おお!キタロー君がプリーステスに集中する事を決めたか。うん、それがいい。しかし、いやらしい事にプリーステスは取り巻きと違って氷結魔法を跳ね返すんだ。ま、プリーステスが氷結魔法を使って来るから想定は出来ていたみたいだな。それでもキタロー君は上手く『アプサラス』のブフを取り巻きに使って場を有利にしていく。岳羽さんには回復と攻撃を、伊織君は弱点を突かれ無い様警戒しながら攻撃を指示。良い判断出来てるじゃない。美鶴ちゃんも慣れないなりに助言してるようだし。
このままだったら介入しなくても大丈夫かな?そう思える程に戦いの流れを引き寄せていた。元にプリーステスの反応も弱々しく、制限時間で言えばまだ2分程余裕を残して倒せるだろう。こりゃ真次君すら要らないか?
プリーステスに最後の一撃をキタロー君が与えた。それと同時にモノレールは徐々にスピードを落としていき、事態は解決した…様に思えた。
「ちっ、いかに影時間が主人持ちの異界とはいえここまでデカいエサがあると悪魔も沸くか」
「後輩ちゃん達が倒したおっきいシャドウの残骸…残飯漁りかしらね?」
「だろうな。仕方ない、アレは流石に荷が重いだろう。それに、アイツらは俺の職分だ」
プリーステス、つまりアルカナシャドウは『デス』の破片。元々はキタロー君の中に眠る『デス』と融合しようと襲ってきたんだろう。キタロー君がペルソナ覚醒を果たした時に暴走した『タナトス』に食われたシャドウもアルカナシャドウ『マジシャン』だったらしい。そう考えるとシャドウを倒す事でも融合は進むのか。封印されたままだと事態は停滞する一方だからな。影時間の根本を解決するなら封印は解かなきゃならん。その分難易度も上がるだろうが、俺はこのまま大いなる封印なんて結末で終わらせるつもりは無い。
それはともかく目の前の事態だ。『デス』の破片の破片…現界するにも精一杯の悪魔からすればご馳走だろう。しかも目の前にはおあつらえむきに弱そうな肉体と強い精神を持ったペルソナ使いがいる。
「ウケケケケケケケ‼︎ニクニクニク‼︎ヨコセヨコセヨコセ⁉︎」
「な、なんだよコイツら…⁉︎お、おい、岳羽、コイツらシャドウじゃねーのか?」
「し、知らない‼︎こんな奴ら知らないわよ‼︎」
「……戦うしか無いか」
『どうした⁉︎何があった⁉︎』
「イレギュラーが発生した。イレギュラーシャドウは倒しましたが、正体不明のエネミー複数体が現れ敵対されそうだ」
『なんだと⁉︎くっ、モノレールはもう駅に着く、私とアキが合流するまで耐えてくれ‼︎』
「…了解」
おっと、出遅れちゃいけない、アイツらはレギオンか。怨霊の塊だからな、見てくれの醜悪さだけならシャドウっぽくもあるか。そんな事を思いながらレギオン達に向けて銃撃する。レギオンと言う悪魔の性質上複数体で現出してしまった様だが負ける気はしないな。
「イテエエエエエエ⁉︎」
「今度は何だよ⁉︎」
「み、味方?」
「……」
「ふふん、君たちはさっきまで大物とやってたろう?ここは俺に任せておきなさい。ピクシー、マハジオンガ‼︎ヨシツネは…臨機応変に」
「任せて‼︎えーい‼︎」
「俺っちには雑だなぁ⁉︎まぁ、これだけ狭けりゃ仕方ねえ。ピの字当てんなよ?」
「ヨッシーは効かないんだから気にしないで突っ込みなさい」
「ひでぇ奴だぜ。まぁ、若人達を取って食うのは俺っちの前で出来ると思わないこった」
「さあ、もう少し下がってもらおう。余波までは防げないし…俺も行くからな」
「うわぁ、何だよ、バケモンとバケモンが戦ってんのか⁉︎」
「…あの人、まさか?」
「あの人がエリザベスの言っていた?」
後ろの方から色々と聴こえて来る。バケモンとは失礼だな、まだそこまで人間辞めてない…ハズだぞ?流石に面をしてても声までは変えてないから分かっちゃうか?まぁ、顔さえ隠せたら良いんだけど。エリザベスの説明が一番気になる。
ま、雑念は捨てて目の前の悪魔だ。虎視眈々と現界のチャンスを伺っていただけあって中々強大な悪魔だな。幸いピクシーの電撃魔法が弱点だから有利な展開に持ち込める。似たような悪魔に物理に強いコロンゾンが居るが、レギオンにそんな耐性は無い為俺とヨシツネでも十分なダメージを与えられる。
「グエエエエ…シニタクナイィィィィ…。ニクニク、ニクヨコセー‼︎」
「ヒィ⁉︎コッチに来た‼︎」
俺たちに狩られていたレギオンの一匹が破れ被れだろう、伊織君の方へと飛びかかろうとしていた。
「ペルソナチェンジ『ピクシー』ジオ‼︎」
「ギャアアアア…」
するとキタロー君が足止めをしてくれた様だ。まぁ、そこにはウズメを伏せておいたんだが
「ウズメ、ハマで送ってやりな」
「ええ、浄化されなさい。ハマ‼︎」
「ギィイヤァァァァ…キエルキエルキエル…」
レギオンは外道だったり幽鬼だったり分類が安定しない事もあるが共通して破魔属性に弱い。仲魔でもハマを使えるアメノウズメを後輩ちゃん達の前に伏せておいた訳だ。キタロー君のおかげで飛び出した奴も余裕を持って祓う事ができたし、俺たちもレギオンを全て片付けられた。
「うお⁉︎い、いつの間に」
「びっくりさせた様で申し訳ないね。それより、ナイス判断。良い動きだったぞ」
「…気にしてない。それに、抑えも用意してたみたいだし」
「まぁ、コイツらは弱い所を見せたら飛びつくからな。戦力に余裕があるなら備えは無駄になった方がいいだろ?」
「ゆ、結城、よくフツーに喋れるな」
「…あ、あの、ひょっとして…」
「大丈夫かお前たち‼︎」
全くタイミングが良いのか悪いのか。全て片付けた所に美鶴ちゃんと明彦君が来た様だ。真次君は俺が居るからって合わせやがった。まぁ、良いけど。
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
-
クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
-
キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
-
ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
-
ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」