外から響いた爆発音と共に講堂内に響く悲鳴。
その混乱に乗じて一部の二科生が隠し持っていたCADを取り出そうとするが取り出す前に警備していた風紀委員達により組み伏せられて無力化される。
「何かしら起きるとは思っていたがまさか襲撃してくるとは」
詰めが甘かったと予想外な出来事に苦い顔をする摩利。CADを所持していたエガリテに属する二科生を拘束した後。
マルチスコープで周辺の索敵をしている真由美が戸惑いながらも集めた情報を整理して隣にいる摩利達に向けて話し始める。
「たった今、確認したのだけど現在この学園に武装したテロリストが侵入……既に入り込んでいたためか各地で騒動が起きているわ。それと先ほどの爆発なんだけど施設に損害が何所にも見当たらない。もしかしたら誰が未然に防いだのかも」
「なに?一体誰が……」
(まさか……)
先ほどの爆発の詳細を聞いた摩利が誰が未然に防いだのかと考える中達也はその人物に心当たりがあるために脳裏でその人物を思い浮かべる。
時間は少し遡り実技棟にブランシュ構成員の炸裂弾が曲線を描いて迫る中、その途中で下から向かってきた透明な何かにより炸裂弾は空中で爆発し周辺にいた人達は戸惑いを隠せずにいた。
「ど、どうなっている!?」
「まさか我々に気づいていたのか!?」
炸裂弾の空中爆発に既に生徒達がパニックになって逃げ惑う中。ブランシュ構成員達も実技棟に当たる前に爆発したことで戸惑う中。構成員にゆっくりと近付く人物が一人。
「残念でした。悪いですけどお取り込み中なのでお引き取り願えませんか?」
「っ!!」
そうお願いする彼……星空の言葉に反して構成員は近付く星空に気づくと即座に持っていた銃火器で発砲。その弾丸は星空の目の前に発生した障壁に止まって落ちていく。
「無駄ですよ」
「くっ!アンティナイトだ!アンティナイトをつかえ!!」
銃弾が障壁で防がれるのを見て直ぐに次の手段だと他の構成員達にアンティナイトによるキャスト・ジャミングで星空の魔法を阻害使用とアンティナイトから発せられる波が星空を覆い尽くす中。星空は平然と立ち続け銃弾を防ぎ続けている障壁も解除されていない。
「ば、馬鹿な!?何故キャスト・ジャミング内で魔法が使える!?」
「うーん。どうしてかな?」
キャスト・ジャミング内で障壁が切れないことに戸惑う構成員に星空は素っ気ない返事をした後違う魔法を発動し星空が目視出来るだけの構成員の銃火器を銃身から切断し使えないようにする。
「なっ!?銃が!?」
「もしかしたらキャスト・ジャミングに影響されない体質なのかも」
(まあ、嘘だけど)
持っている銃火器が使い物にならなくなったことに響めく構成員達を他所に余裕な表情でキャスト・ジャミングが聞かないことを自分なりに答える中。ある対策をしてキャスト・ジャミングの影響を受けていないだけだと内心で言い切る。
(実際は
「さっさと撤収した方が痛い目を受けずに済みますよ?」
といってもブランシュ構成員からしたらミッドの魔法を感知することは不可能なために星空が言うように体質という嘘が信憑性を増して怖じ気づく中。星空は退いてくれることを願い再度警告するがあちらにも退けない理由があるために近接用の武器を手にして星空へ向かって襲いかかる。
「やっぱり退いてはくれませんか……」
向かってくる敵を目にして両手に圧縮した風を纏い眼前の敵へと踏み込んだ。
更に襲撃前に時間は戻り第一高の隣にある演習林現在そこではSSボード・バイアスロン部が部活動の練習で使っていた。
勿論、バイアスロン部の部員であるほのかと雫もジャージ姿の体操着でその練習に参加していた。
「演習林を使える日はめったにないから思う存分に練習していくよ」
そうバイアスロン部長五十嵐が部員に声かけるとそれに応えるように返事をして各々練習に取り組む中ほのかはふと校舎が方角の空を見つめる。
(討論会はどうなったんだろう)
練習に励む中ほのかの脳裏にはそのことで頭がいっぱいだった。
星空が言うような最悪の結果になればこの学園は更に雰囲気が悪くなるのは必然であり。その影響は自分の周りに及ぶことも簡単に想像が出来た。
「ほのか、どうしたの?」
「し、雫!?何でもないよ」
そんな今後に黄昏れていると様子を見かねた雫が声をかけそれに過剰に否定するが雫にとってほのかの反応を見れば明らかに誤魔化していることが直ぐにわかった。
「星空さんのことが気になるの?」
「ええええ!?ち、違うよ!?それは確かに星空さんのことも気になるけど……」
ぶつぶつと顔を赤らめてあからさまに星空を気にしているほのか。
そんなほのかをやっぱりとわかりきった目で見つめる雫はほのかに頑張れと言ってその意味をわかったほのかは顔を更に赤くしてこくりと頷く。
そろそろ練習に戻ろうと討論会や星空のことで頭がいっぱいなほのかを雫が練習に戻そうと手を引いた直後第一高の校舎方面から爆発音が鳴り響く。
「な、なに!?」
「今の音……爆発?」
爆発音に取り乱すほのかに雫はあまり慌てず先ほどの音が爆発音だと分析し第一高で何が起きたのかと思考を巡らせる。
他のみんなもほのかのように戸惑いを隠せず不安を顔に出す中。部長である五十嵐が状況を確認しようと端末を操作して確認すると青ざめた表情で周りにいるほのか達に説明する。
「おおおおお、落ち着いて聞いてね。現在学園に武装したテロリストが攻め寄せてきてるらしいの」
「テロリスト……」
「護身のために一時的に部活用CADの使用が許可されています。でもあくまで身を守るためだからね。光井さん危ない!?」
あからさまに取り乱した口調で学園がテロリストに襲われていることを伝えると周囲は更に不安の顔を濃くし部活用に持っているCADでの自衛の使用を伝えた後。五十嵐部長が演習林の中からこちらに向かってきているテロリストを見てナイフの刃先にいるほのかに向けて声を上げる。
「え?」
「ほのか!!」
突然迫り来るテロリストにほのかは短く声を漏らし予期せぬ出来事と恐怖で体が竦んで上手く身動きが取れず。テロリストの凶刃にその身を突き刺されそうになるが咄嗟に部活用CADで魔法を発動した雫がテロリストを吹き飛ばす。
「大丈夫?」
「雫!」
「うちの部員に何するのよ!」
ほのかの安否を確認する雫に助けられたほのかは返事をする中。部員が傷つけられそうになったことに憤る五十嵐部長が特大の圧縮空気弾をテロリストに叩きつけ、テロリスト周囲にクレーターが出来るほどの穴があきテロリストも横向けになって倒れ込んだ。
(助かった……けど)
「ほのか……大丈夫、私も怖かった。ほのかが狙われてなかったらきっと動けなかった。だから……」
少しやり過ぎではないかと周りが思う中テロリストが現れほのか自身が狙われて恐怖から自衛すら出来なかった自分に表情を暗くする。
そんなほのかの表情を見て自身の思っていたことを口にしてほのかだけが恐怖で動けなかったわけではないというとほのかも慰められていることに雫にお礼を言う。
「みんな!とりあえずここから中庭に移動するわよ!十文字会頭が指揮を取ってるらしいから合流したら指示に従って!!」
ほのかと雫がお互いに話し合っている内に端末で状況を見ていた五十嵐部長が中庭にて十文字克人が指揮していることを確認しそれと合流することを部員達に促すと二つ返事で声を上げほのか達バイアスロン部は第一高校舎方面へ駆け足で向かっていく。