これから起こるタルタロスと影時間にまつわる騒動の為にも俺の、俺たちの戦力増強は不可欠だ。現状仲魔は『ピクシー』『アメノウズメ』『ジャックフロスト』の三柱。それぞれ別の属性魔法が得意だし回復だって出来る。このメンツに加えて俺が前衛を務めるのが今のパーティーだ。なんだかんだ良いバランスをしてるしメメントスの
しかし、悪魔の討伐となると途端に火力不足な気がしてしまうな。ついこの間のライホー君事件じゃあ何とかなったが、アレはライホー君自体のレベルが低かったおかげだろう。それに俺以外にもう1人物理アタッカーが居ると戦いの幅が広がるだろう。まぁ、戦闘の場で何柱まで召喚してられるのかは分からんが、入れ替えながら戦えるというのは大きいだろう。
という事で東京に戻ってきた俺は関東にあるヨシツネ所縁の神社に訪れた。…世の中神社参拝に刀を持ち込む人間が居るんだろうか。まぁ、この薄緑は招待状だろうしお礼も言いたいからな。ピクシーは相変わらず顔見知りとの事なのであらかじめ召喚しておいた。
「んー、リョウスケちゃん。ヨッシーってば待ってるっぽいよ」
「そうか…、待たせてたのか」
「まぁ、待ってたのはヨッシーの勝手だから気にしなくてダイジョーブ!」
相変わらずピクシーの立ち位置が分からん。思ってるより強い…というか古参…なのかな?契約を結べて良かったと思おう。
ここまで来れば俺でも分かる。祀られている御堂の入り口が歪んで見える。周りに人気もない…、無意識で避けてるのか人避け見たいな術があるのか。今がちょうど良さそうだ、入ってみよう。
「やーっと来やがったか。俺っち待ちくたびれちまったぜ」
「そうか、待たせて悪かった。俺は葛葉リョウスケ。ま、見習いサマナーってとこかな。機会をと思うと中々無くてな。改めてこの『薄緑』、ありがとうな。お陰で助かったんだよ」
「ああ、ソイツか。いや、俺っちのソックリさんを通して見させてもらったのさ。ついつい感心しちまったぜ、アイツ以外にもニンゲンで動ける奴なんて居るんだなぁってよ」
「とは言っても受け切れたのは一太刀だったけどな」
「バカ言っちゃいけねぇ。あのソックリさん、流石は俺っちのソックリさんだぜ?良いキレしてやがったじゃねぇのさ。それによ、オマエさんの刀がもう少しマシならもうちょい受けられたろ?」
「…どうだろうな。自信が無いとは言わないけどな」
「なーに気取ってんのよヨッシー」
「あー、オメーも居たんだなぁ。ピの字、俺っちソックリだからってバリバリやりやがって…」
「ま、アンタと似てるから力入っちゃったのは否定しないわよ」
「その場に居なかったってのに寒気がしたぜ…」
「ピクシー、何か因縁でもあるのか?」
「うーんとねぇ、ヨッシーがヤンチャだった時ライドウちゃんとそれはそれは苦労したのよ…」
「ヤンチャ…」
「ピの字やめてくれぃ…。若気の至りって奴さ」
「…悪魔に若気って有るのか?」
「有るのよ」
「有るぜ」
「有るんだ…」
よく分からんが有るものは有るみたいだ。悪魔に年齢の概念無かった様な気もするしなぁ。有ったとしても高々数十年で変わるのか?…考えても仕方ないか、本人?が有るって言ってるんだし。
「まぁ、なんだ、2人の関係性は何となく分かったんだが…、俺の気を引いた理由を聞きたくてさ」
「いや、ピの字もウズメの姐さんも楽しそうな事してんじゃねーかと思ってよぉ」
「ヨッシー、回りくどい」
「…あー、なんだ、俺っちも連れてってくんねぇか?」
「…良いのか?」
「近頃暇なんだよなぁ…。悪魔も減っちまったからサマナーも居ねぇし」
「…そんな理由かよ」
「もちろんそれだけじゃねぇぜ?葛葉の血族が気張ってんだ、俺っちだって疼くってもんよ」
「そうか…、願ったり叶ったりだ」
「もう、ヨッシー、アタシたち遊んでる訳じゃないのよ?」
「分かってらぁ。そこでだ、リョウの字。俺っちと手合わせしようぜ。ソックリさんとだけってのはズルいじゃねぇのさ」
「ま、そう言うだろうと思ってた。俺もそのつもりだよ」
「話が分かるねぇ」
「ま、お互いの力合わせだ、俺1人でやるよ」
「もう、ヨッシーなんてやっつけちゃえ!」
目の前のヨシツネが腰に下げた薄緑を抜いて肩にかけてステップを刻んでいる。ゾクゾクする様な雰囲気だ。…俺もいつのまにか戦闘狂の気質が出てきたのか、こう言う場面ですこし昂る事が増えてきたか?
「俺から行くぞ!」
「おう、かかって来い」
今回に限っては銃も使わない。俺も薄緑を構えて突っ込む。ヨシツネも待っていたのかニヤリと笑った。
「リョウの字、良い度胸してるぜ」
ペルソナの『ヨシツネ』とはまた違う雰囲気だ。数合打ち合っただけだが何というか、変幻自在という印象を受ける。そうか、ペルソナは意思で動くと言ってもある程度決まった型があるが、悪魔はそれ自身が意思を持つからか。
「おいおい、考え事かい?寂しいじゃねぇのさ、今は俺っちの事見ててくれよ」
「っと悪かったな、ついペルソナの『ヨシツネ』と比べちまったよ」
「へぇ…ソックリさんと」
「まぁ、なんだ、力強さはアレを操ってたペルソナ使いに依存してる部分もあるから何とも言えないが技の巧みさは圧倒的に厄介だわ」
「そ、そうだろう?わかってるじゃねぇの」
ステータス的な部分で言うならエリザベスのおかげもあってペルソナの『ヨシツネ』の一撃は重かった。対してこっちのヨシツネは受ける事に関して言えばそこまで重くは感じなかった。重いのは変わらないんだけどな。それよりも何処から次の刀が襲ってくるか分からなさの方が凄い。
「ヨッシーも煽てりゃ木に登るわね…」
「ピの字、そりゃないぜ…」
…どうやら随分と良い調子をした性格らしい。
仕切り直しとして葛葉の技を繰り出した!するとヨシツネは驚いた顔を見せたと思いきや不敵な笑みを浮かべた。ヤバいと思った瞬間俺はガードの体勢を取ったが吹き飛ばされていた。
「やるじゃないの、俺っちびっくりしちゃった」
「イタタ、前の長船だったら受け切れてなかったかな」
「あったりまえよ。俺っちの愛刀だからな」
どうやらヨシツネの琴線に触れるだけの力量は見せられた様か?
「はいはい、リョウスケちゃんもヨッシーもお仕舞い!もう、これ以上やったらボロボロになっちゃうよ!」
「えー、もうちょい良いじゃねぇの?なぁ、リョウの字」
「ボロボロになるのはリョウスケちゃんだけど、その後アタシがヨッシーをボロボロにするの!」
「ヒェッ…」
「あはは、そうだな。お互いの力は試すくらいにはなったか?」
「ま、そうだな。鍛えがいがありそうだって所かな?」
「そうか…、是非ともお願いするよ。クラマテングにも合格貰いたいしな」
「あん、お師匠知ってんのか?あの爺さんも粉かけてんなら上等よ。俺っちがしっかり鍛えてやるぜ」
「頼む。じゃあ俺と契約してくれるか?」
「おうよ…俺っちは英雄『ヨシツネ』。コンゴトモヨロシク…」
ピクシーが居なかったらもっと大変だったかもしれないが順調に契約までしてもらえた。しかも武技の師匠にもなってくれるとあっては大助かりだ。問題はヨシツネを召喚した時どれだけ俺からマガツヒ持ってかれるかどうかだが…、そこばっかりは試してみるしかないか。早いうちにメメントスに連れて行こう。…おっとフロストも忘れちゃいけないな。
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
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クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
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キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
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ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
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ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」