ヨーロッパ
ガメラが近畿地方で消息を絶った同じ頃、結城らは麻生からの命令で外国のギャオスとの戦闘に駆り出されていた。
結城「あのプテラコウモリの奴、どんだけ湧いてきやがるな…。おまけに、ロシアのギャオスは真っ白だったし、南国のギャオスはアマガエルみたいに色を変えられるしな」
佐藤「ほんと、ギャオスはどうやって増えてるのか…」
新城「卵から生まれるのは確定してるけど、どうやって繁殖してるのやら…?」
結城「未来の嬢ちゃんの世界ではプテラコウモリは調べなかったのか?」
エミー「とにかく戦いでそれどころじゃないのよ。そもそも、ギャオスが卵から生まれるにしてはこの増殖スピードは尋常ではないわ」
M11「普通は分裂でなければこうは増えマセン」
エミー「一体、どうなってるのかしら…?」
どうしてギャオスの増殖が早いのか気になるのであった。
東シナ海
東シナ海におけるゴジラ軍団とギャオスの大群の戦いはゴジラ軍団の勝利に終わった。
ゴジラ「ガオオオオン!」
ギャオスの大群を倒し終わった後、ゴジラは東に進んでいった。
防衛省
自衛隊の方でもゴジラの進行方向を注視していた。
坂東「ゴジラはどこへ向かうのやら…」
黒木「注視しておくべきでしょう」
奈良県
最後にギャオスの気配を感じた場所を中心に未希達は自衛隊の護衛をつけてもらってギャオスの潜伏先を捜していた。
真弓「確か、最後にギャオスの気配を感じたのはこの辺り?」
未希「その通りよ。姫神島のギャオスも寝てる時は気配を全くといっていい程感じなかったって、芽留は言ってたわ。本当にギャオスの気配をほとんど感じない…」
梓「日が沈むと動き出して確実に人里や人口密集地に向かうわ。できれば日中のうちに見つけておかないと…」
真弓「確か、この辺りは南明日香村の近くだったわよね?」
梓「そうよ。光の少ない市町村は幼体のギャオスにとっては格好の餌場になってしまうわ」
ギャオスが寝ているせいか、未希の超能力でも探知が難しいため、未希はいつも以上に集中して潜伏しているギャオスの気配を探っていた。すると、ようやくギャオスの気配を感じ取れた。
未希「いた!あそこにギャオスがいるわ!」
未希が指差した方向は、南明日香村とは目と鼻の距離ほどしかない森の中であった。
真弓「あそこにギャオスが…!」
梓「もう昼の2時よ!」
未希「急いで南明日香村の人達を避難させないと!あなた達も避難誘導をお願いします!」
ギャオスの活動時間が迫っており、一行はギャオスの潜伏先を黒木に知らせてから避難誘導を行う事にした。
少し経って夕暮れの頃、草薙と米森も車で南明日香村を通ろうとしていた。
米森「どうなんですか?」
草薙「ダメだな、誰かと電話してるみたいだ」
米森「何で僕らにはギャオスの情報が来なかったんですか?」
草薙「彼女らは鳥やら生物の専門家で、俺達は環礁の調査隊だ。両者を繋げているのは、あの碑文とコスモスの証言だけだからな」
米森「誰と電話してるんだろうか…?」
草薙「きっと、自衛隊のお偉いさんだろうな」
米森「もし、この辺りにギャオスがいるとしたら…無事でいてほしい」
話をしてると、自衛隊の車両やら陸上部隊らしきものを見かけた。
草薙「なんか、やばそうな感じだ…」
何やら鐘の音が聞こえた。
米森「聞こえますか?」
草薙「近いぞ!」
その頃、南明日香村では未希達や護衛の自衛隊員らによる避難誘導が行われていた。そこへ、米森は車を停めた。
草薙「怪獣か?」
住人「鳥だ!鳥だ!」
鳥=ギャオスだと判断した米森は飛び出して人混みをかき分けて進んでいった。すると、綺奈の弟の悟と龍成の妹の美雪が大人に止められていた。
住人「あっちの向こうたら、鳥の餌になったるで!」
悟「姉ちゃんがまだ来てないよ!」
美雪「兄ちゃんも見回りから帰ってきておらへん!」
米森「残っているのは子供だけか!?」
住人「いや、調査団の人も」
すると、視線の先に未希達と綺奈、逃げ遅れた人がいないか見回っていた龍成の姿が見えた。それを見た米森は一直線に駆けだした。
梓「これで最後なのね?」
龍成「見回りしてた俺と綺奈で最後や!」
走りながら確認をしてると、家畜の牛や馬、野生動物のツキノワグマや鹿を捕食しているギャオスが森から姿を現した。
真弓「急がないと…!」
急いで避難する中、綺奈が転んでしまった。
綺奈「あっ!」
龍成「綺奈!」
綺奈が転んで思わず龍成が大きな声を出してしまい、ギャオスに気付かれてしまった。
綺奈「あ…!」
恐怖で綺奈は立とうとしたが、足を挫いてしまっていた。急いで龍成は綺奈を背負おうとしたが、ギャオスは飛び立って一行を食べようとしたが、間一髪で未希が超能力を使い、退けた。
ギャオス「ギャアアアアッ!!」
龍成「また来る!」
先程、ギャオスを退けた際に未希はだいぶ体力を消耗し、駆け付けた米森共々絶体絶命の危機に陥った。しかし、火球が飛んできてギャオスはその回避で一行を食べ損ねた上、未希はギャオスとは別の気配を感じ取った。
未希「この気配は…!」
???「クオオオオン!!」
その気配の主こそ、近畿地方で消息を絶ったガメラであった。ガメラは即座に再び火球を吐いた。
ギャオス「ギャアアアアッ!!」
火球の直撃を受けたギャオスは爆散した。
ギャオス「ギャアアアアッ!!」
ところが、残りの3体のギャオスが現れてガメラは前進した。
美雪「あの鳥、まだいたんか!?」
3体のうちの1体は一行目掛けて口を大きく開き、超音波を放った。巨大怪獣が発する超音波の威力はとても人間には耐えられないものであり、収束させる前の段階でも道路のコンクリートなどに亀裂が入るほどであった。
ギャオス「ギャアアアアッ!!」
その超音波を収束させ、ギャオスは超音波メスを放った。
ガメラ「クオオオオン!!」
ところが、ガメラは腕を前に出して一行の盾にするかのように超音波メスを受けた。ゴジラと違ってガメラは甲羅以外の部分の皮膚は耐久性が薄く、負傷した。
綺奈「私達を…守ったの…?」
米森「急ごう!」
カメーバに似ているためにカメーバの仲間ではないかと思っていたガメラが自分が傷つく事も顧みずに助けてくれた事に綺奈は困惑したが、足を挫いて歩けない綺奈を龍成が背負って一行はその場から離れて避難し終わった。ガメラは一同が無事に避難できた事に安心したようなそぶりを見せ、ギャオスと交戦した。
真弓「ありがとう、あなたが来てくれなかったら…」
米森「いや、助けたのは俺じゃない…。草薙さん、ガメラは味方です」
米森は自衛隊にガメラが自分達を助けてくれた事を伝える事にした。
同じ頃、自衛隊はガメラとギャオスの戦闘を見極め、どうするのかを検討していた。
黒木「ガメラの方は腕を負傷している…」
坂東「黒木特佐、一体どうなるのですか…?」
黒木「勝った方が我々の」
言い切ろうとした際に連絡が来た。
自衛隊員「黒木特佐、お電話が入っております」
黒木は電話に出た。
黒木「はい、黒木です」
米森『黒木特佐、ガメラは僕達を助けてくれました!ガメラは味方です!どうか、ガメラを援護してください!お願いします!』
黒木「ガメラが?わかりました」
そのまま電話を切った。
坂東「黒木特佐、何を?」
黒木「ガメラが民間人を助けたそうだ」
坂東「ガメラが民間人を…?」
黒木「これでガメラは我々の味方だとはっきりしました。直ちにガメラの援護を」
坂東「しかし、ガメラは…」
黒木「話そうとしている事は察しております。しかし、我々が最優先で殲滅すべきはギャオスです。ギャオスをただちに殲滅しなければならない以上、無理に双方を倒すよりも猫の手…いえ、亀の手も借りるべきだと私は思いますが?」
黒木の言う事通り、ギャオスは最優先殲滅対象である事は坂東も理解しており、ガメラの腕の負傷も気になっていた。
坂東「…あなたのおっしゃる通りです。あの腕の怪我を見れば、民間人からの通報は間違いないでしょう」
黒木「もしも、ガメラが余計な事をすればギャオス同様、攻撃対象にします。これでどうですか?」
坂東「ありがとうございます!」
自分の言いたい事も聞き入れてくれた事に坂東は感謝した。
坂東「各員に通達!投光器の照射、及び照明弾を発射し、ガメラを援護せよ!」
自衛隊員「了解!」
自衛隊は投光器と照明弾の準備を行った。当のガメラは3体のギャオスの攻撃に苦戦していた。
ギャオス「ギャオオオオオッ!」
自衛隊員「照明弾、発射!」
投光器の照射、及び照明弾の発射と炸裂で強い光を目の当たりにしたギャオスはパニックになった。
ギャオス「ギャアアアアッ!!」
坂東「対空ミサイル、誘導弾、戦車部隊、一斉発射!」
強い光でギャオスが怯んだ隙を逃さずに自衛隊は攻撃を仕掛け、あっという間にギャオス2体を撃破した。
ガメラ「グオオオン!」
ガメラも火球を放ち、最後のギャオスを撃破し、初の人類とガメラの共同戦線は勝利を飾った。
黒木「これで朝鮮半島から飛来したギャオスは全滅だな」
坂東「黒木特佐、お願いがありますが…」
黒木「お願い?」
坂東らはガメラが見える上にガメラからも見える所に来た。
坂東「ガメラ、お前は腕を負傷してまで民間人を守ってくれた。そして、最優先殲滅対象のギャオス討伐に協力してくれた事に感謝する。一同、敬礼!」
自衛隊の敬礼をガメラは見つめた後、高速飛行形態になってどこかへ行っていまった。
坂東「ガメラはどこへ?」
黒木「偵察隊を尾行させる。目標を見失うな」
自衛隊員「了解。しかし、何のために?」
黒木「ガメラの目的はギャオスの殲滅。つまり、ガメラの行く先に何かがあるのかも知れない。それも、ファットが我々やガメラ、ゴジラに対抗するための切り札か何かが…」
坂東「何か…?ところで、ガメラはこのまま進むとどこに行く?」
自衛隊員「今の進行方向をそのまま一直線に進むと、富士火山帯の二子山に行きます」
黒木「二子山か…」
黒木は富士火山帯にある二子山に視線を向けていた。
洞窟
ガメラが二子山に向かっているのはファットにもわかっていた。
ファット「ガメラは二子山に向かっているのか…。どうやら、こいつの存在に気付いたようだ。ギャオスの王に」
こいつとは、三つ首で黄金のギャオスの事であった。黄金のギャオスもまた、ガメラが接近している事に気付いていた。
三島駅
よくわからない衝動に駆られた浅黄は新幹線に乗ってガメラの元へ向かっていたが、なぜか右手が傷ついていた。そして、怪獣騒ぎで新幹線は三島駅でストップしてしまった。同じ頃、藤戸一家も偶然か、三島駅に来ていた。
みどり「あっ、浅黄姉ちゃんだ!」
拓也「浅黄だって!?」
みどりの指差した方を向くと、浅黄がニュースを見た後、タクシーに乗っているのを目撃した。
雅子「拓也、あの子はあのタクシーに乗ってるわ!」
拓也「よし、こっちも追いかけるぞ!」
キャスター『番組の途中ですが、ここで臨時ニュースを申し上げます。先程、駿河湾にゴジラが出現しました。ゴジラは富士山へ一直線に進むと予想されるため、駿河湾、及び富士山周辺にお住いの方々は避難をしてください』
雅子「ゴジラまで!?」
コスモス「ゴジラが来てるとなると、何かあるのかも知れません」
浅黄を確認した藤戸一家は車に乗り、浅黄が乗ったタクシーを追いかけた。
富士山
ガメラは二子山へ向かっていた。ところが、向かっている最中に光線を受けて墜落してしまった。
パイロット「ガメラが光線を受けて墜落!」
黒木『光線?一体、光線の発射元に何がある?』
パイロット「発射元には…」
その発射元にいたのは、三つの頭を持ち、黄金に輝く体を持つギャオスであった。しかし、飛行生物であるが故に飛ぶために華奢な体系をしているギャオスと異なり、二対の羽根と鱗、ゴジラ程ではないがそれなりにがっちりした足などを持つ体格の怪獣であった。その怪獣の特徴にも見覚えがあった。
パイロット「あの怪獣の身長は推定80m、翼長は推定150mで、見た目は三つの頭を持つギャオスなんですが…、黄金の身体などといった、キングギドラの特徴も見受けられます」
黒木『まさしく、キングギドラとギャオスのキメラだな…』
パイロット「黒木特佐、あのギャオスはどう呼称しましょうか?」
黒木『あのギャオスはキングギャオスと呼称する。流れ弾に当たらないよう、距離をとってから偵察を続けろ』
パイロット「了解!」
偵察部隊は距離を保ちつつ、ガメラとキングギャオスの偵察を続けた。富士山の近くに落下したガメラを追うかのように、キングギャオスも着陸した。
ガメラ「クオオオオン!!」
キングギャオス「ギャオオオオオッ!!」
先手を取ったのはガメラで、プラズマ火球を三連発放ったが、キングギャオスは三発連続で直撃しても効いていなかった。
パイロット「ガメラは火球を放ったものの、キングギャオスには効いている様子がありません!」
黒木「ガメラの攻撃が効かないのであれば、通常兵器もメーサーも効かないだろう。久方ぶりに怪獣らしい怪獣が現れたも同然だな」
ギャオスは防御力が低いために通常兵器でも十二分に効果があったのだが、黒木は逆に怪獣らしくないとも思っており、ガメラの火球が通じないキングギャオスは久方ぶりに自分達が戦ったレベルの耐久力を持つ怪獣と判断していた。
キングギャオス「ギャアアアアッ!!」
反撃でキングギャオスはそれぞれの頭が超音波メスを乱射したが、その威力は1発1発全てギャオスを凌駕し、ガメラの甲羅さえ貫通して大ダメージを与えるほどであった。
キングギャオス「ギャアアアアッ!!」
次は引力光線を放った。これもガメラの甲羅でさえ粉砕するほどの威力であり、しかもその威力故にガメラはひっくり返ってしまった。
ガメラ「クゥゥゥゥッ…!」
キングギャオス「ギャオオオオオッ!!」
ひっくり返ったガメラに向かってキングギャオスは飛び立ち、ギャオス譲りの身軽さを活かして何度も踏みつけを行った。ガメラが手も足も出ない姿をファットは見つめていた。
ファット「ふむ、幼体の段階でもガメラを凌駕する戦闘力を得たとはな」
一方で浅黄はタクシーの運転手に頼んで立ち入り禁止区域まで送ってもらった。それを追って藤戸一家も駆け付けたが、キングギャオスの猛攻でガメラが傷つくのと共に浅黄の身体のあちこちにガメラが傷ついた箇所と同じ部分に傷ができていた。
雅子「ちょっと、ガメラが傷ついているのと同時にあの子が怪我してるのはどういう事なのよ!?」
拓也「俺に聞かれても…」
みどり「コスモスさん、どうしてなの?」
コスモス「彼女はガメラと同調しているからです」
拓也「同調だって!?」
信じられない藤戸一家だったが、拓也は浅黄が最初に勾玉を持った際に何か光っていた事などを思い出した。
浅黄「逃げて…、逃げて…!」
浅黄の願いを聞いたガメラは両足を引っ込めてジェット噴射し、そのまま逃げようとした。
キングギャオス「ギャアアアアッ!!」
しかし、キングギャオスはそれを逃さず、3つの引力光線を同時に発射し、収束させて一つの強力な光線として放つ大技のトリプルトルネードでガメラを撃墜した。
ガメラ「クゥゥゥゥッ…!」
トリプルトルネードの直撃を受けたガメラはすさまじい出血と甲羅が大きく破砕されるという大ダメージを受け、富士山の火口に墜落した。
拓也「おい…、嘘だろ…?」
みどり「ガメラさんが、負けちゃった…」
碑文に最後の希望と記されたガメラがキングギャオスに完敗した事に藤戸一家はショックを受けていた。ガメラが大ダメージを受けたのと共に、浅黄の傷も命に係わる程の重傷になっていた。勾玉の光が消えるのと共に、浅黄も意識を失った。
雅子「ちょっと、しっかりして!」
その時、ガメラの肉片を食べ終わったキングギャオスはたまたま藤戸一家に視線が行き、襲い掛かろうとした。
キングギャオス「ギャアアアアッ!!」
しかし、青い熱線を受けてキングギャオスは吹っ飛ばされた。
拓也「あの熱線は…!」
みどり「ゴジラだ!」
藤戸一家を救ったのは、ゴジラであった。
ゴジラ「ガオオオオン!」
キングギャオス「ギャアアアアッ!!」
ガメラよりも防御力の高いゴジラには通常のギャオスよりも強力なキングギャオスの引力光線も超音波メスも通じず、反撃の熱線で逆にキングギャオスが倒れ込むほどであった。
キングギャオス「ギャオオオオオッ!!」
本能でこのままでは不利だと判断したキングギャオスはまともにゴジラと戦おうとせず、空を飛んで逃亡した。倒さなければならない敵に逃げられたゴジラはキングギャオスが逃げた先を睨み続けていた。そしてその後、来た道を引き返して海に帰っていった。
拓也「あのギャオス、普通じゃなかったな…」
雅子「ええ。逃げられたのはとてもまずかったに違いないわ。それより、浅黄を急いで病院に送らないと!」
とてもひどい怪我をしていたため、藤戸一家は急いで浅黄を最寄の病院へ連れて行く事にした。キングギャオスが逃亡した理由をファットは知っていた。
ファット「やはり、幼体のままではゴジラには勝てないか…。まぁいい、薄汚い人間共を餌にすればいずれは成体になるからな」
アキレ「それより、ガメラのせいでここが特定されるのも時間の問題よ」
ファット「その時はその時だ」
いずれはアジトが特定されると踏んでいたファットであった。
病院
浅黄が病院へ搬送されたのを聞いた草薙は血相を変えて病院に駆け付け、愛娘が重傷を負って気が動転してるが故に拓也に詰め寄った。
草薙「おい、人の愛娘の浅黄が命に係わるほどの重傷を負ったのはどういう事だ!?」
いかにも殴りかかりそうな勢いだったが、みどりとコスモスが静止をかけた。
みどり「おじさん、パパを殴らないで!浅黄姉ちゃんはガメラが傷ついたら同じように怪我したの!」
草薙「ガメラが傷ついたら、同じように…?」
コスモス「浅黄さんが重傷を負った原因は、ガメラと同調していたからです。あの人達に非はありません」
説得された草薙は拳を収めた。
草薙「すまん…、浅黄が重傷を負ったと聞いて、動転しちまってた…」
拓也「いや、あんたの愛娘を危険にさらしちまったのは事実だ。殴られても仕方ねえ…」
雅子「私達ももし、みどりがガメラと同調してて同じような状況になってたら、きっとあなたを殴ってたわ」
立場が逆であれば、自分達も落ち着いていられずに殴りかかっていたと藤戸夫婦も思っていた。そこへ、看護師が来た。
看護師「たった今、草薙浅黄さんの手当てが終わりました」
草薙「本当か!?」
そのまま浅黄が搬送されてきた。
浅黄「ガメラは?」
草薙「金色のギャオスにやられて、富士山の火口へ落っこちてしまったそうだ…。きっと、死んじまったと思う…」
浅黄「私はそうは思わない。ガメラはまだ生きてる。だって、あの金色のギャオスを許さないから…」
拓也「ガメラが…まだ生きてるだって?」
草薙「あの自衛隊からキングギャオスと呼ばれてる金色のギャオスだが、自衛隊からの知らせだと日本を離れてどこかへ行ったそうだ」
浅黄「手遅れにならなければいいけど…」
雅子「あのキングギャオスとかいう黄金のギャオス、傍から見ても普通じゃないから自衛隊やGフォースも相当警戒しているわよ」
浅黄「早くしなくちゃ…。でも、ガメラも私も休まないと…」
浅黄は深い眠りについた。そこへ、未希と芽留が来た。
未希「この子が、ガメラと同調してるという子なのですね?」
草薙「その通りだ」
芽留「すみませんが、ガメラとの精神同調を行ったのであれば、何か精神障害が起こっている可能性もあります。もっと専門の病院に転院させて精密検査をさせてもらってもよろしいですか?」
草薙「俺としても、その方がいいと思う。何か異常や障害があれば、すぐに見つかった方がいい」
未希「わかったわ」
草薙「ところで、聞きたい事がある。ガメラはキングギャオスにボロ負けして富士山の火口へ落っこちたんだ。浅黄はまだ生きてるって言ってるけど、あんた達はどう思う?」
未希「私は…あの子の言う通りにまだガメラは生きていると思います」
拓也「以前、先代のゴジラは三原山の火口に落ちても死ななかったどころか5年後にまた現れたし、海底火山の噴火に巻き込まれた時もその後でマントルを通り、富士山から現れたんだ。案外、富士山に墜落したガメラもあの時のゴジラみたいに富士山の火口の中で生きてるのは本当かも知れねえな」
草薙「おいおい、ゴジラがマントルを通って富士山から出てくるのはとんでもねえ事じゃねえか!」
芽留「それだけ、ゴジラは私達の常識を超えた怪獣という証なのよ」
ゴジラがマントルを通って富士山から現れた事があるという事実は衝撃的なものであった。
これで今回の話は終わりです。
今回はガメラが南明日香村で自衛隊と共闘してギャオスを4体倒した後、キングギャオスの存在に気付いて戦いを挑んだものの、返り討ちに遭って富士山の火口へ墜落するというのを描きました。
ガメラ3の比良坂綺奈に続き、ガメラ2の坂東もフライングで出しましたが、ガメラ2本編の「ガメラを援護する」がかっこよかったために出す事にしました。また、黒木特佐が猫の手ならぬ、亀の手も借りたいというアレンジも加えてみる事にしました。
今小説の綺奈の立ち位置はちょうど、大怪獣空中決戦本編で逃げ遅れたが、ガメラに助けてもらった子供のポジションになっています。これで出番終了ではなく、この後でもある事で再登場するのでお楽しみに。
今回、ようやく全貌を見せたキングギャオスですが、ゴジラとガメラを迎え撃つ怪獣はどうしようか考えていたところ、ゲームのガメラ2000に出てくる双頭のネオギャオスと三つ首怪獣のキングギドラを見てピンときて、ゴジラのライバル怪獣とガメラのライバル怪獣を合体させればいいと考えてキングギャオスが思いつきました。その外見は作中の通り、胴体と背中の羽根はキングギドラ、頭ともう一対の羽根はギャオスという、いかにもキメラという感じの怪獣にしました。また、ギャオスを引き寄せる原因であったキングギャオスは幻のガメラ4のアルビノギャオスのポジションも兼ねています。今回登場した二子山は昭和ガメラでギャオスが潜んでいた山で、そのオマージュも兼ねて出しました。
キングギャオス相手にガメラはなすすべもなく敗れてしまいましたが、これはガメラ映画でよくあるガメラの敗北と『平成ガメラの怪獣が平成ゴジラの怪獣に挑んだらどうなるのか』というのを描いた結果です。無論、後でガメラは復活して出てきます。
次の話はギャオスの秘密がさらに明らかになります。