葛葉家に生まれ落ちてたんだが…   作:ぎっしり腰

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3回目ワクチンは無事に乗り切ったので初投稿です


ヤツは来る

訪れた影時間が終わる時。それももう潜って2回目ともなれば休憩したとはいえ消耗は隠せない。だからって助けに行かない理由にはならないけどな。

 

「もう少しか⁉︎」

 

「逃げてるから仕方ないけど…ルート選定が的確過ぎるな」

 

「全くよ‼︎」

 

「ヨシツネ、先行してくれるか?」

 

「切込隊長は俺っちのシゴトだよなぁ⁉︎任せろい‼︎」

 

「俺たちは集まるシャドウ共を後ろから削って行く‼︎」

 

「オッケー!」

 

「分かったわ!」

 

「頑張るホー‼︎」

 

 

単独でも十分過ぎるほどの戦力となりスピードも申し分ないヨシツネを先行させて何とか被害が出ない様にしたいんだが…。

 

「まずいわ…この先行き止まりよ‼︎」

 

「追い詰められちゃったホー⁉︎」

 

「お前たちもヨシツネに合流してくれ。俺は遅滞戦略を採る。ま、まだアイテムはたっぷりあるし、頃合い見て合流するさ」

 

「…気をつけてね。ラクカジャ」

 

「ええ、信じてる。タルカジャ」

 

「オ、オイラも何かやるホー!ディアラマ」

 

「助かる」

 

 

この先が袋小路なのに対して通じる道が複数有るのは厄介だ。仕方なく対応力が一番高い俺1人で敵の数を減らす選択を採るしか無かった。

 

『おいおい、ワレを忘れるでない』

 

「…すまんな、手数って意味じゃどうにもならんだろ?」

 

『ふん、この程度の有象無象に手数など必要あるまい。波に飲まれそうなら更に大きな波を生み出し飲み込んでしまえば良い』

 

「…簡単に言ってくれる」

 

『如何に此奴らがどれだけ居ようと関係あるまい。ワレは若輩とはいえ破壊の権化よ…、ワレの真髄は一心不乱の大破壊。正に万物を屠る者よ‼︎』

 

「分かった。そこまでいうならもっと引き付けてやるぞ?」

 

『カカッ、それでこそワレの宿主に相応しい。ヌシにはもそっとふてぶてしくなって欲しいものよ』

 

 

ヴィローチャナに乗せられてしまったか?確かに尻込みし過ぎていたか。単純に強さだけでどうにかなる世界じゃないとは思っていたが力で何とかなる部分が有るのも事実だったな。安全マージンを大きく取り過ぎる様になっていたらしい。

 

 

「引き付け過ぎたか?」

 

『カカカカ、この程度肩慣らしにしかならん。ワレの手の内よ』

 

「そうか、そろそろタルカジャも切れるな。行くぞ‼︎」

 

『任せい、ギガントマキアァァァァ‼︎』

 

 

俺自身がいい具合に()()出来ていた。タルカジャによる攻撃力のバフも相まって通路に所狭しと押しかけてきていたシャドウは殆どが消し飛んだ。中には物理に耐性を持つ奴もいたはずだが…

 

 

『カカ、無効や反射ならいざ知らず、耐性程度でワレの一撃を堪えられる訳無かろう。しかし、ワレが単独で顕現しておる時よりも気持ちの良い一撃であった。なる程、ヌシとの相乗効果とはこういう事か。面白い』

 

「ハァ、ハァ、ハァ…。ふぅ、さすがだなヴィローチャナ。あれだけいたシャドウもほとんど消し飛んでる」

 

『当然よ。ヌシもいつぞやに比べて消耗も減っておるではないか。中々に鍛錬を積んでおる様だの』

 

「まぁな。目標となる奴らと真正面から戦うってんならまだまだ足りないけどよ」

 

『…まぁ、真なるワレに挑むのなら当然よ。フフフ、真楽しみよ』

 

「高い壁はいくつも有るなぁ…。さ、アイツらの所へ向かうぞ」

 

『ムゥ、もう暫し感傷に浸らせてくれても良いものを…』

 

「まだこれからだからな。頼りにしてるぜ」

 

『フンッ』

 

 

とりあえず目の前の通路を通ってきていたシャドウは片付けた。他のルートから流れ込んでくる分の処理をしないとな。…チッ、反動は流石に重たいが回復でなんとかなる、急ごう。

 

 

 

剣戟や魔法の破壊音が聞こえてくる。もうそこだな。…あーシャドウの群がりっぷりで分かるなこりゃ。

 

 

「よい…しょっとおぉ!」

 

ヴィローチャナの振り下ろしによって仲魔との間に道を作り合流する。何とか間に合ったな。うん、この場所なら守りやすい。

 

「リョウの字‼︎」

 

「お待たせ。ピクシー、デカいの頼む。ウズメは回復してもらえるか?」

 

「オッケー‼︎まっかせてー、メギドラ‼︎」

 

「全く、ディアラマ!ほら、もう大丈夫でしょう?」

 

「助かった。さぁ、ここから先は通さんよ?っと、あー、大丈夫かい?」

 

いけないいけない、安否の確認はしとかなきゃならん。

 

「な、何なんですか⁉︎ここは⁉︎貴方は⁉︎私が何をしたって言うんですか‼︎」

 

「ふむ、ここはタルタロス。まぁ月光館学園に()()()()()()()で居る事、かつ適性…と言えば良いのか?まぁ霊感見たいなモノを持ってるならば迷い込んでしまう異空間って所だな。俺は葛葉リョウスケ。こう言う()()()()()を解決する専門家…のヒヨッコかな?コイツらはそんな俺の愉快な仲魔達さ」

 

「葛葉…リョウスケ先輩⁉︎あの先輩ですか⁉︎」

 

「…親族以外に葛葉姓は知らないから多分()()()()だな。そして君()なにもしていない。が、コイツら、シャドウって言うんだけど、どうやら君に用があるらしい」

 

「…捕まったらどうなるんですか?」

 

「コイツらなら…まぁ、良くて無気力症候群患者。最悪は…」

 

「ヒッ⁉︎」

 

「しかし、良く逃げてたよ。良くやった。君が逃げていたから俺たちは間に合ったんだ。…名前は?」

 

「や、山岸風花です…。こ、怖かったんですよ…」

 

シュミの悪いお化け屋敷に10時間くらい1人で正に命懸けの鬼ごっこ。そりゃ精神も擦り切れるな。

 

「まぁ、何はともあれ合流できたんだ。…コッチの世界で大凡12時間、向こうじゃ居なくなって3日目、いや、4日目だな」

 

「4日も⁉︎」

 

「まぁ、聞きたい事は山ほどあるだろうが、こんな現象分かってない事の方が多い。それにココは専門のチームも有るからな。何にせよ説明は出てからにしよう。さぁ、飲み物と軽食を用意しておいた。少しずつでも良いから摂るように」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

「さ、もうひと踏ん張りしますかね」

 

 

山岸風花ちゃんと合流し、一息つかせることができて俺もホッとした。このまま何ともなきゃ良いんだが…そんなうまい話、無いだろうなぁ。

 

 

シャドウの襲撃も落ち着きを見せ始め、影時間の始まりまであと30分といった所、落ち着いた事により周りの状況を知る余裕ができた風花ちゃんから声がかけられた。

 

「…あの、この音ってなんですか?」

 

「音?」

 

「はい、なんていうか…金属を、引き摺る様な音…聞こえませんか?」

 

「…例えば鎖なんて引き摺ったらそんな音鳴りそう?」

 

「ああ!そうですね鎖です!…何か知ってるんですか?」

 

「今からもうすぐ一番めんどくさいのが来る。あと30分。あと30分でまた現実世界と影時間が交わる。その時までもう少しじっとしててもらえるかな?…君の事を気にかける余裕が無いかもしれん」

 

「…何が来るんですか?」

 

「一言で言うなら…『死神』だな」

新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します

  • クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
  • キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
  • ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
  • ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」
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