大怪獣総進撃   作:アンドロイドQ14

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8話 守護神の復活

筑波生命工学研究所

 

 ギャオスの群れとの戦いに備え、桐島はキングギャオスの切り札となる『あるもの』の開発に取り掛かっていた。そこへ、黒木が来た。

 

黒木「桐島博士、キングギャオスへの切り札の開発はどのぐらい進んでいますか?」

 

桐島「ビオランテ事件の際に使った抗核バクテリアぐらいの量に細胞が分裂すればすぐにでも使えます。というよりは、予備の分まで作っている最中です」

 

黒木「もう白神博士の領域に足を踏み入れれば、抗核バクテリアも作れるのでは?」

 

桐島「確かに、今の僕の技量で作れるかも知れませんが…、よほどの事がなければもう抗核バクテリアを作る必要はないでしょう。作れば世界のバランスは崩れますし、何より二代目ゴジラ襲撃を怖れて世界は原発から核融合へと世界は転換しつつあります」

 

黒木「桐島博士はファットに何かの感情を抱いているように思えるが…」

 

桐島「あの人は間違いなく、白神博士と似た人です。白神博士…、いえ、超古代のレオナルド・ダ・ヴィンチともいうべき逸材であり、家族の悲劇で人が変わってしまった人であるところが…。それに、ファット博士の言う通り、僕達は救いようのない生き物なのかも知れません…」

 

黒木「我々が救い様がない?」

 

桐島「僕達の遠い祖先は既に現代より進んだ遺伝子工学などのあらゆる先端技術を戦争につぎ込み、世界の軍事バランスを崩壊させる生物兵器などを実戦投入して戦争した可能性が高いんです。きっと、ファット博士は自分の開発した技術が人殺しや環境汚染に使われた事に悲観し、ギャオスという人間を殺す事に特化した生物兵器で全ての人間を根絶しようと企んだ結果、アトランティスとムーは滅び、コスモスもモスラとバトラの戦いの余波で滅んでしまったのでしょう…。結局、僕達は同じ過ちを繰り返しているだけに過ぎなかったのです…」

 

黒木「超古代文明が滅んだのは事実だが、我々はまだ滅んだと決まったわけではない。七転び八起きということわざがあるように、例え過ちを犯したとしてもただでは起き上がらない強さが人間にはあると信じている」

 

桐島「黒木特佐…」

 

黒木「桐島博士は推測でファットが豹変したのは家族絡みの不幸だとしていたが…」

 

桐島「至って簡単ですよ。あの人の傍にいる女の人、僕の推測が正しければあの人は既に……」

 

 

 

二子山

 

 一行は小型ギャオスが待ち構えている洞窟を進み、同時に襲い掛かる小型ギャオスを次々と蹴散らしていた。

 

結城「ったく、ゲームのダンジョンとも思えてくるような洞窟だな…」

 

佐々木「何かに例えるような軽口を叩く暇があるなら、進むしかないだろう!」

 

 洞窟を進んでいると、何やら割れたカプセルや20世紀のものとは思えないコンピュータなどがある場所に来た。

 

曾根崎「ここは…」

 

新城「明らかに、20世紀の技術で造れるような機械じゃない…」

 

???「やはり、ここまで来たか」

 

 声をかけてきたのはファットだった。

 

佐々木「お前の本拠地まで我々は足を踏み入れたぞ!」

 

結城「これが年貢の納め時って奴だぜ」

 

エミー「その機械さえ壊せば、ギャオスは操れないはずよ!」

 

ファット「…ふふふ、残念ながら私はギャオスを操ってはいないのだよ」

 

エミー「どういう事!?」

 

ファット「せいぜい私は特殊な超音波でギャオスの磁性体を刺激し、スムーズに人口密集地やジャングルへ誘導していたぐらいだ」

 

佐藤「誘導?」

 

曾根崎「誘導については、30年ぶりにゴジラが現れた際に林田教授の誘導音波でゴジラを三原山まで誘導したという記録があります」

 

佐々木「まさか、お前の誘導音波というのは…」

 

ファット「ギャオスを造り上げた際にそういう習性を組み込んだのだ。誘導音波もさらに改良していて引き寄せるだけでなく、任意の場所まで行かせる事も可能だ。とはいっても、ギャオスは放っておいても勝手に人間を襲う事に変わりはない。つまり、私を殺しても、誘導音波発生装置を壊してもギャオスを止める事はできないのだよ」

 

エミー「なんて怪獣を造り上げたのよ!」

 

佐々木「この男を取り押さえろ!」

 

 取り押さえようとしたが、アキレがやってきて結城達を一蹴してしまった。

 

新城「な、なんてバカ力だ…!」

 

アキレ「指一本触れさせないわ」

 

M11「ミナサンは下がってください。私が彼女の相手シマス!」

 

 M11が出てアキレと交戦したが、アキレはアンドロイドであるM11と互角に渡り合っていた。

 

結城「ロボットと互角かよ…!」

 

エミー「(生身の人間がM11と対等に渡り合うなんてできるはずがない…。もしかすると、彼女は…!)」

 

 人間以上の格闘戦では埒が明かず、光線銃での撃ち合いになったが、撃ち合いの際にM11の頬に光線がかすって人工皮膚が焼けたが、その際にアキレの頬にも光線がかすって焼け、生身の人間のものとは思えない有機物の部品と思わしき部分が露わになった。

 

佐々木「何だ!?あの女の皮膚の下は生身じゃないぞ!」

 

エミー「おかしいと思ったけど、やっぱり、彼女もアンドロイドなのよ。それも、M11と違って有機物の部品で構成された生体アンドロイド」

 

新城「生体アンドロイド…!」

 

ファット「アキレ、戦闘はこの辺にしてここから脱出だ。お前を喪うわけにはいかない」

 

アキレ「それもそうですね、お父さん」

 

佐藤「お、お父さん!?」

 

 アキレがファットを『お父さん』と言った事に一同は衝撃を受けていた。

 

エミー「ファット、あの生体アンドロイドとはどういう関係なの!?」

 

ファット「聞いての通り、アキレは私の娘だ」

 

 その事実も衝撃的だった。

 

新城「あんた…、まさか自分の娘を生体アンドロイドに改造したというのか!?親失格だろうが!」

 

ファット「何の理由もなく、自分の愛娘を平気で危険な実験に使ったり、改造する親がいるものか!人間をやめている私でもそこまで落ちぶれてはいない」

 

新城「じゃあ、何のために…?」

 

ファット「…そもそもの原因は権力欲にまみれたゴミ共だ。ゴミ猿共が勝手に私の数々の技術を政治の道具として使い、それを恨んだムウ帝国の工作員のテロによってアキレは殺されたのだ!」

 

佐藤「何だって!?」

 

ファット「私は人類の発展のため、地球環境改善のために科学の発展に全力を注いでいた。地位や名誉はおろか、金にさえ目もくれずに人類と地球のために尽くしてきたのだ。だというのに、醜いゴミ猿共は無断で私が発明した技術を軍事転用や環境破壊に使った挙句、アキレが殺される原因を作ったのだ!アキレの死が受け入れられない私は持てる技術でアキレを生体アンドロイドとして蘇生させたのだ!」

 

佐々木「ファットがかつては科学の発展のために全力を尽くした科学者だっただと…?」

 

エミー「ギャオスを造り出したのは…」

 

ファット「そう、全ては私を裏切ったゴミ猿共とアキレを殺したムウ帝国への復讐なのだ!」

 

 ファットがアトランティスの政治家に裏切られ、娘をムウ帝国の工作員によるテロで殺された事は一同にとっても衝撃的だった。

 

結城「…ま、信じていた奴等に裏切られた挙句、家族まで失っちまったあんたの言い分も最もだ。で、何で一般人まで皆殺しにしたんだ?」

 

ファット「奴等も私に無断で環境改善の技術を環境破壊に使っていたのだから、権力の亡者共と同じ裏切り者だ。ムウ帝国の奴等共々皆殺しにして何が悪…ごほっ!」

 

 またファットは血を吐いた。

 

アキレ「お父さん、ムキになり過ぎて色々としゃべり過ぎよ。喋り過ぎたせいで病魔が…」

 

ファット「…私とした事が、ついムキになっておしゃべりしすぎたようだ…。とりあえず、ここまで来れた事は誉めよう。約束の日は迫っているぞ…。約束の日にまた会おう」

 

 タイムマシンも兼ねた飛行機に乗り、ファットとアキレは二子山を後にした。

 

新城「…逃げられたか…」

 

結城「ま、あいつは約束をすっぽがすような野郎じゃねえ事は確かだ。あいつの言った約束の日こそが次のチャンスさ」

 

佐々木「ほんと、取り逃がしたというのに気楽だな…」

 

結城「俺が先代ゴジラ打倒に燃えていたように、あいつも復讐に燃えているのさ。こういうのは似た者同士だからこそわかる共感って奴だろうな。とりあえず、報告しようぜ」

 

 ファットを取り逃がしたために結城達も撤収を開始した。

 

 

 

G対策センター

 

 二子山突入作戦を進める中、ギャオスの群れの進路の予測とそれに関連しての避難計画も立てていた。その後、結城達からの報告を聞いた。

 

麻生「アジトを突き止めたのにも関わらず、逃げられてしまうとは…」

 

佐々木『生体アンドロイドのアキレの妨害もあり、申し訳ありませんでした…』

 

結城『そうカリカリすんな。奴は約束の日には必ず現れるって言ったんだぜ?奴の復讐の本気ぶりを見れば、予告は俺達を騙すための嘘だとは思えねえはずだがな』

 

麻生「そういうお前はいつまでたっても気楽すぎるんだ!」

 

友満「この辺にしてほしい」

 

 いつまでたっても気楽で命令違反もやる結城は麻生のストレスの源であった。それから、ギャオスの群れが中国やインドといったアジア諸国やアフリカを襲撃している映像を見ていた。ふと、核のマークがついた誘導弾が映像に映っているのを目撃した。

 

麻生「中国は日本の伊集院博士の警告を無視して核まで持ちだしたというのか…」

 

友満「ギャオスの群れを砂漠におびき出してから、誘導弾に核弾頭を取り付けて確実に核をぶつけようとしたようだ。しかし、結果は逆にそれをキングギャオスに利用され、自分達の核で自分達が自滅するという結果を迎えたそうだ…」

 

五十嵐『ギャオスは知能が高い傾向にあると大前教授らから報告はきていたが、キングギャオスは明らかに他のギャオスとは一線を画する知能を持ち合わせているようだ』

 

友満「非常に厄介だ…。ギャオスの群れは今は南アメリカで捕食を行っているのか…」

 

麻生「挑戦状を叩きつけてから1週間も過ぎれば、いよいよ日本へ…。結城の言い方はアレだが、ファットの復讐の本気度は本当のようだな…」

 

五十嵐『その前にどこから来るのかの進路予測を行い、戦場になると予想される地域の住人を避難させなければならない…』

 

麻生「だが、その地域から人々を避難させるだけでは根本的な解決にはならない」

 

五十嵐『この戦いに全世界の命運がかかっている…。何としても、ギャオスの群れが来るまでに準備を整えねばな…』

 

友満「幸い、国連の方ではギャオスによる甚大な被害によって完全に国としての機能を喪失した中国は国連のあらゆる機関への出席ができなくなった結果、残りの安保理の常任理事国全ての賛成で日本の自衛隊を中心とした国連軍の出動が決定し、Gフォースの指揮下に入るそうだ」

 

麻生「これも、五十嵐の働きかけによる賜物だ」

 

五十嵐『私は1人の人間として、大使に働きかけて国連において事前にやれる事を全てやり尽くしただけに過ぎない…』

 

 避難計画に戦闘準備と決戦の時までにやる事はたくさんあった。

 

 

 

筑波生命科学センター

 

 藤戸一家ら民間人グループはちょうど作業が終わった桐島らも一緒に浅黄の病室でギャオス関連のニュースを見ていた。

 

真弓「地球の肺と呼ばれるアマゾンの熱帯雨林を守るために、伐採関係者はおろか、伐採とは関係のない人達の命まで…!これじゃあ、ただの虐殺じゃない!」

 

米森「あの爺さんは俺達の事を地球を汚すゴミクズ未満の存在としか見てないのさ。こうやって世界を飛び渡って人間を捕食するギャオスの群れの動向を見てる事しかできねえなんてよ…」

 

拓也「既に中国とインドはギャオスの群れの捕食活動とその二次被害によって5割以上も人口が激減した挙句、政治中枢の状態に関わらず、市民は無政府状態。ギャオスの群れが襲撃した他の国々も甚大な被害が出ているぞ…」

 

未希「ギャオスによる被害はキングギャオス出現前でも主要な国々で多発していたのだけど、キングギャオスが日本を離れてからは世界各国にいるギャオスが集合して群れを作り、数の暴力で軍隊を蹴散らし、兵士や市民を餌にしているわよ」

 

梓「アメリカやロシアにEUといった主要各国はともかく、まともな軍備も怪獣災害に対するノウハウもない途上国なんて、ギャオスからすれば格好の餌場そのものよ…」

 

雅子「世界の命運が決まる日まで、もう残り少ないわよ…」

 

真弓「政府やG対策センターのこれまでの記録からの予測だとギャオスの群れは太平洋を横断して日本に来ると予想しているから、戦場になると予想される関東一帯の人々は西日本や北日本に避難する計画になってて、既に避難が始まっているわ」

 

 そんな中、桐島に連絡が届いた。

 

桐島「はい、桐島です。…はい、はい…。わかりました」

 

 連絡を聞いた桐島は電話を切った。

 

明日香「何かあったの?」

 

桐島「Gフォースの結城少佐らからの報告によると、ファット博士と一緒にいる女性のアキレは生体アンドロイドで、ファット博士の娘だそうです」

 

拓也「おい、あの女がファットの娘でアンドロイドだって!?」

 

桐島「僕の予測通りでした。やはり、ファット博士は白神博士と同じようにテロで家族を失ったみたいです」

 

雅子「あんな復讐の発端の一つが子供を失ったからなのね。やってる事に賛同はできないけど、理不尽な形で子供を失った心境は決して笑いごとではないわ…」

 

 テロによって子供に先立たれてしまった親の無念は同じく子供がいる藤戸夫婦にも理解できた。

 

拓也「そういや、ガメラの方はどうなんだ?」

 

 

 

富士山

 

 芽留はヘリに乗り込んでガメラの様子を探っていた。

 

芽留「…いまだに目覚める気配がない…。ガメラ、どうして目覚めないの…?」

 

 

 

 

 二子山から出たファット親子はとある森の中で野宿していたが、ファットは吐血していた。

 

ファット「ごほっ!」

 

アキレ「お父さん、約束の日までに体が持たないんじゃ…」

 

ファット「…どうせ、余命は2週間、持ったとしても1か月程度の命だ…。もう私は助からん…」

 

 

 

自衛隊基地

 

 黒木らは決戦の日に備えて戦闘機や護衛艦などの最終調整や弾の準備をしていた。

 

坂東「黒木特佐、国連の議決で各国の軍隊も日本に集結しているのですが、我々はギャオスの群れに勝てるのでしょうか…?」

 

黒木「我々は何としてもギャオスという脅威から日本を守らなければならない。つまり、負けは許されない。持てる戦力を全てつぎ込んでキングギャオス率いるギャオスの群れに総力戦で臨むぞ…」

 

坂東「心得ております」

 

黒木「それから、筑波生命科学センターからは何か連絡は…?」

 

自衛隊員「何も来ておりません」

 

 一応、民間の協力者からの連絡も黒木は重視していた。

 

 

 

筑波生命科学センター

 

 そして、決戦の時刻まであと半日となっても尚、浅黄の意識は戻らないままであった。

 

米森「あと半日で、決戦か…」

 

真弓「自衛隊を中心とした国連軍の戦闘準備は整ってて、ギャオスも太平洋を横断して予想通りの進路をとっているわ」

 

梓「私達の仕事はギャオスの判明している習性や異常な適応能力を想定した作戦立案に協力する事だけど、戦闘の前にやれる事は全て終わらせたわ」

 

 そこへ、未希が芽留とコスモスを連れて来た。

 

コスモス「モスラとラドンは今、日本の関東地方に向かっています」

 

未希「ゴジラを始めとした怪獣たちも日本へ進路をとって向かっているわ」

 

芽留「だけど、24時間体制で監視しているガメラの方は決戦の日が近づいても目覚める気配がないのよ」

 

米森「どうしてガメラは目覚めないんだ…?」

 

 ガメラが目覚めない事に嘆いていると、草薙と藤戸一家が来た。

 

拓也「みんな、浅黄が起きたぞ!」

 

 決戦が迫る中、浅黄の意識が戻った事に一同はほっとした。早速、浅黄の元へ来たが…。

 

草薙「それで、ガメラはどうなんだ?」

 

浅黄「わからない…。ガメラの状態がどうなのか、全然わからないの…」

 

米森「ここへ来て、浅黄ちゃんでもわからないなんて…」

 

浅黄「行かなきゃ…」

 

雅子「…どうやら、行くしかなさそうね…」

 

 富士山へ向かう事となった一同へ、自衛隊員が来た。

 

草薙「ちょうどいい所に来た。今から富士山へ」

 

自衛隊員「それが、同行を申し出る人が来ています」

 

拓也「同行を?」

 

 

 

富士山

 

 同行を申し出たのは、龍成と綺奈であった。2人もガメラに助けられたが故、何かガメラにできる事がないか同行を申し出ていた。一同はグリフォンに乗せてもらい、富士山を目指していた。

 

浅黄「あなた達はガメラに…」

 

龍成「綺奈が恩返しをしたいって言うとるから…」

 

綺奈「だけど、何をすればいいのかわからなくて…」

 

拓也「それで、俺達と同行を申し出たのか」

 

 その問いに綺奈は頷いた。

 

綺奈「ねえ、ガメラはどういう状態なの?」

 

芽留「24時間体制で監視しているけど、キングギャオスに敗れて火口に落ちてから一向に目覚める様子がないのよ」

 

龍成「どうしてなんや…?」

 

 ガメラが目覚めない理由がわからない一行であった。ふと、米森はある事に気付いた。

 

米森「そういえば、ガメラは南明日香村に現れた時は中学生の2人を守ろうとしてたな…」

 

コスモス「断言はできないのですが、ガメラは地球の生態系以上に子供を優先して守ろうという意思があるのではないかと思います」

 

雅子「もしかすると、子供達の祈りでガメラを目覚めさせる事ができるんじゃないかしら…?」

 

浅黄「やってみる価値はあります」

 

未希「だったら、富士山の麓の子供達を集めてからやってみましょう」

 

 

 

 

 

千葉県

 

 千葉県沖に海上自衛隊を始めとした国連軍の戦艦と空母による海上部隊が展開され、千葉県に陸上部隊も待機していた。

 

米軍司令官「(訳)黒木特佐、怪獣災害への対処経験が豊富な自衛隊の指揮官である君が国連軍の総司令官を務めてほしい」

 

露軍司令官「(訳)ギャオスとの戦闘では我々の怪獣災害に対するノウハウのなさを痛感した。故に経験豊富な自衛隊の君が総司令官に相応しいと各国の司令官も口をそろえて言っている」

 

黒木「わかりました。国連軍総司令官を引き受けます。そして、各員に戦闘がいつでもできるように待機命令を」

 

英軍司令官「(訳)了解!」

 

 約束の時刻まであとわずかとなったが、Gフォースの指令室にいる麻生はある事に気付いた。

 

麻生『黒木特佐、ハイパーメカキングギドラはどうした!?』

 

黒木「結城少佐が『何か予感がするから好きにさせてもらう』と言ってたので、自由行動させています」

 

麻生『また命令を無視して好き勝手する気か!』

 

黒木「彼の勘は経験の積み重ねから来るものです。不測の事態に備え、自由行動させた方がいいかと」

 

麻生『勘だと!?』

 

 そう言ってるうちに約束の時刻となり、レーダーに反応があった。

 

自衛隊員「レーダーに反応!太平洋上よりギャオスの群れです!」

 

黒木「遂にこの時が来たか…。国連艦隊、並びに航空部隊、攻撃開始!」

 

 開始の合図と共に艦隊は艦砲射撃を開始した。

 

ギャオス「ギャアアアアッ!」

 

 成体となってもギャオスの防御力は高くなく、艦砲射撃でも大きなダメージを負っていた。

 

ギャオス「ギャアアアアッ!!」

 

 艦砲射撃でできた傷目掛けて航空機部隊のミサイルが発射され、傷にミサイルの直撃を受けたギャオスは致命傷を負い、絶命して海に落ちていった。しかし、数が多い上に反撃で超音波メスを放ってくるため、かなりの激戦となった。

 

ギャオス「ギャアアアアッ!」

 

自衛隊員「海上防衛ラインを何体かが突破していきます!」

 

 何体か突破してくるのも黒木の計算のうちだった。

 

黒木「そう来たか…!誘導弾、及びメーサー部隊、攻撃開始!」

 

 うまく海上防衛ラインを突破したギャオスを待ち受けていたのは、メーサー部隊を始めとした陸上部隊であった。ギャオスの群れのうち、海上防衛ラインを突破した個体は油断した隙を突かれたかのように誘導弾やミサイルに戦車、メーサーの砲撃の餌食となっていった。激しい攻防が続く中、黒木はある事に気付いた。

 

米軍司令官『(訳)いける、これならギャオスを返り討ちにできる!』

 

露軍司令官『(訳)流石はゴジラに戦略的勝利を収めた事のある日本の軍神だ!我らの戦力に貴官の頭脳があれば敵なしだ!』

 

黒木「…浮かれている場合ではありません。あの群れの中にキングギャオスがいないのです」

 

仏軍司令官『(訳)キングギャオスがいない?』

 

独軍司令官『(訳)レーダーでも壊れたのか?』

 

黒木「レーダーは全て正常です」

 

米軍司令官『(訳)じゃあ、何だというのだ?』

 

黒木「以前、距離的に考えられる出現予想位置に反してゴジラが他の場所に現れた事があります。キングギャオスがこの群れの中にいないとすれば…」

 

 

 

駿河湾

 

 駿河湾で漁をしていた漁師はとんでもない怪獣が海から出てきた出現に驚いた。

 

漁師「き…、キングギャオスだぁあああっ!!」

 

キングギャオス「ギャアアアアッ!!」

 

 その怪獣は、キングギャオスであった。海から上がったキングギャオスは飛び立ち、ステルスで姿を隠していたK.I.D.Sはハイパーメカキングギドラ共々、ステルスを解除した。

 

エミー「あなたの直感は的中したわね」

 

結城「こういうのは実戦経験を積まなきゃ冴えねえもんさ。さて、金ピカ野郎を追いかけるぜ!」

 

 ハイパーメカキングギドラはキングギャオスを追いかけた。その一連の様子をファット親子は見つめていた。

 

 

 

千葉県

 

 キングギャオス出現の知らせはすぐに届いた。

 

自衛隊員「駿河湾海域より、キングギャオス出現!身長150m、翼長300mに成長しています!」

 

黒木「これほどにまで成長するとは…!」

 

英軍司令官『(訳)ギャオスは飛行生物のはずだ!それがなぜ海から!?』

 

黒木「以前、姫神島で海棲ギャオスが現れた事があります。キングギャオスも同様に泳げる上、群れを囮にして我々を欺いたのでしょう。ちなみに、誘導音波は検出されていません」

 

独軍司令官『(訳)誘導音波なしであれ程の事ができるとは、人間顔負けの頭脳だぞ…!』

 

仏軍司令官『(訳)どこへ向かっている!?』

 

自衛隊員「このまま進むと…、富士山に一直線な上、まだ住人が避難していない北陸へ行きます!」

 

米軍司令官『(訳)ここからでは間に合わないぞ!』

 

黒木「だからといって、ここを離れれば我々が戦っているギャオスの群れが人口密集地に向かい、人々を食い尽くします」

 

露軍司令官『(訳)どうしろというのだ!?』

 

黒木「まずはギャオスの群れの殲滅が最優先です。その間、キングギャオスの方はGフォースの結城少佐や怪獣達に任せましょう」

 

 以前の経験を糧にして、想定外の場所に出現した場合も想定して焦る事なく黒木は対応した。

 

 

 

富士山

 

 キングギャオスが富士山に向かっている事は地元の子供達を集めてガメラを目覚めさせようとしている拓也達の耳にも入った。

 

拓也「何ッ、キングギャオスがこっちに来てるだって!?」

 

未希「間違いないわ!こっちに一直線に向かっている!」

 

米森「まさか、俺達がガメラを目覚めさせるのを阻止するために来ているというのか!?」

 

真弓「だとすると、人間を捕食し続けた影響で知能もより向上している可能性が高いわ!」

 

拓也「くそっ、こんな時にキングギャオスの妨害に遭うのか!?」

 

 そうこう言っている内にキングギャオスが到着してしまった。

 

キングギャオス「ギャアアアアッ!!」

 

 恐怖の存在たるキングギャオスが睨み付けた事により、死が間近に迫っている恐怖で集まっていた子供達は怯えだした。

 

子供A「怖いよ…!」

 

子供B「助けて、ガメラ!」

 

 子供達が恐怖する中、それに反応したかのように浅黄が持っている勾玉が光った。

 

未希「勾玉が…!」

 

浅黄「ガメラが目覚めた…!」

 

 富士山に勾玉の形をした光が現れた後、突如として富士山が噴火した。

 

雅子「ちょっと、ゴジラがマントルを通って富士山から出てきた時みたいに噴火したわよ!」

 

拓也「グズグズしてると俺達もマグマに飲み込まれちまうぞ!」

 

 突如として噴火したため、拓也達は慌ててグリフォンに乗り込み、パイロットも可能な限り早く緊急離陸させた。富士山の噴火を見たキングギャオスはグリフォンより富士山の方を見つめた。

 

キングギャオス「ギャアアアアッ!」

 

 噴煙やマグマが吹き上がる富士山の火口からガメラが姿を現した。キングギャオスから受けた傷は全て塞がって甲羅も再生し、見た目もどこか丸みや温和さも感じられた以前の姿とは違う、いかにも凶悪で怪獣らしい厳つい姿となった。

 

ガメラ「クオオオオン!」

 

龍成「ガメラが蘇ったで!」

 

綺奈「でも、見た目が以前と違う…」

 

 火口から出てすぐにガメラはプラズマ火球を放った。対するキングギャオスもプラズマ火球を放ち、双方のプラズマ火球は相殺されてすさまじい爆風が発生した。

 

米森「明らかに1週間ぐらい前よりも火球の威力が上がっている!」

 

コスモス「ガメラは短期間でより戦闘に適した進化を行います」

 

梓「でも、いくら自己進化できるといっても1週間であそこまで変わるのは早すぎるわ!」

 

コスモス「これは私達の推測ですが、ガメラはキングギャオスに敗れて火山の火口に落ちた際に火山のマグマの熱を吸収し、傷を癒すのと同時にその熱を利用して進化を促進させるという裏技に出たのだと思います」

 

拓也「じゃあ、あの時ガメラは偶々富士山に落ちたんじゃなくて、マグマの熱を利用して進化するために富士山に落ちるように移動したというのか!」

 

 拓也の問いにコスモスは頷いた。ガメラとキングギャオスは睨み合った後、キングギャオスは飛び立ち、ガメラもそれを追ってウミガメみたいな姿になり、空を飛んだ。

 

未希「ガメラとキングギャオスの追跡をお願いします」

 

 飛び立ったガメラとキングギャオスを追って、拓也たちが乗り込んでいるグリフォンもその後を追った。




大変遅くなりました。これで今回の話は終わりです。
今回はアキレの正体が生体アンドロイドである事、そして約束の日になって自衛隊が主力となって国連軍とギャオスの群れとの激戦、成体となったキングギャオスの出現とガメラの復活を描きました。
噴火した火山からガメラが出てくるのはvsモスラでのゴジラが富士山から出てきた時そのまんまで、1週間で一気に姿が変わる進化を行えたのは平成ガメラも昭和版同様に熱などをエネルギーにできるため、富士山の火口に落ちた際にマグマの熱を吸収して傷を癒すのと同時に進化に使うという裏技に出たためです。ちなみに、進化後の姿はガメラ3の時の姿で、ガメラ1の丸っこい姿から一気にガメラ3の凶悪で厳つい姿に変化したものと思ってください。
対するキングギャオスの成体の身長が150m、翼長300mなのは平成ゴジラのキングギドラの身長が140mなため、スペースゴジラみたいに多対1にするのであればもっと大きくしようと思った他、飛行するのであればもっと翼は大きい方がいいと思ったからです。次の話はいよいよ地球の命運をかけた怪獣達の最終決戦となります。
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