こちらから切り出した事もあって随分と空気は穏やかになったかな?脅したけれどフロストが気になって仕方ない女子高生達、扇情的()なウズメのことが気になる男子高校生も居る。…ヨシツネに挑む2人も見える。ま、どんな形であれ悪魔って存在を正しく知ってもらうにはちょうどいいか。
「リョウスケちゃん、ペルソナに目覚める子達って図太いのかしら?」
「まぁ、精神的にタフなのは違いないんじゃ無いか?」
「それともイマドキの子達だからなのかしら?」
「さぁ、この子達だから…じゃないか?」
「リョウスケさん、少し良いですか?」
ピクシーと話をしているとマコト君から声をかけられた。
「どうした?何か聞きたい事でも?」
「うん。リョウスケさんは何となく僕とココの関係が分かってるんですか?」
ズバッと来たなぁ。まぁ、予測とある程度の調査結果、…
「僕がこの街に来てから不思議なことが多過ぎます。…リョウスケさん、僕しか知らない人間が居るって言ったら信じてくれますか?」
マコト君しか知らない…?そうか、『ファルロス』が前に現れた頃合いだったか。随分とニュクスも動きが活発になって来た様だな。
「そうだな…、ベルベットルームを知るお互いだからこそ自分にしか見えない存在が居るって話を否定は出来ない」
「フフッ、確かに。あ、リョウスケさんは知ってるかな?…僕たち客人がベルベットルームに訪れてる時って周りから見るとボーッとしてる様にしか見えないんだって」
定番のアレだな。ベルベットルームなんて精神世界へとアクセスしてる訳に加えて時間の流れも違うんだから当然起きてる現象なんだろうな
「あー、悪い、俺の場合肉体ごとベルベットルームのある異界へと直接訪れてるんだ。だからハタから見たってのが無いんだわ」
「ええ⁉︎…なんだかズルいような?」
「うーん、俺が言えた事じゃ無いんだが、通常の世界と違った次元に慣れるってのは良くないんだよ。特にベルベットルームなんて精神と物質の狭間の世界。中途半端なマガツヒ保有で直接訪れるとそのまま世界の構成に還元されちゃうかもしれん」
肉体の強さと精神の強さは一致する事の方が多いんだが、どちらかの強さが突出した場合感覚が強い方に引っ張られてしまいかねない。その感覚で下手をこいたら…ゾッとするね。
「そう聞くと結構リスクなんだ?」
「まぁ、客人としての資格を持つ位なら精神は大丈夫なんだ。だから精神だけが招かれてるとも言えるんだけどな。ま、俺の場合は色々な要因もあって肉体レベルが底上げされてるからこそ許されてるのもあるんだけどな」
「…そういえばリョウスケさんのペルソナって?」
「俺のペルソナか。それに関しちゃ俺との手合わせで実際に使う所まで追い込んでもらいたいね。ま、この間チラッと見たはずなんだけどな」
「『刈り取る者』への時‼︎確か、あの時感じたのは力強さと反抗心。後は…慈しみ?なんていうか敵いそうにも無い位の力を感じたけれど何処となく優しさを感じた気がする」
すげぇな…。ほぼほぼ完璧に感じ取ってるじゃねーか。
(だってよヴィローチャナ)
(五月蝿いぞ…)
「ククッ」
「どうしたの?」
「いや、どうにも小っ恥ずかしかったらしい」
「??」
ま、ヴィローチャナは厳密にはペルソナじゃないからな。ペルソナは内なる自分の具象化で実際に意思を持った動きを見せる事はあんまり無いが、ヴィローチャナは同居人みたいなモノだしな。
「…良く分かんないけどまぁ良いです。あ、そういえば僕が来る前ってどんな感じだったんですか?」
「ああ、影時間が閉じた後の話か。今思い返しても寒気がする様な世界だったな」
「寒気…?」
「まず、タルタロスの階層によって分けられてたっぽいシャドウの分布、コレが役に立たなくなったな。これは俺のせいかもしれないからなんとも言えないんだが、悪魔の現出も有ったしな」
「ここでも悪魔ですか…」
「現実世界とのリンクが切れてる分悪魔も入り込みやすい状況なんだろうと思う。まぁ、一般人よりマガツヒ放出量が比べ物にならない俺やペルソナ使いが留まらない限りはそんな事無いと思うんだけどな」
「…」
「そんな訳だ、余りギリギリまで残らない様にな。幸い、風花ちゃんのペルソナ…『ルキア』は探索に長けてるって話じゃないか。大事にしとけよ?」
「…はい」
どうにも気がせいてるな。仕方ない、分かりやすい目標を見せておこうか。
「…この間倒した事で全部で4体。満月の度に現れるアルカナシャドウはいつが打ち止めだと思う?」
「えっと、偶に複数現れる事を考えたら…」
「そう、そんな遠い話じゃないだろ?とはいえこれから先、どんどん強い相手が増えてくる。…ま、今のところ言えるのはこれくらいだな。もう少し聞きたいのならチカラを見せてくれ。今度は仲間と一緒で構わないさ」
まだ迷いが晴れたようでは無いが時間が必要な事だからな。もどかしいかもしれないがこれ以上俺が出来ることも無いか。今のところはマコト君が仲間たちと成長する事を願うばかり。
「ありがとうございました」
「どうだい、活動部の雰囲気は」
「まだまだな部分も有りますが…今はチームとして動けているのでは無いかと思いますよ」
終わり際に美鶴ちゃんへと話しかける。
「そもそもが特殊な力、対応できる能力が有るってだけの高校生に身体張らせるのがおかしいだけさ。この分野において一日の長がある人間が1人くらい味方しても良いだろう?」
「…ええ、助かります」
「…そろそろ
「…今でもどこか信じたいと思ってしまう私は弱いのでしょう」
「迷うのは大いに結構、その迷いが晴れた時、人のココロは前に進める。
「クスッ、そうですね。私も桐条の一員としてそれくらい強かでありたいものです」
「なれるさ」
「ふふ、では期待に応えねばなりませんか」
「そうだな、授業料として見届けさせてもらおうか」
そう告げ俺は仲魔達を回収し立ち去る。俺とだけでなく活動部のメンツ同士も親睦が深められたんじゃなかろうか。満足気な俺は軽い足取りで帰路へと着いた。
「全く、ズルいお人だ…」
美鶴ちゃんの呟きは俺には届かなかった。
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
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クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
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キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
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ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
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ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」