「影時間とは違う異界か…そりゃああるさ」
「やっぱりあるんだ。リョウスケさんはそっちも詳しいの?」
「まぁ、色んなところに首を突っ込めるニンゲンが他に居ないからな。俺が調査しているところはまだ主人も居ないし大きなトラブルは起きてないかな」
「ふぅん、主人が居ない異界ってあるんだね」
「異界の成り立ちから説明しようか。そもそも異界というのは大きく分けて2つの成り立ちがあるんだ。1つは影時間の様に強大なシャドウ、悪魔が現界する事によって引き起こされる歪みがそのまま異界となるパターン。大規模なモノなら影時間、小規模ならうっかり出てきた悪魔が街中でこっそり作り出すパターンもある」
「そのタイプは主人を倒すとどうなるの?」
「基本的には歪みは修正され異界は無くなる…ハズなんだが、ここでもう一つのパターンと絡んでくる。影時間程大きな異界は元々ある異界を飲み込んだり歪みが歪みを作り出す事例もあるからな」
「…そっか、倒しておしまいって訳には行かないんだ」
「倒さないと解決に繋がらないのも事実だけどな。それで、もう一つは…ニンゲンの意識、集合無意識って奴が異界として現界するパターンだ」
「集合無意識?どこかで聞いたような…」
「学園生なら江戸川先生に聞くといい。心理学から神学、オカルトまで精通してる。それもコッチの世界の事を知らずにな」
月光館学園の名物教師だよな江戸川先生。まぁ、保健体育の授業に相応しいとは思わないし試験も無茶苦茶だったから普通の学生からすれば迷惑な話なんだけどな。
「ああ!それだ!…授業って役に立つんですね」
「…あの人の場合は特殊だけどな」
「ま、その集合無意識ってのはバカにならなくてな。特に東京みたいな大都市、ヒト1人が持つチカラなんてしれてるがチリも積もればって奴だよ」
「ってことは東京の街中にあるの?」
「ここ数年調査をしてきたのはそうだな。3年くらいは活動してるがまだ終わりが見えてこない位には深いな」
「…タルタロスもそうなのかな?」
「タルタロスは外見と中身が一致していないからな。そういえばこの間の満月にアルカナシャドウを倒してから登ったのかい?」
「昨日に行きました。僕たちのチームに真田さんがついてきてくれる話になったからお互いの確認としてね。やっぱり先輩は経験も積んでるから強かったよ」
「はは、そうだろう?あの3人はたまに現実世界で稽古を付けてたからね。ペルソナ使いとして強くなる方法はシャドウ討伐で経験を積むだけじゃない。ココロの強さを鍛える事が大事だと覚えておけば良い」
「なるほどね。…順平やゆかりも部活で武道やってるけれどちゃんと役に立つんだ」
「武道ってのはココロを鍛える事に繋がるからね。もちろん技術的な面で戦闘に使えるって事もあるんだが、俺が修めてる古武術と違って人以外の存在に対する型なんて無いから戸惑う事もあるだろうけど」
「リョウスケさんは古武術?やってるんだ」
「学園では合気道部にいたんだよ。個人的に修めてるのはまた別で葛葉流って言うのさ」
「葛葉…?それって」
「ああ、葛葉一族はかつての退魔の一族だったのさ。ま、今でこそ俺以外にはいないんだけどな」
「ふーん。何でいなくなっちゃったの?」
「簡単な話さ。悪魔がほとんど出てこなくなったから。役目を任じなければならない程じゃなくなった訳」
「…」
「ま、俺がサマナーとして活動できる様になったのも最近だし、そもそも自称だしな。…随分とサービスしちゃったな。ま、他にも聞きたい事はあるだろうがそれはまたの機会にだな」
「…うん、そうだね。リョウスケさんから教えてもらえる様頑張るよ」
「ああ、それでいい。…一応力試しだからセーブはするけれど俺だって強くなる事を忘れない様にな」
「それは大変だね。…ひょっとして先輩達より強い?」
「ああ、あの3人?それなら聞いてみると良い。影時間でやるならまた違った戦い方になるとだけ言っておいてくれ。さ、そろそろお腹もこなれただろう?そろそろ帰ろうか」
「うわぁ…大丈夫かな?ご馳走様でした」
「ふふ、あんまり弱気だとエリザベスがおっかない事になるぞ?」
「…確かに、それもおっかないね」
俺たちはルブランを出た。マコト君もカレーを気に入った様で何よりだ。ついつい喋りすぎてしまったのはワイルドだからだろうか?そうなると俺も何かアルカナを担当するのかね?ま、それに関してはマコト君の心の内の話になるし。…俺から聞く事でも無いしな。
学園の近くまで歩いて行くとちょうど活動部の面々がいた。この間は仮面もしてたしこうして「葛葉リョウスケ」として会うのは初めてか。
「ようやく帰ってきたか」
「お、結城も先輩に連れてってもらったのか?うめぇよなあそこのカレー」
「あん、結城どっか行ってたのかよ…って、葛葉先輩じゃねぇか⁉︎」
「あれ、順平知ってるの?」
「無茶苦茶有名人だぜ?お前こそってそっか、先輩と入れ違いか」
「そんなに有名になる事あったっけ?」
「ええ…あの無茶苦茶な合気道部はおろか学園最強って有名っすよ?」
「確かに俺もアキも勝てて無いな」
「ほら…。つか真田先輩でも勝てねぇってマジかよ」
「伊織君だっけ、剣道始めたって聞いたけど見てあげようか?」
「え゛っ⁉︎いや…えっと…その…」
「む、伊織羨ましいぞ。先輩から声をかけてもらえるなんてな」
「アキはしょっちゅう言ってるからじゃねぇか」
「良い機会だ、伊織、お前も叩き直してもらうか?…定期試験の結果次第ではアリだな」
「…ゆかりっち、結城、俺もうダメかも」
「ほ、ほらそこまで怖い人じゃ無いと…思うよ?」
「オレとアキと桐条が転がされる位ツエー人だぞ」
「…俺ダメみたい」
「ふぅん、ま、それも良いかもね。休みの日にでもどこかで身体動かせるところが有ればそういう機会を設けてもいいよ?」
「ほう、言ってみるモノですね。言い出した以上私が場所を提供しよう。…明日なんてどうでしょう?」
「日曜日だけど…急に行けるのかい?」
「私達は大丈夫ですが、二年生達は?言っておくが伊織に選択権は無い」
「強権発動されちゃあ俺はもうお手上げ侍っすよぉ…」
「私は大丈夫ですけど…」
「僕も大丈夫」
「よし、では体育館を借りておきます。朝には来ていただけますか?」
「分かった。それじゃあ俺は帰るとするよ。あんまり
そう告げ別れる。まさかこんなことになるとは。ま、これも縁か。…模造刀は一応持っておこう。って言っても俺が異界を知ってる事を知らないのは伊織君だけか?流石にそろそろ幾月に気取られてもおかしくは無いか、もう開き直っても良いかもしれん。流石に目的を知ってるのは反則技のおかげだから猫は被ってくるだろう。はぁ、悪魔よりも悪意を持つニンゲンの方が怖いんだから。気が重いね。
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