葛葉家に生まれ落ちてたんだが…   作:ぎっしり腰

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試練は唐突に訪れる

「お、エリザベス、お腹は空いてるか?ちょっと買い過ぎちゃってな」

 

「それはいけません、食べ物を粗末にする事は何よりも忌避すべき行いですから」

 

「相変わらずパワフルだなぁ。ま、それでこそエリザベスだわな」

 

「??褒められていますか??ならばお礼を言って差し上げましょう」

 

「あー、あと言いにくいんだけどラヴェンツァ、マーガレットさん、花火って今日じゃなかったみたいなんだ…」

 

「くすくす、わかっておりますとも。今日ではありませんでしたわね、またその日は招いていただきますよ?ラヴェンツァもよろしいですわね?」

 

「ええ、これ以上リョウスケ様に甘えてしまっては流石に無粋というものです」

 

「メアリも悪かったな、お詫びってわけじゃないがこっちの世界の東京と元の世界と何か違いがあるか教えてもらえないか?」

 

「ふふ、私も従者の嗜みとして把握しておりましたとも。それにこの街についてはまだ知りたいこともございますのでぜひお誘いください」

 

「そうだな、その時を楽しみにしてるよ。お、テオも食べてるかい?」

 

「ええ、いただいておりますよ。以前の催しでは私の手土産がお気に召していただけなかった様でしたので、不作法ではありますが手ぶらで参加させていただいております」

 

「そんなに固く考えなくても構わないさ。俺こそそっちのみんなには世話になってるからそのお礼ってのも兼ねてるんだし。…まぁあんな形容し難いナニカを持ってくるのはやめてくれた方が助かる」

 

「ふむ、そういえば姉上たちも最近はあちらのモノよりもこちらのモノを所望する頻度が増えているような?」

 

「色々と興味がでてきたのかね?それならそれでテオも色々試してみるといいさ」

 

 

 

行き当たりばったりな対応をしてしまった部分もあったけど姉妹の優しさに助けられたかな?とはいえ嘘をついてしまったのは事実だし早いところ本当にこのビルから観れる花火大会探さないと俺の気がすまんな…

 

 

 

 

 

 

ふとした時俺は本当に異世界でシャドウと戦えるのか不安を覚えラヴェンツァに相談してみた。いわば俺はシミュレーターばっかりやってる訓練生とおんなじだからな。本当にふと思っただけでそこまで深い意味を持たせるつもりは無かったんだ。なのに、なぜ俺はメメントスにいるのだろう…

 

 

「ご存じの様ですが、こちらはメメントスと我々は呼んでおります。ここがいつから存在しているのか私たちも把握しておりません。おそらくではありますがここは人の集合無意識が集まる事によって形成されているのではないかと私たちは考えております。何せここ東京という街は人がよく動きますので…」

 

「…俺はここの浅い所で実戦をしろって事かい」

 

「ええ、理解が早くて何よりです。と、申しましてもリョウスケ様にとっては初陣でございますので、少々お膳立てさせていただきますのでご安心ください。それでは初めてください」

 

 

!!おいおいこれが人生初エンカってかぁ?相手は……ピクシーらしきシャドウが三体か、落ち着け俺、いくら相手が殺す気だろうとエリザベスの圧にくらべりゃなんて事ない!!

 

「きゃはは、ジオ!」

 

「くっ、ゲームとは違う技も使うか。けど想定内だぞ…ここだ!」

 

思ったより手応えは軽かったが難なく一体を撃破できた。しかしまだ戦いの中でペルソナの力を使う余裕も無いな。仕方ない、もう二体もこのまま体術で押し切る!

 

「きゃーっ!」

 

あと一つ!これで最後だ!

 

「つまんなーい」

 

断末魔?を上げて最後のシャドウが姿を消していく。振り返ってみれば随分格下の相手だったのだろう、しかし必要以上に消耗してしまっている…

 

「お見事です。安心ください、貴方は確実に強さを身につけています」

 

「は、はは。やっと実感が持てたかもしれないかな。けどその分足りないところも見えたよ。一人で行動してる分安全マージンは多く取るべきだし、そのためにもペルソナの発動にもたついてちゃ意味がないんだ」

 

「ふふ、今の段階ではそこを自覚できているだけでも十分です。たしかにお一人で戦闘をなさる上でのスキは致命的とも言えますがそれもこれからの訓練次第というものです。何より初めから全てこなせる様では私たちも協力しがいがありません」

 

「あぁ、そうだな、まだ焦るところじゃないか。まだまだよろしく頼むよ」

 

「では反省会と参りましょう。先の戦闘の様子はお姉様方もご覧になっておりますのでベルベットルームへと戻りますよ。伝え忘れておりました、現状メメントスへのアクセスは私たち姉妹の誰かを伴っていない限り制限させていただきます」

 

「そりゃあそうか。俺自身異世界へのアクセス方法ないもんな。それに一人で倒れでもしたらどうしようもないしな」

 

「ええ、私たちが見守っている限りそれほどの危機に陥る事はそうは無いと思いますが、現状一人で挑むには無謀が過ぎるというものですから」

 

「そうだな、その辺はまたお願いすることにするよ。とりあえず反省会に赴くとしますか」

 

 

ベルベットルームに戻ると満足そうなマーガレットさんと対照的に不満そうなエリザベスに出迎えられた。なんでもマーガレットさんの想定より動けていたって言う事が嬉しかったらしい。しかしエリザベスとしてはいつもやってる模擬戦でもさっき程のキレを見せて欲しいとの事だった。それはまぁ今後に期待してくれとしか返せなかったなぁ…

 

 

 

 

 

 




ヤルダバオトが悪神として力を蓄えられたという事はメメントス自体は随分と以前からあってもおかしくないので登場です。しかしソロパーティでヒーラーも居ないのであんまり修行に適していません

新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します

  • クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
  • キクリヒメ…ウズメ「私の上位互換…」
  • ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
  • ヌエ…フロスト「食べられちゃうホ?」
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