俺は雅さんから神社の説明を受け、基本的な行事の手伝いを始めた。昨日今日の手伝いの中には葛葉の神社と特に変わる様な所も見られなく、本当に基本的な事だった。雅さんによると時期的にも特有の祭事が無いらしいから無理もないか…。鞍馬山への訪問を明日に控え、一通り神社の普段を分かった俺はちょっとアプローチを変えて雅さんに質問してみる事にした。
「この神社で観光客が増える行事ってありますか?」
「ウチにかい?そうだなぁ、春先には藤の花の名所として賑わうね。あとは節分とか桃の節句とかかなぁ?その辺りはそこそこ参拝客には来ていただくね」
「地元の人がお参りする日とかはありますか?」
「あー、ウチで特有の毎月の祭事があったね。いつから続いてるか僕もよく分かってないんだけど、神社では満月の日にちょっとした祭事が有るけど、割と厄払い効果があるって評判かな?言われて意識したけどご近所さんがよくいらしてるね」
「満月ですか。その祭事は多分悪魔を鎮める事に役立っていたと思いますよ」
「本当かい?どうしてまた」
「満月の日にやってるって事が何よりです。悪魔って満月になると活性化するんです。凶暴化と言ってもいいかもしれませんけどね」
「何だって⁉︎じゃあウチがその日に合わせて儀式を行なっているって事は…」
「ええ、お役目を任されていた峰津院家が民間に向けてやっていた事を考えると、悪魔を鎮める為の儀式でしょうね。しかも京都ですからね、かなりの役割を持っていたと思いますよ」
「なるほどねぇ。リョウスケ君が行事に意味があるって言ってた事がやっと分かって来たよ」
「今回の旅程じゃあ満月は被ってないみたいですね…」
「そうか、残念だねぇ…。そういえば、祭事の内容とかは伝わってるまま続けているんだけど、僕みたいに本当の意味を忘れていても大丈夫なのかい?」
「おそらく大丈夫だと思いますよ。お役目が終わった頃には悪魔が現界するだけの環境はほぼなくなった様ですからね。それに儀式に必要なのは思いよりも形式です。祝詞と作法を峰津院のご先祖が整えておいて下さったようですからね」
「それは感謝しないと行けないね。でも、君は悪魔と戦って居るんだろう?それは東京だろうけど、こっちの方だって大阪も京都も都会だ。大丈夫なのかい?」
「東京で悪魔が出現していると言っても、まずは悪魔にとって環境のいい異界が形成されないと今のご時世では厳しいみたいですよ。なんせ誰も悪魔が存在するって言っても信じてませんからね。そんな世界には悪魔といえども…いえ、悪魔だからこそ現れる事ができないんです。それに東京の異界と言うのも特殊な外的要因によって形成されたモノですからね。それこそ京都の街で大事件を起こすくらいじゃないと無理ですよ」
「そうなのか。それを聞くとホッとするよ」
「何よりここの神社が毎月鎮めて下さっていたおかげですね。ピクシーにも聞きましたが、これだけ神社仏閣がひしめき合った街にも関わらず悪魔関連のトラブルが起きていない事が証拠だと思いますよ」
「ふふ、そうか、ありがとう。なんだか報われた様な気がするよ。リョウスケ君、お疲れ様。明日は鞍馬山だったね。気をつけて」
「はい、行ってきます。土産話出来るよう頑張りますよ」
「それはいいね、是非聞かせておくれ」
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
-
クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
-
キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
-
ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
-
ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」