G対策センター
朝鮮半島や中国のギャオスを引き寄せていた原因であり、ファットの切り札的存在のキングギャオスの存在は次の日の会議で真弓達も知る事となった。
真弓「黄金の三つ首ギャオス、キングギャオスですって!?」
黒木「はい。あのギャオスは他のギャオスと異なり、明らかにキングギドラの特徴も大きく出ています」
麻生「ガメラの攻撃が効かないばかりか、逆に倒してしまうとは…」
黒木「恐らく、あのギャオスには通常兵器はおろか、メーサーも効かないでしょう」
五十嵐「あのギャオスこそが、ファットの言っていた地獄なのかも知れない…」
梓「それで、キングギャオスは今はどこへ…?」
黒木「今は日本を離れ、中国方面へ向かったようです」
権藤「ギャオスは共食いをするほどの肉食性であり、特に人間を好物としています。つまり、人口の多い中国は…」
米森「ギャオスからすれば格好の餌場という事か」
大前「おまけに、アジアは世界の半数近くの人口を誇る。ギャオスからすれば、アジアは餌の宝庫としか見えないだろう…」
西アジア、東アジア、東南アジア、南アジアの全アジア一帯は世界の人口の半数以上が集中しているため、文字通りギャオスの餌場に等しかった。
真弓「ギャオスは短期間で驚くべき大きさに成長します。もしも、キングギャオスのあの姿が幼体だとしたら…」
麻生「あれよりも巨大化するというのか?」
権藤「普通のギャオスでさえ短期間で驚くべき成長を遂げるので、キングギャオスがあれ以上に巨大化してもおかしくはないと思います」
五十嵐「これまでの怪獣以上に人間に危害を加える恐るべき怪獣だ…」
麻生「それで、ガメラはどうなったんだ?」
未希「ガメラはキングギャオスとの戦闘に敗北し、富士山の火口に墜落しました」
黒木「富士山の火口に落ちたら普通の生物だと死ぬが…、ガメラはどうなのだろうな?」
未希「それについてですが、ゴジラがマントルを通って富士山から出てきた事例もあるので、私は生きていると思います」
黒木「生きている、か…」
麻生「ゴジラの前例もある以上、馬鹿馬鹿しい持論とは言えないな…」
真弓「今日は重大な事があると仰っていたようですが、何かあるのですか?」
友満「ああ。筑波生命工学研究所の桐島博士がギャオスの細胞の解析が終わったとの報告があって、それについての説明に来るんだ」
梓「ギャオスの解析が、ですか?」
そう言ってると、桐島が来た。
桐島「お待たせしました。皆さんから届けられたギャオスの細胞と人食いトカゲ、そしてキングギャオスの細胞の解析が終わりました」
黒木「随分と手間取っていたようだが…」
桐島「はい。僕としても、遺伝子工学の発展がゴジラ以上の怪獣を造るのではないかと危惧していたのですが、超古代では僕達がやってる遺伝子組み換えのレベルを超越し、僕の危惧通りにその怪獣が造られていたようでした…」
資料を取り出し、モニターにギャオスの染色体が映し出された。しかし、それはその場にいた人間の想像を絶するものであった。
桐島「ギャオスの染色体です」
真弓「一対だけ…?」
雅子「まさか…!?」
麻生「これは何かの間違いではないのか!?」
桐島「だからこそ、解析に時間をかけたのです。時間をかけて解析を行っても、見つかった染色体は1対だけでした。これは、海棲ギャオスやキングギャオスでも同じでした」
エミー「海棲ギャオスやキングギャオスでも1対なのね…」
桐島「しかも、ギャオスの細胞には弱いものの、ゴジラ細胞のような浸食性が確認されていて、トカゲや虫、小型哺乳類といった小さな生物が摂取するとたちまち怪獣化するようです。現に大前教授ら調査団を襲った怪獣の細胞を調べてみたところ、姫神島のニホントカゲの遺伝子とギャオスの遺伝子が見つかりました」
梓「つまり、私達を襲ったあの怪獣は姫神島のギャオスの死体を食べたトカゲが変異してロシアに渡ったというのね?」
桐島「そう考えるのが自然でしょう」
米森「染色体っていえば、人間で確か…」
桐島「23対。ニワトリで39対、アマガエルで12対、ゴジラやモスラなどといった怪獣でもそれなりに染色体があります。1対だけというのは極めて異常です。しかも、遺伝子には進化の過程を経てきたために必ずムダが出るわけですから、この染色体には色んな生物の作用部分がごそっと入っているために、完全無欠に辿り着いたんです」
梓「そんな生物があり得るの!?まさか…?」
桐島「ギャオスは進化の帰結としてではなく、最初からあの形、すなわち生物兵器として完成していたとしか考えられません」
ギャオスが自然発生した怪獣ではなく、ビオランテやキングギドラと同じ造られた怪獣である事に会議に参加した面々は衝撃を受けた。
五十嵐「生物兵器…!」
麻生「明らかに人類を根絶させようという悪意で造られたようだ…!」
米森「誰かが造ったっていうのか?」
桐島「白神博士でさえ不可能です。恐らく、ギャオスを造れるのは…、コスモスの情報にあったアトランティス一の科学者、ファット博士しか考えられないでしょう」
コスモス「桐島博士、あなたのおっしゃる通り、ファット博士は様々な分野に優れていましたが、特に遺伝子工学に優れていたようです。その知識を用いてギャオスを造ったのでしょう」
五十嵐「様々な分野を線で結ぶ事によって見えた事実で、今回の怪獣騒ぎがファットの仕業である事がはっきりしました」
桐島「話を戻しますが、ギャオスの染色体にはXXだけでなく、YYのタイプもあったんです」
拓也「YYってのは、オスの染色体だろ?解剖結果では、メスだけだったんじゃないのか?」
真弓「メスがオスに転換する事も可能なら、単為生殖で1羽だけでも繁殖が可能という事なんだわ!」
エミー「まさか、世界各地でギャオスが湧いているというのは…」
黒木「発見が遅れて繁殖を許してしまった結果、という事になります」
真弓「人を餌にして、爆発的に増え続ける…!」
拓也「碑文にあった、『災いの影ギャオス』っていうのは、単為生殖で大量発生したギャオスの事を言ってたんだな…」
コスモス「あなた達の話と組み合わせれば、そうでしょう」
五十嵐「一刻も早く、各国首脳にこの事実を知らせなければなりません」
黒木「これは大変な事になる…」
一同はギャオスの染色体を見つめていた。
筑波生命科学センター
意識を失った浅黄はここのメディカルセンターに転院し、精密検査を受けていた。会議が終わった後で真弓と環礁調査組はやってきた。
未希「あの子、まだ意識が戻らないのですか?」
草薙「ああ…。あれからずっと眠ったままだ」
米森「草薙さん、もしかしたら浅黄ちゃんはあの金属でガメラと通信できるんじゃないんですか?」
草薙「通信?」
米森「通信というよりは、浅黄ちゃんはあの金属を持ったために、巫女のような役割を与えられたんじゃ…?」
拓也「コスモスの話だと同調しているそうだから、そうなってもおかしくはねえはずだ」
草薙「富士山での事は偶然かも知れん。浅黄はどこにも異常がないのに、ずっと眠ったままだ」
未希「それこそ、ガメラと精神同調させた反動なのかも知れません」
草薙「どういう事だ?」
未希「過去にG対策センターでは特殊な機械を用いてゴジラを超能力で制御するTプロジェクトが持ち上がった事があります。浅黄ちゃんの場合は、あの勾玉によってかつて私が行った超能力でのゴジラの制御と同じような事を行い、その反動で意識が戻らないのかも知れません」
草薙「ほんとにあんたは過去にとんでもねえ事を色々としてきたな…」
実体験を元に浅黄が眠ったままの原因を推測する未希に草薙は驚くばかりであった。
富士山 火口
キングギャオスに敗れて火口に落ちたガメラは浅黄が言った通りにまだ生きており、マグマの中で眠りながら傷が治るのを待ち続けていた。
筑波生命科学センター
浅黄の傍にいる草薙以外の一行は屋上に出た。
真弓「確か、コスモスの話と組み合わせるとアトランティスムー帝国と共にはファット博士の造り出したギャオスに滅ぼされたのよね?」
米森「しかし、ファットは彼女達の話だとアトランティス一の科学者と言われ、アトランティスの科学を発展させた偉人なんだろ?そんな奴が何でギャオスとかいう生体兵器を開発してムー帝国はおろか、アトランティスまで滅ぼしたんだよ?」
桐島「ファット博士の話から推測すると、あの人は身内絡みでの不幸に遭い、信じていた人達に裏切られて全ての人間を憎むようになったと思います」
拓也「何でそう言いきれる?」
桐島「ファット博士は少し前、僕に対面して会話しました」
ファットが桐島と対面した事は衝撃的だった。
梓「あのファット博士と!?」
雅子「ちょっと、あの男に何かされなかった!?」
桐島「彼は何もしていません。しかし、彼と直接対面してわかった事があります。人間を滅ぼそうと企む彼の根底にあるのはむしろ悲しみだと思うんです」
未希「どうしてなんですか?」
桐島「あの人を見てると、娘の英理加さんを亡くし、ゴジラ細胞に手を出してビオランテを生み出してしまった白神博士と重なるんです…」
真弓「そう言えば、あの人は白神博士にそっくりだわ」
梓「祖先か何かかしら…?」
桐島「話を戻しますが、ファット博士はわざとアトランティスの人々の手に負えないようにギャオスを造り出してアトランティス上層部に新型生物兵器として売り込み、ムー帝国と共倒れになるように仕組んだと思います」
米森「共倒れだって!?」
真弓「だとすると、ファット博士に騙されてギャオスが手に負えなくなった彼等は、慌ててガメラを生み出したんじゃないかな?」
コスモス「その方が自然だと私達も思います。しかし、彼等は間に合いませんでいた…。間に合わないと悟った彼等は次の文明のためにガメラを残したのでしょう」
米森「なぁ、何だって今になってギャオスは蘇ったんだ?」
梓「ギャオスの卵を調べてみたのだけど、ギャオスは色んな生物の遺伝情報があるから、アトランティスとムー帝国が滅んでエサがなくなった後、耐久卵を生んで自分達に適した環境になるのを待って休眠してたみたいよ」
雅子「休眠ね…。確か、今回のギャオスの目覚めは不自然だったわよね?」
コスモス「そうです。本来であれば、ギャオスの目覚めはもっと遅かったはずです。しかし、今の状況で蘇るのは不自然としか言いようがありません」
拓也「目覚めさせたのは、ギャオスの生みの親のファットで間違いないだろうな。ギャオスを造り出したあの男なら、きっとギャオスの耐久卵を強引に目覚めさせる方法を知っててもおかしくない」
米森「あのマッドサイエンティストは両文明を滅ぼした挙句、迷惑なもんを残してくれたよ」
梓「私達だってとんでもない物を残そうとしているわ。例えばプルトニウム。半減期は…」
米森「プルトニウム239は2万4000年だ。確かに何万年、何十万年も残るわけだ。それらを吸収して自分のエネルギーに変えちまうゴジラは想像を絶する化け物だ…!」
未希「他にも環境破壊や核廃棄物によって、ゴジラを始めとした怪獣が生まれる事態に陥っているのよ」
真弓「そういうものを作り出した私達の文明も滅ぼうとしているのかも知れない…」
米森「待ってくれ。奴等は滅んだ、けど俺達は生きてる」
真弓「退廃してても、滅ぼしたくないわ」
米森「滅んでたまるか…!」
???「それが、滅ぶのだよ」
声がした方を向くと、ファットがいた。
桐島「ファット博士!」
米森「あいつがファット…」
ファット「安心したまえ。今は君達を殺す気はないのだからな」
桐島「ファット博士、あのキングギャオスにはゴジラ細胞は使われているのですか?」
ファット「私はそういった制御の効かない不安定な素材は一切使わないのだよ。そもそも、しっかりした実験もしないで上辺だけの性質に目を奪われて寄ってたかる人間共の方がどうかしているのだからな」
桐島「とすると…、ギャオスはゴジラ細胞などといったものを一切使わずに既存の動物の細胞だけで造り上げたというのですね?」
ファット「その通りだ」
???「ちょうどあなたの方から出向いてくるなんて、随分と余裕をかましているじゃない」
待ち伏せしていたかのように、エミーとM11が来た。
ファット「23世紀の人間か」
エミー「あなたと直接対面したついでに答えてもらうわよ。あのキングギャオスという怪獣にはキングギドラの細胞が使われているはずよ。それをどうやって手に入れたの?」
ファット「実に簡単な質問だ。23世紀の金星に赴き、そこで原種たるキングギドラの細胞を手に入れたのだ」
未希「23世紀の金星とか、原種とか、どういう事なの?」
エミー「実をいうと、後にキングギドラとなったドラットは23世紀の金星に眠るキングギドラの死体の細胞に遺伝子操作を施して誕生させたコピーなのよ。遺伝子操作の過程でギドラ本来の凶暴性などは音波に反応する習性の追加、能力の低下と共に抑えられたのだけどね」
桐島「未来人が操っていたキングギドラが、オリジナルのキングギドラの細胞に遺伝子操作を施して生み出した怪獣…?まさか、ビオランテの延長線上にある存在だったとは…」
エミー「それよりファット、ウィルソン達の歴史改変を妨害したのはあなただったのね?」
ファット「いかにも。私もタイムマシンを所有している。テレポーテーションさせられたゴジラザウルスを元の場所に戻し、日本海にいたゴジラに抗核バクテリアを死滅させる薬剤を注入し、ベーリング海に送ったのはこの私だ。仮にあの時に白猿共が23世紀に帰れたとしても、奴等に気付かれずに大型タイムマシンに忍ばせたギャオスの卵から孵ったギャオスに食われて死んでいたがな」
エミー「私達の行動が失敗してウィルソン達が23世紀へ帰った時の事まで想定してたなんて、とても周到な性格ね」
ファットが指パッチンをすると、フ所有しているタイムマシンと思わしき飛行機が近くに来た。
未希「アトランティスはタイムマシンまで実用化していたなんて…」
ファット「あの醜い白猿共は歴史を変えたと思い込んでいたが、歴史を修正した私の存在に気付かずに絶対者を気取って威張り散らす姿は実に醜かったよ。お陰で23世紀も醜い猿共がのさばっている事がわかったのだからな」
エミー「あなた、猿と言ってるぐらい途方もなく人間を嫌っているようね」
ファット「私は人間という言葉自体、嫌いだ。黒い猿も、黄色い猿も、白い猿も醜い奴等ばかりだ!互いを騙し合い、殺し合い、見下し合う姿は醜悪なものだ!そんな救い様のない醜悪な猿共のせいで地球環境は荒れ果てている!差別や詐欺に争いを繰り返し、地球をダメにする醜い猿を皆殺しにしてこそ、地球環境は蘇るのだ」
米森「さっきからあんたの言ってる事は恨み節ばかりじゃねえか!」
エミー「おまけに私達の時代まで巻き込むなんてどういう事?」
ファット「あの醜い白猿が来たから、二度とそのような事態が起こらないように23世紀にギャオスを送り込んだのだ」
米森「てめえ、そうやって自分以外の人間を皆殺しにして支配者になりたいのかよ!」
ファット「支配者?金にも権力にも興味はない。興味はどのようにして効率よく醜い猿を殺せるかを考える事だけだ。私の怒りと恨みはいくら金をもらっても、権力者になっても満たされず、全ての醜い猿を皆殺しにするまで消えはしないのだ!」
権力欲も金銭欲もなく、ただ憎悪と人間への殺意だけがファットを動かしていた。
ファット「君達に伝えておきたい事がある。次の日から1週間後、キングギャオスは多くのギャオスを連れて日本にやってくる。成体となったキングギャオスは恐ろしい存在だ。せいぜい、キングギャオスへの対抗策を考えてみる事だな。通じるかは別だが…」
いかにも事前にバラしても自分は勝利できるという自信満々な様子でファットは今後の襲撃の予告を行い、タイムマシンも兼ねた飛行機に乗ってどこかへ行ってしまった。
拓也「あの野郎、言いたい放題言って逃げやがって…!」
M11「シカシ、キングギャオスとギャオスの群れは脅威である事に変わりありません」
真弓「中国から飛来したギャオスを迎撃した怪獣たちは今、どうしているのですか?」
未希「モスラは屋久島で休息し、ラドンは交代で各地へ行ってギャオスと交戦し、ゴジラはアドノア島へ帰っています」
桐島「恐らく、ゴジラはアドノア島に集められている放射能を吸収し、キングギャオスとの戦いに備えてエネルギーを補給するために帰っていると思います」
コスモス「明日から1週間経過した後が地球の運命を決める日になるので、モスラを始めとした怪獣たちもそれに備えているのでしょう」
まさしく、あと1週間で世界の命運が決まろうとしていた。
中国 南京
ゴジラから逃亡し、日本を離れたキングギャオスは中国に出没しているギャオスを従えて進撃し、翌朝には上海の襲撃は群れに任せて自身は南京を襲撃した。
人民兵士A「(訳)鳥め、よくもこれまで我ら人民軍を翻弄してくれたな!大国である我らの力と意地を見せてやる!」
人民兵士B「(訳)俺達が本気さえ出せば、怪獣なんて!」
人民軍の兵士達はキングギャオスを取り囲んでからミサイルやら、誘導弾やらで攻撃したが、ガメラの攻撃が一切効かないキングギャオスには全く通じなかった。
人民兵士C「(訳)効いてないのかよ!」
キングギャオス「ギャオオオオオッ!!」
キングギャオスは反撃するどころか、自分を取り囲んだ人民軍を餌が自ら食われに来たと認識し、顔を突っ込んできた。
人民兵士A「(訳)ひぃいいいいっ!!く、来るなぁああああっ!!」
人民兵士B「(訳)食べられたくないよ~、母ちゃ~~ん!!」
人民軍からすればキングギャオスの行動は異常としか見えず、武器が効かない怪物に兵士達の心は恐怖一色で染め上がり、キングギャオスに捕食されてしまった。
キングギャオス「ギャアアアアッ!!」
飛び立った後、キングギャオスは南京郊外に繋がる道路や線路全てを超音波メスで切断して逃げ場を塞ぎ、走っている電車に目をつけ、進行方向に立ちふさがって電車を止めてしまった。
乗客「(訳)うわあああっ!!怪物だぁあああっ!!」
キングギャオスの出現に乗客は慌てふためいて逃げようとしたが、最早手遅れであり、キングギャオスに捕食されてしまった。
キングギャオス「ギャアアアアッ!!」
南京在住の市民は道路と線路という逃げ場を失い、迎撃に出た人民軍の兵士と南京にいた住人の7~8割近くがキングギャオスに捕食され、生き残った市民もキングギャオスに見つからないように地下鉄などで息をひそめなくてはならなかった。多くの市民を捕食したキングギャオスは次の餌場となる大都市へ向かった。
首相官邸
キングギャオスの猛威は日本政府も知る事となった。
外相「総理、たった今、中国の上海にギャオスの群れが、南京にキングギャオスが出現しました!」
五十嵐「被害の方は?」
外相「キングギャオスが襲撃している南京の方がひどく、市民の8割と迎撃に向かった人民軍の7割がキングギャオスに捕食されたようです」
五十嵐「殺した手段は違えど、まるで日中戦争時の南京虐殺事件の再来とでもいうべきか…!」
外相「南京市民を捕食した後、キングギャオスはインドへ向かったようです」
五十嵐「あそこも人口が多いから、ギャオスの餌場も同然だ…!」
今度は外務次官が来て報告を行った。
五十嵐「何ッ!?ファットが予告を行っただと!?」
インド ムンバイ
南京の市民を捕食した後、キングギャオスはインドの大都市を襲撃していた。
市民A「(訳)な、何だ!?この鳥の化け物は!?」
市民B「(訳)そんなの、どうでもいいわよ!逃げるわよ!」
既に他のギャオスが襲撃していたのだが、キングギャオスは超音波メスやガメラの肉片を食べた事で使えるようになったプラズマ火球でムンバイの外へ繋がるあらゆる道路を切断し、市民の逃げ場を断った。
キングギャオス「ギャオオオオオッ!!」
市民C「(訳)こ、今度は黄金の鳥が現れたぞ!!」
キングギャオスは逃げ場のない市民を次々と捕食し、先に来ていたギャオスさえ自身に反抗的であったために超音波メスで細切りにして捕食してしまった。ギャオスの王とだけあり、キングギャオスの食欲はギャオスの比ではなく、ムンバイの市民の8割と自分に反抗的なギャオスを捕食しなければ気が済まないほどであった。
キングギャオス「ギャオオオオオッ!!」
ギャオスや数百万単位もの人間を捕食したキングギャオスは身長90mから100mに成長し、次の餌場となる大都市へ向かった。
これで今回の話は終わりです。
今回はギャオスの染色体が1対しかない事が判明するのと、キングギャオスが中国とインドの大都市を襲撃するのを描きました。
ギャオスの細胞に弱い浸食性がある設定にしたのは、小さき勇者たちガメラのギャオスの設定も取り入れたためで、ジーダスがどうして現れたのかの理由付けにもしています。
ゴジラvsキングギドラのキングギドラは小説版では23世紀の金星に眠るオリジナルのキングギドラの死体から回収された細胞を遺伝子操作した事でドラットが完成したという設定があったので、その設定を拾ってアレンジし、原種であるオリジナルのキングギドラはドラットが変貌したキングギドラよりもかなり凶暴で強いという事にしました。
キングギャオスが電車を襲うシーンは大怪獣空中決戦の成体になったギャオスが電車を襲うシーンのオマージュで、とても怖いシーンではあるものの、ギャオスの王であるキングギャオスの暴虐を描くためには外せないと思って挿入しました。
次の話はキングギャオスとギャオスの群れが来るまでの1週間の間に日本ではその戦いのための準備を行う事になりますが、それと並行してキングギャオスの暴虐も引き続き描かれます。