4月24日
方針の相談がしたいと美鶴ちゃんから連絡があった。ちょうどいい、見返りって訳じゃあないが桐条の力で興福寺展の閉館時間に入ることができないかお願いしてみよう。ちなみに場所はルブランだ。マスターからはまた生暖かい目が向けられてるが気にしない。なんせ後ろの席じゃ真次君が真剣な顔して味を盗もうとしているからな。そろそろ話し出す頃合いだろう。
「構いませんよ。我がグループでも協賛をしていたハズですので。少々お待ちを」
美鶴ちゃんはそう言うと携帯電話を取り出して話を始めた。
「…ああ、そうだ。行けるか?分かった。ならば本日閉館後に向かわせてもらう。ふぅ、大丈夫です。この後参りましょう」
「本当かい?そりゃ助かるよ」
「いえ、先輩からお願いされる事なんて滅多にありませんしこのくらいなら何ともありませんよ。しかしまた話題とは言え興味がお有りで?…それとも
「ま、そうだね。
「い、居なくなる?そんな事が起こりうるのですか?」
「可能性としてさ。俺のペルソナは見せたことあったっけ?まぁ、ソレと縁深くてね、ちょっと悪魔としてのアスラおうにお目通りしないといけなくなったのさ」
「なるほど。と、なると陳列されている仏像はどれも悪魔を宿しているのでしょうか?」
「そうだなぁ、ベースが同じ仏は神を象った像なら大体宿しているというか分霊が顔を出せるんだよ。と、言っても悪魔がいる事、宿してる事を認知出来る人が居ないと実際に出ては来れないさ。その辺は神秘が薄れたからこそだろう。じゃなければもっと悪魔の被害があったかもしれないな」
「そうでしたか。それは現状に感謝した方が良さそうですね。影時間でさえいっぱいいっぱいですのに…」
「うーん、因縁ない様なら無理して解決に向かわないといけないとは思わないんだけどねぇ。異界による被害を見つけるのは大変だよ?」
「しかし、私は桐条として、ペルソナという力を持つ者としての責任を果たす必要があるのでは…」
「俺が言いたいのは自分の置かれてる環境や状況なんてモノで自分の命を張る事なんて無いって事さ」
「…では何故先輩はそこまでなさるので?」
俺の行動原理かぁ。まぁ一番は自分の為だろうか。なんせこの世界、いつ何処で世界が危なくなる事になり得るか分からない恐ろしさが有るからなぁ。それを思うとただ他人に任せるだけってのはおっかないし性に合わない。…なにより認知世界、こんな面白い所があるなら見逃せない、身の危険はあれどもな。浮かれてるのかな?
「先輩?」
「ああ、ごめんごめん。いざ行動原理を聞かれたからねぇ、言葉にしようと思うとつい考えさせられたのさ」
「ほう、では、お聞かせいただきたいですね」
「一言で言えば自分の為、だねぇやっぱり」
「自分の為?」
「ああ。自分の為。自分の将来、命、興味、とにかくそう言った欲求だったりを満たす所が認知世界なのかな」
「そ、そんなつもりで‼︎」
「おい、桐条落ち着けよ。この人のコトだぜ?言ってないだけでお節介も入ってるだろうよ」
「あ、ああすまない。マスター、大きな声を出して申し訳ありません」
「ったく、どうせコイツの事だ、デリカシーのない事お嬢ちゃんに言ったんじゃねぇのか?ココで働いてるってのにソッチの方だけは育たねぇんだよなぁ」
「いえ、恥ずかしながらカッとなってしまった私が」
「桐条よぉ、俺たちも元は自分の為だぜ?お前だって果たすべき責任って思ってるかも知れねぇけど、結局の所
「⁉︎」
「真次君も言う様になったじゃない。ま、個人的な話だけど人の為とか世界の為とか言ってる連中が信用ならなくて仕方ないから自分に正直な答えを考えたら自分の為ってなっただけさ」
「政治家なんて清廉潔白アピールしてる奴ほど後ろ暗いってのは相場が決まってる。都合の悪いコトを揉み消してりゃ潔白にもなるだろうさ」
吐き捨てる様に言うマスター。すでに獅童絡みで何か?いや、元々公務に近い人だったらしいからソッチで嫌な思いをした可能性もあるか。
「違いないっすね。あの
「モチベーションの保ち方に繋がるし美鶴ちゃん達に誤魔化したく無かったから答えたんだよ。君は君で答えを出せば良い。ま、真次君の言う通り動機なんて他人には関係ないのさ。それでいて結果を出してくれるならそれは
「なるほど…、良い話を聞きました。なぁ、荒垣。私は私の意識を押し付けてしまっていたのだろうか」
「まぁ、そんな時期もあったんじゃねぇか?それこそセンパイに会うまでは仲間っつー程の間じゃ無かった気もする。それは俺たちの主義が合わなかったからなんじゃねーか?」
「…ふふ、荒垣にそんな事を言われるとはな。これ以上は私の心の問題か。思いがけず良い話が出来ました。私は学園に戻ります、迎えの手配は済ませておりますのでそちらで上野へ向かって下さい」
「美鶴ちゃんの相談ってのは?」
「既に乗っていただけましたよ。ありがとうございました、マスターもごちそうさま」
「あいよ」
「そうか、手配ありがとう。…うん、ちょっとはスッキリした顔になったんじゃない?なぁ真次君」
「違いないッスね。マスター、美味かったッス。まだまだ盗ませてもらいますよ」
「まだまだお前さんに盗まれる程浅くねぇぞ?また来な」
2人は出て行った。いきなり巻き込まれた人間とある程度内情を知ってる人間とは温度差が出るって話だわなぁ。それを押し付けても上手く行くはずも無い。…ま、それでも周りをピンチに巻き込む様なら出張ってやるさ。
「いい子じゃないの。狙ってんのか?」
…マスターは相変わらずだなぁ。
「いい子なのは認めますよ」
マスターのニヤニヤは美鶴ちゃんが手配した迎えが来るまで続きそうだ。
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