流星降臨(葛葉ライドウ)   作:アズマケイ

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プロローグ-Dr.ヴィクトルの研究所にて

この日、俺は朝から筑土町にある金王屋でまとめ買いをして主人のご機嫌をとってから、地下のDr.ヴィクトルの研究所を訪ねていた。

 

事前に新たな戦力強化のために要求される合体用の悪魔はCOMPで調べておいたし、調達済み。Dr.ヴィクトルの悪魔合体には素材悪魔たちの忠誠度が要求されるので、余計に数日がかかってしまっている。

 

そもそもCOMPで悪魔合体ができればこんな手間かからずに済むのだが、COMPに要求されるのが電子マネーかつマッカという通貨が前提となっているために円か銭しかないこの時代では対価が払えないのだ。

 

この時代にはマグネタイトをマッカと換金してくれるところもなければ、戦力維持のためのマグネタイト確保で手一杯だから代替がきかない。

 

新たな戦力強化をするには、Dr.ヴィクトルの力が必要となる。

 

それも目的のスキルや能力をもつ悪魔を作り上げるには、何回も悪魔合体をするしかない。

 

COMPのことは伏せて依頼をした俺に、悪魔合体に莫大な電気を利用すため電気代が凄いらしく金銭面が悩みだというDr.ヴィクトルが提示した報酬はかなりの額だった。そのほとんどが電気代なのだろう。ほかにも提供した宝石や貴金属、悪魔、小切手に目の色を変えた。 

 

「すばらしいッ!実に素晴らしいぞ、土御門ハルアキッ!!これならば思う存分我が研究の成果を試せるというものだ!!」

 

こうして悪魔合体が始まった。

 

「ふははははっ!実に素晴らしい成果だ!」

 

「まだだ、まだいけるぞ!」

 

「ここで出力を最大値まであげるのだ!!」

 

「よーしいいぞいいぞ、もっとだ!もっと!!」

 

 

 

爆発で起こった熱気であたりの研究室が盛大に焦げてしまってた。地響きがして、黒煙の柱が立ちのぼる。重々しい響きとともに、ふたつの鉄格子がアルミ箔のように破れて炎を噴く。炎はさらに巨大化して、天井に向かって猛々しく咆えていた。

 

自分の身体が紙片のように何処かへ飛び上ったと思ったら、爆発の威力は甚大で、俺の眼の前を空のマッチ箱よりも軽く全てがフッ飛んで行った。

 

それきりわけがわからなかった。どの位経たったか、Dr.ヴィクトルのうなった声で眼が開いた。

 

ぐわうんと自身を破壊して炎と猛炎が割れた口から、一丈も噴騰した。 火と、焼け土とが滝となってざっと落ちてきた。

 

 

一瞬何が起こったのかわからなかった。 ちょうど雷のように、光と音がほんの少し違和感をなしてずれたような感じだった。向こう側が突如明るくなり、急に火が出て、鈍い音と共にガラスやら鉄やらの破片がスローモーションで闇に降りそそいだのだ。  

 

不謹慎だけど、花火みたいだった。

 

「だっ......大丈夫ですか、Dr.ヴィクトルっ!?」

 

はたと我に返った俺はあわてて黒焦げになっている研究室の主人のところに飛んでいく。

 

「う、うまくいったぞ......あれがお前が求めていた......」

 

煙の向こうから口から煙を吐き出しながらDr.ヴィクトルはそのまま倒れてしまった。

 

「我を呼ぶ声に応じ、ここに見参す......。我を選ぶとは見る目がある…キサマの名を覚えておいてやろう。我が名はジークフリード。コンゴトモヨロシク......」

 

「こちらこそよろしくな、ジークフリード。俺はデビルバスターをしてる土御門ハルアキだ」

 

「ハルアキか......。うむ......キサマの力量、これからしかと測らせてもらう。とはいえ、この我を召喚するだけの力量はあるようだからな。今日からキサマの仲魔......遠慮せず何なりと申し付けるがよい」

 

「そういってくれると助かるよ。俺の仲魔で対物理特化はお前が初めてなんだ。これから話すけど、お前の力が急務なんだ、これからよろしく」

 

「よかろう.....人の世を恐怖に陥れてやろうではないか......」

 

ジークフリードは、この時代でいう蛮力、COMPによれば歴史にその名を残す、偉大な勇者たちが所属する悪魔、英雄あるいは英傑の悪魔だ。人々の逸話を身に宿すことで再び現世に蘇り、人間の域を超えた能力を操る人でありながら悪魔になった存在である。ちなみに属性はLIGHT-NEUTRAL。

 

人の記憶はあるが、厳密には人ではない。マグネタイトで構成された精神生命体だ。ゆえに物騒なことを口走ることもある。

 

「その力を奮って欲しい敵がいるんだ」

 

俺は苦笑いしながら、さっそくジークフリードに俺の境遇や目的、これから行うべき行動についつて掻い摘んで説明してやった。

 

「あいわかった。よかろう、雑魚どもを我が血肉にしてくれようぞ」

 

「頼りにしてるよ、ジークフリード」

 

そういいながらCOMPに戻そうとした俺に、ジークフリードは制してきた。

 

「まてまてまて、ハルアキよ。貴様は毎回エストマを使っているようだが、マグネタイトがもったいないではないか。我は高嶺の花という力をもつゆえな、敵の出現率を次の新月まで下げることができる。我はソロネよりマグネタイトの消費も少ない。その調査の力となろうぞ」

 

「えっ、そうなのか?」

 

「うむ」

 

「たしかに......常時発動のエストマか。赤い憲兵がいつ現れるかもわからないしな。これからよろしく、ジークフリード」

 

「あいわかった。にして、ハルアキよ。そこに倒れている男は放置でよいのか?」

 

「えっ、あ、ヴィクトルさーんっ!?」

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