「ふーん、キミが持ち込んできてる素材を使って開発して欲しい…ねぇ?」
「はい…。と言っても実現できたらいいなぁくらいで思ってますけど」
今年一年の方針を考えた所でフミさんに相談すべき事柄もあったので4月に入ってすぐ相談へと向かっていた。相談とはもちろん便利なアイテムが作れないかどうかについて。一応記憶と想像を頼りに『ドロン玉』や『煙幕』らしきモノを拵えてきている。
「あ、アタシにそんな事言っちゃうんだ?」
「いや、フミさんのことはもちろん信頼してますし、フミさんならモノにしてくれると思ってます。ただ、流石に今年ばっかりは今までのペースで動けなくなるんで…」
「ま、そこら辺はアタシだからね。それに、スタートとゴールが揃ってるなら何とでもなるわよ。…忘れてたけどキミ、受験生なのよね。別に日本の大学なんて行かなくってもいいんじゃ無いの」
「俺の活動に活かせるんじゃ無いかと思いましたね。民俗学とか神学、仏教学なんて分野…大学くらいじゃ無いとできませんから」
「言っちゃあなんだけどニッチだもんね。まずもってお金にならないし…。資料なんかも一般人よか手に入りやすいのは間違いないわね。…仕方ない、許してあげる」
「フットワーク軽い方が方々で
「確かにねぇ…、滅多にあるもんじゃ無いと思いたいけどひと知れず起きてる異変はあるのかしらね?」
「いわゆる怪事件のいくつに
「ま、このアタシにかかればどんなオカルトも解明してあげるわよ。実行部隊はアンタってとこね」
ちょっと考え込んでいたらそう言われてしまった。確かに俺1人じゃ大変だろうがこうして協力してくれる人がいる。
「ええ、頼りにしてます。とりあえずは依頼の品お願いしますね」
「うん、他にも素材と雛型でも有れば作ってあげられるかもしれないからいつでも相談に来なさい」
フミさんにお願いする事と直近の方針について話す事ができた。後輩君たちにもタルタロスで手に入るアイテムを少し見せてもらえないか頼んでみよう。採れる選択肢が増えるのはいい事だからな。
分かってはいた事だが、高校三年生ともなると中々時間が取りにくくなってしまったな。何とか鈍らない程度に身体を動かしてはあるんだが、クラマテングに認めてもらえるようになるには随分と延びてしまったかもしれないな。…メタいが主人公が大体高校二年生で物語が始まるのは先輩後輩がいるに加え時間がある事が不自然じゃないからだろうな。まぁ、『番長』に先輩居なかった気もするけど。
なんて何でもない事を考えてると声をかけられた。
「お、センパイじゃねぇっすか」
「ん?真次君か、そちらはどうだい?新人とか入ってきたんだろう?」
声を掛けてきたのは真次君。去年の今頃は制御薬の服用もあってか近寄らせない雰囲気もあったが、大分丸くなったもんだな。そんな彼、彼らのチームに
「そうっす、1人来ましたよ。岳羽ゆかりって後輩ッス」
「ホラ、例の寮住まいでかつ弓道部みたいだからね。部活動の方でネットワークもあるのさ」
「…まぁ、特別寮住まいじゃあウワサにもなりますわね」
ちょっと新人ちゃん絡みで苦労してるみたいだ。元々面倒見が良い性分に加え精神的な成長をしている分、良くない雰囲気に当てられてる様なものかな?
「雰囲気は…あんまり良くなさそうだね」
「…そっすね、どうにも美鶴と
「…大人が悪意を持って情報を偏らせる事の怖さここに極まれりだね。とはいえ現時点どうしようもないし、俺も接点なんて無いからね。君と明彦君任せにはなっちゃうか。ま、君らも去年よりちゃんと大人だし先輩らしい事をしてみなよ」
「そりゃあ重大っスね」
「美鶴ちゃんはともかく君たち2人の悪感情は植え付けられてないだろうから、やっぱり君たちの役目だよ」
「まぁ、俺もアキもセンパイに助けてもらった様なモンですからね。俺らも後輩の面倒を見る番ってことっスね」
「ふふ、面倒を見る側になる事で見えてくるものあるさ。それに君たちの近くにいる
「そんなもんですかね?」
「そう、そんなもんなんだ。取り返しがつかない事なんて殆ど無い。あるとすればタルタロスを甘くみた時…位だろうさ」
「……そうっすね、慣れた頃にってのは良く聞きますし。またアキのやつコテンパンにしてやってください」
「そうだね、事故が起きる前に一度君たちまとめて相手してあげようか」
「うげっ、ヤブヘビじゃねぇっすか!」
「はは、この一年の成長を見せてくれよ。じゃあ、また」
「はぁ、マジかよ…。…あざっした」
告げた通り頃合いを見てまとめて相手をしようか。現世で召喚出来るなら良いんだけど、タルタロスや影時間で動くにはちょっと派手だろうし…。桐条の施設もまだそこまで信用できないしな。何か考えておこう。
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