─インフィニット・ストラトス─ 温羅物語(仮題) 作:バリスタ
タッグマッチトーナメント当日
一夏
「篠宮は俺がやる」
シャル
「私はラウラね、了解」
一夏
「頼んだぞ」
ピットから4つの機体が飛び立つ
篠宮
「……」
刺々しい形状に変化している酒呑
一夏
「…これが…」
先日束から聞いた話を思い出す
束
『今の酒呑や久遠は多分出力30%に近づいてると思う』
一夏
「出力?適正とかシンクロ率とかじゃなくて?」
束
『あれはオーバーテクノロジーだからね
最初から最大出力出したらパイロットが消し飛ぶ』
一夏
「け…消し飛ぶって」
束
『…でも逆に言えば30%は超えない』
一夏
「え?」
束
『あの機体は30%が上限だから
どう頑張っても超えない
もし超えたら自壊する』
一夏
「…とりあえず、正面だ!」
千冬
『試合開始!』
一夏
「零落白夜!」
篠宮
「……」
難なく受け止める篠宮
一夏
「まぁ…そりゃ受け止めるよな…」
ラウラ
「これはタッグマッチだぞ!」
レールガンを構えるラウラ
シャル
「そうだね!」
ラウラ
「ッ…シャルル!」
ラウラを撃ち抜くシャルル
一夏
「頼んだぞ!」
シャル
「うん、任せて!」
篠宮
「…久遠」
一夏
「!?」
左手から熱気を放つ篠宮
一夏
「…もっと詳しく機体情報聞いとくべきだった!」
篠宮
「…束か」
一夏
「あぁ、頼まれたんだよ」
篠宮
「…」
一夏
「とりあえず、お前を助ける!」
篠宮
「助ける?俺がいつ頼んだ」
一夏
「うるせぇ!俺が助けたいから助けんだ!」
ギギッ
篠宮
「!?」
少しずつ押され始める篠宮
一夏
「お前が何に苦しんでるか知らねぇがな
俺達を頼れよ!仲間だろうが!」
篠宮
「ッ!…頼れる訳無いだろ!」
ジジッ
スパークし始める久遠
篠宮
「ギッ…誰がこんなモノ信じるんだ!」
一夏
「知るか!」
篠宮
「ッ!?」
一夏
「少なくともお前が苦しんでる!
それは事実だろうが!」
篠宮
「……」
一夏
「歯ァ食いしばれェ!」
拳を構える一夏
篠宮
「!」
ドガッ!
思い切り殴り飛ばされる篠宮
篠宮
「…痛ってぇなァ!」
一夏を殴り返す篠宮
シャル
「…なんで殴り合ってんの…」
ラウラ
「あ…あぁ…ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」
バチン!?
シャル
「キャッ!?」
篠宮
「!」
一夏
「…なんだよ…アレ…」
ドロドロした泥のような何かに取り込まれるラウラ
篠宮
「VTシステム…いや何で…」
シャル
「VTシステム!?」
一夏
「なんだそれ?」
篠宮
「
モンドグロッソ優勝者の動きをトレースするシステム
早い話織斑先生のコピーだ…」
シャル
「…今の僕達に勝てる代物じゃ無い…」
篠宮
「…まぁ…お前らの逃げる時間位は稼いでやるよ
だからとっとと逃げろ」
シャル
「何言ってんの!?そういう次元の強さじゃないんだよ!」
篠宮
「だからこそだ…」
一夏
「シャル、逃げるぞ」
篠宮
「…あとは頼んだぞ、
左手をヒラヒラと振る篠宮
篠宮
「一応確認の為に…」
両手を広げる篠宮
VT
『……』
動きを見せないVTシステム
篠宮
「…あ、
近づく篠宮
VT
『……』
動きを見せないVTシステム
篠宮
「…あれ?
射程内だよな?」
手を伸ばせば届く距離
篠宮
「…まぁ、いっか」
左手を上げる篠宮
篠宮
「『灼花』!」
爆煙が辺りを包む
鈴
「無茶苦茶すぎる、いや知ってはいたけども!」
セシリア
「………」
煙が晴れる
一夏
「……」
篠宮
「…ふぃ…」
ラウラ
「……」
そこには裸のラウラと左腕の無い篠宮
そして雪片弐型を持った織斑が立っていた
鈴
「なっ!?」
ザワザワ
篠宮
「おーい、とりあえずラウラを包む布くれ〜」
シャル
「いや!篠宮君、腕!」
篠宮
「…ん?あぁ、肩から先、元々無いよ?
束から聞いてない?」
一夏
「聞いたのは俺だけだ、篠宮」
篠宮
「あ、そうなの」
シャル
「な…え?」
セシリア
「…あれは…幻肢痛で起きたのですわね…」
鈴
「…箒は…知ってた?」
箒
「…私も知らない…」
篠宮
「ポロリもあるよ!」
一夏
「効果音が違ぇ!」