幼馴染はアイドルになりたい   作:アッシュクフォルダー

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第十話 身近に感じる事

聞きなれた、元気な声。

見慣れたシルエットが目の前の家から出てきた。

もう、何度も通ったか、覚えていないであろう、

その家も、ずっと変わらない。

 

「おはよう!秋彦くん!」

 

元気な声だったのか、俺は一安心した。

 

「最近、どうかな?」

 

「すっごく、楽しいよ!

秋彦くんが、背中を押してくれたから、

アイドル活動、めちゃくちゃ頑張っている!」

 

俺の幼馴染は、アイドルをしている。

俺の大好きなアイドルに、大切な友達になるって、考えた時

すっごく、ワクワクしたのを覚えている。

 

でも…

 

「俺、背中を押すような、スゲーこと、したっけ?」

 

「してくれたよ!だって、あの時…」

 

ゆっくりと、語り始める、みのり。

あの時、と言われていく日々は、いくつも、浮かんでくるが、

その中でも、特段に、みのりを輝かせた出来事のことだろうか

 

同じ記憶い思いを駆け巡りながらも、みのりの声に耳を傾けた

お昼前の出来事だった。

 

 

ちょっと、最近の話、みのりが、アイドルになる前の話

 

「はぁ…」

 

後ろから、驚かすように声をかけてきたのは…

 

「ため息なんて、ついて、どうしたんだよ?」

 

「び、びっくりした…」

 

石田秋彦だった。

 

「暗い顔で悩み込んでいて…俺、何で気づかなかったんだ…」

 

とは、言うもの笑顔で向かいの席に座る秋彦

こういう時は、みのりが悩みを打ち明けるまで、

話が終わるまで、付き合う笑顔だ。

 

やっぱり、幼馴染には、敵わないって、実感する。

 

「じゃ、じゃあ!悩みを聞いてくれる?」

 

恐る恐る問いかけると、嘘偽りのない、いつも通りの笑顔で…

 

「あったりまえじゃん?」

 

みのりが、どんなに輝いて見えたか、

その輝きが周りに明かせなかった心の内を引き出してくれる、

重い口がだんだんと軽くなってくる感覚

 

「あのね…私、アイドルになりたいの!」

 

開かれた瞳の奥に輝きを増した。

 

「あ、ああ、アイドル!?」

 

「う、うん…」

 

「俺さ、実はアイドルが好きなんだ!」

 

珍しく早口で、私さえも置いてけぼりな、早さで、

アイドルについて、語りだした、秋彦。

 

「元気をくれる存在って、憧れるよな!

太陽みたいに、遠くから、俺達を応援してくれるみたいにな!」

 

「うんうん!」

 

実際、同感する、部分が多かった。

アイドルについて語る、俺が楽しそうで、

なんだか、みのりまで、楽しくなっていった。

 

しばらく、話し倒した秋彦が急に切り出した。

 

「そっか~みのりが、アイドルか…きっと、似合うし、

トップにだってなれる!」

 

一瞬耳を疑った。

 

「え?」

 

聞き返さば、当たり前だろ、とでも、いわんばかりの顔で

紡ぎだされる言葉たち。

 

 

「俺にとって、太陽みたいな存在で、

いつも、明るく素直で、人の事を考えていて、

好きなことに一生懸命な、みのりなら、

きっと、立派なアイドルになれるよ」

 

そう言ってくれるのは、嬉しいが…

 

「でも、私より、カワイイ子も、いっぱい…」

 

いじける、みのりの手を握りながら、

重なる視線の中で、交わされた会話を今でも忘れない…

 

「アイドルって、見た目だけじゃないだろ?

もちろん、みのりは、可愛いけど、それだけじゃない」

 

「えっ?」

 

「みのりは、俺にとって、希望を与えてくれる人なんだよ、

毎日を楽しくしてくれる希望みたいな。

だから、なれるよ」

 

「誰かに希望を…」

 

大好きで憧れる遥ちゃんも言っていた、

そんな、希望、そんな希望に私は慣れるかな…

 

ただ、ドキドキして、ワクワクして、

やる気が出てくる…

 

「私、アイドルになるよ!」

 

みのりは、トップアイドルを目指すのだ。

トップアイドルになっても、俺は支えると誓った。

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