バーチャルだけど現実 対戦(合法ロリ)編 作:道長(最近灯に目覚めた)
最後にまたしてもどうでもいいアンケートがあります。
「ソフィーの番なのです。アップキープ、ドロー」
状況を整理しよう。まずソフィー嬢が
LP18
手札4
土地
〈島〉〈島〉〈神聖なる泉〉
そのほかのパーマネント
〈時を解す者、テフェリー〉忠誠度5
私が
LP17
手札4
土地
〈怒り狂う山峡〉〈黒割れの崖〉〈沼〉
そのほかのパーマネント
〈タルモゴイフ〉5/6
となっている。先ほどの〈思考囲い〉で彼女の手札4枚の内3枚は〈虹色の眺望〉、〈否定の力〉、〈謎めいた命令〉なのは分かっている。
そして初動は恐らく
「〈テフェリー〉の-3の忠誠度能力を起動するのです。お兄さんの〈タルモゴイフ〉をバウンスして1ドローなのです」
「対応ありません」
だろうな。しかし3テフェにはヤバイ常在能力を持っていながら、何故バウンスに1ドローがついてるのか。
コレガワカラナイ。
「〈虹色の眺望〉を置いてアイムダン、なのです」
「アイムダン?」
「ターン終了の意味だ」
「あぁ、I'm doneね」
「古参の方で使う人がたまにいるな。ではアップキープ、ドロー……」
おいおい土地か。まずい、盤面も手札にも干渉できない。
「メインフェイズ入って〈タルモゴイフ〉をキャスト、対応は?」
「少し、考えるのです」
対面の彼女は口許に指を添え、しばらく手札を見つめ。
「〈虹色の眺望〉を起動、ライフが17点になって〈島〉をエントリーするのです。青3マナ含む4マナで〈謎めいた命令〉。効果は打ち消しと1ドロー」
「では〈タルモゴイフ〉が墓地へ」
「1ドローするのです」
ここでもうワンアクション動ければ、天秤がこちらに傾き始めるのだが、中々そうはいかない。
「〈踏み鳴らされる地〉*1をタップイン、ターンどうぞ」
「アンタップ、アップキープ、ドロー……メインフェイズに、入るのです」
「どうぞ」
「まずは〈テフェリー〉の上の忠誠度能力を起動するのです。忠誠度が3になるのです。そして」
有効牌でも入ったか?
ドローしたカードを見た時に雰囲気が変わった。メインフェイズに入ることを、わざわざ視線、間で問うように確認したのも怪しい。表情こそ無機質なのだが、仕草とか雰囲気が妙に分かりやすい人だ。
「青2マナ含む4マナ〈精神を刻む者、ジェイス〉*2」
「……引かれたましたか。通りますよ」
「兄さんの好きなカードじゃん」
「自分で使うのは好きだが、使われるのは話が別だ」
ハンデスの弱い所よね、こういう今引きに対処出来ないのは。これで3ターン目の〈テフェリー〉が妙手に近くなった。
「〈ジェイス〉の+2の忠誠度能力を起動、プレイヤー1人のデッキトップを見て、そのままにするかデッキボトムに送るか選べるのです。対象はお兄さんなのです」
「どうぞ」
「……そのままでいいのです。〈溢れかえる岸辺〉を置いて、ゴー」
「ではターンをもらってアンタップ、アップキープ」
さてさて、トップのカードはなにかなー(棒)。
「ドロー……、なるほどね」
ちょっと厳しいな、これ。
「……ちょいあったまってきた。どうしようもないな、これ」
「なに言ってんの兄さん」
「見てみるか?ハンド」
「どれどれ……、あー……」
「温かそうだろ?」
「知らないけど、うん」
土地3枚にスペル2枚。スペルの内1枚は〈致命的な一押し〉だから完全に腐ってる。〈歴戦の紅蓮術士〉だって、この盤面をすぐに解決出来るカードではない。
「いや、やれることはあるから本当に詰みってわけじゃないんだがな?プレインズウォーカー2枚出してる『青白コントロール』にこれはもう」
しかも白マナ出せるから〈流刑への道〉*3を考えると、〈怒り狂う山峡〉も安易に起動できない。それに今は〈紅蓮術士〉を通してデッキを掘りたい。
(いかん、妹と盛り上がり過ぎたか)
そう思ったが、対面が気分を害した様子はない。むしろ楽しそうに、少しだけ羨ましそうに見ているような気がする。
ただ、私の苦しむ姿に愉悦してるだけかもしれないが。
「……お待たせしました。赤2マナ含む3マナ出して〈歴戦の紅蓮術士〉、対応は?」
「ノーレスポンスなのです」
「なら着地時、手札を2枚捨てて2ドロー」
「……〈テフェリー〉がいるのに可能なのですか?」
「〈3テフェ〉の常在型能力は『インスタントタイミングで呪文を唱えられない』で、誘発型能力や起動型能力を封じてるわけじゃないので、これは発動します」
「了解したのです」
「ややこしいねー。でも穴があるから許されてるのかな?」
「許されてるわけじゃないが、モダンで禁止にならないのはそのあたりだろうな」
一方で〈もみ消し〉が禁止になってる。1マナで誘発型能力と起動型能力を打ち消せるのは、モダンではやりすぎという考えなのだろう。フェッチランドで土地持ってこれないとなると、ゲームが出来ない。
「〈致命的な一押し〉と〈黒割れの崖〉を切って2ドロー。この時スペルが1枚捨てられたので1/1のエレメンタルトークンが1つ出ます」
肝心のドローの内容は、と。
「遅いけどギリ間に合ったかねぇ。赤1マナで〈稲妻〉*4。対象は〈テフェリー〉」
「〈テフェリー〉が破壊されるのです」
片方はまた土地だ。まあ、それでもかなりマシな手札になった。
「〈血染めのぬかるみ〉置いてターンエンド」
「……〈溢れかえる岸辺〉を起動するのです。1点払って〈平地〉。そこから1マナ出して〈流刑への道〉を〈紅蓮術士〉へ」
「……〈紅蓮術士〉は追放されます。〈流刑への道〉の処理で〈森〉*5持ってきます」
個人的には握っていた方が強い気がするが、2枚目を持ってるのか?
フラッシュバック*6を嫌ったにしても過剰過ぎると思う。
「5テフェ? でも積んで2枚だろうしな」
「強いのになんで?」
そう言えば妹との対戦はほとんどハーフデッキだったな。ならば簡単に説明しておこう。
「5マナ出すって結構大変なんだよ。私もマナカーブ理論に詳しいわけじゃないから雑に計算すると、60枚デッキで土地を24枚いれた場合、4割を11枚の内5枚引いてなきゃいけない」
「聞くだけだと確率低そうに思えるね」
「ドロースペルその他は無視してるがな。だがコントロールと言えど、5マナ以上のカードは安易に積めないのも事実だ。わざわざ『青白コントロール』を選ぶ人間が、確率論を無視するような構築をするのは考えにくい。んー……、ここで無理するようなカードってなんだ? っと、ごめんなさい。ターンどうぞ」
「テイクマイターン。アンタップ、アップキープ、ドロー」
「ソフィーちゃんがちょっとカッコいい言葉使ってる!」
律儀に無言で待つソフィー嬢に声をかける。下手に絡むと燃えそうだから、こちらから話しかけるのは最低限ですませたいが、ここまで静かにされると申し訳なくなる。あと「Take my turn」を気合いをいれて言った気がする、ゲームには関係ないが。
さて改めて考えよう。
下手すれば6マナ必要なカードだ。『青白コントロール』で採用されそうなのは〈終末〉*7だが、今打つ意味はない。あれだって『奇跡』コストで白1マナで打てるから採用するのであって……、代替コスト?
「もしかしてサメか?」
「……メインフェイズに入って〈ジェイス〉の上から2番目の能力を起動するのです」
「〈渦巻く知識〉*8ですね。どうぞ」
「3枚引いて……2枚戻すのです。〈神聖なる泉〉をアンタップイン、残りライフは14点なのです。そこから6マナ」
多分アタリだな、これは。〈致命的な一押し〉切ったのは失敗か?
〈サメ台風/Shark Typhoon〉
「なんかB級映画みたいなカード」
「性能もB級であって欲しかったんだがなぁ」
性能はA級*9なんだよ、何故か。別に6マナ出さなくてもサイクリングにトークン生成が付いてるのが偉すぎる。
「ターンエンドなのです」
「エンド時に〈ぬかるみ〉切ってライフ16。〈草むした墓〉*10タップイン」
「何もないのです」
「私のターン、アンタップしてドロー、メインフェイズ。手札何枚でしたっけ?」
「2枚なのです」
……しかし〈ジェイス〉で〈渦巻く知識〉してその動き?
実際プレッシャーかかるし、辛いが。
「戦闘フェイズへ、4マナ払って〈怒り狂う山峡〉起動。〈山峡〉と〈トークン〉でジェイスへ」
「ノーレスポンスなのです。〈ジェイス〉の忠誠度が1に」
「いや、〈ジェイス〉の忠誠度は0になりますよ?」
「えっ」
まぁ、だよね。
ようやっと明らかに表情が変わった。動揺しているのが手に取るようにわかる。
「まず〈怒り狂う山峡〉が起動します」
「そうなのです。3/3のエレメンタルクリーチャーになるのです」
〈山峡〉をタップさせるところで6面ダイスの1の面を上にして、〈山峡〉に『カウンター』として乗せる。
「殴る時に『1/1カウンター』が乗って4/4になります。これと1/1の〈トークン〉で殴って5点」
ソフィー嬢の口が声にならない「あ」の形になった。しかし、すぐさま取り繕って動きを見せる。
「ごめんなさいなのです。〈怒り狂う山峡〉の起動効果に〈否定の力〉をピッチコストで」
「起動型効果、誘発型効果に対して、打ち消し呪文は基本的に使えません。唱えている訳ではないので。〈時を解す者、テフェリー〉がいてもフェッチランドが相手ターンに使えるのと、ある意味同じです。一応〈もみ消し〉という、それ用の打ち消し呪文は存在しますが、モダンでは禁止になってます」
「……」
ピシリと、音を立てるようにソフィー嬢がフリーズする。
これは……どうなんだ?
不特定多数のオーディエンスはいるが、あくまで野試合で相手は初心者だ。
「どうします?野試合ですし〈サメ〉出す前まで巻き戻します?」
「いえ、結構なのです」
「いや、ここかなり大事……」
「け っ こ う な の で す!」
「あっ、すいません」
えぇ~……、なんか怒られたんですけど。確かに私がドローした後だから、不確定要素が確定してしまっているのは気になるところなんだが。
第一ソフィーさんのプレイングも、間違いとは言いがたいし。
「え~?私も知らなかったし巻き戻して貰った方が」
「気が散るのでスズさんは黙っているのです」
「……」
虎口に自ら飛び込むとは愚かな妹よ……。
私も無神経だったか。ソフィー嬢は手加減を嫌うタイプなのか。
「では戦闘後メインフェイズに〈育成炭泥地〉*11を置いて、早速緑マナ出してライフが15に。〈黒割れの崖〉から赤マナ出して、〈レンと6番〉。通りますか?」
「……通るのです」
「では一番上を起動して〈新緑の地下墓地〉を回収、ターンエンド」
何かあったら終わった後に言おうか。それでも怒られたら、もう私が出なければいいだけだ。
これ終わったら何を書けばいいんですかぇ?
ネタあったらなんか言ってやってください。一応個別のデッキに焦点を当てようとは思ったのですが。
需要あるならMTG以外も書く所存でございます。
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