真由美と壬生の話し合いの末明後日、23日の放課後に討論会が開かれることとなり。その場でお互いの決着を付けようという結論になった。
それを風紀委員の見回りを終えた後聞かされ。事態が動くと裏の事情を知る誰もがそう思ったその日の夜。
お店は時間営業外で誰も居なくなった翠屋で星空は廃棄処分でいらなくなった食材を使い厨房で料理していると鍵が開けていた入り口の扉が開くと達也と深雪が店内に入ってくる。
「いらっしゃい二人ともちょっと待って直ぐに出来るから」
先に個室で待っててと言うと達也達は頷き。個室へと向かい。星空も作った料理を持ちながら達也達が居る個室に入る。
「お待たせ。はいこれ。夕食まだなんでしょ?」
「そうだが……いいのか?」
「うん。母さん達には言ってるし使った食材は全部賞味期限ギリギリのものばかりだから捨てるよりいいでしょ?」
そういって星空は作った料理を2人に勧め。達也達も星空の好意を無駄にするつもりもなかったためにありがたく受け取ると星空の作った料理を堪能し食べ終わった後。料理で使った皿を片隅に置いて星空が口を開ける。
「取りあえず。今日来てくれて本当にありがとう。深雪から聞いてると思うけど今回の件……他ならないエガリテとブランシュの一件についてお互い情報交換しようと来てもらった」
「ああ、ほのかの件も深雪から聞いている。星空が助けたから良かったがもし星空が居なければ想像もしたくないな」
ほのかが司甲を追いかけて罠にはまったことは深雪経由で聞かされており。達也はほのか達のことを心配し星空が居なければどうなっていたかとぞっとして仕方が無い表情を見せる。
「その件だけど……訳あってほのか達が司甲を追いかけているのを知ってね。危険だと思ってほのか達と司甲を魔法で監視してたんだよ。それでほのか達を助けることは出来たんだけど……」
「最後は深雪に任せたんだったな。自分が出ると辻褄が合わなくなるということで」
「はい。その通りですお兄様。部活動の真っ最中に抜け出してその後、転移で戻られたみたいですけど」
「明らかに地球で既存する魔法を駆使しても無理だからね。知られたら問い詰められるのが見えてるし」
あっ、話がそれてるねとほのかが襲われた件について長く語ってしまって本題に入れていないことに気づきうっかりしてたと呟く星空に深雪は星空の名前を呼んだ後続けて話し続ける。
「その件なんだけど。ほのか達が追いかけていた剣道部の部長……司甲という男について私達なりにも独自で調査していたの。それでわかったことなのだけれど司甲の義理の兄司一という男。この男がブランシュ日本支部のリーダーであるということがわかったわ」
「なるほど……それなら司甲と繋がっていても不思議じゃないね。というかそれ何処からの情報?四葉は……前みたいに情報収集能力は無くなっているはずだけど」
「ああ、その点では俺の体術の師匠を頼らせてもらった」
「忍術使いの九重八雲さんですか」
司甲の裏にいるのは義理の兄である司一であることは明白だと思う星空だが、かつてなのはが半壊させた四葉には情報収集能力以前のようにはないことから何処から仕入れた情報なのか疑問で首を傾げると達也が九重八雲を頼って手に入れたと説明すると星空も納得して頷いた。
「俺達からは以上だ。星空の方は?深雪からほのか達が襲われて時のことを察するにレイディアントハートを持ち歩いているのはわかってる」
「まあ、わかるよね……」
そういって星空はポケットからレイ……正式名称レイディアントハートを取り出し、呼びかけると星空達の話し合いを聞いていたのか必要な情報を投影型の電子モニターを展開する。
「これは……!まさかブランシュの拠点を特定したのか!?」
「うん。ほのか達が襲われたとき司甲は連絡してたみたいだし……その後色々やってね。ブランシュの拠点を割り出したよ。」
流石に無線局に近付き受信した履歴から拠点の地域を絞り込んだことは濁して語る。
「一高からそれほど遠くないな」
「うん。その点については達也と同じ気持ちだよ。灯台下暗しってこう言うことを言うんだろうね」
レイによって映し出されているマップからそれほど遠くないことを眉をひそめて考える達也。そんな中ブランシュの拠点を知ってテーブルを叩き立ち上がったのは深雪だった。
「どうした。深雪?」
「どうしたではありません!既に居場所がわかっているのでしたらあちらが動く前にこちらから仕掛ければ良いではないですか!私達3人ならば容易に制圧することなど造作もありません!」
居場所もリーダーもわかっていて手を拱いてはいられないと今から乗り込もうと大声を出す深雪だが達也も星空もそれに賛同しない。
それを見てどうしてと深雪は反論するが深雪に対して星空は冷静に喋りだす。
「深雪の言うとおり。僕達三人でならブランシュを壊滅させることは簡単だよ……だけど相手はブランシュだけじゃないよね?」
「っ!!」
「そういうことだ。深雪、エガリテ……司甲や壬生先輩などの賛同者達は残ったままになる」
「更に言うとブランシュの下位組織であるエガリテがブランシュ壊滅でどういった行動を起こすかわからないだよね」
下手をすれば玉砕覚悟なんてこともあり得ると星空はブランシュ壊滅からのエガリテへと影響を話すと今すぐにもブランシュを壊滅させようと意気込む深雪の顔はみるみると青くなっていく。
「申し訳ありません。そこまでお兄様も星空くんもお考えだったなんて……」
「いや、深雪を悪く言ったわけではない。深雪もほのか達が襲われたことで気が立っていたことも知っている。俺もエガリテの件がなければ直ぐにでも潰しに行きたい気分だ」
ほのか達の件もあって気が立っていることを知っていた達也は深雪を宥めるとそれを見て星空が口を開いて喋り始める。
「取りあえず。討論会当日にエガリテやブランシュが動くのは確かかな。拠点を監視してるサーチャーにブランシュの構成員が慌ただしく動いているのを確認した。多分一高を襲撃する準備を整えてるんじゃないかな?」
「本当か!?……しかし止められないのか?」
「うーん、止めようにもどのルートで来るのかもわからないしその時僕らは授業中だから怪しまれない様に動くことは出来ないと思う」
「となれば第一高校の襲撃は回避できそうにないか」
確実に事が起きる明後日にブランシュが第一高校を襲撃してくると述べる星空にどうにかして来る前に止められないかと苦い顔をして打つ手がないか尋ねる達也に星空も目立たないようにすることを前提では不可能と述べて達也もやむを得ないと俯きながら呟く。
「それで……達也達には言っておこうと思ってたんだけど」
少し歯切れを悪くして星空は達也達を見ながら話すと今更何をと不思議そうにする達也達に息を整えた後そのことを口に出した。
「ブランシュの拠点。討論会当日に僕一人で潰しに行くけど……それで問題ないかな?」
口に出された星空のその言葉に達也達は目を大きくして少しばかり絶句した。