─インフィニット・ストラトス─ 温羅物語(仮題) 作:バリスタ
2日後
放課後
教室にて
箒
「…篠宮」
篠宮
「んお?」
箒
「少し…付き合ってくれ」
篠宮
「?」
え、何、お説教?
更衣室にて
箒
「少し…目を閉じててくれ」
篠宮
「…んん?」
なんか怒られるような事…したっちゃしたな…
箒
「…目を開けてくれ」
目を開けた
上半身裸の箒が立っていた
目を閉じた
篠宮
「ンンンンンンンンンンン!?」
箒
「…お前には感謝している…
だが私には何も無い…
だからせめてこの体で!」
足音でわかる…寄ってきてる…
何考えてんのこの子!?
篠宮
「いいから服着てくれ!」
箒
「安心しろ!ニップレスだ!」
篠宮
「そうじゃない!」
箒
「なんでも言うことを聞く!
私の体を好きなようにしてくれて構わない!」
篠宮
「そういうのは織斑にしてあげなさいよ!」
腕を持たれた…ガッツリホールドされてらァ…
セシリア
「…えっと…どう言う状況で?」
セシリアが入ってきた…
…グッバイ青春
箒
「恩返しだ!」
セシリア
「…襲ってるように見えますが…」
箒
「こいつがなかなか受け入れてくれなくてな」
セシリア
「…えっと…何か手伝いましょうか?」
え、そっち側なの?
いや、目閉じてるから何が何だか分からないけども…
箒
「ズボンを脱がす、手伝ってくれ」
それだけは禁忌だよ!
こうなりゃ久遠の尻尾で箒を引き離……
…目が見えなきゃ操作出来ねぇじゃねぇ!
セシリア
「…異性のベルト外すの…
なんと言うかイケナイ事をしてる気分になりますわ!」
何ワクワクしてんの!?セシリアさん!
いや、立ってる状態でベルト外されたら1発で脱げるよ!?
いやそれより手を弾かな…そういえば強ぇなぁ!動かせねぇ!
篠宮
「冷静になって!2人とも!?ここ人来るでしょ!?」
違うそうじゃない…絶対そうじゃない…
箒
「…ふむ言われてみれば…」
セシリア
「でしたら私たちの部屋で」
悪手だったァ…逃げ場無くなったァ…
篠宮
「…終わったぁ…」
静寂…
鈴
「…篠宮、もう目を開けて大丈夫よ」
篠宮
「…え?鈴…」
鈴
「……」
篠宮
「……」
目を開けた
鈴が居た
そして上裸の箒
セシリアも半脱ぎ
再び目を閉じる
篠宮
「なんでさ!」
箒
「恩返しだ!」
篠宮
「答えになってねぇ!」
鈴
「…据え膳食わぬは男の恥よ」
篠宮
「なんで俺宛の据え膳なんだよ!
相手は織斑であれ!」
夢から醒めてくれ!
織斑
「……お前ら…何してんだ?」
篠宮
「おり、フグ!?」
口を塞がれた!…何で塞がれてんだこれ?
織斑
「なんか外までドタバタ聞こえてるぞ」
箒
「あぁ、すまない…
ストレッチを鈴とセシリアとでしてたんだがな
思ったより痛くてな!」
織斑
「無理に伸ばし過ぎると逆に良くないから程々にな?」
箒
「あぁ、程々にしてく」
織斑
「んじゃ、また後でな!」
足音が遠のいていく
篠宮
「プハァ!今何で口閉じさせた!?」
箒
「それは…その…」
篠宮
「こんな事しといて今更恥ずかしがるの!?」
鈴
「…逆になんだと思うの?」
篠宮
「………」
鈴
「…むっつりスケベ」
篠宮
「いや、不可避じゃねぇか!」
避けようがねぇよ!
篠宮
「…もう疲れた…わかったよ恩返しでもなんでも受けるよ」
箒
「よし、では!」
篠宮
「ただし一般常識の範囲で!」
箒
「…だがしかし…」
篠宮
「…なんでも聞いてくれるなら…まず服を着てくれ」
箒
「むぅ…」
セシリア
「惜しかったですわ…」
鈴
「…セシリア、今なんて?」
セシリア・篠宮部屋にて
箒
「…何でもするぞ!奉仕でもなんでも!」
篠宮
「箒ってこういう子だったっけ?」
鈴
「…混乱してんのよ」
篠宮
「…淫乱では?」
鈴
「今まで優しくされたことがなかったから
何がなんでもお返ししなきゃって」
セシリア
「……」
篠宮
「んでセシリアも手伝おうとしたと」
鈴
「いや、あれは便乗して
既成事実を作ろうとしてただけよ」
セシリア
「……」
篠宮
「あー…跡継ぎって奴か」
鈴
「何で他人事なのよ!あんた喰われかけてたのよ」
篠宮
「いや、セシリアなら別に…構わんし…」
鈴
「あんたらそういう関係!?」
セシリア
「いえまだ!」
鈴
「早…」
箒
「…私を忘れていないか?」
篠宮
「…んー…箒にして欲しい事ねぇ…」
箒
「なんでも言ってくれ!」
篠宮
「無いな!」
箒
「……」
篠宮
「大体何でも出来るし」
箒
「…おのれ
篠宮
「しいて言うなら、今まで通り接してくれ」
箒
「…むぅ」
消灯時間手前
鈴
「んじゃ、帰るわ」
箒
「…私も帰るとしよう」
セシリア
「ではまた明日」
篠宮
「おやすみ」
2人
「おやすみ」
セシリア
「…その…鈴さんの言った事は…」
篠宮
「聞かなかった事にしとくよ…」
セシリア
「………」
篠宮
「……おやすみ、セシリア」
セシリア
「はい、おやすみなさい」
翌朝
織斑
「そういや昨日は箒とどっか行かなかったか?」
篠宮
「あー…この間の事で謝罪と恩返しがしたいって言われて
断った」
織斑
「断ったのか…」
篠宮
「まぁ、恩返しされるような事はしてないし」
織斑
「そうなのか…」
箒
「篠宮」
篠宮
「何?」
箒
「放課後、時間あるか?」
篠宮
「今日は酒呑で戦闘訓練を予定してるけど?」
箒
「私に戦い方を教えてくれ」
篠宮
「え?」