石田秋彦には夢があった。
花里みのりちゃんと海原ゆめちゃんが、トップアイドルとして、
その道を突き進む夢である。
遠い夢ではあるが、それでも、掴めなくても、
何度も立ち上がれる彼女達を見て、
石田秋彦は彼女たちのファン第一号になるのだった。
「ゆめちゃん!みのりちゃん!
今日も最高にカワイイ!素敵すぎる…!」
と、石田秋彦は、相変わらず、彼女たちを応援していた。
「トップアイドル一番星!花里みのりちゃんと海原ゆめちゃん!」
と、応援コールをしていた。
「よーし!ゆめちゃん!一緒にアイドル道を突き進むぞー!」
「ゆめも!みのりちゃんとアイドル道を突き進むぞー!」
絶え間ない努力と根性、目指すべき道に突き進むのみ。
それが、花里みのりと海原ゆめである。
「みのりちゃんも、ゆめちゃんも、すっごくカワイイなー!
うん!ボクの見立て通りだよ!」
「瑞希ちゃん!そうだろ?何せ俺の自慢の推しですから!」
と、暁山瑞希と石田秋彦は、二人で、
みのりちゃんとゆめちゃんを褒め称えていた。
「秋彦君には夢とかない?」
「そりゃ、みのりちゃんとゆめちゃんをトップアイドルにさせる夢だよ!
彼女達をトップアイドルにさせるのが、俺等の役割だからな!」
「うんっ!みのりちゃんとゆめちゃんは、ボク達で育てないとね!」
と、石田秋彦と暁山瑞希は意気投合していた。
「俺の夢は、みのりちゃんとゆめちゃんの夢でもあるから」
「なんか、素敵」
「だろ?」
「そう言えば、秋彦君って、中学三年生だよね?
高校どこ行くの?」
「神山高校に行く」
「じゃあ、ボク、待ってるからね?」
「俺も高校生になっても、みのりちゃんとゆめちゃんを、
支えられるような、そんなスゲー高校生になるぞー!」
「ボクも!みのりちゃんとゆめちゃんを、
トップアイドルに導かせるぞー!」
と、秋彦と瑞希は妄想していた。
石田秋彦の中学生活は終わりを迎えようとしていた。
三年生としての一年間は、みのりちゃんとゆめちゃんの応援に、
明け暮れていた毎日だった。
きっと、高校生になっても、そんなことが間違いなくあるだろう。
それでも、石田秋彦は、花里みのりと海原ゆめのファンを、
一生やり続けるだろう。
石田秋彦は、こう振り返る。
(七百中の三年間…あっという間だったな…
色々あったけど、みのりちゃんとゆめちゃんを、
これからも、ずっと推して、応援していく!
そんな、毎日が続くと良いな…)
と、石田秋彦は、そう思うのだった。
七百中学校の卒業式は、まもなく行われようとしていた。