大怪獣総進撃   作:アンドロイドQ14

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2話 謎の怪獣と漂流する環礁

姫神島

 

 嵐の夜の姫神島。嵐の中、警官と男が何かから慌てて逃げていた。

 

警官「はよ、エンジンばかけろ!!」

 

 何とか男が乗る船を押し出した警官だが、何かに襲われて断末魔を上げた。男はエンジンをかけたが、今度は海からも何かが現れて挟み撃ちにされた。

 

男「鳥が、鮫が!!うわ、うわああああっ!!」

 

 男は何かに襲われた。

 

 

 

 

 

国連G対策センター

 

 同じ頃のG対策センターでは、ジーダスの出現や動く環礁、謎の生物の出現により、これまで様々なゴジラ関連の事件に関わった人物たちが一堂に会する事となった。

 

未希「まさか、23世紀が大変な事になってるなんて…」

 

エミー「そうじゃなければ、再び20世紀に来る事はなかったわ」

 

寺沢「それにしても、過去にゴジラ関連の事件に関わった人間がこうもたくさん集まるなんて思ってなかったぞ」

 

梓「私達が一同に会する事となった発端は、謎の生物という共通点があります」

 

大前「これをご覧ください」

 

 大前は調査隊がビデオカメラで撮ったジーダスの映像を見せた。

 

梓「この怪獣は、私達がロシアでの調査の際に遭遇しました。動きは見た目以上に俊敏で人間を好んで捕食します。幸いな事は、ゴジラなどのような戦闘力と光線を吐く能力がなかった事でした。そのため、ゴジラとの戦いでは終始圧倒され、倒されました」

 

結城「見た所、エリマキトカゲの化け物みてぇだな」

 

黒木「この生物の死骸の調査は行っていますか?」

 

大前「ゴジラが撃破した際に爆散した死骸の一部を調査で発見した卵の殻や足だけの死骸と共に国立生命科学研究所へ運び、調査しているところです。遺伝子についても、筑波生命工学研究所に解析を依頼する事としました」

 

黒木「あそこなら、謎の生物の遺伝子がどうなっているのかを解析してくれそうですね」

 

 黒木が信頼しているのは、ビオランテ事件の際に大きく関わった桐島一人がいたからであった。

 

麻生「謎の生物の出現と共にゴジラだけでなく、アドノア島にいた怪獣たちも姿を消した。これは大変な事になるぞ…」

 

友満「我々はそれらの発端であり、原因ともいえる謎の生物をどうにかしないといけません。それと、皆さんに知ってもらいたい事がもう一つあります。それは、南太平洋から黒潮に乗って、謎の環礁が近づいているからです」

 

 海流に乗って動く環礁を一同に映像で見せた。

 

結城「何だ、ありゃ?」

 

未希「これが、報告にあった環礁ですね」

 

友満「その通りだ。この環礁の調査については、既に国家環境計画局の土橋局長がインファント島の調査に携わった藤戸拓也氏とその妻の雅子女史を派遣する事を決定しています。後、座礁させた責任をとるという事で、米森良成君も同行を申し出ています」

 

未希「あの2人ならば、調査に大きな進展が期待できますね」

 

友満「それと、モスラ関連の事件で悪事が明るみになって倒産した旧丸友社員による新企業の社長の安東氏から、滞在先の屋久島にモスラの幼虫が出現したという連絡を聞いて既に屋久島に到着した模様です」

 

麻生「モスラだと!?レーダーには何の反応もなかったぞ!」

 

権藤「恐らく、新しい幼虫はステルス性にも優れていると思われます」

 

麻生「繭を作って成虫になりたいのなら住処のインファント島でやればいいというのに、何を考えているんだ!?」

 

権藤「今はモスラへの愚痴より、今後の対策について検討するのが先です」

 

エミー「今回の謎の生物出現から始まる事件ですが、この事件はウィルソンとクレンチコによる事件にも関わっている黒幕によるものと思われます」

 

 その言葉に一同は静まり返った。

 

未希「未来人の事件にも関わっている…黒幕…?」

 

エミー「本来、後にゴジラとなったゴジラザウルスをベーリング海に送ってゴジラ誕生を阻止した場合、ゴジラ襲撃も一切なくなって歴史が変わるはずです。なのに、キングギドラが現れたのと日本海にいたゴジラが姿を消したのを除けば何も変わっていませんでした。これは、何者かが私達の行った歴史改変をキングギドラが現れたりするのを除いて元通りにしてしまい、日本海にいたゴジラに抗核エネルギーバクテリアを死滅させる薬剤を与えてからベーリング海に送ったのでしょう」

 

結城「おいおい、未来人すら手玉にとる黒幕はとんでもねえじゃねえか」

 

麻生「確かに、ゴジラ誕生を変えてしまうとがらりと歴史が変わるはずなのに変化が全くといっていい程ないというのは、元通りにされたとしか考えられないな…」

 

M11「しかも、23世紀に現れた謎の生物ハ20世紀からタイムワープで送られてきたのデス」

 

梓「この時代にはタイムマシンの技術の欠片すらないのに、20世紀から23世紀にタイムワープした?」

 

権藤「謎の生物に人食いトカゲ、未来人の歴史改変を元通りに戻した黒幕……ますます謎が深まるわね…」

 

エミー「それと、皆さんに見せたいものがあります。外へ来てくれませんか?」

 

 一同は外に出てM11が端末を操作すると、ステルス迷彩を解除して全身機械のキングギドラが姿を現した。

 

寺沢「完全機械のキングギドラだと!?」

 

エミー「これは23世紀で開発されたハイパーメカキングギドラ。サイボーグだったメカキングギドラと違って、見た目通りの完全なメカ怪獣よ。しかも、製造にはしっかり時間と予算が組まれてて性能はメカキングギドラとは比べ物にならないわ」

 

麻生「しっかり時間と予算が組まれただと!?では、メカキングギドラから得られた23世紀のロボット工学は…」

 

エミー「あの時は時間と予算がなかったから、初歩的なものよ」

 

麻生「あれで初歩的だと!?」

 

M11「ハイパーメカキングギドラはメカキングギドラを大きく凌駕スル性能ですが、エミーは再び過去に行く際、ハイパーメカキングギドラの操縦者を現地調達スルように言われマシタ」

 

黒木「現地調達か…。23世紀は謎の生物の対処で人員を送れないという事情は考慮しているが、エミーでは操縦できないのか?」

 

エミー「移動は私とM11だけでもできるけど、戦闘の際はやはり私とM11の他にあと3人ほしいわ」

 

麻生「となると…。結城、前にモゲラに搭乗した時と同じメンバーでハイパーメカキングギドラを操縦するんだ」

 

結城「わかってるよ。で、コクピットはどこだ?」

 

エミー「一応、移動時や緊急時には新型K.I.D.Sが本体と合体してコクピットになるけど、基本は新型K.I.D.Sからの遠隔操作よ。そもそも、23世紀ではああいった大型兵器には搭乗せず、遠隔操作で操縦を行うのが一般的なの」

 

寺沢「遠隔操作ってなると、タイムラグとかは大丈夫か?」

 

M11「問題ありません。ハイパーメカキングギドラには21世紀に実用化されたDNAコンピュータが搭載されてオリ、圧倒的な演算処理能力によって、タイムラグどころか、生物のような俊敏さで遠隔操縦ができマス」

 

エミー「あなた達にはK.I.D.Sに乗ってハイパーメカキングギドラを遠隔操縦してもらうわ。いいかしら?」

 

結城「任しときな」

 

 ハイパーメカキングギドラで驚いている中、職員が来た。

 

職員「五条さん、長峰真弓さんからお電話が入っております」

 

梓「真弓から?」

 

 梓は知り合いの鳥類学者である真弓からの電話に出た。

 

梓「はい、五条です…。えっ?平田先生が…?はい、わかりました…」

 

 梓は真弓との電話を終えた。

 

エミー「何かあったの?」

 

梓「実は、大前先生の友人で、姫神島に調査へ向かった平田先生との連絡が途絶えたと真弓から電話がきました」

 

麻生「連絡がとれなくなった?」

 

黒木「可能性としては、凶悪犯か人を食うほどの凶暴性を持つ怪獣に襲われたというのがあり得ます」

 

友満「姫神島と謎の環礁、調査すべき場所は二つになったので、調査に向かう人員を決めます」

 

エミー「私とM11は五条さんと共に姫神島に向かうわ。あなたの恩師の友人を襲ったのは例の生物かも知れないの」

 

梓「ありがとうございます」

 

黒木「怪獣絡みの事件の可能性も高いので、何かあった時は直ちに連絡をください。よろしいですね?」

 

梓「わかりました」

 

友満「では、姫神島へは超能力者の小沢君も同行させよう。三枝君は環礁の方へ向かってほしい」

 

未希「わかりました」

 

友満「では、本日の会議はこれで終了とします」

 

 会議が終わり、解散となった。調査に向かうメンバーは不安を胸に今日は休み、調査に備えた。

 

 

 

横浜

 

 横浜では、モスラ・バトラ事件の後に藤戸一家の近所となった草薙宅で藤戸一家は食事をしていた。

 

米森「藤戸教授一家も環礁の調査に来られるのですね?」

 

拓也「ああ。こういったのは俺の得意分野だからな」

 

雅子「けど、その前に屋久島で用事があるの。知り合いの話では、モスラの幼虫が屋久島に現れたそうなんだって」

 

浅黄「モスラって、あの大きな蛾の怪獣の事でしょ?」

 

みどり「モスラさんはゴジラをやっつけた事もあるよ」

 

草薙「まさか、どんなに追い詰められても逆転勝利を収め続けた先代ゴジラでも勝てねえ怪獣がいたとはな」

 

米森「とりあえず、この度の調査はよろしくおねがいします」

 

 米森は藤戸一家に頭を下げた。

 

 

 

姫神島

 

 同じ頃、梓ら姫神島組は真弓と長崎県警の大迫力と合流し、姫神島に到着した。

 

梓「平田先生は何かを伝えようとした時に連絡が途絶えてしまったのね?」

 

真弓「ええ」

 

エミー「それよりも、姫神島で行方不明になった船員が最後に言った『鳥が、鮫が!!』はどうも気になるわね…」

 

芽留「ひどい有様だわ…。まるで、怪獣に襲われでもしたような惨状よ…」

 

大迫「ほんとばい…」

 

真弓「この島に人は何人いたんですか?」

 

大迫「6世帯17人」

 

真弓「それが全員、鳥と鮫のせいで姿を消したと?」

 

M11「普通の鳥と鮫であるならば不可能デスが、怪獣の仕業デアレバ可能デス」

 

真弓「怪獣…」

 

 怪獣の可能性を考えてみると、溶けかけのアイスにも豆腐にも見える白い物体を見つけた。

 

梓「これは鳥類が吐き出す未消化物、ペリットに似てるわ…」

 

真弓「でも、こんな大きな物は…」

 

 手袋をしてから中身を探っていると、ボールペンや腕時計など、人が見に付けている代物が中から出てきた。

 

真弓「平田先生のです…」

 

エミー「やはり、例の生物の仕業とみて間違いないわ」

 

M11「芽留は何か感じマスか?」

 

芽留「ダメ、姫神島の住人を襲った生物の気配は全く感じないわ」

 

 芽瑠の超能力でもこの時点では犯人である生物の気配を感じる事ができなかった。

 

 

 

屋久島

 

 同じ頃、拓也一家らは安東の連絡を受け、屋久島に来た。

 

拓也「安東、まさかお前が新しい企業の社長になってるとはな」

 

安東「少しでも地球に対してできる事があればと思ったからです」

 

雅子「それはそうとして、モスラはどこにいるの?」

 

???「モスラは樹齢1万年の屋久杉に繭を作っています」

 

 米森ら以外の一同にとって懐かしい声が聞こえたためにその方を向くと、コスモスがいた。

 

米森「うわっ!小人がいる!?」

 

みどり「パパ、ママ、コスモスさんだよ!」

 

米森「コスモス!?」

 

 目の前に小人がいるという現実は米森にとっては夢ではないかと思ったほどであった。

 

コスモス「みどりちゃん、見ないうちに大きくなったわね」

 

みどり「うん!」

 

米森「あ、あの…」

 

拓也「そういや、2人はコスモスと初対面だったな」

 

雅子「コスモスは地球の先住民族なのよ」

 

米森「先住民族!?」

 

草薙「本当なのか!?」

 

 衝撃的な事実の連発に米森と草薙は驚きまくった。

 

安東「米森さん、これを聞いた時は私達も驚きました。それよりもコスモスもお久しぶりです。数年前は失礼な事をしてモスラを東京に呼び寄せる原因を作って申し訳ありませんでした!」

 

コスモス「いいのです。きちんと反省していれば追及しません」

 

雅子「ところで、どうしてモスラは屋久杉に繭を作ったの?インファント島の方が迷惑がかからないはずよ」

 

コスモス「モスラが屋久島に来て繭を作ったのは、樹齢1万年の屋久杉から1万年分の大地の叡智を授かり、災いの影ギャオスとの戦いに備えるためです」

 

拓也「災いの影…ギャオス?」

 

コスモス「災いの影ギャオスは気象をコントロールする装置と同じく、地球生命がバトラを生み出す原因となった怪獣です。皆さんがインファント島に来た際、注視しておりませんでしたが、壁画にも描かれてましたよ」

 

雅子「あの時はモスラやバトラに注視してて、気付かなかった…」

 

安東「ひょ、ひょっとすると恐ろしい事が起きようとしているのですか!?」

 

コスモス「そうです」

 

拓也「なぁ、俺達がこれから調査する動く環礁もギャオスと何か関係があるのか?」

 

コスモス「あれは時のゆりかごで、中にギャオスに対抗する最後の希望、ガメラが眠っています」

 

雅子「ガメラ…?」

 

 コスモスが言った『ガメラ』が気になるため、コスモスも環礁の調査に同行させる事にした。

 

 

 

姫神島

 

 数時間後、夕暮れも近くなったために一同はヘリポートへ戻った。

 

エミー「夕暮れも近くなったわね…」

 

M11「暗い中で例の生物と遭遇スルと大変危険デス。そろそろ戻りましょう」

 

真弓「そうね…。怪獣絡みの可能性もあるから、次の日にまた調査しましょうか」

 

 ふと、鳥や虫の鳴き声が聞こえなくなった事に梓は気付き、芽留も今まで感じなかった気配を感じるようになった。

 

大迫「どがんしたとね?」

 

芽留「みんな、住人を襲った張本人が来るわ!気を付けて!」

 

???「ギャアアアアッ!!」

 

 鳴き声と共に翼長15mほどの鳥にも翼竜にも似た『何か』が一同の頭上を通過した。

 

真弓「あれはラドンよ!」

 

梓「あれはラドンじゃないわ!大きさもフォルムも速度も全く違う!あれがラドンだったら、私達は衝撃波で吹き飛ばされていたのよ!」

 

エミー「…やっぱり、例の生物の仕業だったんだわ!」

 

真弓「あれが、あなたの言ってた『例の生物』…。追わなきゃ!」

 

大迫「何を言うとるとですか!」

 

真弓「あれは餌をとるために飛び立ったんです!」

 

大迫「追いかけたら、俺達が餌にされてしまう!」

 

M11「このまま放っておくと大変ナ事になります!阻止できるのは、私達ダケデス!」

 

梓「大迫さんは自衛隊の黒木特佐に怪獣が出現した事を知らせてください!」

 

大迫「自衛隊に!?わかりあした!」

 

 一同はK.I.D.Sに乗り込み、大迫は黒木に連絡を入れた。

 

 

 

防衛省 特殊作戦室

 

 知らせはすぐに黒木に届いた。

 

黒木「はい、黒木です」

 

大迫『自衛隊の黒木特佐ですか!?たった今、姫神島に怪獣が出現したとですよ!急いで緊急出撃をお願いします!』

 

黒木「わかりました。直ちに最も近くの基地から緊急発進させます」

 

 緊急発進させると返事をした後、黒木は行動を起こした。

 

黒木「(姫神島に現れた怪獣はエミーの言っていた『例の生物』に違いないだろう…)姫神島の最寄の基地より、緊急発進!そして、五島列島や長崎県全域に警報を!」

 

  

 

姫神島上空

 

 梓達はK.I.D.Sで怪獣を追っていた。

 

真弓「これが、23世紀の飛行機の速さ…」

 

エミー「あの怪物の進行を阻止する秘策はあるのかしら?」

 

梓「ええ、あります!」

 

 真弓はカメラを準備し、梓は洞窟での調査で使うとびっきり明るい光を出せるライトを準備した。そして、操縦しているM11は怪獣の注意を引き付け、他の島へ渡らないようにした。

 

怪獣「ギャアアアアッ!!」

 

真弓「梓、行くわよ…!」

 

梓「わかってるわ…!」

 

 K.I.D.Sは飛行機であるため、怪獣がK.I.D.Sの側面の窓へ顔を向けたところで真弓はカメラのフラッシュをひたすら連射し、梓はライトを怪獣の顔に照射した。

 

怪獣「ギャア、ギャア、ギャアッ!」

 

 怪獣が夜行性ならば、強い光に弱いのではないかという賭けに勝ち、強い光に耐えられない怪獣をK.I.D.Sから逃げていった。そこへ、自衛隊の戦闘機の音がし、発射したミサイルが命中した。

 

怪獣「ギャアアアアッ!!」

 

 今まで戦った怪獣であればミサイルではビクともしなかったが、この怪獣は戦闘機のミサイルを数発受けて絶命した。その時、芽留は何かを感じ取った。

 

芽留「島を見て!」

 

 島を見ると、先程撃墜された怪獣の同族が数匹も姫神島の上空を旋回していた。

 

真弓「一頭であるはずないと思ってたけど…」

 

梓「とりあえず、あの怪獣の死体を回収して解剖を行いましょう」

 

 怪獣の死体を回収して解剖を行い、現地に到着した自衛隊の解析班と共に体内がどうなっているのかを調べる事にした。

 

 

 

環礁

 

 同じ頃、環礁調査組は環礁の調査を続けていた。

 

雅子「どう?」

 

未希「あの中に何かがいるのを感じるわ。きっと中にいるのが…コスモスの言うガメラね」

 

 ふと、米森は勾玉らしきものを見つけた。

 

拓也「あんたも見つけたか?」

 

米森「何でだ?」

 

拓也「あちこちにあるぞ。見つけてくれって言わんばかりにな」

 

 拓也は回収した勾玉を見せた。ふと、雅子が何かを発見した。

 

雅子「ちょっと、何かあるわよ!」

 

 一同は碑文らしきものが彫られてある板を見つけた。

 

米森「何なんだ?一体…」

 

 

 

ワシントン ホワイトハウス

 

 同時刻、ホワイトハウスでは、アメリカ大統領が自分の国の軍隊が謎の生物相手に苦戦している事に業を煮やしていた。

 

大統領「(訳)全く、我がアメリカ軍は何をやっているのだ!?せっかくメカゴジラ開発で手に入れた技術が宝の持ち腐れではないか!」

 

補佐官「(訳)我が軍は怪獣との戦闘経験がないので色々と混乱しても仕方ありません。苦戦しているのであれば、怪獣との戦闘経験が豊富な日本の自衛隊に応援を要請するのは…」

 

大統領「(訳)ゴジラみたいな怪獣であれば素直に要請を出すが、相手はミサイル数発で死ぬ怪獣なのだぞ!そんな奴相手に超大国アメリカが手古摺っていると知られれば、世界の笑い者だ!怪獣退治においても、我々が中心にならねばならないのだ!」

 

???『ふふふ、そんなに自国の見栄が大事なのかね?』

 

 そんな中、ホワイトハウスの端末に白神博士そっくりの男が映った。

 

大統領「(訳)何者だ!?」

 

白神?『これから死ぬ権力の亡者に名乗る名などない。そして、貴様らの末路を言ってやる。災いの影に翻弄され、食われて死ぬ』

 

大統領「(訳)何を出まかせを!?これはただのイタズラだ!」

 

???「ギャアアアアッ!!」

 

 突如、鳴き声がして窓を見てみると、翼長100m以上はある怪獣が白昼堂々とホワイトハウスの前にいて、ギョロッと大統領を見つめた。

 

大統領「(訳)ひ、ひぃいいいっ!!!!」

 

 そのままホワイトハウスの中にいた人は怪獣に食われた。

 

 

 

首相官邸

 

 デストロイア事件の後に内閣総理大臣に就任した五十嵐隼人は自衛隊から姫神島に出現した怪獣の報告を聞いていた。

 

五十嵐「新たな怪獣か…」

 

斎藤「総理、この生物を保護しましょう。新発見の珍しい生物なのですよ!総理だってゴジラとの共存路線を」

 

五十嵐「審議官、あなたのおっしゃる事と私がとっている今のゴジラとの共存路線は違います。私は友好的で共存可能な怪獣であれば、無駄な戦いとそれによる犠牲を避けるために共存に賛成したのです。ですが、人を襲うような凶暴な怪獣については国民の安全と命を守るために容赦なく駆逐します。姫神島の住人を全滅させた時点であの怪獣は駆逐対象です!」

 

斎藤「で、ですけど…」

 

五十嵐「いくら珍しい生物であっても安易な考えでの保護は慎んでください。よく調べずに保護しようとしたら、犠牲者が出るといった取り返しのつかない事態に陥る危険性だってあるのですよ。そうなった場合は、あなたが辞任するだけでは駄目なのです。私達が背負うべき責任の重大さをよく理解した上で行動するように」

 

 五十嵐に厳重注意された斎藤はショックを受けてとぼとぼ首相官邸を後にした。

 

 

 

サラジア共和国

 

 謎の卵を持ち帰ったエージェントはサラジアオイルコーポレーションにて社長と面会した。

 

社長「(訳)何か見つかったか?」

 

エージェント「(訳)古代生物の卵を見つけた」

 

社長「(訳)もしかすると、ゴジラ細胞の代用品になれるかも知れないな。そうでなくても、様々な手段で大金に変えられそうだ。そして、落ちぶれたサラジアを立て直せる」

 

エージェント「(訳)じゃあ、卵を持ってくる」

 

 自室に置いている卵を社長に見せようと思ったエージェントだが、卵がいつの間にか割れている事に気付いた。

 

エージェント「(訳)もう孵ったのか?一体、卵の中には」

 

???「ギャアアアアッ!!」

 

 突如、鳴き声がしてエージェントが警戒すると、突如として怪鳥らしき生物が不意討ちを仕掛けてエージェントの喉笛を一瞬で噛み千切った。

 

エージェント「アァアアアアッ!!!」

 

 喉笛を噛み千切られたエージェントは死亡し、死体は生物の餌となった。悲鳴を聞いた社長はエージェントの自室に来た。

 

社長「(訳)一体、何が」

 

???「ギャアアアアッ!!」

 

 社長もまた、生物の餌食となった。そのタイミングは奇しくも、斎藤の安易な保護という提案を実行したらどうなるのかを示していた。

 

 

 

首相官邸

 

 その後、端末でGフォース司令官の麻生と会話する事にした。

 

麻生『あんな危険な怪獣を保護しようとするバカ官僚がいたとはな』

 

五十嵐「孝昭、審議官については私が厳重注意をしておいた。あの怪獣は駆除で確定だ。今日の閣議で正式に決定する」

 

麻生『お前と俺は血縁関係がないのに見た目は双子並みにそっくりだ。だが、俺は自衛隊出身でゴジラ打倒に燃える根っからのタカ派、お前は政治の道に進んで今のゴジラとの共存路線みたいに無駄な戦いを避けて国民の安全と命を優先するハト派だったな』

 

五十嵐「だが、凶悪な相手に対しては私も断固として戦う。孝昭も私も戦場は違えど、国民の安全と命を守る事に変わりはない」

 

麻生『これから大変な事になるぞ…』

 

 そこへ、外相が来た。

 

外相「総理、大変な事になりました!たった今、アメリカのワシントンで巨大怪獣が出現し、大統領らが捕食されたと業務でワシントンを離れていた副大統領から電話が来ました!」

 

五十嵐「アメリカの大統領が怪獣に!?」

 

外相「現地の人によると、白昼堂々と現れ、翼長は100m以上は確定だそうです」

 

五十嵐「写真か画像は?」

 

 外相は画像を見せた。

 

五十嵐「自衛隊の報告にあった怪獣にそっくりだ…。あの怪獣は報告では夜行性だと聞いているが、早いうちに殲滅しなければ恐ろしい事になる…」

 

 アメリカ大統領が白昼堂々と大きさ以外は自衛隊の報告にあった怪獣とそっくりな怪獣に食われたのを聞いた五十嵐はもう猶予があまり残されていないと判断した。




今回はこれで終わりです。
今回はようやくガメラ側の登場人物が登場し、ガメラの眠る環礁の調査とギャオスが出てくる流れとなっています。
ハイパーメカキングギドラは23世紀で開発された完全機械のメカキングギドラで、元ネタはゴジラアイランドのハイパーメカキングギドラです。DNAコンピュータや遠隔操作といった、機龍の要素も逆輸入しています。
モスラの幼虫が屋久島で繭を作るのは96年版のモスラのネタです。自分は子供の頃に初めて映画館で見た映画が96年版のモスラだったため、グリーンモスラにはとても思い入れがあってグリーンモスラを登場させる事にしました。
コスモスによって環礁調査組はガメラとギャオスの名を知ってしまいましたが、コスモスは超古代文明の生き残りゆえになぜなにナデシコならぬ、なぜなにコスモスとしての超古代文明絡みの解説や説明役にしていきます。
大怪獣空中決戦原作で事態を悪化させたバカ官僚も出ましたが、総理大臣に厳重注意されてとぼとぼ官邸を出るという、ゴジラ世界の政治家と平成ガメラ世界の政治家の温度差も描いています。
次の話は自衛隊によるギャオス殲滅作戦とガメラの目覚めを描きます。そして、今回の話の冒頭にあった『鮫』の正体も明らかになります。
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