魔法科高校の魔導士   作:ウィングゼロ

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入学編5

入学式の翌日、星空は家族でいつも通りの朝を迎えた後。制服を着て第一高へ向かう坂を上っていると後ろから昨日聞いた声が聞こえてくる。

 

「おはようございます。星空さん!」

「あっ、ほのか……北山さんもおはよう」

「おはよう」

 

後ろからやってきたのはほのかと雫。物静かな雫に対してほのかは何処か肩の力が入りすぎているように思えた。

ほのか達と合流した星空はそのまま横一列で通学路を歩いていると雫がチラチラと星空とほのかを交互に見始める。

 

「ほのか……高町さんと何かあった?」

「え!?何もないよ!?」

「嘘、昨日までは名字だったのに今は名前呼び。それは高町さんも同じ。やっぱりあの時、忘れ物を取りに行ったときに何かあった?」

 

昨日と今日で明らかに進展があったと確信を得て言い切る雫にほのかはあたふたして誤魔化そうとするが、星空もただお礼を言いに来ただけなのに忘れ物をしたということで雫から離れていたのかと、嘘までついてお礼がしたかったのかと苦笑いをする。 

 

「忘れ物を取った後に改めてお礼を言われて……それからお互い名前でって話に」

「そ、そうだよ!別に雫が思うようなこと何もなかったから!」

 

上手く嘘を付け加えながら本当のことを説明する星空にほのかも少し慌ててそれに頷き。雫もなるほどっと完全に信用しきっていないがある程度は信じてくれた。  

 

「取りあえず。私のことも雫でいい」

「わかったよ。雫……僕も星空でいいから」

 

そうして、星空達は話し合いながら第一高の校舎に入っていき所属クラスのA組の教室に入る。

 

「…………」

「おい、あいつ」

「ウィードと一緒に居た奴だ」

「あれが学年次席だって?なら確りと区別ぐらい付けてくれないと」

(早速目の敵にされてるな…………ほのか達に敵意が行かないと良いんだけど)

 

二科生と一緒に居た事実から敵意のある視線を向けられていることに星空は少しうんざりした心境で一緒にきたほのか達にも影響がないか心配になる中、いちいち気にしていたら負けだと割り切るとIDカードに載っている席に座り。机に内蔵されている空中投影型の端末を操作していく。

 

(先に受講登録を済ませないと)

 

そう思いながら電子キーボードを慣れた手つきで進めていく中、このクラスに所属する男子生徒が星空の横に来ると星空はタイピングをやめて顔を横に向ける。

 

「何かようですか?」

「俺の名前は森崎駿。高町星空だったか」

 

気に食わないと行った表情で星空を見る。森崎は自分の名前を告げた後続けて話し始める。

 

「二科生と親しいようだが…………次席としての自覚はあるのか」

「…………次席だから二科生と一緒に居てはいけない。なんて校則はないはずです。そこは個人の自由だと思いますが?」

「…………っ!お前は一科生としてのプライドがないのか!?」

 

次席としての自覚がないと指摘する森崎に星空は冷静にそんな規則なんてどこにも乗っていないと指摘すると森崎はそんな星空にきつく声を荒げる。

 

「…………一科生としてのプライド。そんなもの、はなから持ち合わせていません。自分は此処に魔法を学ぶために来ました。一科生として優越に浸り、二科生を見下すために来たわけではありません」

 

話がそれだけならばこれで終わりです。と星空は森崎を冷たくあしらい。

森崎は星空に文句があるが言い返せる自信が無く。言葉をのんで星空から離れていく。

 

「星空さん……大丈夫かな……」

「もうかなり険悪な雰囲気だし……これからどうするつもりなんだろう」

 

そんな星空を少し離れた席で見つめていたほのかと雫が星空の先々に心配になって見つめる。

 

それからA組を担任する教師がやってきて手短に自己紹介をした後オリエンテーションの説明をし始める。

 

「この後は専門授業の見学です。午前中は基礎魔法学と応用魔法学、午後は魔法実技演習の見学を予定していますので、希望者は10分後に実験棟1階ロビーに集合してください。他に見学したい授業があれば自主的に行動しても構いません」

そういってから他のクラスでの授業があるようですぐに教室から退出していき、クラス内ではどこを見学して行こうかという相談で持ちきりで星空はどうするかと一人で考えているとほのかと雫が星空の元へやってくる。

 

「あの、星空さん。星空さんはどこの授業を見て回る予定なんですか?そのもしよければ一緒に……」

「ああ、別に此処が見たいってものもないからほのか達と一緒に行っても良いよ」

「本当ですか!?あ、あと司波さんも……」

 

ほのかの提案に星空もあまり優先してみたい授業もなかったことからほのかの提案に頷き一緒に回ることにして、それと昨日仲良くなった深雪も誘っていこうと深雪のいる席に視線を向けると同じクラスの生徒が数人深雪を取り囲んでいた。

 

「ちょっといいですか、司波さん」

「なんでしょう?」

「司波さんはどちらを回る予定ですか?」

「私は先生について……」

「奇遇ですね!僕もです!やっぱり一科なら引率して貰う方ですね!補欠と一緒の工作なんて行ってられませんよね」

 

その中に先程、星空に突っかかってきていた。森崎が深雪の考えに賛同するようについて行こうとしているのが見え見えでそんな光景を見ていた星空は二科生(お兄様)のことを批判している言葉を使った時点で深雪は森崎のことを好意的には見ないだろうと判断した。

 

「ほのか、雫、取りあえず深雪のことを連れていこう。同性なら割って入って無理矢理連れてきても痼りは無いだろうから」

「はい。わかりました」

 

星空は二人ならいらぬいざこざを出さずに深雪を連れ出せると判断しほのか達に深雪に声をかけてきてくれと頼むと二つ返事で深雪の元へ向かっていくほのか達。そして上手く深雪を連れ出すことに成功して教室の外で待っていた星空と一緒に集合場所へと向かっていく。

 

「ありがとうございます。光井さん。北山さん」

「私達はたいしたことはしてません。」

「お礼なら星空さんに……連れ出すように言ったのは星空さんだから」

「そうだったのですか……星空くん、ありがとうございます」

「別に良いよ……けどあそこまで人集りが出来るなんて……深雪も大変だね」

「はい。ですがお兄様やエリカ達を侮辱しました。もし光井さん達が連れ出していなかったら」

 

そう言いながら達也達を侮辱したことから魔法力が体から漏れ出していて流石に見かねた星空も直ぐに落ち着かせて……入学早々大事には至らなかった。

 

四人で授業を見て回り、お昼休みになると食堂にやってきた星空達だが後ろには星空達の同クラス……森崎が筆頭に深雪目当てで着いてきていた。  

 

「……はぁ、午前中は上手く撒けたのに……」

 

そんな森崎達を思ってか星空はため息溢す。

深雪のことだから達也と一緒に昼食を取ろうとするはず。となればほのか達はともかくエリート思考が強い一科生が来ればいざこざは起きてしまう。

どうしたものかと考えていると深雪が昨日一緒に居たエリカと美月、そして型体の大きい達也の同級生と思われる男子生徒が一緒に昼食を取っているのを見つけ深雪は小走りで達也に駆け寄る。

 

「お兄様!」

「やあ、深雪、星空も……光井さんと北山さんも一緒か、これからお昼ご飯かい?」

「はい、その通りです。お兄様空いているお席に座っても構いませんか?」

「ああ、構わないよ」

「それでエリカ達はともかく……そっちに居るのは友達?」

「ああ、紹介する同じクラスメイトの……」

「西条レオンハルト。レオで構わないぜ」

「高町星空。僕のことも星空で良いですよ」

「そうか、よろしくな星空」

 

達也に新しい友人が出来ていたことに友人である星空も嬉しく思い。空いている席に着席しようとすると後ろに着いてきていた森崎が近付いてきた。

 

「駄目だよ。司波さんブルームとウィード……確りと区別しないと」

「え?ですが私達はお兄様と……」

「いくら何でも、他者をそうやって束縛するのは人としてどうかと思うけど?」

「黙っていろ!司波さんに話しかけているんだ」

 

一科生の意識が強い森崎に流石に業を煮やした星空も深雪との話に割って入り。森崎のことの行動に批判するが星空が割って入ってきたことに森崎は関係ないと星空に言い掛かる。

エリカ達もそんな森崎を批難的な目で見ていて食堂に不穏な空気が漂う中。達也は席から立ち上がった。

 

「深雪、俺達はもう食べ終わったから行くとするよ」

 

そういって食器の載ったお盆を持って席を空けていく達也達。

深雪は去って行った達也達を見て落ち込む中、そんな心情もいざ知らず森崎は深雪を座るように促したが深雪は冷たい視線を森崎に向けて去っていき星空達もそんな深雪の後を追いかけた。

 

 

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