葛葉家に生まれ落ちてたんだが…   作:ぎっしり腰

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一足先に新生活始まっているので初投稿です


浮き彫りになる課題

「……!!!!」

 

戦闘態勢に入った刈り取る者は奴のアイコンと言っても良い手にした長い銃身のリボルバーをこちらに向けて放つ。予備動作と方向が分かり易いからなんとか避けられたが中々ヤバそうな威力を感じるな。それに、射線に気をつけないとダメそうか。まあ、行き止まりまではまだ少しある位で接敵したから大丈夫だとは思うんだがな。

 

 

「こりゃ固まらない方が良いな。各自散開しつつ嫌がらせだ」

 

「まーかせるホー!」

 

イタズラをさせれば陽気な妖精フロストは一級品。()()しにくいだろう?

 

とはいえあのマスケット、振り回すだけでも凄い威力だな。

 

 

「懐かしいねぇ、この感じ。バチバチに殺意を向けられる…くぅ、痺れるぜ」

 

「ヨッシー、あてられてるんじゃないのよ!ったく」

 

「悪りぃ悪りぃ。青い嬢ちゃんともアスラの旦那とも違う、コッチを殺すって意思しか感じくてよ、ついアガっちまった」

 

「そりゃコイツは人間に降り掛かる突然の『死』を具現化した様なヤツだからな。感じる意思なんてそれくらいだろうさ」

 

「ま、何だって構わねぇよ。俺っちはこんな奴が相手で満足してるぜ?」

 

「おいおい、倒すのが目的じゃないぞ?」

 

「全く、落ち着きなさいよね」

 

 

しかし、実際に対峙するとコイツの強さが分かるな。純粋に強いってこんなに厄介なのか。ありとあらゆる属性魔法に加えて広範囲の物理攻撃…、こっちに状態異常を仕掛けてこそ来ないだけまだマシってとこか。更に言うなら弱点らしい弱点が無いのも面倒だ。隙を作ろうにもコツコツ体勢を崩す位しか無さそうなのがな。

 

 

 

 

「ちっ…。中々痛いな」

 

「メディラマ!大丈夫リョウスケ君」

 

「助かる。ああ、ガードしてもこのダメージだから侮れないな」

 

「しかもタフだもんね…」

 

「だよなぁ。何とも攻撃が荒いから酷いことになって無いが…正直決め手に欠けるよな」

 

「硬すぎるぜ…。ったく、終わりが見えやしねぇな…」

 

 

闘いが始まってからというもの、大きな動きはあまり見られなかった。刈り取る者の攻撃はよっぽどタイミングや体勢が悪くなきゃそうそうに当たりはしないが、俺たちの攻撃も中々ダメージとして通らない。誰かのセリフじゃ無いが何とも言えない感情になるな。

 

 

「こりゃこの時間内に倒し切るのは無理だな」

 

「ちっ、仕方ねぇか」

 

「……そうね」

 

「ああ、俺たちの攻撃力不足だ。加えてコンディションも条件も良くない。方針を切り替えようか」

 

 

格上というかシンプルに強い連中に勝ち切れない事が続く。俺の精進が足りてないのは間違い無いが、新しい仲魔を考えないといけない。…どうにも感傷的になり過ぎてその事を無意識的に避けてたのかもしれない。封魔管が貴重ならそこを()()()()()()()。それだけの話だったんだが、中々踏み出せなかった。特にこうしてコミュニケーションを重ねた仲魔だと思うと余計にな。

 

 

っと、危ない。今はぼんやりしてる余裕なんて無かったな。考えるのはこの後。

 

 

「大丈夫?変なとこ当たった?」

 

「いや、大丈夫。ダメージは無い。らしくもなく戦闘中に意識を別のところにやってしまったのさ」

 

「おうおう、油断だぜ、そりゃあ」

 

「分かってる。ふぅ、こっちの状況は?」

 

「俺っちはまだまだイケるぜ」

 

「アタシは魔法もう少しで売り切れー」

 

「私も」

 

「オイラもホー」

 

「…影時間に再突入まであと3分。大バーゲンでちょうど良さそうか」

 

「隊列は?」

 

「俺が後。他は前だ」

 

「了解!」

 

「さぁもう一踏ん張りだ」

 

 

俺が後衛に回って刈り取る者の攻撃始動に合わせて銃撃する事で阻害を狙う。後は薬だな。妙さんの不思議な元気の出る薬はなんでか仲魔にも効果が有るのは助かる。まだ種類も効果も全然無いんだけど、手段として選べるだけありがたい。

 

 

 

「そ、そろそろです‼︎」

 

突入時刻まであと少しと言うところで約束通り風花ちゃんが声をかけてくれた。

 

「い、行きます‼︎えいっ‼︎」

 

力みに力んだフォームから投擲された手榴弾はどう見ても届きそうに無い。

 

「あっ…」

 

そんな声と共に手榴弾は俺の目の前に。下がっておいてよかったな。

 

「あー、ナイスパスって事で。ほれ、おあがりよ」

 

仕切り直しとして俺が投げつける。中身は特製の()()()()だ。なんでも粘性だけなら車だって抜け出せなくなるらしい。…なんでそんなモン一介の科学者が趣味で作ってるんだよおっかない。

 

「ナーイスショット‼︎」

 

「ひえー、ありゃ食らいたくねぇな」

 

「よーし、お前ら…逃げるぞ!」

 

「スタコラサッサホー!」

 

「えっ、えっ⁉︎」

 

「ほら、貴女もボーッとしてないで…逃げるわよ。もう、ヨシツネ君よろしく」

 

「ほれ、嬢ちゃん舌噛むんじゃねぇぞ?」

 

「………!!!!」

 

トリモチ爆弾で絡め取れる時間がどれだけ有るかは分からないから一目散に俺たちは逃げた。頃合いとしてはちょうど再突入の時間だが…?

 

 

「な、何か…へ、変でふ‼︎…痛っ」

 

「おいおい、ホントに噛んじまったのかよ。嬢ちゃん大丈夫か?」

 

「よし、全員ストップだ。そろそろ再突入らしいな。さて、どこに出るかな?」

 

 

ゴゴゴゴゴ………

 

タルタロスは地響きをたてながらその容貌を変化させていく…。

 

「見覚えある奴いるか?」

 

「うーん、多分上の方だと思うんだけど…」

 

「とりあえず階段探すか…」

 

「葛葉さん‼︎さっきのヤツが来ます‼︎」

 

「チッ、思ったよりすぐ抜け出して来やがったな」

 

「あっ、反対方向から誰か来ます‼︎」

 

「マジか…って。助かったぞ風花ちゃん。コレは知ってる気配だ」

 

「リョウスケさん⁉︎それに君は…すごい状態だね」

 

「こ、これは⁉︎違っ、降ろして下さい!」

 

「いんや、どうせまだ走らなきゃならんだろ?なぁリョウの字」

 

「ま、もう少しだから我慢してもらおう。マコト君、出口分かるね?」

 

「あー、はい。行きましょう」

 

「ゴメン、急ぎで頼む。ちょっとめんどくさいのに追っかけられててさ」

 

「………!!!!」

 

「やべ、来た」

 

「何ですかアレ⁉︎コッチです‼︎」

 

 

なんとかなりそうかな。いや、良いとこで来てくれたよホント。さて、とりあえずは色んな報告からかな?

 

 




ドロン玉ってどんなものだろうと思えばこういうグッズかなぁと。トラフーリとはまた違いますね。

新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します

  • クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
  • キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
  • ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
  • ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」
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