5月24日
美鶴ちゃんが抑えた運動場は桐条が協賛してる場所…になりかけたので普通の体育館に変えてもらった。高々10人も居ないのにそんなにはいらないからな。学園からは近いから活動部メンバー達をしごいても問題なさそうだな。アップがわりに軽くランニングして向かうか。
「おはようございます」
ロードワークを終えたのだろうか明彦君と先に鉢合わせた。鍛える事が習慣になってるのは素晴らしい事だ。…プロテインの摂り方だけは認められないけどな。時間まではまだ30分はあるな。
「おはよう。揃うまで軽くヤルかい?」
「良いんですか⁉︎」
「軽くな軽く。そっちに合わせるからマススパーで良い?」
「願ってもありませんよ」
明彦君はバネの様に飛び出してきた、瞬発力は大分上がった様だな。お、フェイントも増えた、こりゃ高校生の部活レベルなんてとっくに超えてるぞ。ま、それで通用するのは
「くっ、余裕ですね」
「まぁ、ボクシングって競技上当たる範囲と何となくのダメージ量がわかるからね。肉を切らせて骨を断つってわけじゃないけど捌かなくて良い攻撃にまで意識を向けすぎてるから手数が足りなくなるのさ」
「なるほど…」
「おいおい、アキ抜け掛けか?」
「身体あったまってるなら来るといいよ?」
「ケッ、相変わらず…。センパイと闘るってんなら卑怯だなんだ言ってられねぇよなぁ‼︎」
「荒垣の言う通り。お前たち、あの人は我々だけなんて歯牙にも掛けないんだ。頃合いを見て入ってくると良い。私も参加させてもらいます」
俺と明彦君が始めてるのを見るや否や真次君と美鶴ちゃんは参戦を決めた。こっちも少しギアを上げよう。二年生達はオロオロしてる様だが…
「僕たちは準備ができてない。順平、ゆかり、早速アップしよう」
「お…おう!」
「わ、分かったわ」
ほう、良いね。やっぱりマコト君は判断が早い。参加しなきゃ攻撃されないならされない内に準備すれば良い。…俺も複数を相手取るいい稽古になるしな、合流まで待とうか。
「ちっ、相変わらずっスね‼︎」
「ははは、そりゃ君たちも強くなったかもしれないけど…、俺だってまだまだ伸び代はあるんだから当然だろう?」
「全く、何故登山中の山が高くなるのですか‼︎理不尽な‼︎」
「ふふん、君たちの前に立ちはだかろうと思えば止まらない方がいいだろう?ほら、明彦君、バテて来たかい?」
「くっ、まだまだぁ!」
軽くとはいえ真っ先に始めていた明彦君はガス欠が近い。…さぁどうする?
「真田先輩は後ろに!ゆかりは弓で牽制を、順平と荒垣先輩でリョウスケさんを受け止めて。美鶴先輩は2人のフォローを、僕も出ます‼︎」
そうだよ、その判断‼︎指揮を振るうには迷っちゃいけないんだ。実に良いじゃないか。一つ掻き回してみようか。
「おっと、ここからが本番かな?…先に言っておこう。岳羽さん、遠慮なく射ってくれば良い。この距離ならあたりはしないさ」
「な⁉︎舐めてるとケガしますからね‼︎」
うーん、「挑発」は対策を取ってないと効くなぁ。システム的な話で有れば彼らが登場していた作品には
「お、おい危ないってゆかりっち‼︎」
「バカ伊織‼︎目を離すな‼︎」
「へ?」
真次君は狙いが分かってたみたいだが伊織君は見事にハマって俺から目線を切ってしまった。新人とはいえ隙を見せたら相手は加減してくれないよ?ケガにはならない程度に投げる。
「ぐえええ…」
古牧先生から嫌ほどやられた呼吸が出来なくなる落とし方だ。ケガにはならないが無茶苦茶痛い。…痛みを抱えた上で動けるかどうかってのを知っておく必要があるからな。痕にならないだけマシかな?
「ゆかり、落ち着いて。美鶴先輩は順平を安全な場所に。真田先輩はもう一度前に」
「ご、ごめんなさい」
「気にするな、あの人の常套手段だ。幸いにもこれは稽古、実戦で気をつければ良い。結城、私は伊織を回収して下がる!」
「真次君は手ぶらでいいのかい?」
「へっ、アンタ相手に考えた結果だぜ。振り回しても牽制にならねぇんだからな!」
真次君と明彦君は見事なコンビネーションで俺に後衛を狙わせないように動く。この2人にならもう少し強めに当たっても良さそうだ。…岳羽さんは萎縮しちゃって攻撃のタイミングが掴めてないな。まぁ人に向けて射つなんて経験無い方がいいに決まってるんだが彼女はそうも言ってられない。
「やべぇ!抜かれた‼︎」
「くっ、間に合わんか…」
2人をいなしまごついていた岳羽さんを投げ飛ばそうと近づいた所マコト君が割り込んで来た。
「いらっしゃい」
「しまった⁉︎かはっ…」
「結城君!」
「ほら、気を抜いた」
「きゃっ⁉︎」
「これで残るは3年生だけ。さぁ、どうする?」
「センパイ、アンタ年々悪役が板について来てやがるな…」
「くっ、時間稼ぎも出来んか…。美鶴、来れるか?」
「…せめて我々の足掻きを彼らが観れるよう整えて構いませんか?」
「ああ。見ることも大事だからね。ダメージが残る様にしちゃあいない、投げられた3人は観てるといい」
マコト君にはこの状態を見て各個撃破されていく時どうすればいいか少しでも考えて欲しいね。倒せない相手に出会った場合なんてこれから先あるだろうし。
「な、なんだかわかんねぇ内に投げ飛ばされちまったよ…。ホントに目が回るんだな…」
「…私も何も出来なかった。それどころか、順平、結城君足引っ張っちゃってごめんね」
「…闘ってる時に周り見るのって難しいんだな」
「僕も釣り出されちゃったから何も言えないよ。リョウスケさんは周りをよく観てるよ。ゆかりがパニックになったフォローを上手く読まれちゃった」
「…ひょっとしてあの場面って私を見捨てるのが正解?」
「マジかよ、えげつなさすぎんだろ⁉︎」
「…かも。助けようとして2人やられちゃったからね。それなら大人数で隙を見て態勢を整える方が良かったのかな?」
「…隙、あんの?」
「…シャドウの方が優しいかもね」
「そりゃあお手上げ侍だ…。あ、真田先輩も投げ飛ばされた」
「うわ、桐条先輩レイピア持って…って、距離詰められちゃったよ⁉︎」
「…あの人怖くねーのかな?」
「…多分僕たちなんかよりすごい人と稽古して来たんだと思う」
「け、けどよ俺たちにはペルソナがあるんだぜ?」
「コッチで出せればでしょ?…葛葉先輩ならそれでもなんとかしそうだけどね」
「うわ、荒垣先輩と真正面からやり合ってる。最後まで残った方がスゲーよもう」
「(なるほど、エリザベスが気合入れる訳だよ)…負けてられないな」
「うわ、あっという間に三年生まで片付いちまった…」
俺と三年生組がやり合ってる様子をぼんやりとでも観れたかな?まぁ個人の強さなんてたかが知れてる、重要なのは立ち回り。シャドウも悪魔も相手に行動させない事、そうすれば闘いの主導権を握れるって事分かってもらえただろうか。さ、反省会と個人トレかな?
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