午前の授業が終わり、お昼休みとなって星空は深雪と共に教室を出て行く。
深雪と一緒ということもあり星空に嫉妬の視線を向けられるのだがこの際仕方がないと割り切り。途中で生徒会室のある階層で達也と合流して生徒会室前までやってきた。
「1-A、高町星空、同じく、司波深雪と1-E司波達也です」
扉の横に備え付けられているセキュリティの呼び出し機能で室内に呼びかけると扉のセキュリティが解除され、星空を先頭に三人は生徒会室に入っていく。
中に入ると生徒会長、真由美と風紀委員長、渡辺摩利。そのほかには生徒会メンバーらしき女子生徒が二人座っている。
「ようこそ生徒会室へ、星空くん。司波深雪さん、司波達也さん。改めてとはなりますが、七草真由美です。この学園の生徒会長をしています。そして隣いるのが風紀委員長の」
「渡辺摩利だ。昨日の放課後ぶりだな。よろしく頼む。それに君があの高町星空か……君のことは真由美から聞いているよ」
「……どういう風に聞かされているかは……あえて聞きませんよ?」
「もう、そんな変なことは言ってないわよ。それはともかく、紹介を続けますね」
わざとらしく咳払い、真由美は自己紹介を再開する。
「私の隣にいるのが会計の市原鈴音。通称リンちゃん」
「そう呼ぶのは会長だけです。」
「摩利の隣にいるのが書記の中条あずさ。通称あーちゃん」
「会長!下級生の前でその呼び名はやめてください! 私にも立場というものがあるんです!」
真由美によって生徒会メンバーが紹介され、もう一人服部……真由美曰くはんぞーくんを合わせた四人で生徒会を運営していることを話、紹介を終えると、星空は口を開けた。
「市原先輩にあーちゃん……お久しぶりです」
「ああ、高町くんも元気そうで何より。今度翠屋に顔を出させてもらうよ」
「はい……ってなんであーちゃんなんですか!?同じ学校の先輩後輩なんですから先輩として敬ってください!」
「そうですね……あーちゃん先輩」
「せめてあーちゃん先輩じゃなくてあずさ先輩って言ってください!!」
三人のやり取りに真由美はニコニコとこの状況を楽しみ他の達也達に関しては苦い笑みを浮かべて眺める。
それから部屋に備え付けられている配膳機で昼食を取り。食べ終わった後。真由美は三人を呼び出した件について話し始める。
「当校の生徒会長は全校生徒の選挙によって選出されます。ですが、それ以外の役員は会長に選任、解任の権限が委ねられています。それで、これは毎年恒例とも言いますが……新入生総代を務めた1年生には生徒会役員になってもらっています。」
(なるほど……だから僕に主席で入らせようとしていたのか)
生徒会の仕組みを説明する真由美に星空は黙って聞いていると主席が生徒会に入るのが習わしになっていることが直ぐに理解でき……よく第一高への受験勉強でも真由美が星空に教えることが多かったことから狙いはそこだったのだと内心あきれる。
「司波深雪さん。生徒会長、七草真由美はあなたに生徒会に入ってもらうことを希望します」
「…………それならば、お兄様の方が適任かと思います」
「み、深雪!?いきなり何を言い出すんだ!?」
「お兄様は筆記試験で一番を取っていることはご存じかと思います。それならば私よりお兄様の方が……」
「深雪!」
「…………深雪、少し落ち着いて……」
真由美は深雪の生徒会入りを希望したが深雪は自分以上に達也の方が適任だと主張し達也も戸惑うが流石に聞き分けがない深雪に達也も一喝し星空もそんな深雪を落ち着かせる。
「真由美先輩。確か生徒会のメンバー基準は一科生ということでしたよね?」
「ええ、司波さんから見れば残念なことだけど」
「というわけだ。深雪どれだけ主張しても達也の生徒会入りは無理がある。深雪だって駄々を捏ねて達也を困らせたいの?」
星空はうろ覚えで覚えていた生徒会入りできる人間が一科生のみということを真由美に訪ねてからそうであることを確認すると深雪に向かって達也などの言葉も上手く使い説得する。
「も、申し訳ありません。お兄様ならと……わたしは」
「本当に司波さんはお兄さんのことが好きなのね」
「兄妹というより恋人に……見えちゃいますね」
どうにか説得できた深雪は出過ぎた真似をしたことに謝罪して、兄想いな深雪に真由美も微笑みながらそういうと達也と深雪をまじまじ見てきたあずさが思ったことを呟くと
「っ!!?」
「中条先輩……それは……どういう……」
その言葉に言葉も出せないほど取り乱す深雪に達也までも言葉を詰まらせて表情には余りだしていないが戸惑っている。
「……んんっ!話が脱線してます。深雪それで生徒会に入るのか……決めないと」
「は、はいそうですね……お、お受けさせていただきます」
達也達を見かねて星空は脱線した話を戻そうと深雪に生徒会に入るのかの有無を確認すると深雪は戸惑いながら頷いた。
話もまとまったのだが少し前から考え込んでいた摩利が真由美に向かって確認をする
「…………所で真由美……生徒会推薦の風紀委員のこと何だが……」
「その件は厳密な審査をしてから……」
「いや、風紀委員に関しては一科生という縛りはなかったっと思うんだが」
「っ!!ナイスよ!摩利!そうよその手があったわ!」
どうして思いつかなかったんだろうと椅子から飛び上がりその手があったと嬉しがる真由美に達也は嫌な予感が横切り、直ぐにそれは何なのか真由美の口から語られる。
「実は去年の卒業生で抜けた風紀委員の穴がまだ埋まっていないのよ。」
「風紀委員は生徒会と教員会の二つから指名された生徒が選出される。真由美」
「ええ、司波達也さん。風紀委員……生徒会推薦枠で入ってもらえないかしら?」
「い、いやちょっと待ってください!?困りますし大体……風紀委員の仕事がどのようなものなのかも聞いていません」
「それは今から話すわ。でもちょうど良かったかも司波くんと星空くん。二人まとめて説明できるわけだから」
先程まで達也に向かって話していた真由美と摩利。しかしここに来て星空の名前まで出て来ると流石にどういうことだと星空は首を傾げ、摩利はそうだなと納得した表情で星空に向かって告げた。
「高町、君の方は教員会からの推薦で風紀委員に選ばれているぞ」
「……え?」