俺たちはマコト君のお陰でなんとか通常のタルタロス領域へと帰ってこれた。
「いやぁ、流石に疲れたよ。まだまだ見積り甘かったね」
「…ひょっとしてリョウスケさん、2日前から?」
「お、こうして言われると時間軸のズレを実感できるなぁ。たしかに俺は6月6日に影時間へと入ってから外に出ていない」
「なんだか含みのある言い方ですね…」
「俺は10時間ちょっと。少なくとも12時間以上動いていた訳じゃない。それに、あの子…山岸風花ちゃん、ペルソナで
「まさか、それを調べるためにずっと入ってたんですか⁉︎」
「もちろん根底は救助目的さ。あとはいつも通り現世と繋がる時間帯じゃあ見つからなかったってのもあるけど」
「…どうでしたか?」
「中々、いや、大分キツいね。一番は最後追っかけて来てた
「エリザベスに気を付けろと忠告されていました…、ハッキリと理由がわかりましたよ」
「ま、今はそれが分かるだけでも十分さ。俺だって倒し切れなかったから隙作って逃げて来たんだし」
「リョウスケさんでも勝てないんですか⁉︎」
「そりゃいくらでも居るさ。勝てないって分かってるならそういう戦い方をすれば良い。死ななきゃ安いさ」
「死ななきゃ…安いですか?」
「何でもかんでも1人で出来る事なんてしれてるのさ。たしかに俺は君らより強いかもしれない。けどそれでどう変わるかって言えば選択肢が増える位のもんさ。…ま、
少なくとも命を使わない選択肢を持ってくれない事にはこっちがどれだけ動いたところで無駄になりかねない。これは俺からの課題…かな?
「…」
「よし、ここまで来れば入り口まですぐだな。ほれ、風花ちゃん、大丈夫か?」
「う、うーん。ここは?」
「ここもタルタロスさ。ま、普通のね。で、なんでマコト君だけコッチ来たの?」
「手がかりから体育館で張ってたんです。そしたらあんな所に」
「なるほどね。とりあえずロビーに行くか。動きやすいだろ」
「そうですね…」
俺たちはエントランスに向かってどんどん降りていく。…しかしなんだこの違和感。どうにも嫌な予感がするが、脱出しない訳にはいかない。虎穴に飛び込むしかなさそうだな。
「ここが出口ですか?」
「…来たな」
「リョウスケさん?」
「葛葉さん?」
「どうやらすんなり返してくれる気はないらしい。全く、俺は早くゆっくりしたいのに」
「結城‼︎無事だったか!」
「結城見つかった…ってええ‼︎何でセンパイがここにいるんすか⁉︎」
「その話は後。ほれ、来るぞ」
「へ?」
うっかり変装の仮面を忘れてたお陰でバレてしまったがまぁいい。いつまでも隠すつもりも無かったしな。それよりアルカナシャドウのおでましだ。
「な、なんだよコイツら」
「さぁ、マコト君。
「…僕たち3人でやらせてください。僕の…僕たちの相手です」
「な、何なんですか⁉︎さっきのとは違う?」
「アレはそうだな、このタルタロスに満月の日現れるトクベツなシャドウってところだな」
「順平、真田先輩来ます!」
「指示は任せたぞ結城」
「お、おう!やってやるぜ!」
マコト君はアルカナシャドウを自分達で何とかする事に決めたようだ。コイツらは確か…『エンペラー』と『エンプレス』だっけ?なんか厄介な事あったっけな?
「っしゃあ!何だコイツら、弱点ばっかりじゃねーの?」
「これならさっさと決めるか。結城!タイミングは⁉︎」
「よし、こっちもダウンを…」
「ダメです‼︎」
「ええ⁉︎今行けそうだったじゃん…って」
「なるほど、よく分かったね風花ちゃん」
「リョウスケさん?」
思い出した。コイツら弱点入れ替えて来るんだったな。…ん?エントランスから走って来るのは…誰だ?後から追いかけて来るのは美鶴ちゃんか。って事は風花ちゃんをいじめてた連中の1人かな?
「風花!」
「あん、あの子って確か…」
「森山さん⁉︎どうして…」
「くっ、危険だ!」
「おいおいやべぇんじゃねぇの⁉︎あの子見えてねーのかよ⁉︎どうすんだよ結城!」
「
さすがに一般人…いじめの主犯としても…が巻き込まれることになるのは不本意だ。そう思い手を出そうとした時だった。俺が思うより早く風花ちゃんが飛び出した。まさか…ここで覚醒か?思い当たるフシが有る俺はいつでも飛び出せる様に備えながら事態を見守る事にしよう。
森山夏紀という少女は風花ちゃんをいじめてはいたものの実際に行方知れずになり、更にはいじめに同調していた友人達がどんどん事故に遭うなんて境遇に遭ったらしい。思いの丈を吐露していき、風花ちゃんに謝った所『エンプレス』と『エンペラー』は森山さんを盾にするかの様に位置取りを変えてきた。
「ふざけないで…、貴方達の好きになんかさせない…。私のこの力で皆んなを守る…お願い『ルキア』‼︎」
「ま、マジかよ⁉︎」
「そうか、彼女も能力者だったのか」
「すごいね。これで戦いも少しは有利になりそうかな」
「…皆さん、私の『ルキア』は相手の弱い所が分かるみたいです!効果的な作戦を お願いします!」
やるじゃない。気弱な子かと思ったけど、一本芯が通っていた様だ。ペルソナに覚醒する輝きはなんとも惹きつけられる。…それはもちろんニンゲンだけじゃない。ココロの輝き…まさしくマガツヒ大爆発だ。
「フフフ…ササゲヨ…ササゲヨォォォ…!!!!」
「おいおい、お呼びじゃないんだよ。それに…変身シーンは手出し無用だろ?」
天使の群れが湧いて出てきた。無粋な連中だ…メガテン世界においてコイツらだけは野放しにしておかない方がいい種族の筆頭だからな。
「全くだぜ…。俺っちもいい気分だったのによぉ…」
「ほーんと。せっかくこれからってトコロなのに…」
「ま、場を整えるのも俺たちの役目って事で。鬱憤はコイツらで晴らさせてもらおうじゃない」
そう仲魔達に告げ俺たちはシャドウと戦いを続けるマコト君のチームを標的にした天使達を倒し始めた。
『水差しに遠慮はいるまい?』
どうやらヴィローチャナもご立腹らしい。注意が逸れているうちに決めよう。
「『万物屠り‼︎』」
「いよっしゃあ!!」
俺が大技を出し殲滅を終えたのと同時に聞こえてきたのは順平君の戦いを終えた歓声だった。
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
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クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
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キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
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ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
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ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」