─インフィニット・ストラトス─ 温羅物語(仮題) 作:バリスタ
一夏
「密度が濃すぎる!
それと明らかな殺意を感じる!」
確実にタマを潰しにかかる弾道
篠宮
「気のせいだ」
セシリア
「昨日の倍以上ありませんか!?」
箒
「…恐ろしい特訓をしているのだな…一夏」
一夏
「さすがに死ぬかと思った」
篠宮
「せいぜい半殺しにしかしないから安心しろ」
一夏
「安心出来ねぇよ!」
篠宮
「よし、まだ元気だな、続きやるぞ」
一夏
「悪意を感じる!」
悲鳴を上げながら回避を続ける一夏
箒
「で、その殺気の理由は?」
篠宮
「昨日、鈴が泣いてた」
箒
「あぁ…昨日のアレか…」
篠宮
「男としてどうかと思うわ…」
箒
「それは同意見だ…」
篠宮
「…さて、じゃあ次の段階に行こうか」
一夏
「…ちょっと休ませてくれ」
篠宮
「1週間を切ってるんでな…そんな暇無い」
一夏
「わっ!ちょっ!」
目隠しをされどこか別の場所に移動させられる一夏
篠宮
「今度は気配や空気の流れを感じる特訓な〜」
一夏
「絶対適当に言ってるだろ!」
篠宮
「じゃあ、箒よろしくね」
箒
「あぁ、任せろ」
一夏
「さすがに無理だから!」
篠宮
「あ、一夏お前は攻撃並びに反撃禁止な
絶対ラッキースケベ起こすか」
箒
「ひうッ!」
胸を触っていた
篠宮
「あーあ…」
保健室
校医
「…うーん迷いなく人体の急所を突いてる…
いい太刀筋だよ…」
一夏
「……」
白目剥いて気絶する織斑一夏
篠宮
「しかしまぁ…盛大に気絶したな…」
箒
「…その…すまん…」
篠宮
「…開始の合図を出してもないのに
無闇に手を伸ばしたこのバカの責任だ、気に病むな」
セシリア
「…で、クラス対抗迄には間に合いますの?」
篠宮
「いつ目を覚ますかだが…まぁ、無理だろうな」
鈴
「一夏!」
篠宮
「お?」
鈴
「あ…その…」
篠宮
「……箒、しばらくこのバカは起きねえだろうし
特訓すんぞ〜」
箒
「わっ!ちょっ!襟を引くな!」
保健室から離れアリーナに戻る3人
箒
「鈴と一夏を2人きりにするのはマズイだろ!」
篠宮
「…大丈夫だろ、せいぜいあってキスくらいだろ」
箒
「…なんというか篠宮、ボーダーラインがかなり甘くないか?」
セシリア
「…………」
真っ赤になるセシリア
箒
「…ほう…」
篠宮
「箒は織斑のことが好きなんだったよな?」
箒
「わっ!いや!…いや、篠宮にはバレていたな…」
セシリア
「あぁ…やっぱり…」
箒
「…あんな事があれば普通は気付くか…」
篠宮
「あの
箒
「…あぁ、私は一夏の事が好きだ…」
篠宮
「…そうか、頑張れ」
セシリア
「応援しますわ!」
箒
「…本人に言える自信はないがな…」
セシリア
「手伝いますわよ!」
篠宮
「やめとけ、セシリア」
セシリア
「何でですの!」
篠宮
「自分の力で幸せを掴み取れないような奴は
いつか取り零す」
セシリア
「…それは…」
箒
「いいんだ、セシリア…これは私個人の欲望だ
私一人で何とでもするさ」
篠宮
「まぁ…
箒
「言ったな!」
セシリア
「私も聞きましたわ!」
箒
「…と、セシリアは篠宮の事が好きなのか?」
セシリア
「ピャァ!」
篠宮
「すっげぇ声出したな…」
セシリア
「そそそんなことああありませんわよ!」
箒
「…ものすごく動揺してるではないか…」
篠宮
「知ってるよ、何となく」
セシリア
「あう…」
箒
「なら!」
篠宮
「…でも、すぐには答えられないや…色々問題があってね…」
箒
「…問題とは?」
篠宮
「…」
セシリア
「…大丈夫ですわ、無理にお話にならなくても」
篠宮
「…いや、話すよ…
家庭の事情で俺の戸籍…無いんだ何処にも、どの国にも」
彼はどこか悲しそうな顔をしていた
箒
「…は?」
セシリア
「どういうことですの!?」
篠宮
「…本家の人達的には俺は死人扱いかな?
まぁ、複雑な事情でね…すぐに答えれない」
寂しい目をする篠宮
セシリア
「でしたらどうやって学園に!」
篠宮
「色んな人との縁で…理事長だったり…Dr.束だったりね…」
箒
「ふぁ!?」
セシリア
「とんでもない名前が上がりましたわ!?」
篠宮
「1回捕まってね…解体されかけた…」
箒
「…姉が迷惑をかけた…」
篠宮
「ん?出会い方は散々だったけどおかげで
俺は今ここにいるから気にしてないよ」
セシリア
「…あれ?でも、適性検査はいつ何処で…」
篠宮
「あぁ、理事長が旅先で出会った特殊な子って事で
学園の設備で検査して適正『S-』って出た」
箒
「マイナスとはいえSだと!?」
セシリア
「…いやまぁ、もう驚きませんわ…」
篠宮
「高いの?」
セシリア
「理解してなかったんですの!?
そっちに驚きですわ!」
箒
「…織斑先生クラスの選手が適正『S』だったか?」
篠宮
「…うわ高かったんだ、だから皆驚いてたんか」
セシリア
「要するに、世界最強に匹敵する適正
機体性能をそれだけ引き出せるということですわね…
納得ですわ」
時間は進み日没
セシリア
「…っと、私先に戻ってますわね」
篠宮
「ん、了解」
アリーナから出ていくセシリア
箒
「…篠宮」
篠宮
「ん?」
箒
「…何か嘘をついてないか?」
篠宮
「…顔に出てたか?」
箒
「僅かに」
篠宮
「…はぁ…オルコットは騙せたけど篠ノ乃さんは無理だったか…」
箒
「…まぁ無理には聞かん、いつか話す気になったら話してくれ」
アリーナから出ようとする箒
篠宮
「…オルコットの俺への好意、あれ…幻覚」
箒
「…なんだと?」
篠宮
「…正確に言うなら…俺から魅了を受けた…かな?」
箒
「どういう意味だ」
篠宮
「これはもう…呪いと言うべきだろうね
俺の体は無意識下で特殊なフェロモンを出してるんだ
…だから意識があるうちは問題ないけど…
寝たり気絶したりしたら最後、異性は魅了される…
ファンタジーみたいでしょ?」
箒
「…つまり…オルコットは」
篠宮
「そう、もう影響下にある…
…なるべく寝ないようにしてはいたんだけどね…
君との特訓の疲れと寝不足で寝てしまった時があってね」
箒
「…寝ないように…だと?」
篠宮
「ん、あぁ…学園来てからは寮の部屋で寝てないだけ
外で寝ればそもそも留まらないから寝れる時に寝てる」
箒
「…それはつまり…慢性的な寝不足ではないか?」
篠宮
「…まぁ…ぶっちゃけね…」
箒
「…お前の意思は…どうなんだ…」
篠宮
「…わかんない…俺…そういうの苦手…
…てかそういう感情知らないからさ…」
箒
「…知らない…だと?」
篠宮
「あ、いや、概念は知ってるよ?
体験した事ないだけ…
箒
「お前は…一体…」
篠宮
「…ただ生まれる家を間違えた運の無い奴だよ…」
箒
「……篠宮…」
篠宮
「…箒…この話は誰にも言わないでね」
そう言い残しアリーナから出ていく篠宮
箒
「…言える訳ないだろう…こんな話」