「ヒーホー!オマエラ何者だホー?」
…あれが元凶だろうな。
「俺はこの大雪の原因を調べにきた、見たところフロストの異常発生が原因っぽいけど…首謀者はお前か?」
「失礼な奴だホー。オイラは15代葛葉ライホーだホー。ライホー君と呼ばないと戦争も辞さないホー」
「自分でそう名乗ってる変なヤツホー」
「オマエこそ仲魔に成り下がるとは恥ずかしいヤツホー」
やっぱりライホーだったか。蔵をひっくり返したからかもしれん…。ウチのフロストとはソリが合わないのか小競り合いをしている。見ている分には愛らしいんだけどコイツら天候に悪影響及ぼすレベルでおっかないからな。
「あー、名乗られたなら俺も名乗ろう。俺は葛葉リョウスケ…駆け出しサマナーって所か」
「オマエも葛葉だったのかホー。けど、ライドウも居ない今オイラこそが真の葛葉ライホーだホー」
「ライドウさんの頃からいたのか…ピクシー、アメノウズメ、見覚えは?」
「あー⁉︎事あるごとににライドウちゃんにイタズラ仕掛けようとして返り討ちになってたあのフロスト‼︎」
「居たわねそんなの…、ライドウ君の持ってた外套と学生服着込んでたフロスト。なんでまた今頃出てきたのかしら」
「…倉庫整理の所為だろう。
まさか倉庫整理がこんな出来事を引き起こすとは思わなかったな。…まぁ駆け出しとはいえサマナーの俺がいるタイミングでよかったと考えよう。
「ヒーホー!オマエ達、オイラ達のお祭りを邪魔するつもりホー?」
「ああ、これ以上フロスト達がはしゃぐと俺たちニンゲンも正月が楽しめないからな」
「オイラ、ライドウが居なくなってからブランクが有るけどライドウのニセモノ何かには負けないホー」
「…ライホーに偽物呼ばわりされるのか」
「今、呼び捨てにしたホー‼︎もう怒ったホー!オイラライホー君と呼ばないと許さないホー!…言っておくけどライライホーも違うホー」
なんとも気の抜ける…が周りのフロストが急に殺気だった。ユニーク個体なだけある、しっかりと統率しているらしい。
「そうかい…先手必勝だ、道具を使わせてもらうぞ」
あらかじめ持ってきていたフロスト達がいっぱい出てきた時のための火の石…おそらくはマハラギストーンだろう…をばら撒く。
「ヒーホー…」
周囲のフロストはマハラギストーンだけで虫の息だ。…コイツら生まれたてか。そういう意味ならこのライホー…君も生き延びてきた個体じゃないのか。…ああ、ブランクってそういう。尚更コイツらが成長する前に数を減らさないとな。
「グヌヌ、偽物のくせに卑怯だホー!こうなったら精鋭の出番ホー!」
そう言うとライホー君は随分とスタイリッシュなフロストを呼び出した。…出立ちは強そうだけどさっきの奴ら強さはと変わらないような?
「アイツら自分でフロストエースを名乗ってるけど、実際ただのコスプレホー」
こっちのフロストがぼやいてる間にアメノウズメのマハザンによって
吹き飛ばされていった。
「…随分な精鋭だことで」
「グムム、こうなったらオイラの出番ホー!後は冬将軍に援軍を頼むホー‼︎」
なんだ、切り札を呼び出そうとした様だが動きがない。…ははーん、フロストの数を減らしたのが効いたか?
「ちょ、ちょっと待つホー!…オマエラどうなってるホー?」
「オイラ達が減らされた所為で外の世界が晴れてきたみたいですホー」
「気温がどんどん上がって冬将軍が動かないですホー」
「な、なんだって⁉︎ホー!」
「もう良いかな。ライホー君、君には反省してもらうとしよう」
「ヒホッ⁉︎ま、まだオマエがライドウ程強いと決まったわけじゃ無いホー!オイラが決めてやるホー!」
ライホー君が身に着けている物を傷つけるのは忍びないからな、峰打ちで済まそう。魔法を使おうとしている所に二八年式を当てない様撃ち込み峰で打ち据える。
「や、やられたホー」
「ふう、これでこの異常気象も落ち着くかな?」
「そうじゃ無いと困るわよねぇ」
「私としてはもう少しフロストの数を減らすべきかと思うけど…」
「ウズメの姐さんおっかないホー…」
「ホー、反省したホー…。オイラ、大人しく15代目葛葉ライホーとして生きていく事にするホー。オマエもキチンと葛葉として認めてやるホー」
「ライホー君に認められなくても俺が葛葉というのは変わらないぞ?」
「オイラまだまだ修行不足だったホー…。強くなってまたオマエに挑みに来るホー」
そう言うとライホー君はこの場に残っていたフロストを引き連れて去っていった。まさに嵐の如し出来事だな。
「フロストも居なくなったしこれで天気も戻るかな?」
「多分大丈夫ホー。それより、アイツが居なくなったからこの異界も閉じちゃうから早く出た方がいいホー」
「確かに、ここを形成していた連中が居なくなったからな。よし、急いで撤収するか」
フロストが案内した道を戻る。帰り道は何にも出てくる事が無かったのであっという間に現世に帰ってこれた。出てきた途端歪みを見せていた空間は落ち着きを取り戻した様だ。
「よし、しっかり晴れてる。まぁ正月のドカ雪位で話題も終わってくれそうかな?」
「多分そうかも?」
「リョウスケ君のサマナー初仕事にはちょうど良かったかしら?」
「顕現したてってのが助かったな。…そう思うとこの仲魔になったフロストって結構ベテランたったのか」
「ヒホ?オイラは季節に合わせて偶に遊びに来てただけホー」
「…リョウスケちゃん、結構スゴいヤツ仲魔にしたかもね」
まさかの拾い物か?ま、大ごとになる前に解決出来た事を喜ぶとしようか。神社に戻って報告を…って時間あんまり経ってないんだな。
「なぁ、異界って時間の進みが違うのか?」
「うーん、モノにもよるんじゃ無いかしら。あ、でも早くなるってのは聞いたことないよ!」
「そうね、思ったより時間が進んで無いってライドウ君も最初の頃は言ってたかしら。…あんまり私たち悪魔に時間の概念って無いからよくわからないのよね」
「なるほど、概念が無いから悪魔が作った異界は時間の流れが緩やかなのかもしれない。さて、お疲れさん、封魔管に戻ってくれ。神社に帰るとするよ」
「はーい」
「分かったわ」
「ヒーホー」
さて、積もった雪はどうしようもないが、事件は終わった。この雪じゃお客さんも来ないだろうし流石に疲れたから今日はもうお節とお雑煮食べてゆっくりしたいもんだよ。
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
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クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
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キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
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ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
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ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」