構わないと言ったとはいえ容赦なく注文したなぁ…。ケーキ屋さんにさぞめでたい事があったのか聞かれたくらいだ。まぁ、ベルベットルームの三姉妹とピクシーにアメノウズメが居ればそんな事にもなるか。去年までは準備に時間かけられたけど今年の趣向は世の中の体験とでもすればいいか…。力を司る者が現世に興味を持つのは最早伝統だし、それが3人も居るとなると賑やかだな。相変わらず割を食ってるテオに差し入れだけは忘れないようにしておかないとな。
こうして夏休みまであっという間に時間は過ぎた。ま、夏休みだからって出来る事は特に変わらなかったんだけどな。どうしても行きたい大学は国立な分対策は疎かに出来ないし。とはいえ気分転換も必要という事でサッと温泉でも行くかと思い2、3日ほど神社に訪れる事にした。当然道場へと連れ込まれた訳なんだが…
「ふむ、思ったよりも鈍っておらんの。それもまた学生らしいものかと思っておったが…、
「確かにトレーニングは減りましたけど、瞑想と時々古牧先生に呼び出しされてる
「まぁ、リョウスケならそこまでウカツな振る舞いもせんじゃろうて」
「実際に顕現する悪魔が出て来たら別ですけどね。それに身体動かして食ってくつもりも有りませんから…よっぽどの事がない限り人並みの動きしかしませんよ」
「そのよっぽどが来なきゃええがの…。それより今年はすぐ帰るんじゃろ?時間もないんじゃ、早う温泉でも行って来い」
「はい、じゃあ行ってきます」
もう神社から旅館までの道程をランニングするのも慣れたな。夏…とはいえ山中だから風が心地良いくらいの気温で走りやすいんだ。ま、冬は辛いけど。こう言った寒さって氷結魔法の耐性持てば平気なったりするもんなのかね?なんて事を考えてたら着いたな。…バイト断っておいてる身ながら歓迎してくれるなんていいところだよ、ほんと。
「あら、お久しぶりね。…お手伝い残念だけど受験なら仕方ないわね。あの子ならすぐ来るから。雪子!リョウスケ君来てるわよ!」
「いやぁ、厚かましく遊びに来ちゃって…、板さんにも謝らなきゃと思ってます。っと、雪子ちゃん久しぶり。中学は楽しい?」
「久しぶりだね、お兄さん。もう、小学生じゃないんだから……楽しいけど。千枝も居るしね」
「今回はすぐ東京帰っちゃうからなぁ。とりあえず雪子ちゃんと千枝ちゃんと…完二君にお土産。出来たら渡したいけど…出来るか分からないからなぁ」
「うふふ、明日3人で約束してるの!みんなで川遊びでもって。お兄さん居るならお母さんも良いって言ってくれたから。…どうかな?」
「ホントかい!いやぁ、今年はタイミング合わないかも…って思ってたんだけど気を利かしてくれてありがとう。あ、そうだ、ダイチさんとヒナコさんは部活の合宿に顔出すかもしれないって言ってたから来たらここにも顔出すだろうね」
「ホント‼︎」
「絶対って話まで聞いてないんだけど…雪子ちゃんが楽しみしてるって伝えておくよ」
「雪子、そろそろ案内なさいな。お風呂入ってからゆっくりしてもらいなさい」
「いけない!そうだった。じゃあどうぞ」
「ありがとう」
やっぱり温泉良いものだ。人間リフレッシュ必要だな。…流石に高3でコレは疲れ過ぎか?まぁ、志望校もギリギリってわけじゃないし偶に息抜きもいいだろ。東京から離れて束の間の…若しくは鬼の居ぬ間に…ってやつかな?
温泉にピクニックと楽しい数日間だった。とはいえ中学生になった雪子ちゃんと千枝ちゃんを見るとこっちでの事件もそう遠く無い事が頭にチラつくのがな…。それと、残念な事にヒナコさんやダイチさんとは入れ替わりになってしまう事になったが。さっさと受験終わらせて皆んなで集まれるといいけどな。
帰り際の電車の中、俺なりに考察を進めていた。…八十稲羽の街はいつからおかしなことになるのか。今のところそんな気配は無いんだけど、確か…伊邪那美大神、いや、土地神イザナミが集合無意識から生み出されたんだったか。時代の流れが背景なんだろうが、郊外に出来た大型商業施設…「ジュネス」が地元の経済に直撃したのもきっかけの一つなんだろうな。土着の神様と人々の意識…それだけであんな事態になるって言うなら日本各地でもっとオカルト事件が蔓延してるんだろうけど、ウチの神社が近いって事はここら一帯が霊的なパワースポットだったのかもしれないな。というかそれ位の理由が有ってくれないと気にしないといけない範囲が多すぎる事になるぞ…。
少し考えが飛んだが、結論として八十稲羽は様々な偶然が折り重なる舞台なんだろうなという事だ。そしてその事件の解決は…俺1人じゃ難しい、というか
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
-
クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
-
キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
-
ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
-
ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」