の性格を考えると深雪と一緒に来てるはずだから敷地内にいると思う」

「そうなんだ。もしかして早めに来たのはその人?」

「ああ、久しぶりに会いたくてな……」

「そ、それじゃあ、一緒にその人を捜しませんか?」

 

雫との受け答えで星空は上手く二科生であることをはぐらかしたがほのかは会えるのが待ち遠しい表情で星空が達也達を探すために早めに来たことを話すとほのかが同行してもいいかと提案してくる。

 

(…………校内を回りつつ……二人の内面を探るしかないか……)

「良いですよ。そういえば自己紹介がまだだったね。僕は高町星空。星空(ほしぞら)と書いて星空(かなた)って読む。これからよろしく」

「よろしく、高町さん。私は北山雫、それでこっちは友達の」

「み、光井ほのかでしゅっ……あぅ……」

 

自己紹介で最後にほのかが噛んで顔を赤らめると星空も少し苦笑いを浮かべた。

 

「あ、あははよろしく。光井さん、北山さん……それじゃあ校内散策しつつ……人捜しと行きましょう」

 

そういって、星空を先頭にほのかと雫も第一高の敷地内へと足を踏み込んでいった。

 

 

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