─インフィニット・ストラトス─ 温羅物語(仮題)   作:バリスタ

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15話  孤独(ノロイ)

「セシリア…」

 

セシリア

「…どちらに行かれるのですか?」

 

「いやなに、体冷ますために換気をな」

 

セシリア

「更衣室は冷房も完備されています…それで十分なハズですが?」

 

「…篠宮たっての希望でだ」

 

セシリア

「…そうですか」

 

「ただ、離れる訳にもいかんからな…

 

 篠宮が起きるまでここに居るつもりだ」

 

セシリア

「……」

 

ギリッ

 

 

「……」

 

拳を握り締めるセシリア

 

その拳から血が滴る

 

 

 

「……オルコット…お前にとって篠宮は何だ?」

 

 

セシリア

「…急になんです?」

 

「……」

 

セシリア

「…あぁ…そういう事ですのね…」

 

インター・セプターを構えるセシリア

 

 

セシリア

「貴女が篠宮さんの1番ですのね!」

 

 

振り下ろされるインター・セプター

 

 

 

「な!?」ギャリン!

 

ギリギリで回避をする箒

 

「何を言っている!」

 

セシリア

「あぁ…貴女を消せば…」

 

瞳孔が開いているセシリア

 

「目を覚ませセシリア!」

 

ラウラ

「無駄だ…」

 

「ボーデヴィッヒ!」

 

ラウラ

「あの状態になってしまったら最後だ

 

 もうどうしようも無い…」

 

 

「何!?」

 

セシリア

「ああああああああぁぁぁ!」

 

ラウラ

「…!」

 

手をかざす、すると動きが不自然に止まるセシリア

 

セシリア

「…!」

 

ラウラ

「…篠ノ乃」

 

「なんだ…」

 

ラウラ

「解決方法があるとすればお前が死ぬしかない」

 

「…だろうな…」

 

セシリア

「ああああああああぁぁぁ!」

 

ラウラ

「どうする?」

 

 

「私は…セシリアを信じる」

 

ラウラ

「…いいんだな?」

 

「あぁ…大丈夫だ」

 

 

手をおろすラウラ

 

動き出すセシリア

 

 

「セシリア…」

 

セシリア

「ああああああああぁぁぁ!」

 

 

再び振り下ろされるインター・セプター

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

セシリア

「ぐっ…ぐああァ!」

 

ギリギリで止まるインター・セプター

 

セシリア

「に…げて…ください!」

 

ラウラ

「な…」

 

「私は逃げん、お前を信じている…セシリア」

 

セシリア

「…ああああ…ああああぁぁぁ!」

 

ラウラ

「篠ノ乃!オルコットを殴れ!」

 

「は?」

 

ラウラ

「篠宮のあれは精神干渉と精神汚染を有する!

 

 だからこの状況で一瞬とはいえ拮抗したオルコットになら

 

 強い衝撃で正気に戻る可能性は大いにある!」

 

「いや、しかし!」

 

セシリア

「ああああああああぁぁぁ!」

 

「ええい!なるようになれ!」

 

 

右フックがセシリアの左頬を的確に打ち抜く

 

セシリア

「っ!」

 

 

ふらつき、倒れるセシリア

 

 

「大丈夫か!セシリア!」

 

セシリア

「…痛い…ですわ…」

 

「その…すまなかった…」

 

セシリア

「…謝らないでくださいませ…

 

 自我を失った私の責任ですわ…」

 

 

ラウラ

「…あの時より薄いのか?」

 

「…ボーデヴィッヒ…お前、なぜ篠宮のあれを知っている…」

 

ラウラ

「…オルコット…貴様は篠宮と同室だったな?」

 

セシリア

「え、えぇ…」

 

ラウラ

「…なるほどな…」

 

篠宮

「…ラウラ、余計な事はするな」

 

「篠宮、もう良いのか?」

 

篠宮

「扉開いた状態で叫ばれたら寝れないよ…」

 

セシリア

「…篠宮さん…説明してくださいませんか?」

 

篠宮

「全部ボーデヴィッヒの言った通りだよ…」

 

セシリア

「…なんですの…それ…」

 

「…セシリア」

 

篠宮

「これ以上話す事は無い…」

 

セシリア

「ちゃんと説明してくださいませ!」

 

篠宮

「…はぁ…めんどくさ…

 

 分かったよ、言うよ」

 

セシリア

「!?」

 

篠宮

「オルコット、君の俺への感情…あれ、偽物だから

 

 俺に都合のいい女になる様に植え付けた認識なだけで

 

 別に俺、お前の事どうでもいいんだわ

 

 

 だから答えを曖昧にして流してたの…

 

 それも気付かないでさ、いつ答えてくれるんだろうって

 

 答え待ち続けてるの滑稽だったわ!」

 

 

セシリア

「っ!」

 

「篠宮…」

 

ラウラ

「……」

 

 

篠宮

「まぁ…バレちゃったしもういいや

 

 別のオモチャ探すわ」

 

 

セシリア

「……!」

 

無言で篠宮にビンタをするセシリア

 

篠宮

「痛ってぇ…」

 

セシリア

「最っ低ですわね!」

 

そう言い残し去っていくセシリア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいのか?篠宮」

 

篠宮

「…まぁ…これで二度と俺の影響は受けないだろうし

 

 俺の周りから人は居なくなるから一石二鳥だよね」

 

 

ラウラ

「…いくら何でもやり過ぎだと思うが…」

 

 

篠宮

「…織斑先生の耳に入ったら退学かね…

 

 まぁ、そうなったらまた旅に出ればいいし

 

 俺的には結果オーライだわ」

 

 

「…もう少し何とかならんかったか?」

 

 

篠宮

「中途半端にやったらバレるでしょ?」

 

 

ラウラ

「…はぁ…私たちが影響を受けないとは言え…

 

 もう少し慎重に行動をしろ…」

 

篠宮

「…ビンタで頭揺れたっぽいからもう少し寝るわ…」

 

 

 

 

 

 

更衣室前

 

 

ラウラ

「……そろそろ授業も終わる時間か…」

 

「そういえばボーデヴィッヒ」

 

ラウラ

「ラウラで構わん」

 

「…ラウラ、お前は授業出なくていいのか?」

 

ラウラ

「…昔からの篠宮の体の不調を知っていると言って

 

 こっちに来ている…あながち嘘では無いからな」

 

「…あとはセシリアがどう判断するかだ…」

 

ラウラ

「どっちに転ぼうと篠宮の希望通りにはなるが…」

 

「…いや待て……

 

 万に一つの可能性はないか」

 

ラウラ

「…何を言っている…奴の予測能力は群を抜いている…」

 

「鈴だ…2組の凰鈴音…

 

 篠宮は鈴の事を完全には考慮に入れていない…

 

 セシリアが誰かに言う前に鈴なら気付く…

 

 奴はそういうやつだから」

 

ラウラ

「…だとしても…その凰がどう動くか分からんだろう…」

 

「いや、必ず直談判しに来る…セシリアを連れて

 

 なんならセシリアに対して謝らせる為に動くだろう」

 

ラウラ

「…なぜそう言いきれる?」

 

「篠宮と交流が少ない…そして

 

 私と同様に篠宮の能力に対して

 

 抵抗出来る可能性があるからだ

 

 もしそうなら…嫌悪感は伝播しない」

 

ラウラ

「なるほど、確かに一理ある、が…」

 

「…問題はその後だ…」

 

ラウラ

「…おそらく憎まれ役を演じるだろうな」

 

「…どうすればいいんだ…」

 

ラウラ

「篠宮の事は私が対処する

 

 篠ノ乃、お前はオルコット達の方を頼む」

 

「…いいのか?」

 

ラウラ

「構わん、今日は転校初日だからな…

 

 私の方が都合がいい」

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

アリーナ

 

 

 

 

 

「篠宮!」

 

篠宮

「…何?」

 

「事情は知らないし詳細も知らないから

 

 偉そうなことは言えないけど

 

 アンタ、何でもかんでも自分の中で

 

 完結させるのは止めなさいよ!」

 

篠宮

「……話はそれだけか?」

 

「な…アンタねぇ!」

 

ラウラ

「貴様が凰鈴音か」

 

「…アンタは…転校生」

 

ラウラ

「…あぁ…」

 

「…邪魔するの?」

 

ラウラ

「悪いな…」

 

「…!」

 

身動きひとつ取れなくなる鈴

 

篠宮

「…」

 

 

無言でアリーナを去る篠宮

 

 

「…絶対セシリアに謝らせるから!」

 

ラウラ

「…」

 

「うおっ」

 

見えない拘束が解け動けるようになった鈴

 

「アンタ、なんか事情知ってるんでしょ!」

 

ラウラ

「…悪いが…今は言えない…すまない…」

 

「…何よそれ…」

 

ラウラ

「…すまない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上

 

 

 

「あーもう!なんなのよアイツ!

 

 急に人が変わったみたいに冷たくなってさぁ!」

 

シャルル

「何かあったのかな?」

 

「さぁね、セシリアも精神的に参っちゃってて

 

 話もあまり聞けなかったし…」

 

「…セシリアは何を言ったんだ?」

 

「『私の気持ち弄ばれていました』と一言ね

 

 箒はその場に居たんだからわかるわよね」

 

「…篠宮がセシリアの気持ちを弄んだのは…

 

 ある意味正解かもしれない…だが…」

 

「何よ、勿体ぶらずに言いなさいよ!」

 

「そこにあいつの意思は存在しない…」

 

「…何よそれ…」

 

「私も詳しくは分からない…ただ、これだけは確かだ」

 

シャルル

「…篠宮君…」

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