─インフィニット・ストラトス─ 温羅物語(仮題)   作:バリスタ

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10話  ココロナキ

一夏

「密度が濃すぎる!

 

 それと明らかな殺意を感じる!」

 

 

 

確実にタマを潰しにかかる弾道

 

 

 

 

篠宮

「気のせいだ」

 

セシリア

「昨日の倍以上ありませんか!?」

 

 

 

 

 

「…恐ろしい特訓をしているのだな…一夏」

 

一夏

「さすがに死ぬかと思った」

 

篠宮

「せいぜい半殺しにしかしないから安心しろ」

 

一夏

「安心出来ねぇよ!」

 

篠宮

「よし、まだ元気だな、続きやるぞ」

 

一夏

「悪意を感じる!」

 

 

 

 

 

悲鳴を上げながら回避を続ける一夏

 

 

 

 

「で、その殺気の理由は?」

 

篠宮

「昨日、鈴が泣いてた」

 

「あぁ…昨日のアレか…」

 

篠宮

「男としてどうかと思うわ…」

 

「それは同意見だ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

篠宮

「…さて、じゃあ次の段階に行こうか」

 

一夏

「…ちょっと休ませてくれ」

 

篠宮

「1週間を切ってるんでな…そんな暇無い」

 

一夏

「わっ!ちょっ!」

 

目隠しをされどこか別の場所に移動させられる一夏

 

 

篠宮

「今度は気配や空気の流れを感じる特訓な〜」

 

一夏

「絶対適当に言ってるだろ!」

 

篠宮

「じゃあ、箒よろしくね」

 

「あぁ、任せろ」

 

一夏

「さすがに無理だから!」

 

篠宮

「あ、一夏お前は攻撃並びに反撃禁止な

 

 絶対ラッキースケベ起こすか」

 

「ひうッ!」

 

 

胸を触っていた

 

 

篠宮

「あーあ…」

 

 

 

 

 

 

 

保健室

 

 

 

校医

「…うーん迷いなく人体の急所を突いてる…

 

 いい太刀筋だよ…」

 

一夏

「……」

 

 

白目剥いて気絶する織斑一夏

 

 

篠宮

「しかしまぁ…盛大に気絶したな…」

 

「…その…すまん…」

 

篠宮

「…開始の合図を出してもないのに

 

 無闇に手を伸ばしたこのバカの責任だ、気に病むな」

 

セシリア

「…で、クラス対抗迄には間に合いますの?」

 

篠宮

「いつ目を覚ますかだが…まぁ、無理だろうな」

 

 

 

「一夏!」

 

篠宮

「お?」

 

「あ…その…」

 

篠宮

「……箒、しばらくこのバカは起きねえだろうし

 

 特訓すんぞ〜」

 

「わっ!ちょっ!襟を引くな!」

 

 

 

 

 

 

保健室から離れアリーナに戻る3人

 

 

 

 

 

 

「鈴と一夏を2人きりにするのはマズイだろ!」

 

篠宮

「…大丈夫だろ、せいぜいあってキスくらいだろ」

 

「…なんというか篠宮、ボーダーラインがかなり甘くないか?」

 

セシリア

「…………」

 

 

真っ赤になるセシリア

 

 

「…ほう…」

 

篠宮

「箒は織斑のことが好きなんだったよな?」

 

「わっ!いや!…いや、篠宮にはバレていたな…」

 

セシリア

「あぁ…やっぱり…」

 

「…あんな事があれば普通は気付くか…」

 

篠宮

「あの唐変木(織斑一夏)が異常なだけだ…」

 

「…あぁ、私は一夏の事が好きだ…」

 

篠宮

「…そうか、頑張れ」

 

セシリア

「応援しますわ!」

 

「…本人に言える自信はないがな…」

 

セシリア

「手伝いますわよ!」

 

篠宮

「やめとけ、セシリア」

 

セシリア

「何でですの!」

 

篠宮

「自分の力で幸せを掴み取れないような奴は

 

 いつか取り零す」

 

セシリア

「…それは…」

 

「いいんだ、セシリア…これは私個人の欲望だ

 

 私一人で何とでもするさ」

 

篠宮

「まぁ…結婚式の招待状(いつかの未来)が届いたら祝福してやるよ」

 

「言ったな!」

 

セシリア

「私も聞きましたわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…と、セシリアは篠宮の事が好きなのか?」

 

セシリア

「ピャァ!」

 

篠宮

「すっげぇ声出したな…」

 

セシリア

「そそそんなことああありませんわよ!」

 

「…ものすごく動揺してるではないか…」

 

篠宮

「知ってるよ、何となく」

 

セシリア

「あう…」

 

「なら!」

 

篠宮

「…でも、すぐには答えられないや…色々問題があってね…」

 

 

「…問題とは?」

 

篠宮

「…」

 

セシリア

「…大丈夫ですわ、無理にお話にならなくても」

 

篠宮

「…いや、話すよ…

 

 家庭の事情で俺の戸籍…無いんだ何処にも、どの国にも」

 

 

彼はどこか悲しそうな顔をしていた

 

 

「…は?」

 

セシリア

「どういうことですの!?」

 

篠宮

「…本家の人達的には俺は死人扱いかな?

 

 まぁ、複雑な事情でね…すぐに答えれない」

 

 

寂しい目をする篠宮

 

 

 

セシリア

「でしたらどうやって学園に!」

 

篠宮

「色んな人との縁で…理事長だったり…Dr.束だったりね…」

 

「ふぁ!?」

 

セシリア

「とんでもない名前が上がりましたわ!?」

 

篠宮

「1回捕まってね…解体されかけた…」

 

「…姉が迷惑をかけた…」

 

篠宮

「ん?出会い方は散々だったけどおかげで

 

 俺は今ここにいるから気にしてないよ」

 

 

セシリア

「…あれ?でも、適性検査はいつ何処で…」

 

篠宮

「あぁ、理事長が旅先で出会った特殊な子って事で

 

 学園の設備で検査して適正『S-』って出た」

 

「マイナスとはいえSだと!?」

 

セシリア

「…いやまぁ、もう驚きませんわ…」

 

篠宮

「高いの?」

 

セシリア

「理解してなかったんですの!?

 

 そっちに驚きですわ!」

 

「…織斑先生クラスの選手が適正『S』だったか?」

 

 

篠宮

「…うわ高かったんだ、だから皆驚いてたんか」

 

セシリア

「要するに、世界最強に匹敵する適正

 

 機体性能をそれだけ引き出せるということですわね…

 

 納得ですわ」

 

 

 

 

 

 

時間は進み日没

 

 

 

 

 

セシリア

「…っと、私先に戻ってますわね」

 

篠宮

「ん、了解」

 

 

 

アリーナから出ていくセシリア

 

 

 

「…篠宮」

 

篠宮

「ん?」

 

「…何か嘘をついてないか?」

 

 

篠宮

「…顔に出てたか?」

 

「僅かに」

 

篠宮

「…はぁ…オルコットは騙せたけど篠ノ乃さんは無理だったか…」

 

「…まぁ無理には聞かん、いつか話す気になったら話してくれ」

 

 

アリーナから出ようとする箒

 

 

篠宮

「…オルコットの俺への好意、あれ…幻覚」

 

「…なんだと?」

 

篠宮

「…正確に言うなら…俺から魅了を受けた…かな?」

 

「どういう意味だ」

 

篠宮

「これはもう…呪いと言うべきだろうね

 

 俺の体は無意識下で特殊なフェロモンを出してるんだ

 

 …だから意識があるうちは問題ないけど…

 

 寝たり気絶したりしたら最後、異性は魅了される…

 

 

 ファンタジーみたいでしょ?」

 

「…つまり…オルコットは」

 

篠宮

「そう、もう影響下にある…

 

 …なるべく寝ないようにしてはいたんだけどね…

 

 君との特訓の疲れと寝不足で寝てしまった時があってね」

 

「…寝ないように…だと?」

 

篠宮

「ん、あぁ…学園来てからは寮の部屋で寝てないだけ

 

 外で寝ればそもそも留まらないから寝れる時に寝てる」

 

「…それはつまり…慢性的な寝不足ではないか?」

 

篠宮

「…まぁ…ぶっちゃけね…」

 

「…お前の意思は…どうなんだ…」

 

篠宮

「…わかんない…俺…そういうの苦手…

 

 …てかそういう感情知らないからさ…」

 

「…知らない…だと?」

 

篠宮

「あ、いや、概念は知ってるよ?

 

 体験した事ないだけ…他人(ヒト)を好きになった事が無いだけ」

 

 

「お前は…一体…」

 

篠宮

「…ただ生まれる家を間違えた運の無い奴だよ…」

 

「……篠宮…」

 

篠宮

「…箒…この話は誰にも言わないでね」

 

 

そう言い残しアリーナから出ていく篠宮

 

 

 

「…言える訳ないだろう…こんな話」

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